2007年03月09日
『ゴールドパンサーズ』 - とんでもない日本サッカー強化計画
山田玲司 『ゴールドパンサーズ
』 小学館(2002) 全3巻
日本サッカーを強くするにはどうしたらいいだろうか。本作は、日本人の天才サッカープレーヤー豹童乱が、壮大かつ人でなしな方法で日本サッカーの強化を目指す物語である。
病気により右足を失うことになった豹童は、サッカー強豪国の女性と次々に「交渉」し、世界各地に11人の隠し子を作る。自分の才能と世界各地の遺伝子を受け継いだ子供たちにチームを結成させ、日本サッカーをレベルアップさせるのが目的だ。驚異的な産み分け術で(?)、生まれた子供は全員男の子だった。
15年後、豹童の協力者に呼び集められ、息子たちは日本で一堂に会する。世界の様々な境遇で育った彼らは、サッカーに対して異なる想いを抱いている。もっと大切なものを抱えていたり、父を恨んでいたりなど様々だ。そのためチームは結成されず、高校サッカー部を追い出されて行き場のない長男の鋼斬駆と、彼の理解者である高村虎次郎が全員を説得して回る。
その過程で明らかになる兄弟たちの物語は、多彩な悲劇に満ちている。一人、また一人と兄弟が打ち解けていくシーンを読むにつれ、イレブン結成が待ち遠しくなる。
しかしここにいたるまでが長すぎたのだろうか、仲間集めが始まって早々に、連載が打ち切られたようだ。まとめて読むと中盤からぐっと面白くなるだけに惜しい。
最後に、11人の境遇や生まれた国を記しておく。こんな設定が成立するワールドワイドなスポーツは、サッカーだけだろう。
【豹童の息子たち】
※名前が日本名なのは、彼らが全員12歳までに日本に移住し、それぞれ異なる家庭で養子として育ったため。
◆鋼 斬駆
日本の高校に通う高校生(アルゼンチン)
◆高村 虎次郎
元フランスリーグジュニアユースの天才FW(フランス)
◆尾形 滋
日本の少女フィギュアが好きなオタク(ナイジェリア)
◆風間 晴仁
街の治安を守る私設組織のリーダー(ドイツ)
◆津波 他名人
326風のイラストと詩に加えて油絵も描くロマンチスト(スペイン)
◆金沢 印火
医学部を目指すテコンドーの達人(韓国)
◆神邪 院抱
アル中の怪しい占い師(中国)
◆南条 陸花
もてもてバンドマン(イタリア)
◆鳥海栄慈
地球環境を憂えるお坊ちゃん(ブラジル)
◆仁大 路地
子持ちのボクサー(イギリス)
◆鷹寺 太陽
ヤクの売人(コロンビア)
■初出:『週刊ヤングサンデー』小学館(2001~2002)
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『ゴールドパンサーズ』
【ストーリー】
かつて「ゴールドパンサー」と呼ばれた伝説の日本人ストライカーがいた。病気で右足を失うことになった彼は、サッカー強豪国の女性を相手に、11人の隠し子を作る。そのうちの一人、鋼斬駆の6歳のクリスマスに、そのことを告げるビデオレターとサッカーボールが届いたのだった。


