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J SPORTS J.LEAGUE

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0817mitsuzawa.jpg置かれた立場は異なれども、お互いにここからの浮上のみを義務付けられている現状は一緒。14位と21位が晩夏に差し掛かりつつある横浜で対峙する一戦は三ツ沢です。
21試合でわずかに4勝と、厳しい戦いを強いられた前半戦は過去の話。22節からは怒涛の4連勝を飾り、前節はアウェイで千葉とも引き分け、9戦無敗継続中で14位にまで浮上してきた横浜FC。「自分たちは目標があるわけで、もうその目標を諦めて終わるのか、もう1回みんなで勝ちにこだわってトレーニングして、試合をやって、結果を出すのか、じゃあどっちなのと言った時に、今は結果にこだわってトレーニングもできている」と話すのは中盤のキーマンとも言うべき松下裕樹。唯一の"目標"へ向けて、もう一度チームのベクトルを揃えていくための試合が続きます。
待望の初勝利は第15節。21位と22位の直接対決となった富山戦にアウェイで競り勝つと、以降は2勝5分け4敗と着実に勝ち点を積み上げ、最下位に位置する富山との差を広げつつある讃岐。前節も熊本相手に後半アディショナルタイムの同点弾で勝ち点1をモノにするなど、チームは上り調子。「讃岐はここの所で良い戦いを見せているので、ある意味では千葉より難しい試合になるよと選手に伝えた」とは敵将の山口素弘監督。アウェイとはいえ、勝ち点3への強い意欲は変わりません。気温27.6度、湿度57%と、三ツ沢の夜は絶好のコンディション。勝利のみを目指す90分間は横浜FCのキックオフでスタートしました。


「非常に良い集中力、テンションでゲームに入ってくれた」という山口監督の言葉を証明したのは、いきなり見せた目の覚めるような先制パンチ。3分、パク・ソンホが確実に落とし、寺田紳一が左へ付けると、ここにいたのは16節以来のスタメン出場となった野村直輝。「体が勝手に動いた」と自ら振り返る、エリア外から冷静にコントロールされたシュートは、ゴール右スミへ美しい軌道を描いて吸い込まれます。「今日結果が出せなかったら次はないという気持ち」でゲームに臨んだルーキーのゴラッソ。ホームチームが早くもリードを奪いました。
さて、あっという間にビハインドを背負った讃岐。7分にはクリアボールを拾った小澤雄希が強引にミドルレンジからファーストシュートを放つも、ボールはクロスバーの遥か上へ。それほど横浜FCが前からプレスに来なかったこともあって、ある程度は最終ラインでボールは持てるものの、そこから縦へとボールを入れるスイッチが見つからず、攻撃の形はなかなか出てきません。
一方の横浜FCも「基本的には良い状態の時にはプレッシャーに行くし、全部が全部ハイプレッシャーは難しい部分はあるが、その部分は選手が判断ができているのかなと思う」と山口監督が話したように、行く所と行かない所を判断しながら、リードもあってそれほど無理には出て行かず。22分に松下裕樹のパスから、松下年宏が左足で打ったミドルは讃岐のGK石井健太がキャッチ。23分にもCBの野上結貴が左へフィードを送り、SBの中島崇典がトラップで縦へ持ち出してクロス。パク・ソンホはスライディングで飛び込み、わずかに触れませんでしたが、悪くないチャレンジを時折繰り出します。
すると、次にハマのサポーターへ歓喜をもたらしたのはセットプレー。31分、パク・ソンホのポストから松下年宏が獲得したCK。これを右から松下年宏が自ら蹴ると、中央でマーカーへ完全に競り勝ち、ヘディングでゴールへ叩き込んだのは野上。3本目のシュートで2つ目のゴールを生み出す効率の良さ。CBの今シーズン4点目が飛び出し、横浜FCが点差を広げます。
「2点目も入っちゃったので、あとは失点は絶対しないように」(松下裕樹)前半を乗り切りたいホームチームに対し、アウェイチームも終盤に手数。37分には中央左、ゴールまで約30mの位置から持留新作が直接狙ったFKは力なく枠の左へ。43分、高い位置で寺田から小澤がボールを奪い、その流れから堀河俊大が右へ流したボールを、我那覇和樹が叩いたシュートはDFがしっかりブロック。「積極的に受けないで、前半はうまくゲームを進められたらなと思っていた」という松下裕樹の言葉通りに進んだ展開。横浜FCが2点のアドバンテージを握って、ハーフタイムに入りました。


後半開始から動いたのは北野誠監督。「新しい選手を2人入れて、距離感が合わなくなった所が、僕の完全なスタートの選手のミスマッチだった」と前節から入れ替えた右SBのソン・ハンキと1トップ下の持留を下げて、武田有祐と木島良輔を投入する2枚替えを敢行。武田はそのまま右SBへ、木島は我那覇と2トップを組む格好で残りの45分間に挑みます。
後半もファーストシュートは横浜FC。47分、ピッチ中央、ゴールまで30m近い距離のFKを松下裕樹が直接枠へ収め、石井が何とかキャッチしましたが、「絶対に先に失点はしないようにというのを考えながら、ハーフタイムでも3点目を取ろうと言いながらやっていた」という狙いと気概を1本の直接FKで示してみせます。
そんな中、少し格の違いを見せ付けるような格好で、ピッチ上を駆け回ったのは35歳のストライカー。47分には右サイドに開いた木島がピンポイントでクロスを送り、フリーで合わせた小澤のヘディングは横浜のGK南雄太にキャッチされたものの、52分にも山本翔平、小澤と回ったパスを受けた木島は、前を向いた瞬間に思い切りよくミドル。少しドライブが掛かったボールはクロスバーに阻まれましたが、木島の躍動で讃岐にも射し込み始めたゴールへの光。
ところが、次の得点を記録したのも紺の"サード"ユニフォームを纏った横浜FC。56分にやや中央左寄りで獲得したFK。ゴールまでの距離はおよそ25m。短い助走から松下年宏が蹴り込んだボールはカベを越えると、ゴール右スミギリギリのポイントへ飛び込みます。24番を背負う30歳の今シーズン2ゴール目は大きな追加点。スコアは3-0に変わりました。
小さくないリードを手にした横浜FCは、58分に1人目の交替を。「相手がロングボールを蹴ってきたので、その圧力でセカンドボールで後手を踏んだ」と見ていた山口監督は、先制弾の野村に替えてアン・ヨンハをボランチへ送り込み、野崎が左SHへ、寺田が1トップ下へそれぞれスライド。ゴールこそ奪ったものの、やや失いかけていたゲームリズムをもう一度取り返す采配を振るいます。
63分は讃岐。岡村和哉が右へ振り分け、武田が中央に切れ込みながら枠へ飛ばしたミドルは南が何とかセーブ。64分も讃岐。武田が右から投げ入れたロングスローは中央にこぼれ、突っ込んだ木島はオフェンスファウルを取られたものの、途中出場の武田も2つのプレーで存在感を。逆に「3-0になった時点で、ゼロで抑えるのか、もう1点2点を取りに行くのかという所が、前と後ろで曖昧だった」と話したのは南。72分に右SBの市村篤司がカットインから枠の左へ外したシュートが、横浜FCにとって3点目以降は初めてのシュート。76分に野崎陽介と小池純輝を入れ替え、もう一度踏み込みたい攻撃へのアクセル。
78分に北野監督が切った3枚目のカード。小澤との交替でピッチへ解き放たれたのは高橋泰。これで讃岐は前線に右から高橋、我那覇、木島を並べる4-3-3にシフトして、最後の勝負に。79分には武田の右ロングスローから沼田圭悟が打ったシュートは、アン・ヨンハが体を投げ出してさすがのブロック。直後の左CKを堀河が蹴り込み、ファーへ飛び込んだ藤井航大のヘディングは薄く当たり、枠の右へ逸れるも勢いはアウェイチーム。
83分の衝撃。主役はやはりあの男。南が蹴ったFKを堀河が跳ね返すと、市村がクリアし損ねたボールを素早く木島が支配下へ。左サイドを運んで運んで、中央へのパスもチラつかせながら放ったシュートは、右のサイドネットを綺麗に揺らします。やはりスコアラーは木島。黄金世代を担った男が意地の一撃。点差は2点に縮まりました。
目には目を。86分の追加点。アン・ヨンハが素晴らしいタックルでボールを奪うと、拾った寺田は右に流れながらヒールキックでスルーパス。パク・ソンホはGKの脇を抜くシュートでボールをゴールネットへ確実に送り届けます。悩めるストライカーが9試合ぶりの一発。再び両者の差は3点に開きました。
88分にあるいはこの日で最も沸いた三ツ沢。仕事を果たした寺田に替わり、ピッチへ飛び出していったのは背番号11。三浦知良、日本サッカー界のレジェンド"カズ"の今シーズン初出場に、子供、大人、男性、女性、スタンドのほとんどすべてから送られる万雷の拍手に三ツ沢は包まれます。
ただ、最後のゴールはアウェイチームに。90+1分、左から堀河が蹴ったCKが中央に入ると、河合英治主審は横浜FCのファウルとジャッジ。エブソンを倒したアン・ヨンハにイエローカードが提示され、讃岐にPKが与えられます。キッカーはエブソン自ら。南も足で触ったものの、ゴールネットに収まってスコアは4-2。最後はエブソンとの接触でGKの石井がプレー続行不可能になり、そのエブソンがGKとしてゴールマウスに立つハプニングもありましたが、そのまま迎えたタイムアップ。「暑苦しい言い方かもしれないが、魂を込めたプレー、魂を込めた戦いをしようという所を強調している部分はある」と山口監督も語った横浜FCが連続無敗を10試合に伸ばし、勝ち点3をきっちり積み上げる結果となりました。


「横浜FCが今凄く調子が上がっている要因として、守備の構築があると思う。その横浜FCから2点取れたのは、唯一の次に繋がる所かなと思う」と北野監督が話したように、後半はゲームの流れを引き寄せながら2ゴールを奪った讃岐。ここ7試合でシーズンの半分近い11ゴールを挙げているだけに、勝ち点を積み上げるためにはやはり守備の部分の安定は急務だという印象です。木島という絶対的な切り札がいることを考えれば、彼の投入までに少なくともリードは許しておきたくない所。2失点目の「CKのずれ」(北野監督)のような部分は絶対になくしたい部分であり、守備時におけるディテールの追求が今後の課題になってきそうです。
これで10戦無敗。昇格プレーオフ圏内にいる6位の千葉と勝ち点4差まで迫った横浜FC。それでも、相手の最終ラインへそれほどプレスを掛けなかったことに対して松下裕樹が、「もうちょっと自分たちからアクションを掛けて、ボールを奪いに行く所を見せた方が良かったかなと。別に持たせておいてもいいやという所から、もう1ランク上を目指してという所も必要だと思う」と話せば、南は「今まで連続で失点してこなかったことどうこうじゃなく、今日を無失点に抑えられなかったことが悔しい。1失点目は何回かどうにかできる場面があった失点だったので、そこが悔しい」と短いフレーズに何度も悔しさを滲ませており、ベテラン勢にこの勝利で満足する様子は微塵も感じられませんでした。それも、前述した山口監督の「魂を込めたプレー、魂を込めた戦いをしようという所を強調している」という、ある意味で"らしくない"働きかけの表れかなと。前述の2人やアン・ヨンハ、松下年宏といった30代のベテランがチームを引き締め、シーズン初出場を果たしたカズという大ベテランまで加わった横浜FCの遅れてきた反攻が止まる気配はまだまだありません。          土屋

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0803hiratsuka.jpg衝撃の"ゼロロク"から4ヶ月。首位の返り討ちか、6位のリベンジか。Jリーグの歴史を彩ってきた両雄のリターンマッチは平塚です。
前節は福岡と今シーズン初となるドローゲームを演じたものの、ここまでの24試合で怒涛の22勝という歴史的な数字を叩き出し、相変わらず首位を独走し続けている湘南。特筆すべきはホームゲームでいまだに1つの引き分けも負けもないこと。平塚でのラインダンスを継続させる意味でも、難敵をきっちりホームで倒して、再び連勝街道に戻りたい一戦です。
4月13日、フクアリ。首位湘南と激突した重要なホームゲームは、誰もが驚く6失点を献上しての完敗を喫し、過去にないほどの屈辱を突き付けられた千葉。ただし、関塚隆監督を指揮官に頂いて以降、天皇杯を含む公式戦は4試合で3勝1敗といまだ負けなし。「セキさんがジェフに対して、本当にサッカーに真摯に取り組まなければという色合いを強めていることは試合を見て感じていた」と話したのは湘南のチョウ・キジェ監督。前回の対戦時とは色々な意味で変化の起きた千葉にとっては、プライドを取り戻すための90分間を迎えます。29.3度の平塚に集まった観衆は、夏休みということもあって子供連れの家族も目立つ8637人。注目の一戦は湘南のキックオフでスタートしました。


3分のセットプレーは湘南。FKをトリック気味に三竿雄斗が中央へ付け、ウェリントンは受けたもののシュートまで持ち込めず。4分も湘南。岩尾憲の積極的なミドルは千葉のGK岡本昌弘がキャッチ。9分も湘南。左サイド、ゴールまで約30mの距離から藤田征也が直接左スミを狙ったFKは、岡本はファインセーブで回避。10分も湘南。三竿の左CKを、下がりながらボレーで合わせたウェリントンのシュートはゴール左へ外れますが、まずはホームチームがいつも通りの勢いで立ち上がります。
さて、難しいアウェイゲームに臨む千葉で目を引いたのは選手の並び。通常は4-4-2か4-2-3-1を採用することが多い中で、この日のシステムは中盤のアンカーに兵働昭弘を置いて、その前には井出遥也と佐藤健太郎が横に並び、右に山中亮輔、左に谷澤達也が張り出す形。「通常の形だと、どうしても3枚目が釣り出されると中央が空く」(関塚監督)ことと「後ろはしっかり4を考えながら」(同)という理由から、4-3-3気味の布陣でスタートします。これに関して「初めてやったし、練習もほとんどやっていない」と話した佐藤健太郎のイメージは、「ヒョウさんと僕とハルヤの3人でうまく中を閉めながら、なるべく外に出させるように、守備を意識して入った」とのこと。14分には藤田の右クロスから、岩尾に左足ボレーを打たれるも、ボールはクロスバーの上へ。16分には亀川諒史のドリブルで与えたFKから、藤田のキックを菊地俊介が合わせたヘディングもクロスバーの上へ。10分以降はある程度落ち着いた守備の対処を披露していきます。
19分は千葉のファーストシュート。井出がFKを右に展開すると、受けた谷澤達也は大外へアーリークロス。ここへ走り込んできたのはFKのスポットに立っていたはずのケンペス。ヘディングは枠の左へ外れたものの、明らかに練習を積んだセットプレーからフィニッシュまで。21分は湘南のCK。右から岩尾が低いボールをマイナス気味に入れると、菊地俊介はスルーでまたぎ、樋口寛規のシュートは枠の左へ外れましたが、こちらも明らかに練習を積んだセットプレーで対抗。お互いに繰り出し合う狙い通りの手数。
湘南の配置でいつもと違ったのはシャドーポジション。1人は移籍後初スタメンとなった樋口で、もう1人は「チョウさんに『久しぶりだけど楽しくやってこいよ』と言われたので、試合前から凄くモチベーションも高まっていた」という菊池大介。特に後者はずっとWBでのプレーが続いていた中でのシャドー起用ということで、「勝負だと思っていたので無心でやりました」という言葉通りに、序盤から受けて捌いて躍動。23分には亀川のパスから一旦はDFに当てたボールを、自ら拾って再シュート。これはわずかにクロスバーの上を越え、思わずチョウ監督も「この前もここでセットプレーのシュートはすごく難しいシュートで、今日の方が簡単だなと思うんですけど」と笑いましたが、「味方が迷わないシンプルなプレーを心がけていた」と自ら話したように、相手の間、間でまさにチームの"潤滑油"として10番が機能していきます。
24分は千葉。佐藤健太郎が左へ振り分け、井出はマーカーを鋭く振り切ってクロスを上げると、兵働のボレーは枠の右へ外れましたが、中盤の3枚できっちりシュートシーンを創出。27分は湘南。自らのミドルで奪った右CKを藤田が蹴り込み、菊地がボレーで当てたボールをウェリントンが頭で狙うも、岡本が丁寧にキャッチ。ここからは「相手も技術があって高い位置でボールを奪えなくて、奪った後に相手が整っているというか、追い越してもなかなか数的優位を創れなかった」と三竿が振り返り、「リズムが良い時はみんなボールを触っていたと思う」と佐藤健太郎も口にしたように、千葉もボールキープ時にはきっちり繋いだために、縦へのスピードアップは少なく、30分以降にシュートシーンは生まれず。最初の45分間はスコアレスでハーフタイムへ入りました。


後半に入って先にチャンスを創ったのは千葉。46分、谷澤が中へ戻したボールは「いつもよりゴールに近いので、シュートのチャンスがあれば打とうと思っていた」という佐藤健太郎が右足で枠の右へ。48分は湘南。樋口のリターンを受けたウェリントンのシュートは枠の右へ。53分は千葉の決定機。カウンターから中央をケンペスが運んで左へ。膨らんだ谷澤が縦に持ち出して放ったシュートは、しかしクロスバーの上へ。55分は湘南の決定機。藤田の右クロスから、収めたウェリントンのシュートはわずかに枠の左へ。お互いに先制への意欲を隠しません。
ほとんど同時に動いた両指揮官。55分はチョウ監督。なかなか流れの中に顔を出せなかった樋口を下げて、岡田翔平をそのままシャドーへ投入。56分は関塚監督。WBの守備対応に追われるシーンの多かった山中に替えて、佐藤勇人を攻撃的な中盤へ送り込み、井出が右ウイングへスライドして全体のバランスを整えると、当たったのは前者の交替策。
57分に岩尾、岡田とボールが回り、菊地が枠へ飛ばしたシュートは岡本がファインセーブで応酬しましたが、次のチャンスをモノにしたのは湘南。61分、右サイドでのアタックから遠藤航が蹴ったクロスはDFに当たったものの、拾った藤田が低いクロスをニアへ放り込むと、突っ込んだ岡田が左足の面で当てたボールはニアを破ってゴールネットへ到達します。10試合ぶりにベンチスタートとなった22番が、先制弾で指揮官へ猛アピール。湘南がスコアを動かしました。
63分にはケンペスとのワンツーで抜け出し掛けた谷澤のチャンスを、丸山祐市が完璧なカバーリングで潰すと、2人目の交替カードを切ったのは関塚監督。アンカーを務めた兵働と森本貴幸を入れ替え、中盤は佐藤勇人と佐藤健太郎がドイスボランチに、右が井出、左が谷澤とサイドハーフを配し、前線は森本とケンペスの2トップにシフト。「昨日立ち位置でやっただけなので、その意味ではよく選手たちは対応してくれた」(関塚監督)という4-3-3から、通常仕様の4-4-2に戻して、残りの25分あまりで同点、そして逆転を狙います。
67分は千葉。カウンターから右サイドで森本のリターンを受けたケンペスは強引にクロスを上げ切り、森本のシュートモーション直前で藤田が辛うじてクリアするも、拾ったボールを中村太亮が再びクロスに変えると、ここは佐藤勇人も打ち切れず、菊池が何とかクリア。68分も千葉。ケンペス、森本とボールが回り、井出が左足で枠へ収めたミドルは湘南のGK秋元陽太がファインセーブで回避。「回す所だったり、最後はクロスで終わる所だったり、ジェフの強みがさらに増したなという雰囲気が強かった」と菊池も認めた千葉の怒涛。千葉の執念。
72分の閃光。DFラインでのボール回しから左サイドでスピードアップすると、森本のパスを受けた中村太亮は切り返して、利き足とは逆の右足でクロス。中央にフリーで潜った井出が頭で叩いたボールは、バウンドしながらゴール右スミへ吸い込まれます。「井出もゴール前によく入って行ったなと思う」と指揮官も認めた20歳の貴重な同点弾。スコアは振り出しに引き戻されました。
最後の10分間は「1-0でキレないで1点返して、さらに逆転しようという気持ちが相手に凄くあったし、それを我々は受けないで跳ね返してカウンターを狙うというような、お互いに勝点3を狙いに行く」というチョウ監督の表現がしっくり来るような、勝利だけを目指した殴り合いが。
80分は湘南。菊池が中央を独力で運んで運んで、そのまま打ち切ったミドルは岡本が気迫のワンハンドセーブ。81分にはチョウ監督が亀川に替えて島村毅を左CBに送り込み、三竿を左WBに上げる采配を。84分は千葉。森本のパスからケンペスが左サイドをドリブルしながら、強引に放ったシュートは枠の右へ。85分は関塚監督が井出に替えて田中佑昌を送り込み、サイドの推進力向上に着手。87分は湘南。ウェリントンが右へ展開し、藤田が上げ切ったクロスを菊池がボレーで狙うも、入ったばかりの田中が体を投げ出してブロック。88分は湘南に最後の交替。藤田を下げて送り込むラストカードは中村祐也。菊池が右WBへスライドして、いよいよゲームは最終盤へ。
90分は湘南。三竿が右から蹴り込んだFKを、ウェリントンが頭に当てたボールはゴール右へ。90+2分は千葉。中村太亮の右CKは丸山がきっちりクリア。90+2分は湘南のカウンター。三竿が運ぶと一気に駆け上がった緑と青の戦士は7枚。7対5のシチュエーションで、しかしウェリントンはトラップが大きくボールロスト。一転、千葉のカウンター。山口智が前に蹴り出すと、こちらは4対2のシチュエーションも丸山がきっちりカットして前へ。一転、湘南のカウンター。遠藤が持ち込んで持ち込んで、繰り出したスルーパスはウェリントンに合わず。一転、千葉のカウンター。岡本のスローインを田中が繋ぎ、ケンペスのドリブルは島村が水際で対応してオフェンスファウル。そして、死闘に終止符を打つ西村雄一主審のホイッスル。「見ている人には、今日は面白い試合になったんじゃないかなと思います」とチョウ監督。真夏の好バウトは両者が勝ち点1ずつを積み上げる結果となりました。


衝撃の"ゼロロク"から4ヶ月。千葉の変化が顕著に現れたゲームだったと思います。チームが無敗で来ている理由を問われた関塚監督は「彼らがやらなきゃという所が現れてきたんじゃないかと。ピッチに立ったら選手たちに躍動してもらう、そして一体感を持って、良い内容で勝つということを追求していくと。彼らがしっかりと答えを出していくという所で、クラブの決断に対しての変化が少しずつ出てきたのかなと思います」と手応えを口に。チョウ監督も「自分たちでボールを動かせる良さに、相手の裏をシンプルに取ったり、戦う気持ちを前面に出したりという所は、さすが関塚さんだなと思って試合をさせてもらっていました」とのこと。もちろん、ほとんどぶっつけ本番で4-3-3をしっかり機能させた個々の戦術理解度も賞賛されるべきですが、最も印象的だったのは「アウェイで先制されながら諦めずにやった」(佐藤健太郎)、その折れないメンタルや最後まで走り切る執念のようなものだったことは多くの人の一致する所でしょう。試合後、チョウ監督は囲み取材の中で「こういう試合をやりたいよね。今日90分間戦った選手は絶対に成長できると思うよ」と話しました。その言葉の感想を2人の選手に聞くと、三竿は「どちらが勝つかわからないような展開がずっと続いたので、やっていて凄く楽しかったし、勝ち切れれば良かったですけど、こういう雰囲気の中でやれたのは凄く良かったです」と。また、菊池は「楽しかったですね。シャドーが久しぶりだったというのもあるし、新鮮な気持ちでできたので楽しかったです」と言いながら、続けて「でも、楽しいだけじゃダメですし、シュートチャンスが3回、4回あった中で、それを決められない自分というのがまだいるので、このままではJ1では通用しないなと思うし、これを改善しない限りはもう1個上の自分には行けないなと思っているので、練習からやるしかないなと思います」とキッパリ。充実感とさらなる欲求と。見る側にもそれを与えてくれるような空間が、この日の平塚にはありました。      土屋

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DSC_0236.jpg昨シーズンの昇格プレーオフを戦った実力者同士のリターンマッチ。勝ち点33の6位と勝ち点27の15位が対峙する真夏の好カードはフクアリです。
5シーズン目となるJ2を戦うクラブが6月で下した決断。五輪代表を率い、ロンドンの地でベスト4まで勝ち上がった関塚隆監督を招聘し、チーム唯一と言っていい目標であり、ノルマを託した千葉。すると、初采配となった天皇杯ではJ3の長野を何とか振り切ると、リーグ戦でもアウェイの栃木戦で0-2ときっちり勝ち点3を奪うなど、上々のスタートを切って順位も6位まで浮上。今節は谷澤達也、ケンペス、キム・ヒョヌンと3人の主力を出場停止で欠きますが、大混戦のリーグからわずかでも抜け出すために、今季初のリーグ戦3連勝を狙います。
J2参入初年度は誰もが驚く快進撃を続け、昇格プレーオフまで堂々と進出してみせた長崎。今シーズンも序盤は着実に勝ち点を積み重ね、自動昇格圏内も狙える位置に付けていたものの、5月以降の14試合ではわずかに1勝と一気にペースが急落。現在はJ参入以降で2度目となる3連敗中の上、順位も15位まで落としており、一転してここまでは厳しいシーズンに。アウェイで難敵を追い落として、浮上のキッカケを掴みたい90分間です。すっかり真夏の暑さが押し寄せる中、気温は29.2度と多少は和らいだコンディション。双方にとって負けられない一戦は千葉のキックオフでスタートしました。


立ち上がりから飛び出したのはいつもの前半と違い、サポーターで埋まったホームゴール裏へ向かって攻める千葉。3分、前線で森本貴幸がうまく収め、兵働昭弘が狙ったシュートは、これが3試合目のスタメンとなった長崎のGK中村隼がキャッチ。4分、右SBの竹内彬が中央にスルーパスを通し、反応した森本が走るもわずかに届かず。6分にも中村太亮の左CKがゴール前を襲い、DFのクリアに遭いましたが、まずはホームチームが押し気味にゲームを進めます。
ただ、「最初はプレスでワイドが行く部分とシャドーが行く部分の確認で連携が取れなかったけど、誰がどこに行けばいいかというのはすぐに修正できた」(神崎大輔)こともあって、10分以降は徐々に長崎が掴んだリズム。11分には神崎とイ・ヨンジェで獲得したCKを左から岡本拓也が蹴り込み、最後は神崎がクロスバーの上を越えるミドルにトライ。13分には古部健太が右へ振り分け、奥埜博亮のクロスを佐藤洸一が頭で折り返すも、イ・ヨンジェはシュートまでいけず。14分にも黒木聖仁が素早く始めたFKから、佐藤洸一が枠へ飛ばしたミドルは千葉のGK岡本昌弘がキャッチ。16分にもCKのこぼれから、古部が左へフィードを送り、黒木が懸命に足を伸ばして折り返したボールへ、懸命に飛び付いた佐藤洸一のヘディングは力なく枠の右へ外れましたが、長崎が続けてフィニッシュを取り切ります。
長崎がこのゲームでポイントにしていたのは大きく2つ。その内の1つが「中盤の兵働と佐藤健太郎を潰しに行く」(高木琢也監督)ということ。10分以降の守備面を問われて、「守備の部分では前から行って、みんな勢いを持って行けていたので、凄くチームとしてはうまくやれているなという感覚はあった」と話したのはドイスボランチの一角に入った三原雅敏。中盤で相手のドイスボランチを2シャドーとの連携でうまく挟み、セカンドもことごとく回収したことで、一気に引き寄せたゲームの流れ。
18分も長崎。岡本の左CKにイ・ヨンジェが飛び込むも、ボールはクロスバーの上へ。20分も長崎。エリアのすぐ外でルーズボールを拾った奥埜は枠を越える左足ボレーを。22分も長崎。右サイド、ゴールまで約30mの距離から岡本が直接狙った無回転FKは枠外へ。千葉も23分には兵働が、26分には竹内がそれぞれミドルを狙うも、共にやや強引さが目立ち、前者は枠外で後者は中村がキャッチ。長崎の時間が続きます。
27分にはまさに狙い通りのシーンが。中盤でボールを持った佐藤健太郎に、長崎は3人でプレス。囲まれた佐藤健太郎のミスパスを、イ・ヨンジェはかっさらうと、そのまま右サイドをドリブルで持ち込んで枠の右へ外れるシュートまで。「中盤の選手を潰しに行くことが、我々の本当に流れを創るポイント」という指揮官の狙いを、フィニッシュへと繋げる形で見事に表現してみせたワンシーンでした。
また、長崎で積極性が印象的だったのは1トップに入ったイ・ヨンジェ。これがまだ2試合目の出場になりますが、「収まるし、前で基点を創ってくれるので、僕自身はやりやすさを感じている」と三原も言及したように、前線で体の強さを生かして基点創出に奔走。40分には岡本が森本から奪ったボールを付けると、そのイ・ヨンジェは岡本にキャッチされたものの、きっちりシュートを枠内へ。前半だけで両チーム最多となる3本のシュートを放つなど、ゴールへの意欲を前面に打ち出します。スコアこそ動きませんでしたが、「相手の勢いをモロに食らってしまった」(関塚監督)千葉を長崎が圧倒する展開で、最初の45分間は終了しました。


ハーフタイムを挟み、迎えた後半のファーストシュートは千葉。48分、左サイドを独力で運んだ山中亮輔が得意の左足でシュート。ボールはゴール左へ外れましたが、4節以来のスタメンとなったレフティが果敢なチャレンジで、「この勝負、勝とう!どっちが勝ちたいかだ!」と指揮官に送り出されたチームの気合を体現します。
ところが、スコアボードの"0"を先に"1"へと変えたのは長崎。55分、中村隼のゴールキックを左のハイサイドでイ・ヨンジェがキープ。戻したボールを神崎が縦へ運び、そのままクロスを放り込むと、中央でフリーになった奥埜のヘディングはゆっくりとゴールネットへ吸い込まれます。「クロ(黒木)が入り込んでいたので、そこを狙ったつもりだったけど、うまい具合に相手を引き連れてくれたので裏が空いた」と神崎も振り返ったサイドからの流れできっちり成果を。アウェイチームが1点のアドバンテージを手にしました。
関塚体制で臨んだ公式戦3試合目にして、初めて先制を許した千葉でしたが、この窮地を救ったのは「ここで結果を出そうという強い気持ちを持って試合に入った」レフティ。59分、ゴールまで約30mの位置で兵働がFKを小さく出すと、山中はミドルレンジから左足一閃。右スミへ飛んだボールは、中村隼の手を弾いてゴールネットへ到達します。沸き上がるフクアリ。3人の出場停止を受け、久々にスタメン起用となった山中が大仕事。再びスコアは振り出しに引き戻されました。
さらにパワーを出したい千葉は65分に1人目の交替を。大塚を下げて、田中佑昌を右SHへ投入。井出遥也が左SHへ移り、山中が1.5列目にスライドして、狙う勝ち越しゴール。67分には兵働が右へ展開したボールを田中がクロスまで上げ切り、ニアで合わせた山中のボレーは枠の右へ外れるも、攻勢を強めます。
「後半の途中からプレスに行けなくなって、そこで少し動かされた」という三原の感覚は、当然高木監督も把握。69分にまず1人目の交替として佐藤洸一と古巣対決となる深井正樹を入れ替えると、72分にはボランチの黒木と前田悠佑もスイッチさせて、もう一度中盤での強度を高め、奪われたゲームリズムを取り戻しに掛かります。
この前後の時間帯は「しっかりと収める所で収めて、形というものを少し見せられたかな」と関塚監督も振り返ったように、千葉が兵働と佐藤健太郎を中心にボールを左右に動かし、そこに田中と井出がしっかり絡んでいく形が再三。高木監督がもう1つのポイントとして挙げていた「浮き球や切り替えの中の球際勝負で勝つこと」もやや千葉に傾きつつあり、形勢は逆転しつつありました。
ただ、そこは知略を巡らす指揮官だけに的確な楔を既に。76分、前田が鋭い出足でボールを奪い、奥埜を経由したボールからイ・ヨンジェのシュートはゴール左へ外れたものの、「マエちゃん(前田)が入って、ちょっとスピードを持って行けるようになった」とは三原が認めたように、前田の投入で中盤の強度復活に成功。さらに、81分には3バックの中央に位置する山口貴弘を起点に、三原が繋いだボールを深井は左へスルーパス。神崎はわずかにオフサイドラインを出ていましたが、最も運動量を擁するWBの神崎が「オフサイドでも通らなくても、空走りでもやっていけば相手も引いてくると思うし、疲れてくると思うので続けていきたい」と話すあたりに、チームの徹底した"走る"意識を垣間見たような気がしました。
83分には高木監督が最後の交替を決断。奥埜とスティッペを入れ替え、そのスティッペをイ・ヨンジェと並べる2トップ気味の布陣へシフトして、勝ち点3への気概をピッチへ注入しますが、布陣変更で逆にやや守備面が混乱した感のある長崎を尻目に、終盤は千葉がラッシュ。85分、兵働と井出がスムーズにパスを交換し、山中が左足で狙ったシュートはヒットせず。88分、兵働が左へFKを送り、中村太亮が上げたクロスは飛び込んだ3枚のいずれにも合わず。関塚監督も90+3分には奮闘した山中に替えて町田也真人を送り込み、ゲームは最終局面へ。
90+4分は長崎。左サイドでボールを持ったスティッペが強引に狙ったミドルは、大きく枠を外れるノーチャンスのトライ。90+4分は千葉。兵働がここも左への展開を選択し、中村太亮が上げ切ったクロスをファーで叩いた森本のヘディングは枠の右へ外れ、迎えた試合終了のホイッスル。真夏の好ゲームは両者に勝ち点1ずつが振り分けられる結果となりました。


「選手たちは前半少し止まっていた感があったけど、後半盛り返して行けて何とか勝点1を奪えた」と関塚監督が話したように、千葉は前半を考えると勝ち点1を取れたのは大きいように思えます。また、主力の出場停止という事態を受けて、スタートから登場した山中がきっちり結果を出したのは今後に向けても好材料。ルーキーのオナイウ阿道もベンチ入りを果たすなど、山中や井出も含めて若手が突き上げていくことで、チームにさらなるプラスアルファをもたらしていく必要がありそうです。
「我々としては今後の、ある意味スタンダードといったものがまたできたということで、引き分けだったけど非常にプラスになるようなゲームだったと思う」と高木監督も言及した通り、長崎にとっては今後へ向けて大きな勝ち点1になったのは間違いありません。神崎も「切り替えの速さみたいな部分をちょっと忘れていたかなと思って、今日は本当に良かったと思う」と手応えを口に。"球際"や"切り替え"といったチームの生命線を取り戻す上でも、重要な90分間を経験できたようです。まだ上位との勝ち点差は大きく開いていないだけに、ここからの巻き返しが楽しみになるようなゲームだったのではないでしょうか。       土屋


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DSC_0231.jpgJ2を席巻し続ける緑と青の台風に、知将率いる熊本の赤馬が立ちはだかれるか。ここから2巡目となるタイミングで組まれた好カードはBMWです。
開幕14連勝。1つの黒星を挟み、再び6連勝。既に2位には17ポイント、7位には28ポイントの差を付け、もはやいつが"Xデー"かという話題が出てきてもおかしくない湘南。ただ、2回り目に突入するこのゲームを前に、「リセット、リスタート、リスタイルという話をした」とはチョウ・キジェ監督。数字に惑わされることなく、再び自らの目指す場所へ到達するための3つの"Re"は、既に始まっています。
4月は3連勝を含む5戦無敗で8位にまで浮上するなど、今シーズンから指揮官に招聘された小野剛監督の下、上々の序盤戦を過ごした熊本。以降も引き分けこそ多いものの、少ない失点数を武器に着々と勝ち点を積み上げていましたが、ここ3試合は11失点を喫しての3連敗。「かなり強気に攻撃へ舵を切った所で、京都戦の前半は非常に良い戦いをしたが、その後で中国で一緒にやっていた大黒選手に多少かき回されて、そこから少し後ろを気にするようになって、ボールに対するプレッシャーが甘くなった試合はあった」とは小野監督。プレスのギアを上げるキッカケを掴むには、格好の相手とアウェイで対峙します。この日もBMWには7519人の大観衆が集結。後半戦のファーストマッチは、湘南のキックオフで幕が上がりました。


先にチャンスを創出したのは熊本。4分、カウンター気味に中山雄登が少し運び、受けた澤田崇は右へ流れながら中央へ。ボールはそのまま流れてゴールキックになりましたが、悪くない展開を。7分は湘南。左サイドで少し中へ入った三竿雄斗がスルーパスを送ると、巧みに岡田翔平がラインブレイク。最後は良く戻った橋本拳人がカットしたものの、お互いに繰り出し合う決定機の"一歩手前"。
9分は湘南。三竿の左FKをウェリントンが戻し、遠藤航が体を伸ばしたヘディングはヒットせず。11分は熊本。養父雄仁の右ロングスローと右のショートコーナーはいずれもシュートへ至らず。13分は湘南。岩尾憲が左から蹴ったFKに、岡田が頭で反応するもボールは大きく枠外へ。14分は熊本。フェイスガードを着用しながら、「球際の所が重要になると思っていた」という小野監督の狙いでスタメン起用された黒木晃平が残し、片山奨典が上げたクロスを齊藤和樹は懸命にヘディングで枠内へ。ここは湘南のGK秋元陽太がキャッチしましたが、セットプレーも含めて双方にチャンスが訪れます。
熊本で目立ったのは「選手は前線からよくプレッシャーを掛けてくれた」と指揮官も認めたハイプレス。3トップ気味に配された中山、齊藤、澤田がまずは相手にしっかりファーストプレスを掛け、縦へのボールはCBの橋本と園田を中心に跳ね返し、トレスボランチ気味の上村周平、養父、黒木がセカンドに殺到するという、シンプルながら強度の高い反復を徹底。「熊本さんは本当にハイスピードでやってきていた」とチョウ監督も振り返ったように、ある程度は局面の"スピード"を重視した戦い方で、良い意味で試合を"壊す"ことに成功した印象を持ちました。
対する湘南はなかなかアタックがフィニッシュまで繋がらず、記録上のファーストシュートは31分に岩尾の横パスから、亀川諒史が強引に狙ったミドルがそれ。とはいえ、左サイドは菊池大介と三竿できっちり崩したことで、「あそこは攻守に渡ってポジション取りが難しくなる所だったので、相手があそこの裏を狙ってくる部分が少し出ていた」と策士の小野監督に31分で早くも右SBを大迫希から藏川洋平へスイッチさせたように、一定の脅威は相手の首元へ。交替直前にはその菊池と亀川の左右を入れ替えるなど、「自分ではこういう展開のこういうゲームで、前半からバンバンシュートチャンスが多い試合になるとは思っていなかった」と話すチョウ監督も、さらなる推進力の向上へきっちり着手してみせます。
そんな中、このゲーム最初の決定機は熊本に。38分、左サイドで獲得したFKを片山が素早く中央へ蹴り込むと、競り合いのこぼれにいち早く反応した中山は、1つ運んで左足でジャストミート。鋭い軌道は秋元を破るも、スタジアムに響いたのはクロスバーにボールが当たる金属音。直後にも澤田のラストパスから、齊藤がわずかに枠の右へ外れるシュートまで。公式記録のシュート数では湘南の1に対して、熊本は6。「前半はかなりお互いプレッシャーの掛け合いだった」という小野監督の言葉にも頷ける最初の45分間は、スコアが動くことなくハーフタイムへ入りました。


後半に入るとすぐさま変わったスコアボードの数字。ゼロをイチに変えたのはホームチーム。48分、直接と間接を含めれば16本目となるFK。右サイドから三竿が得意の左足で放り込むと、完全にフリーでゾーンの網目に潜ったウェリントンが頭でズドン。瞬間、緑と青のサポーターは沸騰します。「最後シュートを何本打つかというのは選手が決めることなので、シュートじゃなくてパスの可能性が高かったらそっちを選べばいいし、シュートを打っているのがいいのかという話じゃないと俺は思っている」という指揮官の言葉は、おそらくチームの共通認識。"2本目"のシュートで湘南が1点のアドバンテージを手にしました。
拮抗した展開に持ち込みながら、ビハインドを負った熊本。55分にはFKのこぼれ球をプロ初スタメンとなった上村がピンポイントで右へ送り、園田拓也の落としを齊藤がダイレクトで叩いたシュートはわずかに枠の左へ。奮闘したその上村と仲間隼斗の交替を経て、62分には再びビッグチャンス。仲間がミドルレンジから狙ったミドルはDFに当たるも、拾った齊藤は完璧なターンから枠内へ。秋元が懸命に弾き出し、飛び込んだ澤田が粘って粘って打ち切ったシュートは、ここも秋元がファインセーブで回避しましたが、同点への香りをピッチの上に漂わせます。
しかし、ここで飛び出したのは「僕が考えた心理戦に大介がよく乗ってくれたという感じ」とチョウ監督も言及した、100点満点のセットプレー。65分は前後半通じて初めてのCK。左のアークに立った岩尾は斜め後方の菊池へ。菊池が岩尾へ戻すと、ニアへ走り寄った遠藤は岩尾のパスを丁寧に落とし、最高のボールは足を止めずに回り込んだ菊池の目の前へ。躊躇なく右足で振り抜いたボールは、低い弾道でゴール左スミへ突き刺さります。「久しぶりに大介が最後フィニッシュに関わるという所で、アイツも『よし、やってやろう』という気持ちでやってもらえたのかなと。あんな難しいシュートを入れるんだったら、簡単なシュートを入れて欲しいなと思う」と笑ったチョウ監督も「エクセレントなシュート」と認めざるを得ない、完璧な流れとフィニッシュ。"3本目"のシュートで湘南が点差を広げました。
一気に厳しくなった状況を見て、小野監督は70分に3枚目の交替を決断。黒木を下げて巻誠一郎をピッチへ送り込み、前線の高さと強度を高めに掛かりますが、71分には岩尾の右CKを菊池がフリックで流し、遠藤のシュートはクロスバーの上へ。75分にも三竿がクイックで始めたFKから、菊池がわずかにゴール左へ逸れるミドルにトライ。ゲームリズムは点差そのままにホームチームへ確実に傾いていきます。
チョウ監督が次に動いたのは77分。岡田に替えて、投入したのは島村毅。その島村は3バックの左へ入り、三竿がWBへ、菊池が3トップの一角へそれぞれ上がり、高さとパワーへの備えを増強したように見えた直後、熊本の実った反攻。78分、FKの跳ね返りを拾った中山は迷わず右へ好フィード。マーカーに競り勝った巻が中央に落とすと、後方から突っ込んできたのは仲間。スライディングで押し込んだボールはゴールネットへ到達します。風雲急を告げる展開。両者の点差はわずか1点に。
79分には古巣対決となる武富孝介の左足ミドルを、熊本のGK畑実がきっちりセーブ。84分には藤田の右クロスをウェリントンが合わせたボレーは枠外。手数は湘南が2つ出したものの、「1対1のせめぎ合いとか球際の戦いとかで、ちょっと勝てなかった場面が2-0になった後に多くて、僕の交替の仕方のメッセージも悪かったかなと思っている」とチョウ監督も振り返った通り、前へのパワーと圧力は熊本に分が。
86分には養父のスローインを園田が戻し、養父が右から上げた高速クロスは秋元がパンチングで回避。87分にもゴール前でお互いが3ターンずつ入れて返してを繰り返し、最後はフリーで養父が叩いたボレーはクロスバーの上へ。追い付く可能性は十分示した中で、しかし「ある程度の所を崩せても、そこからポジションにかかわらずディフェンスして、ゴールを死守する姿勢は非常に高いものを示したのではないかと思う」と小野監督も言及した、"死守する姿勢"はあと一歩を許さず。3分のアディショナルタイムも潰し切って、試合終了のホイッスルを聴いた湘南が、着実に勝ち点3を積み上げる結果となりました。


「90分通しての選手のパフォーマンスについては、よくやってくれたと思っている」と小野監督も語ったように、熊本は一定の手応えを掴んだゲームだったように見えました。プレッシャーは前線から常に掛けながら、ある程度長いボールを多用することで相手のプレスには的を絞らせず、初スタメンの上村も含めてセカンド奪取を中盤が徹底するやり方は、首位相手にも十分効果があったのかなと。ただ、惜しまれるのはファウルが多かったこと。結果的に先制点もFKから生まれており、ギリギリの対応を強いられていたことは理解できますが、そのファウルが自らを苦しくしてしまった側面もあったように感じました。
湘南は難しいゲームをしっかり勝ち切りますね。失点直後は少しバタバタした雰囲気もありましたが、終わってみれば逃げ切りに成功。チョウ監督も「ああいう相手に対してしっかり勝ち点3を取ったというのは、1つチームとして成長だなと思います」と話しています。そんな指揮官の話で特に印象に残ったのは「『湘南って頑張るだけじゃん、勢いだけじゃん』って言われながらも、彼ら選手がそれをしっかり自分の心の中に入れて取り組んでいることがその結果に繋がっているだけで、今年勝っているからそれが凄くなったとか何か変わったとかじゃなくて、その積み重ねでしかないと思っているから、これから勝てないかもしれないし、21回勝ったことで『スゲー。ウチは強くなった』とは思ってないし、強くなったと俺が思った瞬間にチームは終わると思う」という言葉。気付けば超えていた一昨年の昇格時に挙げた勝ち星の数すらも、彼らを満足させる材料になり得ないという事実が、湘南の今後にさらなる期待を抱かせてくれるのだと思います。        土屋


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0628hiratsuka.jpg再び始まった"15"へ、さらにその先への挑戦。歴史を変え得る緑と青の勇者が、好調の黄色いカモメを迎え撃つ舞台は当然平塚です。
開幕14連勝。1つあって、また4連勝。記録的なハイペースで勝ち点を積み重ね、首位を快走している湘南。もはや、そのスタイルは"サッカー"のスタンダードとして頻繁に言及されるレベルまで到達した感もありますが、冷静と情熱の指揮官チョウ・キジェの辞書に"油断"の文字はなし。「今日の試合は"アライブ・オア・デッド"。"生きるか死ぬか"のどっちかしか内容はない」と送り出したこの試合も、目の前の90分間を揺らぐことなく勝ち切るのみです。
15位でフィニッシュした1年目を受け、迎えた柱谷体制2年目は茨のスタートとなった北九州。京都と大分に続けて敗れ、早くも行く先に暗雲が垂れ込めます。ところが、7節でJ2屈指のタレント集団・磐田に3-2で競り勝つと、10節の福岡ダービーを制して以降は2ヶ月近く昇格プレーオフ圏内をがっちりキープ。前々節は松本、前節は千葉をいずれもウノセロで粘り強く振り切り、意気揚々と首位の根城に乗り込みます。あいにくの雨にもかかわらず、平塚には6,217人の大観衆が。祝祭の続くブラジルの裏側で、我々の日常にはJリーグが。19時4分、湘南のキックオフでゲームはスタートしました。


4分に菊地俊介が枠内へ収めたオープニングシュートを皮切りに、今日も湘南の意識は縦へ。9分には右から藤田征也がクサビを当てると、3トップの中央に入った岡田翔平がうまく落とし、遠藤航のシュートは枠の右へ。10分にもルーズボールを拾った吉濱遼平がクロスバーを越えるミドルにトライ。13分にもやはりルーズボールをものにした岩尾憲がクロスバーを越えるミドル。果敢にフィニッシュを取り続けます。
この日の湘南は絶対的な存在と言っていいキャプテンの永木亮太を負傷で、9ゴールを挙げてチーム得点王のウェリントンを出場停止で欠くことに。ボランチには岩尾を菊地と並べ、3トップは吉濱、岡田、武富孝介をチョイス。さらに、ここまで全試合でスタメン起用されてきた三竿雄斗ではなく、亀川諒史が3バックの左に入るなど、見慣れない形でゲームに入りますが、吉濱も岩尾もまずはフィニッシュを取り切るなど、ピッチで繰り広げられたのはいつも通りのスタイル。
すると、躍動したのは29番のレフティ。16分には鋭いターンから惜しいミドルを放ち、その2分後にも高い位置でボールを奪い、岡田のミドルに繋げるなど、積極性の目立った吉濱が大仕事。20分、菊地から横パスを受け取った吉濱は、そのまま密集に自ら切り込んでいくと、やや対応の遅れたディフェンスが寄せる寸前にラストパス。これを武富は丁寧にゴール右スミへ流し込みます。気持ち良いくらいの仕掛ける姿勢が堂々と得点に直結。「あれが今日のメンバーの醸し出す一番良い形。強気にやってくれた」とチョウ監督も手放しで褒める一撃で、ホームチームが1点のリードを手にしました。
さて、「前半はゼロに抑えて、後半相手の足が止まった所から勝負」という指揮官の目論見が、儚くも霧散した北九州。23分に右サイドから冨士祐樹が蹴ったCKはDFのクリアに遭いますが、26分にも風間宏希が右へ展開したボールを小手川宏基が鋭いクロス。飛び込んだ原一樹の目前でカットされるも好トライ。29分にも右から入れた小手川のアーリークロスに、池元友樹が合わせたヘディングは枠の右へ外れたものの、小手川と星原健太の縦関係で組む右サイドが活性化し始め、徐々に攻撃の形が見え始めます。
それでも、ゲームリズムはやはり湘南。32分、吉濱の右CKはショートで始まり、完結を見なかったものの狙いははっきり。35分、岩尾の鋭いクサビを岡田がダイレクトで落とし、吉濱のシュートはDFにブロックされるも、スムーズな連携を。36分、吉濱の右CKは一旦クリアされましたが、最後は遠藤がシュートまで。北九州同様に、活性化したのは"右"。
追加点は、やはり"右"。39分、菊地がサイドへ振り分けたボールを、藤田は縦へ持ち出すと強引にクロス。少しマーカーをかすめ、マイナス気味に入ったボールをダイレクトで叩いたのは岡田。球体は水滴を纏ったゴールネットを力強く揺らします。「2点とも自分が狙っていたような形で点が取れたので、ちょっとビックリしちゃった」と思わず笑顔を見せたのはチョウ監督。湘南が2点のアドバンテージを手にして、最初の45分間は終了しました。


後半も勢いよく飛び出したのは緑と青の勇者。48分に藤田の突破から獲得したのは右CK。吉濱が入れたボールはDFにクリアされましたが、まずは"右"からチャンスを創出すると、51分の好機もやはり右サイドで手にしたCK。ここは藤田が蹴り込むと、丸山祐市のヘディングはドンピシャでしたが、何とボールは武富の方向を襲い、頭に当たったボールはクロスバーの上へ。少しアンラッキーな部分はあったものの、残された45分間でさらなる歓喜を狙います。
ただ、ここからはビハインドを追い掛ける北九州の時間帯。53分、左サイドで良い展開からクロスまで持ち込むと、クリアを奪った波状。風間が右へ付け、上がってきた星原のクロスを原がダイレクトボレー。ボールは枠の右へ外れましたが、ようやく崩した形からフィニッシュまで。54分にも池元が左サイドで懸命に残し、マイナスのグラウンダークロスを送ると、トラップで1つ持ち出した小手川のシュートはクロスバーの上へ。「ウチはテクニカルな選手を集めている」と指揮官も認めた、その"テクニカル"が効き始め、黄色いカモメにも飛び立つチャンスが。
怒涛の"6連続"。60分、パスカットからそのままオーバーラップしたCBの前田和哉が獲得したのは左CK。井上翔太が蹴り込んだキックはDFが何とかクリア。61分、井上の左CKが混戦を生むと、小手川のシュートはDFがブロック。61分、冨士が右CKをショートで始め、再びボールを受けた冨士のクロスはDFがクリア。62分、井上の左CKはニアでDFがクリア。62分、井上の左CKはここもニアでDFがクリア。63分、井上の左CKはこぼれ、すぐさまトライした井上のミドルは湘南のGK秋元陽太に阻まれましたが、わずか3分間で集めたCKは6本。「ショートコーナーも準備してやってきた」と柱谷監督も話したように、確かにその工夫は見られたものの、ここは凌ぎ切ったホームチーム。そして、この一連が1つの大きな分岐点に。「あそこでやられなかったのがポイント」とチョウ監督が話せば、「アレが決められなかったのは残念だった」と柱谷監督。スコアボードの数字は変わりません。
64分に1枚目のカードを切ったのは湘南。亀川に替えて、三竿をそのままの位置へ。「良いコンディションの選手がピッチに立って、後に繋ぐことはずっとやってきた。それ以上でもそれ以下でもない」とチョウ監督。あくまでそこにも指揮官の促す競争原理が見え隠れします。とはいえ、ゲームリズムはまだわずかに北九州。70分、風間が右へスルーパスを通し、星原のクロスに足を出した丸山のクリアはゴール方向へ向かうも、秋元が何とかキャッチ。72分、冨士の右ショートコーナーを替わったばかりの渡大生が戻し、シュート気味に放り込んだ冨士のクロスは枠を捉えるも、秋元が懸命のフィスティングで回避。直後の右CKも冨士のキックをニアで渡がすらし、小手川がダイレクトボレー。最後はDFのブロックに阻まれましたが、畳み掛けたい流れの中で、77分にはベテランの大島秀夫もピッチへ送り込み、まずは1点を狙います。
78分は北九州。井上が左CKをショートで出し、渡のリターンを井上が上げたクロスはDFがブロック。80分も北九州。大島の巧みなポストを起点に、渡が右へ展開。小手川の好クロスに飛び込んだ渡のヘディングはゴール右へ外れるも、替わった2トップがフィニッシュに絡む好機を創出。82分には両者に交替。湘南は岡田と中川寛斗を、北九州は井上と鈴木修人をそれぞれ入れ替え、いよいよゲームは最終盤へ。
力を振り絞ったのはホームチーム。84分、三竿の左CKに丸山が合わせたヘディングは枠の右へ。85分、中川が捌いたボールは菊池を経由し、吉濱がゴール右スミギリギリへ飛ばしたミドルは、北九州のGK大谷幸輝がファインセーブで応酬。87分、中川が思い切ってトライしたミドルはクロスバーの上へ。結果、後半に記録された3本すべてのシュートはこの3分間に。3点目への執念を、これまで出場機会の少なかった若手が貪欲に打ち出します。
90+2分、キャプテンマークを巻いた前田和哉が華麗なルーレットで前へ持ち上がり、星原が右から上げたクロスが大島の頭上を越えると、程なくして飯田淳平主審が吹いたファイナルホイッスル。「『誰と誰が組み合わさったらこうなるんだ』ということを、選手たち自身で感じてプレーすることがやはり強いチームだと思う」とチョウ監督も話した湘南が、その言葉を象徴するような"逞しさ"で、再び開始した連勝を"5"へ伸ばす結果となりました。


「後半は点を取られなかったし、自分たちらしいゲーム運びができたんじゃないかなと思う」と柱谷監督も振り返った北九州は、確かに最後の45分間はシュート数でも湘南を上回っていただけに、前半の特に受けてしまった先制点の前後までが悔やまれるゲームだったと思います。ただ、「粘り強く相手を抑えながら、何とかどこかで1点取るという流れで来ている」という指揮官の言葉にも頷けるような、守備面でのディシプリンはしっかり披露。今後も大崩れすることは考えにくく、終盤まで昇格プレーオフ圏内争いを賑わせてくれそうな印象を受けました。
永木、ウェリントンとここまで続けてきた躍進の中心にいた2人を欠きながら、まさに"しぶとく"勝ち点3をもぎ取った湘南。「吉濱と岩尾という名前を、サッカー関係者が10人いたらたぶん1人か2人しか知らなかったのが、今日で3人か4人ぐらいになったかなと思うので、彼ら2人の勇気あるプレーは監督としてすごく嬉しかった」と話した指揮官は続けて、「今日出られなかった選手、ベンチにいた選手、ケガで出られなかった選手も、彼らのプレーに励まされたんじゃないかなと思う」とも。"アライブ・オア・デッド"のスピリッツで臨んだ一戦は、あるいは誰よりも"アライブ・オア・デッド"を意識したであろう出場"一桁"のスタメン3人が、勝ち点3に加えて決して小さくないモノを、確かにチームへもたらした90分間だったようです。           土屋

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