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J SPORTS J.LEAGUE

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昨年もセミファイナルで対峙した両者のリターンマッチは第2戦。柏がアウェイで1点のリードを奪い、優位に立って迎えるホームゲームはもちろん日立台です。
14年ぶりに国立の空へカップを掲げたのは昨シーズン。迎えた今シーズンもリーグ戦ではなかなか調子が上がり切らない中でも、このナビスコはわずか1敗でグループリーグを突破するなど、カップ戦での強さをしっかり発揮している柏。前述したように、土曜日に行われた第1戦は敵地でレアンドロと工藤壮人がゴールを挙げて、勝利と2つのアウェイゴールを奪取。史上4クラブ目の連覇へ向けて、ホームで凱歌を上げたい一戦です。
昨年のセミファイナルも第1戦の敗戦が響き、柏に屈する格好で2001年以来の戴冠を絶たれた横浜FM。ACLへの参戦を受けて、グループリーグは免除されていたため、今年のナビスコはこのステージからの登場となりましたが、第1戦はホーム三ツ沢で悔しい黒星を享受。さらに、中村俊輔、中町公祐、兵藤慎剛と3人の主力を負傷で失い、栗原勇蔵もレッドカードで出場停止という苦境を強いられる中で、チームの反発力と総合力が試されます。気温は20.9度と、もはや秋の訪れはすぐそこまで。待ったなしのセカンドレグは横浜のキックオフでスタートしました。


好リズムで立ち上がったのは柏。4分、茨田陽生がレアンドロに送り、こぼれ球を茨田が狙ったシュートはヒットしなかったものの、5分には右から、6分には左から共に高山薫がFKを放り込み、同じく6分には大谷秀和が左へ展開したボールから、橋本和が上げたアーリーに工藤が飛び込んだヘディングは枠の右へ。7分にも高い位置でボールを奪ったレアンドロが素早く狙ったスルーパスは、工藤の前でファビオが何とかカットしましたが、まずはホームチームが得点機を窺います。
ただ、8分に藤本淳吾が右サイドから25m近いミドルを枠内へ打ち込み、菅野孝憲がキャッチしたあたりからギアの上がった横浜の圧力。12分には左サイドから奈良輪雄太が鋭いボールを入れたクロスは、菅野がワンハンドで好セーブ。13分にも藤本の右CKを、ニアで合わせた矢島卓郎のヘディングは枠の右へ。14分にも藤本、矢島、奈良輪とボールが回り、藤本が裏へ落とすと、矢島のヘディングは伸び切ってしまい、クロスバーの上へ外れますが、久々のスタメン出場となった奈良輪が広範囲に動いて掻き回し、アウェイチームへ移っていったゲームリズム。
「相手もビハインドで、前から来なきゃいけない、点を取らなければいけないという状況で、自分たちがなかなか下で繋ぐことができず、相手の得意な高さで主導権を取られて、押されていた部分はあった」と茨田も振り返ったように、続く横浜の攻勢。17分も横浜。矢島が粘ってボールをキープし、そのまま放ったミドルはゴール左へ。22分も横浜。奈良輪の仕掛けで獲得した右CKを藤本が蹴ると、ここはファビオに競り勝った橋本がクリアしましたが、打ち出し続ける「しっかりとボールを奪いにいく、それからゴールに向かうという姿勢」(樋口靖洋監督)。
歓喜はお家芸のセットプレーから。23分に藤本が蹴った左CKは素晴らしい軌道を辿って中央へ。ゾーンで守る柏ディフェンスの間にうまく飛び込んだ中澤佑二が頭で叩き付けたボールは、バウンドしながらゴールネットへ到達します。貴重な先制弾は、同時にアグリゲートスコアでも大きな意味を持つアウェイゴール。横浜がまずは1点を強奪してみせました。
以降も「相手の前から来るプレスと、非常に意識の高いセカンドボールの奪い方、反応の所で、ウチが下でリズムを創っていくという、本来持っていきたかったリズムが創れなかった」とネルシーニョ監督も認めたように、やや中盤をボールが行き来する中でも横浜がペース自体は握っていましたが、一瞬で太陽王を照らしたのは「1点取られて多分目が覚めたんじゃないかなと思う」と話した"陽"の名を持つ20番。
31分、橋本からのパスを受けた茨田は落ち着いた間合いから一撃必殺のスルーパス。走った高山薫が中央を見定め、GKとDFの間にこれまた極上のグラウンダークロスを通すと、「僕は押し込むだけだったんで、ほとんどカオル君のゴールかなと思う」と話した工藤が難なくプッシュ。茨田のアイデアに高山と工藤が共鳴した完璧なフィニッシュ。「ゴールを取れない時、取れている時と、しっかり自分のプレーに対して反省をしながら、改善できたというのは良かったと思う」という工藤はこれで公式戦3戦連発。この試合は1-1。アグリゲートスコアでは再び柏が一歩前に出ました。
ややボランチと中に入ってきがちなSHへの対応をに苦慮していたものの、この前後から「はっきりボランチがボランチを見て、ワタルが淳吾さんを見てという形に変えて、やり方がはっきりしたのかなと思う」と大谷が話したように、マーカーも整理されてきた柏は攻撃にも好リズムが伝播。39分には大谷のパスから橋本が斜め前に素早く付けると、スムーズなターンで前を向いた高山のシュートは枠の左へ。44分にも工藤が右サイドからラインの裏へスルーパスを通し、レアンドロのループはわずかにクロスバーを越えましたが、「質の高さで相手のラインを下げることで、こっちのカウンターがうまく機能していた」とは工藤。45+2分には藤本の左CKを中澤が頭で残し、拾ったファビオのシュートは高山が果敢なブロックで潰し、小椋祥平のボレーは枠の上へ。前半の45分間はお互いがゴールを奪い合うも、柏がセミファイナルへ一歩近付いた格好でハーフタイムへ入りました。


後半の序盤はお互いに手数。49分は柏。大田が右のハイサイドへ落とし、走ったレアンドロが入れたグラウンダークロスは、横浜のGK榎本哲也が足でクリア。50分は横浜。左サイドで伊藤翔が何とか残し、奈良輪が中へ短く出すと、しっかり回り込んでいた伊藤のシュートは枠の右へ。58分は柏。「ディフェンスとのコミュニケーションが、試合と練習を重ねていくにつれてどんどん良くなっているというのは自分でも感じている」と話すエドゥアルドの好フィードを高山が引き出し、レアンドロを経由して高山が打ち切ったボレーは枠の上へ。58分は横浜。中央で藤本とスイッチした奈良輪は独走も、マーカーに寄せられながら放った左足シュートは枠の左へ。「相手から2点目、3点目を取りに来ようという気持ちは凄く感じた」とは工藤。とはいえ、柏はアグリゲートスコアでの優位性を頭に入れつつ、冷静にゲームを運んでいきます。
すると、64分に爆発した黄色いスタンド。抜群の安定感を誇る鈴木大輔が頭で前に弾き返すと、拾った茨田は喜田拓也に寄せられてバランスを崩し掛けながらも、持ち直してそのまま中央を独走。「どこに蹴るか落ち着いて判断できる状況で、3つの選択肢をくれた」前線3人の中で、茨田が選択したのは左を走った工藤へのスルーパス。「自分で勝負しても良かった」状況の工藤は、しかし「2対1ができていて、モンちゃんもフリーだったので、出した方が確率が高いのかなと」右へラストパス。飛び出したGKを見定め、レアンドロが浮かせたシュートは静かに、それでいて力強くゴールネットへ収まります。「あのゴールの90%は工藤のもの」とパートナーを称えたストライカーもさすがの決定力。ここも茨田のアイデアにレアンドロと工藤が共鳴した完璧なフィニッシュ。逆転を意味する"2"の数字が、柏のスコアボードに灯りました。
すっかり意気上がる黄色いサポーターを後ろ盾に、勢いは確実に柏。66分、高山のFKに橋本が競るも榎本がキャッチ。67分、太田の右CKはDFが何とかクリア。69分に藤本が蹴った左CKもクリアで凌ぐと、70分のチャンスは流れの中から。橋本、レアンドロとボールが回り、茨田は右へ振り分け、太田がカットインから狙ったシュートはDFに阻まれるも、「2点目からはうまく時間を使いながら、試合を進めたんじゃないかなと思う」と工藤も語った通り、柏が明確に進む勝利への道筋。
71分の決断は樋口監督。「最低でも2点を取らなければならなかったという状況」で、喜田に替えて送り出したのは藤田祥史。「前で数的に合わせにいってボールを奪うという狙い」(樋口監督)の下、小椋をアンカーに置いて、その前には奈良輪と藤本を配し、前線には右から藤田祥史、矢島、伊藤を並べ、「リスク覚悟の形」(同)で大逆転を目指します。
それでも76分のチャンスは柏。大谷を起点に橋本が繋ぎ、茨田のゴール右スミを狙ったコントロールショットは、榎本がファインセーブで回避しましたが、「CBの前、ボランチの後ろでボールを受けられた時というのは、自分の特徴や長所を生かせるチャンスだと思う」と話す茨田の躍動感は特筆モノ。横浜は気勢を削がれてしまいます。
79分に柏が大谷と栗澤僚一を、80分に横浜が伊藤と齋藤学を、さらに81分には柏が太田と藤田優人を相次いで入れ替えると、次のゴールへ絡んだのは最後にピッチへ駆け出した男。82分、投入後のファーストタッチでいきなりFKのキッカーを任された藤田優人は、右サイドから完璧なボールを中央へ。「ゴールを狙って突っ込んでいったし、相手の2枚の間に突っ込めて、そこにドンピシャでボールが来た」と振り返ったエドゥアルドが「得意のヘディング」で押し出したボールは、ゴールネットへ弾み込みます。「練習中から彼が良いボールを蹴るというのはわかっていたし、信じてそこに入っていっただけ」と話したエドゥアルドの加入後2ゴール目は、藤田優人の好アシストから。「2試合に渡るゲーム全体のオーガナイズと、組織と個々の状況判断、ゲームクオリティが高いレベルで結果も残せた」とネルシーニョ監督も納得の完勝。柏がセミファイナルへと駒を進める結果となりました。


連覇まであと3試合に迫った柏にとっては、収穫の多い試合だったと思います。中でも「今は動きと意図が合うだけじゃなくて、ゴールにも結び付いていることは彼らにとっても自信になるし、当然チームにとってもプラスの要素」と指揮官も言及した前線の3人のコンビネーションの向上が結果に現れた部分は、とりわけ大きな収穫だったと言えそうです。そのコンビネーションを問われ、レアンドロが「試合を重ねるにつれて関係性が良くなってきた」と話せば、3人の動きを「裏に抜ける選手、足元に来る選手という所で相手のDFラインも困惑していたと思う」と評したのは茨田。「彼らの中央でのトライアングルの質を上げるために、私からの要求とオーガナイズをずっと伝えてきている」(ネルシーニョ監督)ことが実を結び始めている柏の進撃は果たしてどこまで。              土屋


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J2第30節 湘南×松本@BMWス

September 7, 2014 10:04 PM | » permalink

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0906BMW.jpg因縁満載。3年前にはヘッドコーチと監督としてチームを束ねていた指揮官同士が、それぞれ首位と2位のチームを率いて再会する一戦。舞台は2人が歓喜や悔恨を共有した平塚競技場です。
ここまでの29試合で残した成績は24勝4分け1敗。J2史上に残る驚異的なペースで勝ち点を積み上げ、昇格という唯一無二の目標に向けて突っ走り続ける湘南。「リスクを冒すことと規律を守ることは矛盾するものではまったくないし、同時に体現できるもの」と言い切るチョウ・キジェ監督の下、多くの選手が師事したかつての指揮官を前にしても、その進むべき方向を変えるつもりなど毛頭ありません。
ここまでの29試合で残した成績は18勝7分け4敗。昨年経験した昇格プレーオフ圏内争いを糧に、J2参入3年目となる今シーズンは堂々たる結果で自動昇格圏内をキープし続けている松本。ハードワークが求められるスタイルの中でも真夏の7月と8月は6勝3分けと無敗で乗り切るなど、もはや強者のメンタリティまで身に付けた感も。首位をアウェイで叩き、ラストスパートへのステップにしたい90分間に臨みます。スタジアムを埋めた黄緑と緑は13049人。両者が狙うのは、先の昇格ではなく今まさに目の前の勝利。勝ち点差を度外視した天下分け目の合戦は湘南のキックオフでスタートしました。


わずか14秒でのファーストシュート。中盤でボールを持った武富孝介は躊躇なくミドルを打ち抜き、DFのブロックに遭ったものの、いきなりゴールへの意欲を前面に押し出すと、その右CKは帰ってきたキャプテンの永木亮太が短く蹴り出し、三竿雄斗のリターンを再び受けた永木のクロスはDFがクリアしましたが、セットプレーにもきっちり一工夫。5分にはウェリントンが、8分には菊池大介が相次いでミドルにトライするなど、「我々のスタイルを真っ向から当てていく」(チョウ監督)覚悟を鮮明に打ち出します。
すると、11分に揺れたスタジアム。初めて松本が掴んだFKのチャンスから一転、ボールを拾った武富は簡単に蹴り出さず、そのまま運んでカウンター。これが相手のクリアミスを誘って、左CKを獲得します。キッカーは永木。ブランクを感じさせないボールがニアに入ると、ここへ飛び込んだ遠藤航のドンピシャヘッドはGKとDFの間をすり抜け、揺らされたゴールネット。「航はニアに入ってきて点を取ることが一番得意」と評したのは敵将の反町監督。この試合を最後にアジア大会を戦うU-21日本代表へ合流する3番が堂々と結果を。湘南が先に1点のアドバンテージを手にしました。
さて、早い段階で追い掛ける展開を強いられた松本の布陣は、いつもの3-4-2-1ではなく、最前線にサビアと船山貴之を並べ、その下に岩上祐三が入る3-4-1-2。反町康治監督はその理由を「攻撃力のあるリスクを冒して攻めるチームに対して、リスクを冒して守る」と独特の表現で説明しましたが、特に立ち上がりは前線にボールがほとんど入らず、サイドも押し込まれたことで攻撃に人数を掛けられない状況に。「イマイチ思い描いていた通りには行かなかった」とは多々良敦斗。フィニッシュを創り出すことができません。
ところが、「こういう均衡したゲームになるのは試合前からわかっていた」(岩上)中で、ピッチ内での冷静な判断が光ったのは18分。8分前と同じ右サイドで得たFK。キッカーも同じ岩上。この時、「いつもマークを一番最初に確認して、誰の所が一番ミスマッチなのかは考えてやっている」と話した多々良が、ミスマッチだと感じたのは菊池に付かれた自ら。「アツさんに『俺の所は勝てるから』と言われたのでそこに蹴った」岩上のキックがピンポイントでファーサイドへ届くと、完全に競り勝った多々良の折り返しを犬飼智也が豪快なヘディングでゴールへ叩き込みます。「松本は6割以上セットプレーで点を取っているので、やられちゃったなという感じ」とチョウ監督も話した湘南は、これが今シーズンPK以外のセットプレーでは初めての失点。「狙い通りと言えば狙い通り」(岩上)の同点弾で、たちまちスコアは振り出しに引き戻されました。
これで少し変わった流れ。21分は松本。右サイド、ゴールまで約30mの距離から船山が直接狙ったFKはDFがブロック。25分も松本。ここも船山が30m近い無回転気味のミドルを枠内へ収め、湘南のGK秋元陽太が懸命に弾くと、詰めたサビアはオフサイドになりましたが、ようやくアウェイチームにも手数が出てきます。
追い付かれた湘南もミドルに活路。26分にはウェリントンのポストから、永木が中央を運んで狙ったミドルはDFに当たってゴール左へ。28分にも永木のパスを受けて武富が中央からミドルを放ち、ここは松本のGK村山智彦がキャッチ。29分にもウェリントン、永木と繋いだボールから、三竿が思い切って狙ったミドルはわずかに枠の右へ。逆に30分は松本のカウンター。喜山康平が縦に入れ、岩上が打ったミドルはゴール左へ外れるも、この時間帯はお互いに目立ったエリア外からのシュートチャレンジ。
33分には流れの中から湘南に決定機。スローインの流れから遠藤が中へ付け、ウェリントンのフリックで抜け出した菊地俊介のシュートは、村山が正面で確実にセーブ。36分は松本にまたミドル。船山のパスからバランサーの岩間雄大が35m近い低空ミドルを枠内へ飛ばし、秋元がズシリとキャッチ。ゲームリズムはほぼイーブン。
最初の45分の終盤は松本のセットプレーが続けて。38分は岩上の右ロングスロー。秋元のパンチングがこぼれ、拾った喜山を経由して船山が放ったシュートは、ウェリントンが果敢に体でブロック。直後は岩上の左CK。犬飼のヘディングは枠の左へ。40分は湘南。永木の右CKはショート。遠藤、永木、三竿と短く回し、永木が中へ送ると、遠藤はエリア内で転倒するも家本政明主審のホイッスルは鳴らず。丁々発止とやり合う両者。
42分は岩上の右FK。良いボールが入るもオフェンスファウル。45分は岩上の左ロングスロー。中央で弾んだボールは菊地がクリア。同じく45分は岩上の右ロングスロー。今度はウェリントンがしっかりクリア。「点を取ってからの10分、ちょっと守ろうという意識がチームの中であった」(チョウ監督)時間帯での失点から、湘南もセットプレー対応を含めてきっちりリカバー。高い集中力を要した前半は、タイスコアのままでハーフタイムへ入りました。


後半は松本の連続セットプレーから。48分に船山が倒されて獲得したFKを左から岩上が蹴り込むも、秋元が飛び出して確実にキャッチ。49分にも右サイドで岩上がロングスローのフェイクから短く投げ入れ、喜山のリターンをクロスに変えると、飯田真輝のヘディングは当たり切らずにゴール右へ逸れましたが、前半終盤の流れそのままに松本のセットプレーが威力を発揮します。
ただ、54分に相手のハンドで得たゴールまで約20mのFKを、丸山祐市がクロスバーの上へ外した前後から、ペースは徐々に湘南へ。その中心は「自分が2カ月ぶりに入って、中盤であのリズムが創れたというのは良かったと思う」と話した永木。中盤も支配しつつ、局面では高精度キックでチャンス創出。56分には菊池への絶妙サイドチェンジをCKへ繋げると、57分には右CKを自らグラウンダーで流し込むトリックも。ボールは2人のスルーを経てやや流れてしまい、亀川諒史が上げたクロスはゴールキックになったものの、「気合いが入り過ぎて訳の分からない号令をしていた」と指揮官も笑ったキャプテンを軸に、湘南が上げていくエンジンの回転数。
62分には湘南の狙いがハマったアタックが。武富を起点にウェリントンは右サイドの菊池へ。その菊池が中へ戻すと、フリーで上がってきたのは遠藤。松本はここへチェックに行けず、ほとんどフリーで遠藤が放ったループはクロスバーを大きく越えましたが、これはかなり重要なワンシーンだったと思います。というのも、この日の松本は2トップを敷いていたために、普段だったら2シャドーが落ちていくサイドのスペースケアはどうしても緩くなりがち。ここも左WBの岩沼俊介は菊池に対応しており、おそらくは個人の危機察知能力で戻っていた船山も一歩及ばず。ただでさえ有効な3バックのサイドが上がっていく形は、一層効果的なものになるため、このフィニッシュワークは松本をより牽制する意味でも、非常に意味があったように感じました。
67分の決断は反町監督。なかなかボールを収め切れなかったサビアを下げて、高さと強さに自信を持つ山本大貴を投入。「カウンターでフナさんとサビアをしっかり生かせるようにということでやっていたけど、ボールを取る位置がちょっと低かった」(岩上)こともあって、ほとんど相手陣内で基点ができない流れを変えるべく、明確なターゲットを置くことで状況の改善を図ると、69分には船山の落としから岩上のボレーミドルは枠の左に大きく外れましたが、ようやく後半のファーストシュートが記録されます。
一方のチョウ監督も、67分に菊池と藤田征也の交替を決断すると、70分にはその藤田のドリブルからCKを奪い、藤田が自ら蹴ったショートコーナーはシュートまで行かなかったものの、早くも縦への推進力でワンチャンス。71分には亀川がやや強引な枠内ミドル。72分にも岡田翔平が左のハイサイドで残し、三竿のクロスはウェリントンが反応し切れず中途半端な枠外シュートになりましたが、75分には岡田に替えて切り札の大竹洋平もピッチへ送り込み、さらに強めに掛かった攻勢。
「最後に重たくなっちゃったのは押し込まれている中で仕方なかったし、それは割り切ってやっていた」と多々良も語った松本にも、79分には後半最大のチャンス到来。村山のキックに山本が高い打点のヘディングで競り勝つと、裏へ走った船山は思い切り良くダイレクトボレー。ボールは秋元の正面を突き、勝ち越し弾とは行かなかったものの、2トップだけの連携でシュートまで持ち込むことに成功します。
79分に訪れた湘南のCKにはお互いの駆け引きが。「CKも色々なことをやってくるので、向こうの狙い通りにさせないためには前から2人残す」というのが反町監督の狙い。それに対して、「ソリさんはたぶんCKの守備は相当考えたと思いますよ。2枚残して。でも、俺は2枚で守れと言っていた」とチョウ監督。続けて「"2対2"で守れなかったら、究極を言うと後ろを"3対2"にしていたら数的優位なんか創れない。でも、"3対2"にしなければいけない時もあって、その判断を育んでいる。だから、選手が"2対2"のままでやろうとしたことには特に何も言わなかった。そういう風にして守れるなら守ってみろと」とのこと。"2対2"なのか、"3対2"なのか。数が与えるイメージとの鬩ぎ合い。結果、"2対2"がカウンターで対峙し合うことはありませんでしたが、これもゲームの面白さの1つであったことは間違いありません。
81分は湘南。大竹の縦パスをウェリントンが落とし、菊地が叩いたシュートはDFがブロック。83分には湘南が最後の交替カードを。亀川と熊谷アンドリューをスイッチすると、武富を左WBにスライドさせ、極限まで高める攻撃姿勢。「何とか耐えるしかない状態で、最後はなかなかラインが上がるような時間帯がなかったので苦しかった」(多々良)松本の集中も切れず。残されたのは5分間とアディショナルタイム。
87分は松本。岩上の左ロングスローを飯田が頭に当てるも、DFが何とかクリア。89分は湘南。大竹が右へ展開したボールを、藤田はカットインしながら左足でクロスまで上げ切るも、ウェリントンはわずかに及ばず。90+1分は松本。右から岩上が蹴ったFKは多々良に合いましたが、ここは副審のフラッグが上がってオフサイドの判定。この一連は「後半は凄く良くなった」とチョウ監督も認めたセットプレーに対する修正能力の証。90+2分は湘南。遠藤がコースを狙ったシュートはわずかにゴール左へ外れ、指揮官も飛び跳ねて悔しさを露に。90+3分は松本。岩上の右FKを秋元がキャッチすると、直後に吹かれたタイムアップのホイッスル。「勝点3を取ることしか考えていなかったので非常に悔しい気持ちはありますが、僕の中では同時に清々しい気持ちも残っているような試合になりました」というチョウ監督の言葉は、おそらく両チームに関わる多くの人の共通した想い。首位と2位の好バウトは両チームに勝ち点1が振り分けられる結果となりました。


「ソリさんに『くだらないチームだな』とか『なんか湘南って偉そうだな』と思われるのがいちばん嫌だったので、僕は謙虚にフットボールをしたつもりです」とチョウ監督が話した一戦は、お互いが持てる力を出し切った非常に集中力の高い90分間でした。このゲームで鍵を握ったのは、数字を巡る"ロジック"と"イメージ"。前者の"ロジック"は松本の同点シーン。「向こうの高さという意味では、チョウも当然分かっていると思うが、4番目5番目くらいからガタっと落ちる。多々良の所がミスマッチだったので、そこを狙ったというだけの話」と話したのは反町監督。"4番目"や"5番目"という数字を分析から弾き出し、フィードバックしていたことを選手がさらにその場で判断してゴールに繋げたという意味では、非常に意味のあるゴールだったのかなと思います。また後者の"イメージ"に関しては、前述したように「攻撃力のあるリスクを冒して攻めるチームに対して、リスクを冒して守る」と表現した反町監督の2トップを採用した決断。これもおそらくは単純に5-4-1気味になって数が後ろに掛かるのを嫌い、押し込まれて5バックになっても前には人数がいるというイメージを植え付けたい現れだったのかなと。「祐三はなかなかキツい所だったので大変だったかなと思う」と多々良も話したように、岩上は相当なハードワークを強いられましたが、結果的に人数が前に"2人"+"1人"いるというイメージは、守備に回る際の松本に一定の好影響を与えていたようにも感じました。そして、最後も"イメージ"が鬩ぎ合った"2対2"を巡る駆け引き。「松本は我々の"2"を"3"にさせたかった。でも、我々が"2"で行ったことは、精神的なことを含めて大事な要素だと思います」とチョウ監督。2人の指揮官がCK時にこだわった"2"という数字に、お互いをリスペクトしつつ、絶対に相手に対して精神的な部分で負けたくないという、両者の思惑が透けて見えた所も非常に見応えがありました。「驕りなく、自分たちは謙虚に戦わなければいけないというキーワード」(チョウ監督)を両チームが体現し続けた一戦は、サッカーの"旨味"のようなものがたくさん詰まっている、濃厚な90分間でもありました。       土屋


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J2第29節 岐阜×東京V@長良川

September 2, 2014 12:17 AM | » permalink

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DSC_0316.jpg夏休みのラストマッチは緑をチームカラーに持つ両者がぶつかる"グリーンダービー"。上昇あるのみ。12位と20位の一戦は長良川です。
前節は福岡相手に6試合ぶりの黒星を喫したものの、昇格プレーオフ圏内の6位に付ける大分とは勝ち点6差。まだまだ目標とするJ1への扉は十分に開かれている岐阜。懸案だった夏場、7月と8月の成績はむしろそれまでより向上しており、この試合も川口能活、宮沢正史、高地系治、太田圭輔、難波宏明と5人の"オーバー30"がスタメンに名を連ね、「これだけ年齢が高くても全然ファイトできている」(高地)ことを改めて見せ付けるべく、8月最後の90分間に臨みます。
22節の磐田戦で難敵を相手に2ヶ月ぶりの勝利を収めると、その後も松本とドロー、京都に勝利と、真夏の7月攻勢を掛けた東京V。連敗スタートとなった8月も、前々節は水戸を破り、前節は横浜FCに引き分け、残留争いからは一気に抜け出した感も。こちらは岐阜と対照的にスタメン11人の平均年齢がジャスト22歳。その内の7人は下部組織出身ということもあり、真の"緑"を名乗る意味でもこのゲームは負けられません。浴衣姿の女性や子供も目立つ長良川には7178人の大観衆が。夏の終わりを彩る一戦は東京Vのキックオフでスタートしました。


立ち上がりから勢い良く飛び出したのは岐阜。1分に早くも高地の高精度FKが東京Vゴール前を襲うと、2分にも太田のドリブルで獲得した右CKを高地が蹴り込み、DFのクリアに遭ったものの、前への意識を鮮明に。4分には東京Vも杉本竜士が川口にキャッチを強いるミドルを枠内へ打ち込みましたが、まずは岐阜が前節の敗戦を払拭すべく、積極的な姿勢でゲームへ入ります。
5分に大きく沸いたスタンド。中央でボールを収めた難波のポストから、高地が左へ絶妙なスルーパス。走った難波は躊躇なくシュートを放ち、揺れたゴールネットを見たメインスタンドは大歓声に包まれますが、ボールが突き刺さったのはサイドネットの外側。素晴らしいフィニッシュワークも先制とはいきません。
ただ、ペースは以降も岐阜。9分に高地が蹴った左CKから、阿部正紀が狙ったヘディングはこの日がJリーグデビューとなった東京VのGKポープ・ウィリアムにキャッチされるも、難波とナザリトへ入れるシンプルなボールで攻撃のリズムを掴んだホームチームへ19分に訪れた歓喜。中盤左サイドでのボール奪取から難波が中へ送り、太田は再び左へ。開いた難波が右足でクロスを流し込むと、DFが懸命にクリアしたボールは太田の足元へ。「きっちりと決めることだけ考えて」丁寧に蹴ったボールは、ゴール左スミへ飛び込みます。10試合ぶりのスタメン出場となったゲームで、「早く決めたいと思っていたので狙っていた」一撃は移籍後初ゴール。ホームチームが1点のアドバンテージを手にしました。
25分にも難波が左ポストを直撃するシュートを放つなど、岐阜のゲームリズムが続く中、東京Vが創った決定機はセットプレーから。28分、安在和樹の左FKが右サイドにこぼれると、粘って収めた杉本は縦に持ち出しながらクロス。このボールは中央のニウドにドンピシャで合いましたが、フリーで当てたヘディングはクロスバーの上へ。直後の29分にもポープが蹴り出したボールがそのままラインの裏へ抜け、飛び出した安西幸輝が前に出た川口の鼻先で右足を伸ばすも、ボールはわずかに枠の左へ。「決定的な場面を決めることができれば、また少し違った展開になっていたとは思う」と話したのは三浦泰年監督。すなわち、苦しい展開を変えることができません。
37分には中央、ゴールまで約30mの位置から杉本が直接FKをクロスバーの上へ外すと、「相手のアプローチに対しては、もっと落ち着いて回すことができると自分は思っている中で、リズムがなかなか掴めなかった」と判断した三浦監督は配置転換を敢行。右SHに入っていた安西を右SBへ、右SBの田村直也をCBへ、CBのキム・ジョンピルをボランチへ、ボランチのニウドを右SHへそれぞれスライドさせ、しっかり繋ぐために立ち位置の変更へ着手します。
ところが、次の得点もホームの"緑"。43分、キム・ジョンピルにプレスを掛けた高地は、高い位置でボールを奪って素早く右へ。受けた太田もシンプルに縦へ短く流すと、斜めに走り込んだナザリトはGKの股下を抜く冷静なシュートで、ゴールを確実に捕獲します。久々の4バックスタートとなった布陣を問われても、「最初のスタートの配置は違うけど、やることは別に変わらないと思う」と言い切る高地が、サボらない守備意識からチャンスを演出して、最後はストライカーが貫禄の一発。岐阜がリードを2点に広げて、前半の45分間は終了しました。


後半はスタートから動いた三浦監督。ドイスボランチの一角を任された楠美圭史に替えて、この日のメンバーでは唯一の30代になる中後雅喜をそのままの位置へ送り込み、前半の終盤から施した「後半に向けて何とか自分たちのペースに持って来れればなというようなポジション変更」(三浦監督)の意味合いをもう一度徹底させて、残りの45分間に挑みます。
それでも攻勢はホームチーム。47分にはゴール前で高地の惜しいオーバーヘッドが飛び出すと、53分にも高地、田中秀人、高地とボールが繋がり、一旦はコントロールを失った難波がこぼれをそのまま叩いたシュートは枠の上へ消えますが、「僕たちがしっかりボールをキープすれば、やっぱり相手は走らなくちゃいけないし、そういった点でうまくボールを支配できた」と高地。変わらないゲームリズム。
「あの人はJ1の選手。凄い能力を持っている選手」とラモス瑠偉監督も評した6番のゴラッソは60分。SBの益山司が右サイドを運んで運んで外へ。太田のクロスはDFにカットされましたが、こぼれ球へ反応した高地は、「端から右で打つ気はなかったけど、引っ掛かるか引っ掛からないかはその時次第だと思って」ワンフェイク。ニウドが引っ掛かったのを見て得意の左へ持ち出すと、「うまくかわせてコースは見えていた」とゴール右スミへ開けたコースをきっちり射抜きます。本人は「あまりそういうことは考えないですね」と笑いましたが、2001年に在籍していた古巣へ見舞ったキツい一発はJ2通算50ゴールのメモリアル。大きな3点目が岐阜へ記録されました。
「速い動きと速いボールの動かし方で、後半を自分たちのペースにしたかった」(三浦監督)ものの、逆に点差を広げられる格好になった東京V。62分には2枚目のカードとして、ニウドと前田直輝を入れ替えましたが、なかなか手数は繰り出せず。67分にはキム・ジョンピルが左へ展開し、安在が折り返したボールを杉本が懸命に収め、エリア内でマーカーともつれて転倒するも、家本政明主審のホイッスルは鳴らず。72分に安在が蹴った左CKもDFが確実にクリア。遠い後半のファーストシュート。
一方の岐阜は「しっかり落ち着いてボールも回せていた」と高地が話したように、ある程度は勢いをコントロールしながら、きっちり時間を潰していく老獪さも。「夏くらいに若手が使えるようになればいいと思ってやった結果、見事にハマッた」と指揮官も言及した若手の遠藤純輝と清本拓己に加え、これが岐阜でのデビュー戦となるクレイトン・ドミンゲスもピッチへ相次いで解き放ち、ゲームクローズに取り掛かります。
78分、途中から左SHへ移った常盤聡が中央へ折り返したボールを、こちらはSHから2トップの一角に移った南秀仁が1つ溜めてからシュートへ持ち込むも、軌道はクロスバーの上へ。そして、これが東京Vにとって後半に放った最初で最後のシュート。87分に岐阜でのプレー経験も持つ途中出場のアブダが右サイドを抜け出すも、クロスは常盤に合わず。90+1分には杉本がラインの裏へ抜け出し掛けるも、最後の最後まで体を張り続けたヘニキにスイープされると、長良川の夜空へ吸い込まれたファイナルホイッスル。3ゴールという成果は当然評価される中で、ラモス監督も「何よりゼロで抑えたことが大きかった」と言及したように、加えて無失点で90分間を乗り切った岐阜が、勝ち点3をホームのサポーターへ届ける結果となりました。


「年間通してこういう試合は1試合はある。そういう風に割り切って次に進まないといけない」と三浦監督が話したように、いろいろな面で岐阜の完勝となった90分間でした。「J2は運動量が多いチームが上位を走っている。技術だけでは無理な世界」と評したのはラモス監督。技術面やゲーム運びの面はもちろん、運動量でもスタメン平均年齢22.00歳のチームを、28.73歳のチームが上回り、快勝を収めたというこのゲームに限った側面、そして7月と8月に組まれた9試合で、実に勝ち点17を積み上げたという"夏場"での結果を含めた事実から、「僕らはベテランが多いから『夏場はヤバいんじゃないかな』と言われていたけど、結局負けたのは2試合だけなので、別にそういうのは関係ないというのもある程度は証明できた」(高地)ことも間違いのない所でしょう。「今後はベテランは若手に負けている場合じゃないし、若手もこれで満足してもらっては困る。残り13試合でもっと多くの試合を勝っていきたい。そのためには全員の力が必要になってくると思う」とラモス瑠偉監督。前述したように6位との勝ち点差はわずかに6。視界に確かな目標を捉える岐阜が、力強く進み続けている航海の終着点やいかに。       土屋


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0817mitsuzawa.jpg置かれた立場は異なれども、お互いにここからの浮上のみを義務付けられている現状は一緒。14位と21位が晩夏に差し掛かりつつある横浜で対峙する一戦は三ツ沢です。
21試合でわずかに4勝と、厳しい戦いを強いられた前半戦は過去の話。22節からは怒涛の4連勝を飾り、前節はアウェイで千葉とも引き分け、9戦無敗継続中で14位にまで浮上してきた横浜FC。「自分たちは目標があるわけで、もうその目標を諦めて終わるのか、もう1回みんなで勝ちにこだわってトレーニングして、試合をやって、結果を出すのか、じゃあどっちなのと言った時に、今は結果にこだわってトレーニングもできている」と話すのは中盤のキーマンとも言うべき松下裕樹。唯一の"目標"へ向けて、もう一度チームのベクトルを揃えていくための試合が続きます。
待望の初勝利は第15節。21位と22位の直接対決となった富山戦にアウェイで競り勝つと、以降は2勝5分け4敗と着実に勝ち点を積み上げ、最下位に位置する富山との差を広げつつある讃岐。前節も熊本相手に後半アディショナルタイムの同点弾で勝ち点1をモノにするなど、チームは上り調子。「讃岐はここの所で良い戦いを見せているので、ある意味では千葉より難しい試合になるよと選手に伝えた」とは敵将の山口素弘監督。アウェイとはいえ、勝ち点3への強い意欲は変わりません。気温27.6度、湿度57%と、三ツ沢の夜は絶好のコンディション。勝利のみを目指す90分間は横浜FCのキックオフでスタートしました。


「非常に良い集中力、テンションでゲームに入ってくれた」という山口監督の言葉を証明したのは、いきなり見せた目の覚めるような先制パンチ。3分、パク・ソンホが確実に落とし、寺田紳一が左へ付けると、ここにいたのは16節以来のスタメン出場となった野村直輝。「体が勝手に動いた」と自ら振り返る、エリア外から冷静にコントロールされたシュートは、ゴール右スミへ美しい軌道を描いて吸い込まれます。「今日結果が出せなかったら次はないという気持ち」でゲームに臨んだルーキーのゴラッソ。ホームチームが早くもリードを奪いました。
さて、あっという間にビハインドを背負った讃岐。7分にはクリアボールを拾った小澤雄希が強引にミドルレンジからファーストシュートを放つも、ボールはクロスバーの遥か上へ。それほど横浜FCが前からプレスに来なかったこともあって、ある程度は最終ラインでボールは持てるものの、そこから縦へとボールを入れるスイッチが見つからず、攻撃の形はなかなか出てきません。
一方の横浜FCも「基本的には良い状態の時にはプレッシャーに行くし、全部が全部ハイプレッシャーは難しい部分はあるが、その部分は選手が判断ができているのかなと思う」と山口監督が話したように、行く所と行かない所を判断しながら、リードもあってそれほど無理には出て行かず。22分に松下裕樹のパスから、松下年宏が左足で打ったミドルは讃岐のGK石井健太がキャッチ。23分にもCBの野上結貴が左へフィードを送り、SBの中島崇典がトラップで縦へ持ち出してクロス。パク・ソンホはスライディングで飛び込み、わずかに触れませんでしたが、悪くないチャレンジを時折繰り出します。
すると、次にハマのサポーターへ歓喜をもたらしたのはセットプレー。31分、パク・ソンホのポストから松下年宏が獲得したCK。これを右から松下年宏が自ら蹴ると、中央でマーカーへ完全に競り勝ち、ヘディングでゴールへ叩き込んだのは野上。3本目のシュートで2つ目のゴールを生み出す効率の良さ。CBの今シーズン4点目が飛び出し、横浜FCが点差を広げます。
「2点目も入っちゃったので、あとは失点は絶対しないように」(松下裕樹)前半を乗り切りたいホームチームに対し、アウェイチームも終盤に手数。37分には中央左、ゴールまで約30mの位置から持留新作が直接狙ったFKは力なく枠の左へ。43分、高い位置で寺田から小澤がボールを奪い、その流れから堀河俊大が右へ流したボールを、我那覇和樹が叩いたシュートはDFがしっかりブロック。「積極的に受けないで、前半はうまくゲームを進められたらなと思っていた」という松下裕樹の言葉通りに進んだ展開。横浜FCが2点のアドバンテージを握って、ハーフタイムに入りました。


後半開始から動いたのは北野誠監督。「新しい選手を2人入れて、距離感が合わなくなった所が、僕の完全なスタートの選手のミスマッチだった」と前節から入れ替えた右SBのソン・ハンキと1トップ下の持留を下げて、武田有祐と木島良輔を投入する2枚替えを敢行。武田はそのまま右SBへ、木島は我那覇と2トップを組む格好で残りの45分間に挑みます。
後半もファーストシュートは横浜FC。47分、ピッチ中央、ゴールまで30m近い距離のFKを松下裕樹が直接枠へ収め、石井が何とかキャッチしましたが、「絶対に先に失点はしないようにというのを考えながら、ハーフタイムでも3点目を取ろうと言いながらやっていた」という狙いと気概を1本の直接FKで示してみせます。
そんな中、少し格の違いを見せ付けるような格好で、ピッチ上を駆け回ったのは35歳のストライカー。47分には右サイドに開いた木島がピンポイントでクロスを送り、フリーで合わせた小澤のヘディングは横浜のGK南雄太にキャッチされたものの、52分にも山本翔平、小澤と回ったパスを受けた木島は、前を向いた瞬間に思い切りよくミドル。少しドライブが掛かったボールはクロスバーに阻まれましたが、木島の躍動で讃岐にも射し込み始めたゴールへの光。
ところが、次の得点を記録したのも紺の"サード"ユニフォームを纏った横浜FC。56分にやや中央左寄りで獲得したFK。ゴールまでの距離はおよそ25m。短い助走から松下年宏が蹴り込んだボールはカベを越えると、ゴール右スミギリギリのポイントへ飛び込みます。24番を背負う30歳の今シーズン2ゴール目は大きな追加点。スコアは3-0に変わりました。
小さくないリードを手にした横浜FCは、58分に1人目の交替を。「相手がロングボールを蹴ってきたので、その圧力でセカンドボールで後手を踏んだ」と見ていた山口監督は、先制弾の野村に替えてアン・ヨンハをボランチへ送り込み、野崎が左SHへ、寺田が1トップ下へそれぞれスライド。ゴールこそ奪ったものの、やや失いかけていたゲームリズムをもう一度取り返す采配を振るいます。
63分は讃岐。岡村和哉が右へ振り分け、武田が中央に切れ込みながら枠へ飛ばしたミドルは南が何とかセーブ。64分も讃岐。武田が右から投げ入れたロングスローは中央にこぼれ、突っ込んだ木島はオフェンスファウルを取られたものの、途中出場の武田も2つのプレーで存在感を。逆に「3-0になった時点で、ゼロで抑えるのか、もう1点2点を取りに行くのかという所が、前と後ろで曖昧だった」と話したのは南。72分に右SBの市村篤司がカットインから枠の左へ外したシュートが、横浜FCにとって3点目以降は初めてのシュート。76分に野崎陽介と小池純輝を入れ替え、もう一度踏み込みたい攻撃へのアクセル。
78分に北野監督が切った3枚目のカード。小澤との交替でピッチへ解き放たれたのは高橋泰。これで讃岐は前線に右から高橋、我那覇、木島を並べる4-3-3にシフトして、最後の勝負に。79分には武田の右ロングスローから沼田圭悟が打ったシュートは、アン・ヨンハが体を投げ出してさすがのブロック。直後の左CKを堀河が蹴り込み、ファーへ飛び込んだ藤井航大のヘディングは薄く当たり、枠の右へ逸れるも勢いはアウェイチーム。
83分の衝撃。主役はやはりあの男。南が蹴ったFKを堀河が跳ね返すと、市村がクリアし損ねたボールを素早く木島が支配下へ。左サイドを運んで運んで、中央へのパスもチラつかせながら放ったシュートは、右のサイドネットを綺麗に揺らします。やはりスコアラーは木島。黄金世代を担った男が意地の一撃。点差は2点に縮まりました。
目には目を。86分の追加点。アン・ヨンハが素晴らしいタックルでボールを奪うと、拾った寺田は右に流れながらヒールキックでスルーパス。パク・ソンホはGKの脇を抜くシュートでボールをゴールネットへ確実に送り届けます。悩めるストライカーが9試合ぶりの一発。再び両者の差は3点に開きました。
88分にあるいはこの日で最も沸いた三ツ沢。仕事を果たした寺田に替わり、ピッチへ飛び出していったのは背番号11。三浦知良、日本サッカー界のレジェンド"カズ"の今シーズン初出場に、子供、大人、男性、女性、スタンドのほとんどすべてから送られる万雷の拍手に三ツ沢は包まれます。
ただ、最後のゴールはアウェイチームに。90+1分、左から堀河が蹴ったCKが中央に入ると、河合英治主審は横浜FCのファウルとジャッジ。エブソンを倒したアン・ヨンハにイエローカードが提示され、讃岐にPKが与えられます。キッカーはエブソン自ら。南も足で触ったものの、ゴールネットに収まってスコアは4-2。最後はエブソンとの接触でGKの石井がプレー続行不可能になり、そのエブソンがGKとしてゴールマウスに立つハプニングもありましたが、そのまま迎えたタイムアップ。「暑苦しい言い方かもしれないが、魂を込めたプレー、魂を込めた戦いをしようという所を強調している部分はある」と山口監督も語った横浜FCが連続無敗を10試合に伸ばし、勝ち点3をきっちり積み上げる結果となりました。


「横浜FCが今凄く調子が上がっている要因として、守備の構築があると思う。その横浜FCから2点取れたのは、唯一の次に繋がる所かなと思う」と北野監督が話したように、後半はゲームの流れを引き寄せながら2ゴールを奪った讃岐。ここ7試合でシーズンの半分近い11ゴールを挙げているだけに、勝ち点を積み上げるためにはやはり守備の部分の安定は急務だという印象です。木島という絶対的な切り札がいることを考えれば、彼の投入までに少なくともリードは許しておきたくない所。2失点目の「CKのずれ」(北野監督)のような部分は絶対になくしたい部分であり、守備時におけるディテールの追求が今後の課題になってきそうです。
これで10戦無敗。昇格プレーオフ圏内にいる6位の千葉と勝ち点4差まで迫った横浜FC。それでも、相手の最終ラインへそれほどプレスを掛けなかったことに対して松下裕樹が、「もうちょっと自分たちからアクションを掛けて、ボールを奪いに行く所を見せた方が良かったかなと。別に持たせておいてもいいやという所から、もう1ランク上を目指してという所も必要だと思う」と話せば、南は「今まで連続で失点してこなかったことどうこうじゃなく、今日を無失点に抑えられなかったことが悔しい。1失点目は何回かどうにかできる場面があった失点だったので、そこが悔しい」と短いフレーズに何度も悔しさを滲ませており、ベテラン勢にこの勝利で満足する様子は微塵も感じられませんでした。それも、前述した山口監督の「魂を込めたプレー、魂を込めた戦いをしようという所を強調している」という、ある意味で"らしくない"働きかけの表れかなと。前述の2人やアン・ヨンハ、松下年宏といった30代のベテランがチームを引き締め、シーズン初出場を果たしたカズという大ベテランまで加わった横浜FCの遅れてきた反攻が止まる気配はまだまだありません。          土屋

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0803hiratsuka.jpg衝撃の"ゼロロク"から4ヶ月。首位の返り討ちか、6位のリベンジか。Jリーグの歴史を彩ってきた両雄のリターンマッチは平塚です。
前節は福岡と今シーズン初となるドローゲームを演じたものの、ここまでの24試合で怒涛の22勝という歴史的な数字を叩き出し、相変わらず首位を独走し続けている湘南。特筆すべきはホームゲームでいまだに1つの引き分けも負けもないこと。平塚でのラインダンスを継続させる意味でも、難敵をきっちりホームで倒して、再び連勝街道に戻りたい一戦です。
4月13日、フクアリ。首位湘南と激突した重要なホームゲームは、誰もが驚く6失点を献上しての完敗を喫し、過去にないほどの屈辱を突き付けられた千葉。ただし、関塚隆監督を指揮官に頂いて以降、天皇杯を含む公式戦は4試合で3勝1敗といまだ負けなし。「セキさんがジェフに対して、本当にサッカーに真摯に取り組まなければという色合いを強めていることは試合を見て感じていた」と話したのは湘南のチョウ・キジェ監督。前回の対戦時とは色々な意味で変化の起きた千葉にとっては、プライドを取り戻すための90分間を迎えます。29.3度の平塚に集まった観衆は、夏休みということもあって子供連れの家族も目立つ8637人。注目の一戦は湘南のキックオフでスタートしました。


3分のセットプレーは湘南。FKをトリック気味に三竿雄斗が中央へ付け、ウェリントンは受けたもののシュートまで持ち込めず。4分も湘南。岩尾憲の積極的なミドルは千葉のGK岡本昌弘がキャッチ。9分も湘南。左サイド、ゴールまで約30mの距離から藤田征也が直接左スミを狙ったFKは、岡本はファインセーブで回避。10分も湘南。三竿の左CKを、下がりながらボレーで合わせたウェリントンのシュートはゴール左へ外れますが、まずはホームチームがいつも通りの勢いで立ち上がります。
さて、難しいアウェイゲームに臨む千葉で目を引いたのは選手の並び。通常は4-4-2か4-2-3-1を採用することが多い中で、この日のシステムは中盤のアンカーに兵働昭弘を置いて、その前には井出遥也と佐藤健太郎が横に並び、右に山中亮輔、左に谷澤達也が張り出す形。「通常の形だと、どうしても3枚目が釣り出されると中央が空く」(関塚監督)ことと「後ろはしっかり4を考えながら」(同)という理由から、4-3-3気味の布陣でスタートします。これに関して「初めてやったし、練習もほとんどやっていない」と話した佐藤健太郎のイメージは、「ヒョウさんと僕とハルヤの3人でうまく中を閉めながら、なるべく外に出させるように、守備を意識して入った」とのこと。14分には藤田の右クロスから、岩尾に左足ボレーを打たれるも、ボールはクロスバーの上へ。16分には亀川諒史のドリブルで与えたFKから、藤田のキックを菊地俊介が合わせたヘディングもクロスバーの上へ。10分以降はある程度落ち着いた守備の対処を披露していきます。
19分は千葉のファーストシュート。井出がFKを右に展開すると、受けた谷澤達也は大外へアーリークロス。ここへ走り込んできたのはFKのスポットに立っていたはずのケンペス。ヘディングは枠の左へ外れたものの、明らかに練習を積んだセットプレーからフィニッシュまで。21分は湘南のCK。右から岩尾が低いボールをマイナス気味に入れると、菊地俊介はスルーでまたぎ、樋口寛規のシュートは枠の左へ外れましたが、こちらも明らかに練習を積んだセットプレーで対抗。お互いに繰り出し合う狙い通りの手数。
湘南の配置でいつもと違ったのはシャドーポジション。1人は移籍後初スタメンとなった樋口で、もう1人は「チョウさんに『久しぶりだけど楽しくやってこいよ』と言われたので、試合前から凄くモチベーションも高まっていた」という菊池大介。特に後者はずっとWBでのプレーが続いていた中でのシャドー起用ということで、「勝負だと思っていたので無心でやりました」という言葉通りに、序盤から受けて捌いて躍動。23分には亀川のパスから一旦はDFに当てたボールを、自ら拾って再シュート。これはわずかにクロスバーの上を越え、思わずチョウ監督も「この前もここでセットプレーのシュートはすごく難しいシュートで、今日の方が簡単だなと思うんですけど」と笑いましたが、「味方が迷わないシンプルなプレーを心がけていた」と自ら話したように、相手の間、間でまさにチームの"潤滑油"として10番が機能していきます。
24分は千葉。佐藤健太郎が左へ振り分け、井出はマーカーを鋭く振り切ってクロスを上げると、兵働のボレーは枠の右へ外れましたが、中盤の3枚できっちりシュートシーンを創出。27分は湘南。自らのミドルで奪った右CKを藤田が蹴り込み、菊地がボレーで当てたボールをウェリントンが頭で狙うも、岡本が丁寧にキャッチ。ここからは「相手も技術があって高い位置でボールを奪えなくて、奪った後に相手が整っているというか、追い越してもなかなか数的優位を創れなかった」と三竿が振り返り、「リズムが良い時はみんなボールを触っていたと思う」と佐藤健太郎も口にしたように、千葉もボールキープ時にはきっちり繋いだために、縦へのスピードアップは少なく、30分以降にシュートシーンは生まれず。最初の45分間はスコアレスでハーフタイムへ入りました。


後半に入って先にチャンスを創ったのは千葉。46分、谷澤が中へ戻したボールは「いつもよりゴールに近いので、シュートのチャンスがあれば打とうと思っていた」という佐藤健太郎が右足で枠の右へ。48分は湘南。樋口のリターンを受けたウェリントンのシュートは枠の右へ。53分は千葉の決定機。カウンターから中央をケンペスが運んで左へ。膨らんだ谷澤が縦に持ち出して放ったシュートは、しかしクロスバーの上へ。55分は湘南の決定機。藤田の右クロスから、収めたウェリントンのシュートはわずかに枠の左へ。お互いに先制への意欲を隠しません。
ほとんど同時に動いた両指揮官。55分はチョウ監督。なかなか流れの中に顔を出せなかった樋口を下げて、岡田翔平をそのままシャドーへ投入。56分は関塚監督。WBの守備対応に追われるシーンの多かった山中に替えて、佐藤勇人を攻撃的な中盤へ送り込み、井出が右ウイングへスライドして全体のバランスを整えると、当たったのは前者の交替策。
57分に岩尾、岡田とボールが回り、菊地が枠へ飛ばしたシュートは岡本がファインセーブで応酬しましたが、次のチャンスをモノにしたのは湘南。61分、右サイドでのアタックから遠藤航が蹴ったクロスはDFに当たったものの、拾った藤田が低いクロスをニアへ放り込むと、突っ込んだ岡田が左足の面で当てたボールはニアを破ってゴールネットへ到達します。10試合ぶりにベンチスタートとなった22番が、先制弾で指揮官へ猛アピール。湘南がスコアを動かしました。
63分にはケンペスとのワンツーで抜け出し掛けた谷澤のチャンスを、丸山祐市が完璧なカバーリングで潰すと、2人目の交替カードを切ったのは関塚監督。アンカーを務めた兵働と森本貴幸を入れ替え、中盤は佐藤勇人と佐藤健太郎がドイスボランチに、右が井出、左が谷澤とサイドハーフを配し、前線は森本とケンペスの2トップにシフト。「昨日立ち位置でやっただけなので、その意味ではよく選手たちは対応してくれた」(関塚監督)という4-3-3から、通常仕様の4-4-2に戻して、残りの25分あまりで同点、そして逆転を狙います。
67分は千葉。カウンターから右サイドで森本のリターンを受けたケンペスは強引にクロスを上げ切り、森本のシュートモーション直前で藤田が辛うじてクリアするも、拾ったボールを中村太亮が再びクロスに変えると、ここは佐藤勇人も打ち切れず、菊池が何とかクリア。68分も千葉。ケンペス、森本とボールが回り、井出が左足で枠へ収めたミドルは湘南のGK秋元陽太がファインセーブで回避。「回す所だったり、最後はクロスで終わる所だったり、ジェフの強みがさらに増したなという雰囲気が強かった」と菊池も認めた千葉の怒涛。千葉の執念。
72分の閃光。DFラインでのボール回しから左サイドでスピードアップすると、森本のパスを受けた中村太亮は切り返して、利き足とは逆の右足でクロス。中央にフリーで潜った井出が頭で叩いたボールは、バウンドしながらゴール右スミへ吸い込まれます。「井出もゴール前によく入って行ったなと思う」と指揮官も認めた20歳の貴重な同点弾。スコアは振り出しに引き戻されました。
最後の10分間は「1-0でキレないで1点返して、さらに逆転しようという気持ちが相手に凄くあったし、それを我々は受けないで跳ね返してカウンターを狙うというような、お互いに勝点3を狙いに行く」というチョウ監督の表現がしっくり来るような、勝利だけを目指した殴り合いが。
80分は湘南。菊池が中央を独力で運んで運んで、そのまま打ち切ったミドルは岡本が気迫のワンハンドセーブ。81分にはチョウ監督が亀川に替えて島村毅を左CBに送り込み、三竿を左WBに上げる采配を。84分は千葉。森本のパスからケンペスが左サイドをドリブルしながら、強引に放ったシュートは枠の右へ。85分は関塚監督が井出に替えて田中佑昌を送り込み、サイドの推進力向上に着手。87分は湘南。ウェリントンが右へ展開し、藤田が上げ切ったクロスを菊池がボレーで狙うも、入ったばかりの田中が体を投げ出してブロック。88分は湘南に最後の交替。藤田を下げて送り込むラストカードは中村祐也。菊池が右WBへスライドして、いよいよゲームは最終盤へ。
90分は湘南。三竿が右から蹴り込んだFKを、ウェリントンが頭に当てたボールはゴール右へ。90+2分は千葉。中村太亮の右CKは丸山がきっちりクリア。90+2分は湘南のカウンター。三竿が運ぶと一気に駆け上がった緑と青の戦士は7枚。7対5のシチュエーションで、しかしウェリントンはトラップが大きくボールロスト。一転、千葉のカウンター。山口智が前に蹴り出すと、こちらは4対2のシチュエーションも丸山がきっちりカットして前へ。一転、湘南のカウンター。遠藤が持ち込んで持ち込んで、繰り出したスルーパスはウェリントンに合わず。一転、千葉のカウンター。岡本のスローインを田中が繋ぎ、ケンペスのドリブルは島村が水際で対応してオフェンスファウル。そして、死闘に終止符を打つ西村雄一主審のホイッスル。「見ている人には、今日は面白い試合になったんじゃないかなと思います」とチョウ監督。真夏の好バウトは両者が勝ち点1ずつを積み上げる結果となりました。


衝撃の"ゼロロク"から4ヶ月。千葉の変化が顕著に現れたゲームだったと思います。チームが無敗で来ている理由を問われた関塚監督は「彼らがやらなきゃという所が現れてきたんじゃないかと。ピッチに立ったら選手たちに躍動してもらう、そして一体感を持って、良い内容で勝つということを追求していくと。彼らがしっかりと答えを出していくという所で、クラブの決断に対しての変化が少しずつ出てきたのかなと思います」と手応えを口に。チョウ監督も「自分たちでボールを動かせる良さに、相手の裏をシンプルに取ったり、戦う気持ちを前面に出したりという所は、さすが関塚さんだなと思って試合をさせてもらっていました」とのこと。もちろん、ほとんどぶっつけ本番で4-3-3をしっかり機能させた個々の戦術理解度も賞賛されるべきですが、最も印象的だったのは「アウェイで先制されながら諦めずにやった」(佐藤健太郎)、その折れないメンタルや最後まで走り切る執念のようなものだったことは多くの人の一致する所でしょう。試合後、チョウ監督は囲み取材の中で「こういう試合をやりたいよね。今日90分間戦った選手は絶対に成長できると思うよ」と話しました。その言葉の感想を2人の選手に聞くと、三竿は「どちらが勝つかわからないような展開がずっと続いたので、やっていて凄く楽しかったし、勝ち切れれば良かったですけど、こういう雰囲気の中でやれたのは凄く良かったです」と。また、菊池は「楽しかったですね。シャドーが久しぶりだったというのもあるし、新鮮な気持ちでできたので楽しかったです」と言いながら、続けて「でも、楽しいだけじゃダメですし、シュートチャンスが3回、4回あった中で、それを決められない自分というのがまだいるので、このままではJ1では通用しないなと思うし、これを改善しない限りはもう1個上の自分には行けないなと思っているので、練習からやるしかないなと思います」とキッパリ。充実感とさらなる欲求と。見る側にもそれを与えてくれるような空間が、この日の平塚にはありました。      土屋

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