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J SPORTS J.LEAGUE

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0102komazawa.JPG前年度は全国ベスト8まで駆け上がった赤黒軍団の登場。東京王者の駒澤大学高と香川王者の高松商業が激突する一戦は、駒沢陸上競技場です。
5年ぶりの晴れ舞台は飛躍の時。開幕戦で阪南大学高を退けると、尚志、松山工業を相次いで撃破し、堂々の8強進出。最後は夏冬全国制覇を成し遂げた東福岡に惜敗したものの、昨年度の選手権における台風の目として日本中にその名を轟かせた駒澤大学高。ほとんどの主力が残って迎えた今シーズンは、関東大会こそ本大会優勝という大きな成果を手にしましたが、準決勝で関東第一に敗れ、全国出場を逃したインターハイ予選を経て、選手権予選は盤石と言っていい戦いぶりで無失点優勝を達成し、2年連続で冬の全国へ。「本当にこの選手権に懸けてやってきたので、目標は全国制覇です」と言い切るのはキャプテンの高橋勇夢(3年・Forza'02)。まずはそのために通過すべき初戦に部員268人の総力を結集して臨みます。
最多となる22度の香川制覇を誇る古豪も11年ぶりの全国見参。近年は四国学院大香川西の勢いに押される格好で、なかなか県内でも存在感を示すことができない時期を過ごしていた高松商業。今シーズンもインターハイ予選はベスト8敗退と悔しい結果を突き付けられる格好になりましたが、その思いを胸に挑んだ選手権予選では、準決勝で最大のライバル四国学院大香川西を0-0からのPK戦で倒すと、決勝でも寒川に0-0からのPK戦で競り勝ってこのステージまで。「我々の身上は粘り強くプレーすること」と陶山輝佳監督もキッパリ。11年ぶりの全国優勝を目指し、"アウェイ"の初戦に挑みます。駒沢陸上には東京勢の登場ということもあって5,599人の観衆が。楽しみな2回戦は高松商業のキックオフでスタートしました。


1分に左から村上哲(3年・FC府中)が、3分に右から高橋が相次いでロングスローを投げ込むなど、らしいアタックで立ち上がった駒澤。6分には武智悠人(3年・Forza'02)のパスから高橋がエリア内へ侵入し、マーカーともつれて転倒。ホイッスルは鳴らずにPKとはいきませんでしたが、まずは縦への圧力を前面に押し出すも、ファーストシュートは9分の高松商業。キャプテンの右サイドバック安西真輝(3年・東かがわ大川中)がクロスを上げ切ると、ニアへ飛び込んだ宮本蓮(3年・丸亀東中)のヘディングは駒澤のGK鈴木怜(3年・S.T.FC)がキャッチしたものの、あわやというシーンを創出します。
すると、10分には矢崎一輝(3年・大豆戸FC)の左クロスに、栗原信一郎(3年・FC多摩)が合わせたヘディングが枠の左へ逸れてからゲームは膠着。「立ち上がりの最初の5分くらいは良かったんですけど、そこからどうもペースを握れない時間が続いてしまった」とは武智ですが、むしろ右サイドハーフに入った青大祐(3年・FCディアモ)の仕掛けを中心に、高松商業にもアタックの勢いが。「立ち上がりの20分をどう戦うかが我々にとって凄く大事だった」と陶山監督が話した"立ち上がりの20分"は均衡状態に。
23分は高松商業。10番の西島勇気(3年・香川大教育学部附属中)がドリブルで運び、こぼれを拾った青井信也(3年・三豊仁尾中)のミドルは鈴木がキャッチ。26分は駒澤にセットプレーのチャンス。レフティの長井虎之介(3年・Forza'02)が入れた左CKから、佐藤瑶大(3年・FC多摩)が高い打点のヘディングを放つも、ボールはわずかにクロスバーの上へ。27分も駒澤に決定機。左サイドで長井が縦に付け、栗原の折り返しへフリーで突っ込んだ西田直也(2年・横浜F・マリノスJY)のシュートはここもわずかに枠の上へ。32分も駒澤。矢崎、栗原と繋いだボールを高橋が右から折り返し、武智が放ったミドルは長井に当たって枠の右へ。ようやく出てきた駒澤の迫力。
33分は高松商業に決定的なチャンス。ボランチの宮脇昂汰(3年・三観JY FC estrela)がスイッチを入れた波状攻撃。右に出ていた西島がグラウンダーでクロスを送ると、ニアで打ち切った矢野樹(3年・FCディアモ)のシュートはわずかにゴール右へ逸れましたが、際どいシーンにどよめくスタンド。34分は駒澤のロングスロー。村上が左から投げたボールを長井がすらし、こぼれを収めた矢崎のシュートは枠の上へ。35分も再び駒澤のロングスロー。今度は高橋が右から放り込んだ軌道に服部正也(3年・S.T.FC)が頭で触り、矢崎が反転から枠へ飛ばしたシュートは高松商業のGK尾崎省吾(3年・高松木太中)が指先でファインセーブ。やり合う両者。上がる応援団のボルテージ。
37分は高松商業。安西、宮本と回ったボールを矢野はシュートまで持ち込むも、駒澤のキャプテンを務める高橋が体を投げ出してブロック。38分も高松商業。矢野がドリブルで突っ掛け、青が放ったミドルは鈴木が丁寧にキャッチ。40分は駒澤。佐藤を起点に栗原が左へ流し、長井のクロスに走り込んだ矢崎のヘディングはゴール右へ。「前半があまりにもひどすぎた」(大野監督)「前半はズルズル行っちゃったという感じはあります」(武智)と2人が声を揃えた前半は、スコアレスで40分間が終了しました。


「危ないシーンもあったのですが、自分たちが何とかゲームをコントロールしようということで、そういう所は力を発揮してくれたと思います」と陶山監督も話した高松商業。右から安西、高橋彩人(3年・三観JY FC estrela)、遠藤啓輔(3年・FCディアモ)、高野凌央(3年・FCディアモ)と3年生で組んだ4バックも高い集中力でゴールに鍵を掛けつつ、43分には右から安西が入れたスローインを青が受け、ドリブルから枠の右へ外れる後半ファーストシュートを打ち切ります。
一方の駒澤も48分には高橋の右ロングスローに、矢崎が飛び付いたシュートは尾崎にキャッチされ、50分にも矢崎のパスから西田が叩いたシュートは、DFにブロックに遭って尾崎に収められると、大野監督は51分に1人目の交替を決断。1年生ながら「勝利に貢献できるようなプレーをしないとメンバーに入れなかった人たちに顔向けできないと思っている」と力強く話す齋藤我空(1年・Forza'02)に替えて、菊地雄介(3年・VIVAIO船橋)をボランチヘ送り込み、西田を齋藤のいたセンターバックへスライド。最終ラインの顔触れは昨年の全国を戦った4人に。
この前後から「背後に入れるということがしっかりできて、相手の中盤を間延びさせて、セカンドボールも回収できていた」と武智が振り返った通り、駒澤の"縦"が勢いに直結。53分に村上が左から蹴ったFKは尾崎にキャッチされましたが、54分には高い位置でボールを奪い、矢崎のシュートは尾崎に防がれるも駒澤らしいアタックを。56分にも栗原が右から中へ戻し、矢崎のシュートがブロックされたこぼれ球を高橋が直接狙った軌道はわずかに枠を越えたものの、畳み掛ける赤黒軍団。
57分の主役は"ファーストタッチ"でその座に。大野監督は2人目の交替として長井と米田泰盛(3年・VIVAIO船橋)をスイッチさせると、直後に高橋が投げた右ロングスローがエリア内で弾み、うまく落下地点を見極めた米田は左足一閃。右スミへ飛んだボールはそのままゴールネットへ吸い込まれます。「アレはうまく行き過ぎです」と苦笑したのは大野監督ですが、ピッチヘ解き放たれたばかりの19番が大仕事。駒澤が1点のリードを手にしました。
1点を追い掛ける展開となった高松商業。59分に迎えた決定的なピンチを尾崎のファインセーブで何とか凌ぐと、60分にはルーズボールを収めた高野がミドルレンジから強烈なシュート。鈴木も巧みなパンチングで枠の上へ逃げましたが、同点への意欲は衰えず。その左CKを矢野がショートで蹴り出した一連はシュートまで持ち込めなかったものの、64分に栗原に打たれたシュートも尾崎がファインセーブで仁王立ち。勝利への望みを守護神が懸命に繋ぎます。
65分は高松商業に1人目の交替。青井とのスイッチでルーキーの船田光希(1年・FCリフォルマ)をピッチヘ。71分は駒澤に3人目の交替。高橋に替えて、「最近はずっと良かった」(大野監督)という小池浩然(3年・大豆戸FC)をそのまま右サイドバックへ。73分は陶山監督も2枚替えを敢行。高野と西島を下げて、安藤彪華(3年・三観JY FC estrela)と溝渕冬馬(3年・FCディアモ)を送り込んで最後の勝負へ。残り時間は5分間とアディショナルタイム。いよいよ迎える最終盤の攻防。
それでも「一番相手のストロングの方にそういうボールを配球してしまったりとか、もっと下からとかサイドから行くようなメンバー交替もしたのですが、相手の力の方がそれを封じるくらい強くて、攻撃が十分できなかった」と話したのは陶山監督。長いボールは「空中戦は全国で絶対負けたくないと思っていた」という佐藤がことごとく跳ね返し、セカンドボールも「2ボランチの中では自分が後ろでバランスを取りながらという感じ」と言及する武智を中心に回収し続けた駒澤の堅陣は最後まで揺るがず。終わってみれば予選から続く無失点を5試合に伸ばした赤黒軍団が、3回戦へと駒を進める結果となりました。


「我々も初めてシードを戴いたので、確かに調整も経験がなくて、今まで開幕戦で盛り上がって、そのまま同じような勢いで試合ができたんですけど、年が空けてなんかのらりくらりしていて緊張感がないというか、『自分たちで雰囲気を創り出して入らないと、アッという間に80分終わっちゃうよ』という話は今日もしていたんですけどね」と試合後に渋い顔を浮かべたのは大野監督。武智も「変な感じでフワフワしちゃって、自分たちは『できるだろう』という自信と過信が紙一重という感じなんですけど、それが今日はちょっと過信の方に行ってしまったかなと思います。『謙虚にやれ』と言われている中で、そういう風になってしまって修正できなかったのは反省ですね」と語ったように、駒澤にとってみれば非常に苦しい初戦となったのは間違いありません。とはいえ、こういうゲームをきっちりモノにできるのも今のチームの強さ。「スタンドにあれだけ3年生がいる中で『自分たちが代表として出ている』という自覚を持ってやらなくてはいけないですし、恥ずかしいプレーやビビったプレーを見せたら、スタンドがまず納得してくれないので、そこは全部員の代表という自覚を持ってやっています」と武智も口にした最強の応援団を後ろ盾に、本気で頂点を目指す駒澤の全国航海が駒沢陸上から幕を開けました。       土屋

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1231komaba.JPG3年前も全国舞台の初戦で激突した両雄が再会する一戦。新潟王者の帝京長岡と徳島王者の徳島市立が対峙する1回戦は浦和駒場スタジアムです。
小塚和季(新潟)を擁し、県勢最高成績に並ぶ全国ベスト8まで躍進したのは4年前。以降は新潟明訓と共に県勢を牽引する強豪として、存在感を高めてきた帝京長岡。昨シーズンはインターハイ、選手権予選と共に新潟明訓の後塵を拝したものの、今シーズンはインターハイ予選を勝ち抜き、久々に夏の全国を経験すると、選手権予選もやはり新潟明訓をファイナルで4-0と下して、3年ぶりとなる冬の全国へ。「小塚さんの代のベスト8という記録を塗り替えて、歴史に自分たちの名をしっかりと刻みたい」と意気込むのはキャプテンの深谷圭佑(3年・FC豊橋デューミラン)。頂点を目指す覚悟は整っています。
高校時代に全日本ユースとインターハイで全国制覇を経験している河野博幸監督が母校に復帰した2013年以降は、再び夏冬共に全国の舞台まで勝ち上がってくる回数が劇的に増えた徳島市立。昨シーズンの選手権予選では鳴門に敗れ、県代表の座を明け渡す格好となりましたが、インターハイで全国を経験した今シーズンは、ファイナルで再会した鳴門に6-1という大勝でのリベンジを達成して、2年ぶりに冬の全国へ。センターラインに郡紘平(3年・徳島ヴォルティスJY)、山本史弥(3年・徳島FCリベリモ)、上野謙太朗(3年・板野郡藍住中)など昨年からの主力を据えて、まずは初戦突破を狙う80分間に挑みます。会場の浦和駒場スタジアムは11.8度と発表された気温以上にポカポカ陽気。注目の初戦は徳島市立のキックオフでスタートしました。


ファーストシュートは5分の徳島市立。ボランチを務める吉田顕生(3年・板野郡板野中)のパスから、郡が右スミを狙ったシュートは帝京長岡のGK深谷にキャッチされましたが、まずはエースが果敢な姿勢を打ち出すと、11分には決定機。DFのクリアが味方に当たってハイサイドに落ちたルーズボールに、全速力で追い付いた水田智(3年・徳島川内中)が左からクロス。ニアに突っ込んだ山本のシュートは左のポストを叩いたものの、「思い切ってやり切るとか行き切るとか、そういう部分の気持ちがちょっとでも出たら結構点は取る」と河野監督も自信を持つアタッカー陣が、早くもチャンスを続けて創出します。
さて、中盤のキーマン安田光希(2年・P.S.T.C.LONDORINA)を体調不良で欠く帝京長岡は、「チーム全体として長いボールが多くなった」と10番を背負う楜澤健太(3年・AC長野パルセイロU-15)も振り返ったように、なかなか自分たちでボールを握る時間を持てない展開に。16分には左サイドで獲得したFKを荒井太樹(3年・東松山ペレーニア)が蹴り込むも、DFが大きくクリア。流れの中から繰り出せない手数。
16分は徳島市立。左サイドバックに入った1年生の原田隼佑(1年・ヴィッセル神戸伊丹U-15)がアーリークロスを上げ切り、山本の落としを郡が叩いたシュートは深谷がキャッチ。18分も徳島市立。右からのCKを高畑勇人(3年・徳島ヴォルティスJY)がグラウンダーで蹴り込み、最後は橋本日向(3年・徳島ヴォルティスJY)が左足を強振したシュートは、DFに当たって枠の右へ。19分は帝京長岡。木村勇登(3年・Desenvolver F.U.T)を起点にカウンターから中央を運んだ楜澤は左へ流し、走り込んだ荒井のシュートはゴール右へ。最初の20分間は「ちょっと相手は後ろの4枚と中盤の子が後ろに重たかったなという印象が凄くあって、後ろであまり組み立てるということがなかったので、ウチとしてはちょっと予想外だった」と河野監督も口にしながら、サイドアタックも含めて徳島市立が奪った主導権。
24分は徳島市立。山本の落としを受け、小延将大(2年・プルミエール徳島)が放ったシュートはクロスバーの上へ。25分は帝京長岡。左サイドで得たFKを新井が蹴るも、DFが大きくクリア。29分は再び徳島市立。カウンターから右サイドを山本が飛び出してクロスを上げるも、ここはよく戻った帝京長岡のセンターバック石川悠(2年・FCトリプレッタJY)が懸命にクリア。33分は帝京長岡。左サイドから齋藤日向(3年・長岡ビルボード)が入れたロングスローも徳島市立のGK佐野雄亮(3年・徳島川内中)がっちりキャッチ。ただ、右から中林三汰(3年・FC CEDAC)、澄川広大(2年・長岡FC JY)、石川、齋藤で組んだ帝京長岡のディフェンスラインにも安定感が出始め、この時間帯はやや膠着状態に。
38分は徳島市立にFKのチャンス。右寄り、ゴールまで約25mの位置から郡が直接枠に収めたキックは、深谷も冷静にパンチングで回避。39分、40分、40+2分と3本続けて獲得したCKもゴールには繋がらなかったものの、「相手もだいぶ硬かったと思うし、ウチはそれなりにはやっていたと思う」と河野監督が言及した前半は、徳島市立がペースを掴みながらも、「一生懸命守備を頑張ってくれていた」と古沢監督も評価する中盤アンカーに入った安井嶺芽(3年・長岡FC JY)を軸に帝京長岡が凌ぐ格好のスコアレスで、40分間が終了しました。


ハーフタイムを挟むといきなりスコアが動いたのは44分。「僕が見てきた中でも一番のプレーをしたのかなと。1枚であれだけのプレーができたら大したものだなと思います」と指揮官も言及したように、前半からキープに突破に獅子奮迅の活躍を披露していた楜澤は「『今日は調子が良いな』というのは自分で感じていたので、ここも抜けるなと思って」左サイドを体の強さで崩し切ってクロス。ニアに突っ込んだ荒井が潰れると、ファーで待っていた陶山勇磨(2年・長岡FC JY)は無人のゴールへボールを流し込みます。「サイド攻撃を自分たちは得意にしていて、クロスを上げれば何かしら起こるので上げようと思った」10番のアシストで、チーム伝統のエースナンバー14を託された陶山が一仕事。劣勢の帝京長岡が1点のリードを奪いました。
「前に出なくてはいけなくなった状態」(河野監督)で徳島市立に生まれた同点弾は2分後。46分に右サイドから崩しに掛かり、山本のパスを小延が足裏で流すと、ボールを受けた郡は左に流れながら左足一閃。左スミへ飛んだ軌道はGKのニアサイドを破り、ゴールネットへ突き刺さります。「『プロになりたいんだったら点を取れ』とずっと言っている」と指揮官も明かした9番がきっちり得点という結果を。「双方が落ち着かない時間帯でポンポンと入ってしまった」(河野監督)ことで、たちまち両者の点差は霧散しました。
あっという間に追い付かれてしまった帝京長岡。47分に荒井が蹴った左FKはクリアされるも、澄川が頭で押し返し、陶山がバックヘッドで狙ったシュートが枠の上に外れると、ベンチは1枚目の交替を決断。2トップ下の小塚祐基(3年・長岡FC JY)に替えて、長身フォワードの青山翔吾(3年・ヘミニス金沢FC)を最前線に送り込み、陶山を2トップ下にスライド。「1つ飛ばしてパワーを持ってという中で青山を使い、そこで少し押し込んでいってセカンドボールを拾えれば」(古沢監督)という狙いをピッチヘ落とし込みます。
50分は徳島市立。左サイドに開いた郡のミドルはゴール右へ。52分も徳島市立。小延が思い切りよく狙ったミドルは枠の上へ。直後に帝京長岡が切った2枚目のカード。荒井を下げて小林歩夢(2年・長岡FC JY)をそのまま左サイドハーフへ投入し、着手するサイドの推進力向上。57分は帝京長岡。センターサークル付近で相手ボールを奪った陶山は、35mミドルにトライも枠の左へ。わずかに帝京長岡へ覗き掛ける勝ち越しへの糸口。
58分は徳島市立。右CKを短く蹴り出した郡は、山本のリターンをそのままシュートへ持ち込むも、ここは読んでいた深谷が横っ飛びでファインセーブ。その右CKを郡が蹴り込み、ファーで拾った橋本のクロスに山本が合わせたヘディングはクロスバーの上へ。60分は帝京長岡にビッグチャンス。相手の縦パスを最高の出足でカットしたセンターバックの石川が、そのまま相手陣内までドリブルで駆け上がり、後方へ流したボールを小林がダイレクトで打ったシュートはわずかに枠の右へ逸れ、ピッチとベンチが同時に頭を抱えましたが、ようやく出てきたらしいアタック。
67分は徳島市立。高畑、山本と繋いだボールをミドルレンジから吉田が枠へ飛ばした強烈なシュートは、深谷がファインセーブで何とか回避。その流れの左CKを郡が放り込み、こぼれを拾った吉田の右クロスは飛び出した深谷がキャッチ。相次いで切り合うカード。74分は徳島市立。ボランチで奮闘した山田晟司(3年・三好池田中)と小原一真(3年・板野郡北島中)を入れ替え、中盤の強度にテコ入れを。75分は帝京長岡。アジリティの高い江島唯人(2年・長岡FC JY)をピッチヘ解き放ち、期すのは築き上げてきた本来のスタイル。ゲームもいよいよ最終盤。残り時間は5分とアディショナルタイムのみ。
徳島市立は79分に切り札投入。「身体能力の高い1年生の中でも物凄く足が速い」という岡健太(1年・阿南那賀川中)を小延に替えて投入し、最後の勝負へ。80+2分は帝京長岡にチャンス。左サイドで楜澤が粘って残し、小林のクロスに江島が突っ込むもわずかに届かず。80+4分は徳島市立。右サイドでフィードを引き出した岡は果敢に仕掛け、こぼれを拾った水田のシュートは帝京長岡のDF3枚が体を投げ出して決死のブロック。郡が蹴った左CKをDFがクリアすると、吹き鳴らされたファイナルホイッスル。両者譲らず。勝敗の行方はPK戦へ委ねられることになりました。


先攻は帝京長岡。1人目の楜澤はゆっくりした助走から完全にGKの逆を突いて左スミへ成功。後攻の徳島市立。1人目は吉田。左上を狙ったキックもGKの逆を突いて成功。帝京長岡2人目は齋藤。左スミへ蹴り込むイメージのキックは、しかしゴールポストの左側へ。徳島市立2人目の高畑は、冷静に中央へ蹴り込んで成功。2人目にして両者の均衡が崩れます。
帝京長岡3人目は石川。右へ蹴ったボールは佐野も反応しましたが、きっちりゴールネットへ到達。徳島市立3人目は上野。右スミを狙うと、GKは逆に飛んで成功。帝京長岡4人目の木村は、GKが飛んだ逆の右スミにきっちり成功。徳島市立4人目は橋本。インステップで思い切り叩いたキックは、読んでいた深谷もわずかに及ばず。いよいよキッカーは運命の5人目へ。
帝京長岡は14番の陶山。外せば終わりというシチュエーションに関わらず、あっさりGKの逆を取って左スミへグサリ。徳島市立の5人目はエースの郡。左スミへ打ち込んだキックに深谷も飛び付きましたが、ボールはゴールネットへ突き刺さって熱戦に決着。「外していない子を並べただけなので。ウチはPKの練習をほとんどしないので、2日前にこっちに来てやった時に外さなかった子を入れただけです」と河野監督も笑った徳島市立が、PK戦を制して2回戦へ駒を進める結果となりました。


「ここに来て4年目ですけど、今まで出てきた全国大会の中では一番できていた方ですね。今まで初戦で『そんな蹴ったことないのに』というぐらいお互い蹴り合いになったり、緊張してしまって何もできないままに終わってしまったというのがほとんどだったので」と試合後に明かした河野監督。続けて「今年の子らはそういう部分で、ある意味やる気があるのかないのかわからないですけど(笑)、そういう意味で力が抜けた所ができているので、普段やっていることがだいぶ出せたかなと。そこは収穫ですね」と手応えを口に。確かにアタッカー陣は個でもコンビネーションでもやり切れる選手が揃っており、「化ける可能性はあります」という指揮官の言葉にも頷けるような内容だったのではないでしょうか。「この子たちは全国大会で勝って行くという経験が今までないので、そういう未知の経験を積み上げていけば、どこかでポンと抜けていく時があると思うので、できるだけその次へと続けていきたいですね。1つでも2つでも多く勝って次に繋げていきたいです」とは河野監督ですが、その可能性は決して低くなさそうです。
「本当に自分たちが今やれるベストをやった結果なので、純粋に力負けです。たらればのない世界でやっているので、現段階のベストメンバーで挑んで粉砕されたというだけですよね」と古沢監督が話したように、劣勢の時間が長い中で何とかPK戦まで持ち込んだものの、最後は力尽きた帝京長岡。深谷も「前半後半通して全然自分たちのサッカーができなくて、結果から見たら1-1なんですけど、自分たちのディフェンスが良くなかったらもっと点差の開いていたゲームだったので、内容はダメだったと思います」とキッパリ。シーズンラストゲームは悔しい課題を突き付けられる格好になりました。それでも冬は雪掻きしてもなかなかピッチが出てこないような長岡の地から、継続してこれだけのチームを創り上げてきていることは大いに誇っていい立派な成果。「メッチャ成長できたと思いますね。帝京長岡のプレースタイルも凄く好きですし、帝京長岡に入ってサッカーの面もサッカー以外の面も、本当に鍛えられたなというのは感じています。入って良かったと思います。本当に3年間楽しかったです」と楜澤が話せば、「すべてにおいて一回りも二回りも大きくさせてもらった3年間でした。辛いこともあったんですけど、こうやって仲間と切磋琢磨して、3年間練習してきたことというのは、終わってみれば楽しかったなという想いですね」と最後は深谷も笑顔。2人も含めた帝京長岡の最上級生が過ごしてきた3年間に敬意を表して、大きな拍手を送りたいと思います。       土屋

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1230komazawa.JPG"4134分の48"を掴んだ精鋭たちが集う冬の祭典。第95回全国高校サッカー選手権大会。東京王者の関東第一と滋賀王者の野洲が激突する開幕戦は駒沢陸上競技場です。
2年連続で西が丘ファイナルでの敗退を経験した2012年以降は、なかなか都内でも上位進出を果たすことができず、インターハイで全国4強まで躍進した昨シーズンも準々決勝で姿を消すなど、冬の東京代表に手の届かない時間を過ごしてきた関東第一。ただ、夏の全国を2年続けて経験した今シーズンは、選手権予選も苦しみながら4年ぶりのファイナルまで勝ち進むと、林健太(3年・FC.VIDA)のオーバーヘッドで成立学園に1-0で競り勝って、とうとう秋の東京制覇を達成。「今年1年の東京に関してはかなり拮抗していて、ウチ以外にも本当に力のあるチームが多い代だったので、もちろん勝つということが一番なんですけど、負けたチームの分も良いサッカーをしないといけない」とは小野貴裕監督。東京勢の期待も背負って開幕戦に向かいます。
"セクシーフットボール"の異名を日本中に轟かせた、センセーショナルな全国制覇から11年。高校サッカー界の中でも校名とスタイルがすぐに結び付くという意味では、大きな存在感を放ち続けている野洲。今シーズンのインターハイ予選は準決勝で綾羽に屈し、プリンス関西でも黒星が白星を1つ上回っての7位と、なかなか目に見える結果が付いてこなかったものの、選手権予選では攻撃陣の爆発で複数得点を重ね、決勝でもストライカーの毛利大河(3年・横浜FC JY)がドッピエッタの活躍で、綾羽にリベンジを果たして県内連覇を。6年ぶりの全国勝利を引き寄せるべくオープニングゲームに挑みます。会場の駒沢陸上には楽しみなゲームを一目見ようと13,596人の大観衆が集結。開幕戦は14時5分、野洲のキックオフでその幕が上がりました。


ファーストシュートは滋賀王者。3分に左サイドへ開いた毛利のシュートは、関東第一のセンターバックを務める石島春輔(3年・JSC CHIBA)にブロックされましたが、積極的なトライを見せると、直後の左CKをレフティの江口凌馬(2年・セゾンFC)はグラウンダーでマイナスへ。ここは読んでいた菅屋拓未(3年・POMBA立川FC)のクリアに遭うも、面白いセットプレーを発動。10分にも左サイドでCKを獲得し、江口のキックで生まれた混戦は小野凌弥(2年・Wings U-15)が大きくクリアしたものの、まずは野洲が主導権を持って立ち上がります。
一方の関東第一も10分にビッグチャンス。菅屋が右サイドへ送ると、「ボールを持ったら余裕があった」と話したように、序盤からチームで最も動けていた篠原友哉(2年・府ロクJY)がマイナスにグラウンダーでピンポイントクロス。フリーで走り込んだ林のシュートはヒットせずにチャンスは霧散しましたが、この前後からセンターバックの鈴木友也(3年・VIVAIO船橋)と石島に、ボランチ起用となった冨山大輔(3年・FC習志野)でボールを回し始めた関東第一にも、ようやく惜しいシーンが。
それでも変わらないゲームリズム。13分は野洲。右から10番を背負う徳田竣希(3年・セゾンFC)が入れたCKに、キャプテンの川瀬相(3年・SAGAWA SHIGA JY)と中野知良(3年・セゾンFC)が突っ込むも揃ってわずかに届かず。15分は関東第一。「今日は開幕戦ということもあってワクワクしていて、楽しみが強かったので、前日も寝れないとか全然なかったですね」と語った篠原が右CKを奪うも、冨山のキックは中央でオフェンスファウルの判定。21分は野洲。江口を起点に高取誠隆(2年・セゾンFC)が左へ流し、回った徳田のクロスは関東第一のGK内野将大(3年・ジェフユナイテッド千葉U-15)が何とかキャッチしましたが、スムーズなサイドアタックを。22分も野洲。徳田のワンタッチスルーパスに抜け出した高取が左からマイナスに折り返し、江口のシュートは内野にキャッチされたものの、ストロングの左サイドが活性化した野洲の続く攻勢。
25分は関東第一にセットプレーのチャンス。景山のドリブルで得た左CKを菅屋が蹴ると、石島が競り勝ったボールは川瀬がきっちりクリア。直後の右CKをルーキーの小関陽生(1年・町田JFC)が蹴り込むも、中央でオフェンスファウルが。28分は中央やや左、ゴールまで約30mの距離で景山が粘って獲得したFK。スポットに立った冨山が直接狙ったキックは枠の左へ。ボランチからフォワードにコンバートされて、まだ公式戦は3試合目ながら「ポジションが変わったからって、そこは甘えていい部分ではない」と言い切る景山に、少しずつ入り始めたボール。
29分は野洲に決定機。江口がヒールで繋いだボールを高取が返し、左足を振り抜いた江口のシュートは内野を破るも、クロスバーにハードヒット。35分に下した小野監督の決断は1人目の交替。「攻撃に関しても守備に関してもボールとの距離が全然合っていなかった」と見た林に替えて、堤優太(3年・FCトッカーノ)を右サイドハーフへ送り込み、篠原を左サイドハーフへスライドさせて、攻撃へのテコ入れを図りましたが、37分にも野洲は江口との細かいワンツーから、高取がわずかにゴール左へ逸れるシュートまで。39分にも高取のミドルは枠を捉え、内野が丁寧にキャッチ。野洲の押し込む時間が長かった前半は、スコアレスで40分間が終了しました。


内容には決して納得は行っていなかったものの、「内容は良かろうが悪かろうが、前半を0-0で終えて来ることへのストレスはなかった」とは小野監督。ある程度難しい試合を想定していた関東第一サイドに対して、それでも野洲が繰り出すアタックの勢いは衰えず。42分に佐々木海人(2年・SAGAWA SHIGA JY)のアタックを起点に手にした左CKを江口が蹴り込むも、ここはDFのクリアに阻まれ、49分にも江口がFKを左へ蹴り出し、高取のクロスに徳田が飛び込むと、一旦ファンブルしたボールは内野が懸命に押さえましたが、ハーフタイムを挟んでも全体の流れは変わりません。
すると、関東第一を襲ったアクシデント。徳田と接触した流れの中で、守護神の内野が左手の小指を開放骨折してしまい、プレー続行が不可能に。54分。「元々能力的なものに関しては信用もしていますし、僕のクラスの子なのでいつもちょっかい掛けてやっていますけど、大舞台に凄く強い子なので」と小野監督は1年生の北村海チデイ(1年・GRANDE FC)をゴールマウスへ送り込み、ほとんど同じタイミングで小関と重田快(2年・バンデリージャ横浜)もスイッチ。「若いのを使っちゃうのは全然怖くないというか、使っちゃう時にこっちが思い切ってやらないとダメなので」と下級生たちにゲームを託します。
57分は野洲。左から徳田がFKを蹴り込むと、ニアに飛び込んだ鷹取新(3年・横浜FC JY)のヘディングはゴール左へ。60分も野洲。中野のパスから江口が狙ったミドルは枠の左へ逸れるも、押し込む滋賀王者に一瞬生まれたエアポケット。関東第一は60分に左サイドバックの佐藤大斗(3年・FC杉野)からパスを引き出した重田が、冨山に預けてゴー。10番のリターンを受けた重田がエリア内へ切れ込むと、マーカーと接触して転倒。福島孝一郎主審は迷わずペナルティスポットを指差します。キッカーはもちろん冨山。「先輩たちが培ってきてくれた伝統がありますし、自分たちの力だけじゃここまで来られていない」と語っていたキャプテンは、ゆっくりした助走から右スミへのキックを選択。野洲のGK井上聖真(2年・SAGAWA SHIGA JY)も触ってはいましたが、わずかに冨山の執念が上回り、揺れたゴールネット。劣勢の関東第一が1点のリードを手にしました。
攻め続けながらも1回のピンチでビハインドを負った野洲。63分には江口がドリブルで突っ掛け、徳田が放ったループは北村が確実にキャッチ。64分には長瀬慎吾監督も1人目の交替として、中野と陸田直毅(3年・セゾンFC)を入れ替え、サイドにさらなる推進力を。65分には関東第一も相手ディフェンスの乱れを突き、景山がチャンスを迎えるも、決定的なシュートは井上がファインセーブで回避。66分は野洲。徳田が右へ振り分け、上がってきたサイドバックの小礒慎二郎(2年・セゾンFC)が打ち切ったシュートは、佐藤が執念でブロック。67分も野洲。高取のミドルは枠の上へ。「後半も静かになった時に応援が凄く聞こえて、体力がけっこう回復して、気持ちも入ったので凄く助かりました」と話したのは関東第一の右サイドバックを任された小野凌弥。黄色いスタンドの後押しを後ろ盾に、関東第一が耐えるべき時間は残り10分間とアディショナルタイムへ。
72分は野洲。左から徳田が中へ付け、陸田のリターンを徳田が叩いたシュートはクロスバーの上へ。74分は野洲に2人目の交替。徳田を下げて、アサノ竜也(3年・豊田アソシエーションFC)を投入し、前線の顔触れに新たな変化を。76分も野洲。左から江口が蹴ったCKは、飛び出した北村が「元々バネがちょっと違う」と指揮官も認める驚異的なジャンプ力で好フィスティング。77分は関東第一。左サイドを重田が単騎で抜け出してエリア内まで潜るも、ここは飛び出した井上が果敢なタックルで阻止。掲示されたアディショナルタイムは4分。240秒のラストバトルに委ねられた勝敗の行方。
80+2分は野洲に交替。ボランチで奮闘した中貝元気(3年・豊田アソシエーションFC)と中川凌汰(3年・Fosta FC)を入れ替えて最後の勝負へ。80+4分は野洲にFKのチャンス。左から江口が丁寧に蹴り込んだキックに、高い打点で合わせた毛利のヘディングは右スミギリギリの枠を捉えるも、「なかなかあのセーブは出ないと思いますね」と小野監督も絶賛した北村が、信じられない横っ飛びで超ファインセーブ。80+5分のラストチャンス。江口の左CKも北村が大事に大事にキャッチすると、直後に吹き鳴らされた福島主審のファイナルホイッスル。「最低を想定していたという部分でいうと、本当に思った通りになってしまったというのは良いのか悪いのかわからないですけど、そこでしっかり頑張れた所が勝因なのかなという風に思っています」と指揮官が話した関東第一が、粘り強く選手権の全国初勝利を引き寄せる結果となりました。


「かなり色々な方に見に来ていただいている中で開幕戦をやるということは、もっと良いサッカーをやらなくてはいけないなという風に思っているので、そこに関しては本当に選手に対してどうこうということではないですけど、純粋に内容に関しては全く納得はしていません。ただ、子供は頑張ってくれたという風に思っています」と試合後に話した小野監督。当然内容にはこだわっていくものの、その内容が伴わない中でも勝ち切れるのが今シーズンのチームが有する最大の強み。「去年とかその前までは『関一と言えばテクニック』みたいな感じだったのですが、今年は全員攻撃全員守備という気持ちでやっていて、ああいう風に全員で我慢して守備すれば、必ずチャンスはやってくると思っていた」と景山が口にしたマインドを全員がしっかり共有できていたことが、この開幕戦勝利に繋がったのは間違いありません。「むしろ今日みたいな野洲のゲームをウチは何年か前は都内でずっとやっていたつもりだったので、それでなかなか勝ち切れなかったことで、感覚的には自分たちがやってきたことを相手もやろうとしてくる訳で、どこを守らなきゃいけないとか、どういう所はダメだというのは感覚的には自分で押さえているつもりです」と言葉を紡いだ小野監督の、ある意味で内容よりも勝敗に徹底してこだわる姿勢の変化が如実に現れた開幕戦勝利だったのではないでしょうか。      土屋

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日産スタジアムで行われた
第96回天皇杯日本サッカー選手権大会準決勝の
大宮アルディージャ×川崎フロンターレは
0-1で川崎が勝ち、決勝進出を決めました。
以下、試合後のミックスゾーンにおける
大宮・塩田仁史のコメントです。


(大宮・塩田仁史)
Q:決して勝てないゲームではなかったと思いますが、最後はどういう所が結果を分けたのでしょうか?


A:準備してきたサッカーは守備も攻撃もできたと思いますし、逆にフロンターレよりウチの方がビッグチャンスは多かったと思います。最後の決め切る精度の所だったり、セットプレーのちょっとアンラッキーな部分はありましたけど、そこを自分たちに持ってくる力というのがフロンターレの方が上だったということだと思いますし、僕らはまだまだだと言われていると思うので、そういった所かなと思います。


Q:とは言っても、ゲーム運びや交替カードの切り方も含めておそらくプラン通りで、なかなか運以外に要因を求めるのが難しい内容だったと思いますが、それでも「まだまだ」だという部分があるという印象でしょうか?


A:そうですね。フロンターレもそうですけど、ああいう強いクラブというのは毎年こういう戦いをやっているので、僕らはまだ昇格して1年目で、ここまで来ることができましたけど、まだまだ努力が必要だと思いますし、常に優勝を争うチームになるためには、1人1人の努力が必要だと思います。そこで僕らは今回はフロンターレに負けて、リーグ戦は最後にFC東京に負けましたし、ルヴァンではマリノスにも負けて、あと1勝で何かが変わるという所で勝てないのが僕たちだったので、そこは来年以降また突き詰めていきたいと思います。


まだまだですね。やっぱりアントラーズもそうでしたけど、強いクラブってこういう戦いを毎年勝ってチャンピオンになってきているので、僕らはやっぱりこういう経験をもっとするべきですし、そのためにもっともっと努力していかないといけないと思うので。ただ、今日皆さんに見せたように、フロンターレ以上の内容でゲームを進められたというのは力が付いてきている証拠なので、そこをもう1回突き詰めてやっていきたいですね。まあ、スペシャルなキッカーがいましたね、向こうには。


Q:ルヴァンカップでマリノスに負けた時に、「まだこういうゲームを勝ち切る力強さや賢さが全然足りない」という趣旨のことをおっしゃっていましたが、その時と比べると今日のゲームはだいぶ違う顔を見せられたんじゃないですか?


A:そうですね。ルヴァンとかリーグ戦の最後の方もそうですけど、主導権を握ることができているという所で、見ていてカウンターとポゼッションをうまく使い分けられてゲームを進めて来れましたし、フロンターレと五分五分ぐらいのゲームを進められたと思うので、そこは自信を持って良いと思います。ただ、そこからのクオリティが勝敗を分ける所なので、突き詰めなくてはいけないし、僕らにもセットプレーはたくさんありましたけど、あそこで一発何かできればこっちに勝利が来たと思うので、悔しいですね。僕個人としてもここで3回負けているので、こういう僅差の所で勝ち切れないというのは学んでいかないといけないし、まだまだチャンスはあるので、来年以降またこういう舞台に帰って来たいなと思います。


Q:個人としてはJ1のリーグ戦にこれだけ継続して出るのは久しぶりだったと思いますが、そのあたりはいかがでしたか?


A:こうやってシブさん(渋谷洋樹監督)も信頼して使ってくれていますし、そういった意味で僕個人としても飛躍の年ではありましたし、10戦負けなしで後半戦は上位陣にもすべて勝てましたし、そういった所は自信になったと思うので、この自信をまた来年以降継続できるように準備してきたいと思います。大宮って今までの色はやっぱり残留争いのチームで、そういう所から脱却したいですし、ここからの戦いが重要だと思うので、また続けて頑張ります。


Q:FC東京の時はナビスコと天皇杯と合わせて3回の決勝は全部ベンチから見ていたと思います。今日を勝てば今回は決勝の舞台に立てる流れだったと思いますが、そういう悔しさもありますか?


A:もう悔しさしかないです。これまで東京時代から合計すれば5回ぐらいここまで来ていますけど、優勝したのは1回だけだったので。でも、ここからが難しいのでね。準決勝まで来ると弱いチームはいないので、今回もマリノス、アントラーズ、フロンターレと強いチームばかりでしたし、ここから勝つことの難しさは13年プロでサッカーをやってきて十分わかっていましたし、ここで勝つことを夢見て戦っている訳で、来年で36歳ですけどまだチャレンジするチャンスは残っていると思いますし、チャレンジできるぐらいのチームになっていると思うので、また準決勝や決勝に行けるように頑張っていきたいですね。今の大宮には信頼できるメンバーがいるので、必ず強いチームに勝てるようになると思っています。また戻ってきます。来年は元旦で!頑張ります。


以上です。


土屋

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1225ichihara2.JPG最後の1枚となったプリンス関東参入への切符を巡るファイナルバトル。東京王者の成立学園と茨城王者の鹿島学園が対峙する一戦は市原スポレクパークです。
関東大会予選こそ準優勝で本大会出場を勝ち獲ったものの、インターハイ予選は全国を懸けた準決勝で東海大高輪台にPK戦で敗れ、決勝まで勝ち上がった選手権予選でも、最後は関東第一相手に押し込みながらも0-1で屈し、全国にはあと一歩で手の届かなかった今シーズンの成立学園。ただ、「チーム的にも夏より全然レベルアップしていた」と大野泰成(3年・FCゼブラ)が話したように、都内随一の総合力を誇ったチームは堂々のT1リーグ制覇を達成。迎えた今大会も初戦で佐野日大を2-1と逆転で下して、関東昇格に王手を。シーズン最後の1試合に持てる力のすべてをぶつけて挑みます。
前の試合で昇格を引き寄せた千葉U-18同様に、2部制廃止のタイミングで県リーグへ降格。昨シーズンは茨城を制しながら、参入決定戦で横浜FCユースに2-6と悔しい大敗を喫し、関東復帰とはならなかった鹿島学園。それでも今シーズンは全国ベスト16と躍進したインターハイで、プレミアEAST王者の青森山田と互角に渡り合うと、選手権予選でもファイナルでディフェンディングチャンピオンの明秀日立をPK戦で振り切って、4年ぶりの全国出場を決めるなどここまでも十分な結果を。2日前の初戦もエースの上田綺世(3年・鹿島アントラーズJYノルテ)の決勝点で前橋商業を1-0と撃破。6日後に迫った選手権へ良い形で繋げる意味でも、大事な90分間へ向かいます。ゴール裏には1試合目同様に両校の応援団と多くの観衆が。楽しみな"学園"対決は鹿島学園のキックオフでスタートしました。


「最初は自分たちのペースで動いていた」と大野が話したように、成立学園はセンターバックの長草優之(3年・鹿島アントラーズJYつくば)と小山珠里(3年・成立ゼブラFC)から丁寧に繋いでいく、いつものスタイルで立ち上がったものの、大野と高橋恒樹(3年・成立ゼブラFC)がそれぞれ放ったシュートはゴールを破れず、先にスコアを動かせません。
すると、26分に先制点を奪ったのは鹿島学園。中央で前を向いた木次谷和希(3年・FC東京U-15むさし)が右へ振り分け、中野大飛(3年・SCH)がクロスを上げると、中央でこぼれたボールに反応した木次谷は右足一閃。ボールは人垣をすり抜け、左スミのゴールネットへ吸い込まれます。チームのファーストシュートが得点に直結する効率の良さで、まずは鹿島学園が1点のリードを手にしました。
一気にリズムを引き寄せた茨城王者。30分には右サイドへドリブルで持ち出した上田の、対角を狙ったシュートはわずかに枠の左へ。成立学園も31分には大野と竹本大輝(3年・成立ゼブラFC)の連携で右CKを獲得するも、大野のキックにニアへ飛び込んだ鈴木龍之介(3年・成立ゼブラFC)はシュートまで持ち込めず。37分は鹿島学園。高い位置でボールを奪った中野がエリア内から打ったシュートは、長草が懸命のタックルで回避したものの、「キーパーとフォワードまで連動して、圧力に応じて組織的に戦って行こうと言っていた」(鈴木雅人監督)という鹿島学園の統一された連動性。
39分の歓喜はまたも鹿島学園。ここも中盤でボールをかっさらったボランチの竹内利樹(3年・ACアスミ)が左へラストパスを送ると、膨らんで待っていた上田は丁寧にシュート。インサイドで右スミを狙った軌道は、きっちりゴールネットへ到達します。「大事な時に点を獲る選手」と指揮官も評価する10番はこれで2戦連発。44分にも中野があわや追加点という惜しいシュートを放つなど、中盤以降は攻勢を強めた鹿島学園が2点をリードして、最初の45分間は終了しました。


ハーフタイムに動いたのは追い掛ける展開となった成立学園。初戦でゴールを記録した町田ジェフリー(3年・浦和レッズJY)に替えて、「佐野日大の試合も後半から出したんですけど、相当リズムが変わった」と話す宮内聡監督は窪田稜(1年・フッチSC)を最前線へ送り込むと、そのルーキーが大仕事。51分、大野の縦パスをスイッチにボールを回し、高橋のパスを受けた窪田が狙ったシュートは左スミのゴールネットへ突き刺さります。1年生の貴重な追撃弾。両者の点差はたちまち1点に縮まりました。
「1点差に追い付けば絶対相手にプレッシャーが掛かるし、こっちのペースになるぞという話をしていた」(宮内監督)という成立学園の明らかに向上した出足。なかなか攻撃に参加できなかった中能健人(3年・成立ゼブラFC)と西羽開(3年・鹿島アントラーズJYつくば)の両サイドバックも高い位置を取り始め、ようやく引き寄せるゲームリズム。
そんな流れを断ち切ったのはボランチの一撃。59分に宮本陸(3年・鹿嶋鹿島中)を起点に右サイドを崩した中野のクロスから、上田が合わせたジャンピングボレーは成立学園のGK園田悠太(3年・横浜F・マリノスJY追浜)がファインセーブで凌ぎましたが、直後の右CKを小長井大夢(3年・BANFF横浜ベイJY)が蹴り込むと、竹内のヘディングはGKを破り、カバーに入ったDFも掻き出せずにゴールネットを揺らします。中盤の戦えるキーマンがこの重要なゲームでゴールという結果を。再び点差は2点に広がりました。
苦しくなった成立学園。60分には高橋のパスを窪田が戻し、高橋の狙ったシュートが枠の左へ外れると、宮内監督は2枚替えを決断。萩原幹太(3年・成立ゼブラFC)と高橋の両サイドハーフを下げて、鈴木亮祐(3年・AZ'86東京青梅)と田村裕(2年・成立ゼブラFC)を投入。攻撃面にテコ入れを施し、まずは1点を返しに掛かりますが、塩野清雅(3年・S.T.FC)と片倉誠也(3年・アネーロ宇都宮)で組んだセンターバックコンビを軸に、崩れない鹿島学園の堅陣。
疾風怒濤。66分に上田が直接狙ったFKはカベに弾かれるも、ボールを拾った木次谷のクロスからマーカーを左へ外した上田は、きっちりゴールへ流し込んで4点目。69分にも米谷力(3年・横浜F・マリノスJY)が左へ振り分け、圧巻のスピードとパワーで突破した上田が中央にクロスを来ると、飛び込んだ中野が沈めて5点目。71分にも飯塚寿輝也(2年・鹿島アントラーズJY)が短く付け、再び左サイドを独走した上田がそのまま右スミのゴールネットへ強烈な弾道を突き刺して6点目。「やっと自分の能力に気付き、自信を持ってという所がある。凄いと思いますね」と鈴木監督も高評価を口にした上田はハットトリックの大活躍。1-6。試合の大勢は決しました。
73分に成立学園の10番を背負ってきた竹本が、左足ミドルをわずかに枠の右へ外すと、鈴木監督もその1分後に2枚替え。殊勲の上田と飯塚に替えて、橋口凛樹(2年・鹿嶋鹿島中)と島村風雄(3年・鹿島アントラーズJYノルテ)をピッチヘ解き放ち、さらなる攻撃のギアアップに着手。76分には右に流れた橋口が果敢にシュートを放ち、DFに当たったボールは枠の右へ。78分は成立も左に開いた鈴木亮祐のパスから、窪田が叩いた左足ミドルはDFがクリア。既に残り時間は10分間とアディショナルタイムのみ。
82分に鹿島学園は3枚目のカードとして、米谷と大石智輝(3年・SCH)をスイッチ。83分は成立学園。鈴木龍之介が思い切って狙ったミドルはクロスバーの上へ。直後は鹿島学園。中央をドリブルで運んだ大石がシュートまで持ち込むも、飛び出した園田が意地のファインセーブ。85分は成立学園。西羽の左クロスに竹本がボレーで合わせるも、ボールは枠の上へ。89分も成立学園。窪田が枠に収めたミドルは鹿島学園のGK木村壮宏(3年・FC渋谷)ががっちりキャッチ。近付いてくる茨城王者の歓喜。
90+1分はトドメの一発。「ドリブルとパスがあって選べる状況の中で、それが一番ベストなプレーだというのを覚えなさいということは言っています」と鈴木監督が話したように、ドリブルで運んだ橋口は自分でも持ち込める状況の中でラストパスを選択し、中野が7点目となるゴールを叩き込むと、ここで打ち止め。ラストチャンスで鈴木龍之介がクロスバー直撃のシュートを放った成立学園の奮戦及ばず。鹿島学園がプリンス関東へと続く扉を力強くこじ開ける結果となりました。


鹿島学園の鈴木監督は基本的にテクニカルエリアに立ち続け、90分間の大半で選手たちに声を掛け続けています。そのことを問われた指揮官は「一緒に戦うということで原則として戦っていますし、子供にだけ『行け』じゃなくて、選手権もそうなんですけど『死ぬときは一緒だ』と、『勝つときも負ける時も一緒だ』ということを言っているので、『行ける所まで行こう』と言っています」と笑顔。その言葉の通り、選手と一緒に戦っている雰囲気がとにかく良く出ている監督だなあと感じました。「最近の子は頑張ることが恥ずかしいみたいな所があるので、頑張ることがカッコいいことだということを伝えたいなって。言葉にも出しているんですけど、それが中途半端だからカッコ悪いし照れ臭いのかなって。本当に頑張って何かを掴んだ時には、逆にカッコいいと思うはずだと。『恥ずかしがったり照れ臭かったり、時にはバカにされる時もあるけど、でも貫いて頑張っていこうよ』ということは日頃から言っていましたね」というお話も非常に印象的。熱さに満ち満ちた鈴木監督率いる鹿島学園の選手権が一気に楽しみになるような90分間だったのではないでしょうか。
「選手権予選の決勝が終わって1ヶ月、結構マジメな3年生が多かったので、メンタル的に引っ張っていくのも大変は大変でしたね」と語った宮内監督。3年間で培ってきたすべてをぶつけ、内容的には十分なものを披露しながら全国を掴めなかった選手権予選から約1ヶ月。このシーズン最後のゲームに臨むスタメンが全員3年生だったという所に、例年以上にタフで力強い今年のチームの特徴がよく表れていたのではないかなと。「サッカーを通して色々なことを学ぶという年代なので、彼らがサッカーそのものの中身にこだわってやりながらも、『グラウンドだけではなかなか勝利は得られない』ということは、トーナメントとか高校サッカーの文化の中で学んでいるというか、、1年間やってきてそんな感じがしますね」と今シーズンを振り返った宮内監督の言葉を受け、「サッカーに専念して、サッカーに懸けてやっていた分、サッカーで成長できたかなと思いますけど、やっぱりピッチ外の所で、寮生活だったり学校生活だったり、そういう所が結局はピッチに出るので、そういう部分で成長できたかなと思います」と口にした大野は、指揮官の想いを汲み取った高校生活を過ごすことができた様子。その大野を筆頭に10人を越える寮生も含め、最後まで強い気持ちを持って戦い抜いた成立学園の3年生たちに、今後への大きな期待を込めてエールを送りたいと思います。      土屋


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