サッカーのマンガ一覧
2007年03月22日
ゴツボ×リュウジ『ササナキ
』 角川書店(2004) 全4巻

『ササメケ』の続編。さらに美男美女が増強。今度の美男子は忍者です。さらには中学MVPの美男選手も加わり、チームのほぼ全員が美男美女に。サッカーを楽しみにするより、好みの男の子、女の子でも探してください。
序盤は生徒会長選挙や忍者合戦が続き、中盤からようやくサッカーへ。しかしここでも主人公楽市は1点も取れず、相変わらず彼女もできません。主人公のはずが存在感が限りなくゼロへ近づいていきます。変わりに目立つのは、やはり天才美男美女たちです。
後半は忍者技が炸裂しまくります。主人公の存在感と共に、サッカーの存在感も雲散霧消。「脱力系サッカー風味青春グラフィティ」が「脱力系サッカー風味忍者学園青春グラフィティ」へと進化(?)した作品です。
画像:(C)ゴツボ×リュウジ/角川書店
■初出:『少年エース』富士見書房(2004~2006)
【ストーリー】
校長が不祥事で逮捕された県立竹生島高校はサッカー部も活動停止に。変わりに幅をきかせるのは新聞部だった。サッカーを奪われた楽市は果たして!?
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2007年03月20日
『ササメケ』 - 脱力系サッカー風味青春グラフィティ
ゴツボ×リュウジ『ササメケ
』 角川書店(2002) 全5巻

人格の破綻した美男美女ばかり登場する、濃密なお笑い青春サッカーマンガです。端々に書き込まれたギャグが濃厚で、初めはとっつきにくかったのですが、慣れ始めると一気に引き込まれます。
キャラクターは、食玩好きで練習にも試合にもほとんど現れない天才MFのキャプテン、幽霊と話しが出来てしまうひきこもりエロDF、男ばかり追いかけているサッカー部マネージャーなどなど。単行本の帯にある「脱力系サッカー風味青春グラフィティ」という言葉の通り、ガチンコサッカーマンガではありません。
スポーツマンガとして読むと、才能の悲哀を感じさせます。チームには4人の主力がおり、うち2人はまごう方なき天才です。主人公は小学生時代に注目された「元・天才」ですが、高校では一瞬のきらめきは見せるもののほとんど活躍できない。ついでに、美男にもかかわらず彼女もできない。
話しが進むに連れて、主人公がどんどん凡才に見えてきます。ラストでの主人公と天才2人の落差は甚だしく悲しい。青春ギャグ漫画なので面白くは読めるのですが。多彩な読み方を許容する懐の深い作品です。
画像:(C)ゴツボ×リュウジ/角川書店
■初出:『少年エース』富士見書房(2001~2004)
【ストーリー】
天才サッカー少年だった長浜楽市だが、留学したイタリアでは通用せずに失意の帰国。編入した県立竹生島高校のサッカー部から勧誘を受けるが、サッカーから距離を置こうとする。退屈な田舎で怠惰な日々を送る楽市は、再びサッカーの世界へ戻ってくるのか!?
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2007年03月16日
『校舎うらのイレブン』 - 貧しき時代のド根性サッカー
ちばあきお『校舎うらのイレブン
』 集英社(2004) (文庫版『チャンプ』第2巻所収)
かつて日本は貧しかった。本作に出てくる家も、着るものも、車もボロボロだ。昨今話題になっている給食費滞納どころの話しではない。そもそも学校に行くことすら出来ない子供までいるのだ。そんな貧しき、しかしこれからの成長を予感させる時代の中学生たちが、サッカーに取り組む。
当時最も人気のある学校スポーツは野球だったろう。サッカー部は日陰の存在であり、部費も与えられていない。ユニフォームもスパイクも買えず、ゴールはござを張り渡したものを使用している。所属メンバーは、他所の運動部に入部できない落ちこぼれたちだ。手癖も悪く、『あしのたジョー』に登場するドヤ街の子供たちそのままである。そんなサッカー部の監督になった新人教師の杉本は、悪童たちに苦戦しながらサッカーを教え込んでいく。
いよいよ向かえる初の対外試合で、悪童たちは狂気の活躍を見せる。キーパーがゴールポストに激突、シュートを顔面ブロックで防ぐなど、『キャプテン翼』のディフェンスを先取り。オフェンス陣は骨折した腕を「ブラーン」とさせることで相手を恐怖に陥れる。彼らの善戦は杉本を教育に目覚めさせ、見るものを感動させた。ちばあきおらしい、爽やかでほのぼのした短編作品だ。
ちなみに杉本が赴任する学校は「隅谷中学校」。野球マンガの名作『キャプテン』に登場した学校である。この悪童たちは、谷口くんたちの先輩にあたるわけだ。
■初出:『別冊少年ジャンプ』集英社(1971)
【ストーリー】
叔父が校長を務める中学校に体育教師として赴任してきた杉本。新人教師として希望に燃えてやってきたものの、跳び箱すらない状態で授業もままならない。さらに他の運動部に入れない落ちこぼればかりのサッカー部を監督することに。
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2007年03月09日
『ゴールドパンサーズ』 - とんでもない日本サッカー強化計画
山田玲司 『ゴールドパンサーズ
』 小学館(2002) 全3巻

日本サッカーを強くするにはどうしたらいいだろうか。本作は、日本人の天才サッカープレーヤー豹童乱が、壮大かつ人でなしな方法で日本サッカーの強化を目指す物語である。
病気により右足を失うことになった豹童は、サッカー強豪国の女性と次々に「交渉」し、世界各地に11人の隠し子を作る。自分の才能と世界各地の遺伝子を受け継いだ子供たちにチームを結成させ、日本サッカーをレベルアップさせるのが目的だ。驚異的な産み分け術で(?)、生まれた子供は全員男の子だった。
15年後、豹童の協力者に呼び集められ、息子たちは日本で一堂に会する。世界の様々な境遇で育った彼らは、サッカーに対して異なる想いを抱いている。もっと大切なものを抱えていたり、父を恨んでいたりなど様々だ。そのためチームは結成されず、高校サッカー部を追い出されて行き場のない長男の鋼斬駆と、彼の理解者である高村虎次郎が全員を説得して回る。
その過程で明らかになる兄弟たちの物語は、多彩な悲劇に満ちている。一人、また一人と兄弟が打ち解けていくシーンを読むにつれ、イレブン結成が待ち遠しくなる。
しかしここにいたるまでが長すぎたのだろうか、仲間集めが始まって早々に、連載が打ち切られたようだ。まとめて読むと中盤からぐっと面白くなるだけに惜しい。
最後に、11人の境遇や生まれた国を記しておく。こんな設定が成立するワールドワイドなスポーツは、サッカーだけだろう。
【豹童の息子たち】
※名前が日本名なのは、彼らが全員12歳までに日本に移住し、それぞれ異なる家庭で養子として育ったため。
◆鋼 斬駆
日本の高校に通う高校生(アルゼンチン)
◆高村 虎次郎
元フランスリーグジュニアユースの天才FW(フランス)
◆尾形 滋
日本の少女フィギュアが好きなオタク(ナイジェリア)
◆風間 晴仁
街の治安を守る私設組織のリーダー(ドイツ)
◆津波 他名人
326風のイラストと詩に加えて油絵も描くロマンチスト(スペイン)
◆金沢 印火
医学部を目指すテコンドーの達人(韓国)
◆神邪 院抱
アル中の怪しい占い師(中国)
◆南条 陸花
もてもてバンドマン(イタリア)
◆鳥海栄慈
地球環境を憂えるお坊ちゃん(ブラジル)
◆仁大 路地
子持ちのボクサー(イギリス)
◆鷹寺 太陽
ヤクの売人(コロンビア)
■初出:『週刊ヤングサンデー』小学館(2001~2002)
【ストーリー】
かつて「ゴールドパンサー」と呼ばれた伝説の日本人ストライカーがいた。病気で右足を失うことになった彼は、サッカー強豪国の女性を相手に、11人の隠し子を作る。そのうちの一人、鋼斬駆の6歳のクリスマスに、そのことを告げるビデオレターとサッカーボールが届いたのだった。
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2007年02月01日
ORANGE(オレンジ) - プロサッカークラブにまつわる多くの物語

Jリーグで優勝争い同様、あるいはそれ以上に盛り上がるのは、昇格・降格争いでしょう。本作は、F2リーグ(モデルはJ2リーグ)の弱小クラブ「南予オレンジ」が、昇格を目指して戦う1年間を描きます。
「南予オレンジ」は、社会人リーグ時代はそこそこの勢力だったものの、プロリーグ発足後は弱小化の一途を辿ります。オーナーが死去し、跡を継いだのは孫の女子高生。その後経営が傾き、銀行に見放され、選手も3人しかいなくなってしまう。さらに昇格できなければ援助を打ち切るという市長の通達を受け、存続の危機に立たされます。
こうして向かえた新シーズンが進む中で、選手のみならず、クラブ経営者、スタッフ、サポーター、スポンサーなど、試合の周辺事情も徹底的に描かれます。Jリーグ、特にJ2ファンの間で評判がいいようですが、それも頷ける内容です。
さらに本作は、プロフェッショナルな仕事人たちの物語としても読めます。経営者、広報スタッフ、医者、スタジアム管理スタッフなど多くの人間が、自分のプロフェッショナリズムでクラブに関わる仕事を遂行していく。
特に芝の管理をしているスタッフの矜持が印象に残りました。
「ワシの育てた芝を3万人の人が見つめているんだからな 芝のプロとして これ以上嬉しいことはない」(『オレンジ』 第11巻 P57)
特定のチームが好きな人はチーム愛を深め、特に好きなチームがない人は、どこかのチームを応援してみたくなる。きっとそんな気持ちにさせてくれます。
■初出:『週刊少年チャンピオン』秋田書店(2001~2004)
【ストーリー】
ミカン栽培とジュース製造が主な産業である愛媛県何予市。かつては造船業で賑わったが、現在は活気を失っている。そんな町にも、プロサッカークラブがあった。F2リーグ最下位で資金繰りにも苦しむ「何予オレンジ」だ。祖父の遺言でチームを経営する女子高生オーナー美果は、チームを救えるのか!?
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2007年01月26日
ハングリーハート - 高橋陽一的リアリティサッカー
高橋陽一『ハングリーハート
』秋田書店(1996)全6巻

歴史的サッカーマンガ『キャプテン翼』の作者高橋陽一が、高校サッカーに焦点を当てて描いた作品。
ファンシーな技が満載の『キャプテン翼』に比べ、必殺技の類はほとんど登場しない。数えてみたところ、名称が与えられている技、あるいは作戦は、以下の3つしかなかった。
◆オレンジシュート弾
主人公恭介のシュート。キーパーの前でホップする。弾道は『キャプテン翼』の日向くんの持ち技「雷獣シュート」に近いが、人を吹き飛ばすことはない。「シュートがオレンジ色に輝く」ことから命名。大振りで打ちにくいためか、作品後半では全く打たなくなる。
◆6秒作戦
主人公恭介が所属する城陽茜ヶ丘高校が取る作戦。キックオフから6秒でゴールインを目指す奇襲攻撃。具体的には、エースMFのロドリゴが行けるところまでひたすらドリブルし、こぼれたらその後ろを走る恭介がシュートするというもの。キックオフ直後に猛然とドリブルをしかけるため敵が多少は驚く、という程度の効果しかない。
◆L作戦
県下では主人公の最強ライバルである国領高校の切り札的作戦。全国大会まで使わないはずが、城陽が思いのほか強かったため急遽発動される。もったいぶるわりに、実態は単なるサイド攻撃。サイドを上がってゴールに向かう形が逆L形なことから、そう名付けられた模様。全くもって出し惜しみするような作戦ではない。
これら珍妙な技や作戦はあるものの、あとのプレー描写は概ね(作者にしては)リアリティがある。
リアリティ寄りなスポーツマンガは、どうしても展開のダイナミズムに欠けがちだ。それを補って楽しく読むためには、キャラクターに愛を感じる必要がある。たとえば野球マンガの名作『キャプテン』には、全く派手さはない。それでも名作と呼ばれる所以の一つは、谷口くんら登場人物の人間的魅力ではないか。
本作の主人公叶恭介も中々に魅力的な人物だ。一時荒れた生活を送っていた恭介だが、折に触れて周囲の人間を慮る優しさを持っている。実家が困窮するブラジル留学生のために、恭介の提案でみんながアルバイトするなど、平成のマンガ作品には珍しい泣きのエピソードもある。
『キャプテン翼』の主人公翼くんと比較すると、恭介にとってのサッカーの位置づけがよくわかる。
恭介は兄成介と共に、サッカー日本代表になることを夢見ている。その夢は日本代表に入ること自体よりも、成介と共に特別な場所に立つことにこそある。
恭介のサッカーへの態度は、彼が海外へ旅立つ前に恋人に向けた次のセリフに集約される。
「もっともっとサッカーうまくなって もっともっとでかい選手になる そんな…でっかい人間になって帰ってくるから…まってろよ」(『ハングリーハート』 第6巻 P177)
「サッカーは俺の夢だ」と叫んだ翼くんにとっては、サッカー自体が夢である。もちろん恭介もサッカーを愛している。しかし恭介にとってのサッカーは、それ自体が夢なのではなく、自分を人として成長させてくれる手段なのだ。
作者は4巻のカバー軸で「恭介のようなストライカーの出現を夢みて描きはじめた」と書いている。しかし、(必殺技を抜きにしても)ストライカーとしては恭介より日向くんの方が上だろう。恭介はスピード、パワー、持久力とも日向くんには遠く及ばないと思う。
試合と練習の描写が作品のほとんどを占める『キャプテン翼』に比べ、本作には学園ドラマなど試合と練習以外の要素が多く描き込まれている。先ほどの作者の言葉とは裏腹に、本作はストライカーとしての恭介よりも、サッカーを通じて家族や友人、恋人と向き合おうとする恭介の成長にこそ主眼が置かれている。
■初出:『週刊少年チャンピオン』秋田書店(2002~2005)
【ストーリー】
叶恭介は、天才サッカープレーヤーと言われる兄成介にコンプレックスを抱いている。周囲は成介の弟として恭介を持ち上げるが、実は兄弟の血はつながっていなかった。そのことで恭介は自分の才能を信じられなくなり、サッカーから離れてしまう。恭介が再びボールを蹴る時はくるのか。
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2007年01月25日
キャプテン翼 ワールドユース特別編 - 翼くんたちのその後
翼くんが中学を卒業しブラジルへ旅立った後、日向、岬たち「黄金世代」はどうなったのか。『キャプテン翼』ファンなら気になりますよね。本作が、その後の物語の第一弾です。
舞台は全国高校サッカー決勝。日向、若島津、反町、沢田を擁し3年連続優勝を狙う東邦学園と、岬を初め「県下えりすぐりのベストメンバー」で初の全国制覇を狙う南葛が激突します。ちなみに南葛のキャプテンは部員の投票で選ばれた石崎くんです。
おなじみの面子のほとんどが、東邦を前に敗れています。3回戦では早田と中西(立波)、準々決勝で松山(ふらの)、準決勝では次籐(国見学院)が涙を飲みました。三杉くんはおそらく東京都大会で東邦に敗れたのでしょう。立花兄弟はどこで誰に負けたのかわかりません。
全国大会終了後、おなじみのメンバーが集まり、全日本ユースが結成されます。監督はこれまたおなじみの三上さんです。彼らは強化試合として、現在ヨーロッパ最強と言われるオランダユースを国立競技場に迎えます。
翼くんも若林くんもおらず、日向まで怪我で欠いた全日本は、オランダに屈辱的な敗北を喫します。その全日本が、翼くん合流後に息を吹き返し、別チームのように見事なサッカーを展開するのです。
主人公である翼くんのすごさを強調するのはわかります。しかし、3年間日本で誰にも負けなかった日向くんに、もう少し光を当てて欲しかったと感じるのも事実です。
なぜそうならなったのか。厳しい環境で鍛えられた人間(翼)と、ぬるい環境で過ごした面々(日向、岬ら)との間には、埋めがたい差異が生じるという教訓を、作者は若い読者に与えたかったのではないか。大人になった今、そんな深読みをしてしまいます。
この作品が後の『キャプテン翼 ワールドユース編』へとつながり、翼くん物語は続いていきます。
※「キャプテン翼 ワールドユース特別編」は、文庫版『キャプテン翼 ワールドユース編』の第1巻にも収録されています。
■初出:『週刊少年ジャンプ』集英社(1993)
【ストーリー】
ワールドユースへ向けて、日向小次郎、岬太郎らを中心に全日本ユースチームが結成された。その強化試合の相手は、現在ヨーロッパ最強と名高いオランダユースチーム。3試合を無失点で勝つと宣言するオランダに、全日本はどう立ち向かうのか。
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2007年01月24日
ノー・トラップ - アツい教師が活躍するサッカー部版『GTO』
山下東七郎『ノー・トラップ
』集英社(1999)全2巻
一般的にサッカーマンガに分類されているようですが、学園ドラマの要素がメインです。サッカーの試合はありません。まともな練習風景も出てこない。それどころか、最終的な部員の人数は選手5人+マネージャー1人です。
本作を読んでいて思い出すのは、元ヤンキーが中学教師として大人に眉をひそめられながらながらも生徒の心を掴んでいく『GTO』(藤沢とおる作・講談社)というマンガです。本作はそのサッカー部版と言えるでしょう。
本作の主人公陽乃あたるは、大人の常識やしがらみなどに捉われない型破りな教師です。時に自分の身を危険にさらしながら、体当たりで生徒に向かっていく。決め台詞でクサいセリフを吐きまくり、生徒の心をがっちりとキャッチします。
「古くせえ過去(モノ)は燃えちまったんだ これから新しい未来(モノ)作っていこうぜ!!」(『ノー・トラップ』 第1巻 P118)
「傷なんざ勲章に変えちまえ!!男だろ?(中略)大事なことは…現実(いま)を見て未来(まえ)を向くコトだ…!!」(『ノー・トラップ』 第1巻 P157)
「オレは教師として断固闘うぜ!!生徒達(こいつら)の笑顔守るために!!」(『ノー・トラップ』 第2巻 P102)
こんな調子で一人、また一人と生徒の心を掴み、順調にサッカー部員を増やしていきます。徐々に仲間が増えていくというのは、ドラクエなどロールプレイングゲームをやっている時と似たような興奮を与えます。メンバーが集まりきらずに残念です。でもこんな先生がいたらいいですよね。
■初出:『月刊少年ジャンプ』集英社(1999~2000)
【ストーリー】
かつてインターハイ準優勝を成し遂げた「奇跡の立役者(ミラクルメイカー)」陽乃あたるが、体育教師として母校の高校に帰ってきた。張り切ってサッカー部の指導にあたろうとするが、サッカー部は活動停止状態。部を復活させるべく、陽乃はまずキャプテンの本木を連れ戻そうと奔走する。
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2007年01月23日
クラック!! - 可愛い絵柄で暴力満載なサッカーマンガ
本名啓介『クラック!!
』講談社(2006)全2巻

サッカー大好きで天然野生児系の少年春樹は、高校入学後早速サッカー部へ入部の意思を伝えに行く。キャプテンから提示された入部の条件は、他の運動部員がひしめく中を校舎へ戻り、入部届けの用紙を取ってくるという伝統行事をこなすことだった。
弱いのに部費を多く使っているという理由でサッカー部を嫌う各運動部員たちは、それぞれの特技で春樹の行く手を阻もうとする。ラグビーのタックルや柔道技、果ては剣道の突きまで繰り出してくる。無法地帯だ。
この調子で、1巻丸々読んでも春樹はサッカー部に入部できない。その後もこのサッカー部には暴力が満ち満ちており、結局1つも公式試合をこなさないまま急遽終了する。さすがに入部への道のりが長すぎたようだ。絵柄がいいだけに残念である。
【余談】
主人公南春樹は『ハンター×ハンター』のゴンに似ている。そう思って見てみると、正影はキルアに、一ノ瀬はクラピカに見えてくる。
■初出:『週刊少年マガジン』講談社(2005~2006)
【ストーリー】
福島からヒッチハイクで東京へやってきたサッカー大好き少年南春樹は、父も通っていた古豪都立翔武高校に入学する。早速サッカー部への入学を希望するが、そこには厳しい試練が待ち受けていた。
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2007年01月22日
キイチ DA GOAL!!! - 一芸でJリーグユースに挑戦する少年

Jリーグのユースチームに焦点を当てたサッカーマンガです。
公式戦出場ゼロ、リフティングとプレースキックだけは異常に上手いキイチが、いきなり同世代最高峰であるJリーグユースに挑みます。一芸しかないキイチが本格的なサッカーに触れ、弱点を克服しながら成長していくのかと思いきや、一芸をさらに高めて試合に応用していくことで、存在感を発揮していきいます。
シリアスな描写の合間に挟み込まれるお笑い要素が、キイチの前向きで明るい性格を際立たせつつ、読者を飽きさせません。キイチと共にギャグ部門を担うのは、謎の老人横山剣造。お約束通りただの老人ではありません。「実は只者ではない老人」というパターンは、多くのスポーツマンガに散見される気がします。今後の研究テーマの一つにしましょう。
読んでいて気持ちがいいなと感じたのは、チームメイトが皆前向きでいい奴だからでしょう。さわやかな読後感を与えてくれます。長期連載で読んでみたい良作です。
■初出:『マガジンスペシャル』講談社(2004~2005)
【ストーリー】
部員が1人しかいないサッカー部でひたすら足技ばかり磨いてきた浜田喜一は、一緒にプレーしてくれるチームを探して「Jヴィレッジ」にやってきた。そこで合宿を張っていたJリーグユースチームのSC東京に出会い、喜一のサッカー人生は一変する。
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2006年12月21日
高橋陽一『キャプテン翼』集英社(1997)文庫全21巻
小学生の頃、当時週刊少年ジャンプで連載中の『キャプテン翼』を読んで、その真似事をして遊んでいた。一人でドライブシュートを打ったり(打てないが)、友達とツインシュートを打ったり(打てないが)、プールでスカイラブハリケーンの練習をしたり(これはそれっぽいことができた)した。おバカである。しかし当時の小学生の多くが、同じようにキャプテン翼ごっこをしていたことだろう。
僕は元々サッカー少年ではなかったし、『キャプテン翼』を読んだ後もサッカーをやろうと思ったことはない。今にして思えば、僕はこの作品のファンタジーな側面に惹かれていたのだと思う。
その『キャプテン翼』を、今回およそ20年ぶりに読み直してみた。お、おもしろい…
夢、友情、努力、対決、必殺技など少年マンガの基本要素が、これでもかとてんこ盛りに盛り込まれている。ストーリ進行のテンポもよく、読み始めると止まらない。
大人になった今読んだら「おバカなことやってるなー」なんて感想を抱くと予想していたのだが、これは大人の鑑賞にも耐えて余りうる傑作だ。当時ファンタジー一辺倒かと思っていたサッカーの描写は、(J SPORTSで)世界のサッカーを見慣れた今となっては、決して非現実的なものばかりでもないとわかる(もちろんそれでもあり得ない技は多い)。リアル一辺倒でも、ファンタジー一辺倒でも、スポーツマンガはつまらなくなる。この作品はその配合が絶妙だ。
僕はもうキャプテン翼ごっごをすることはないが、今回の再読で新たな楽しみを得た。翼くん、そして日向くんや若林くんたちが、どんなサッカー人生を全うするか見届けることだ。
ありがたいことに、今も彼らの物語は続いている。長期連載のマンガ作品は数あれど、登場人物がこれだけ年を重ね、読者から指示され続けるているマンガは少ない。『キャプテン翼』はスポーツマンガ界を代表する大河物語なのだ。
■初出:『週刊少年ジャンプ』集英社(1981~1988)
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