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0211nishigaoka2.JPG2年ぶりに永遠のライバルが対峙するファイナルでの"東京ダービー"。東京ヴェルディユースとFC東京U-18が激突する一戦は味の素フィールド西が丘です。
激戦のプリンス関東で3位という結果を残したものの、プレミア参入戦で米子北に逆転負けを喫し、3年ぶりのトップディビジョン復帰とは行かず。クラブユース選手権は仙台、川崎、C大阪が同居した最激戦グループを首位で通過しながら、ラウンド16で広島に惜敗し、Jユースカップは初戦で水戸に苦杯を嘗めるなど、思わしい結果を出すことは叶わなかった昨シーズンの東京ヴェルディユース。現役を引退したばかりの永井秀樹監督が就任して挑んだ今大会は、杉並ソシオ、町田、三菱養和を相次いで退ける3連勝でこのファイナルへ。「やっぱり見ている人が楽しいサッカーが一番かな」と語る新指揮官を頂き、まずは東京ダービーでの勝利を引き寄せ、新シーズンへ弾みを付けたい90分間に挑みます。
U-23チームのJ3、AチームのプレミアEAST、BチームのT1リーグと3つの異なるコンペティションに選手を供給しながら、クラブユース選手権とJユースカップでともに日本一へ輝くなど、個と組織の素晴らしい融合を成し遂げ、確かな結果を残してみせた昨シーズンのFC東京U-18。その過程でみるみる力を付けて行った主力が数多く残った今シーズンの新人戦も、決勝リーグで杉並FCユースとFCトリプレッタユースを揃って大量得点で下し、先週の東京武蔵野シティFC U-18戦も2点を先行されながら、原大智(2年・FC東京U-15むさし)のドッピエッタと芳賀日陽(1年・FC東京U-15)の逆転ゴールで振り切ってきっちり決勝まで。「去年も新人戦の優勝から良いスタートが切れたので、このスタートからさらに上に行けるように良い過程にしていきたい」とは坂口祥尉(2年・FC東京U-15むさし)。西が丘のダービーでシーズン"一冠目"を真剣に狙います。「決勝で相手もヴェルディさんなので自ずとピリッとした部分もあったと思います」とFC東京の佐藤一樹監督も言及したように、伝統の一戦が行われる西が丘のスタンドにはかなりの数の観衆が。楽しみな決勝は13時30分にキックオフを迎えました。


いきなりの決定機はFC東京。2分に久保建英(中学3年・FC東京U-15むさし)へエリア内で決定機が訪れ、ここは東京VのGK田中颯(2年・東京ヴェルディJY)がファインセーブで凌いだものの、スコアが動いたのはその1分後。「ヴェルディユースは結構後ろから繋いでくるポゼッションのチームなので、追って行けばああいうチャンスはあるなと思っていて、相手のボールを持った選手が『出すな』と思ったので、プレッシャーに行ったらちょうど自分の所にこぼれてきた」という小林幹(2年・FC東京U-15むさし)は、こぼれをダイレクトシュート。ポストを叩いたボールはゴールネットへ飛び込みます。「練習が終わった後でもダイレクトシュートの練習をするようにしていて、結果に繋がったので良かったかなと思います」とは小林幹。あっという間にFC東京が1点のアドバンテージを握りました。
さて、いきなりビハインドを負ってしまった東京Vもすぐさま反撃。7分にはゴール前のルーズボールにいち早く反応した大森渚生(2年・東京ヴェルディJY)のボレーは枠を越えてしまいましたが、8分にも決定機。ここもラインの裏に大森がうまく抜け出すも、「『あ、ディフェンスが裏を取られたな』というのは自分でもわかったので、『ここは自分で止めるしかない』と思いました」と振り返るFC東京のGK大本竜司(1年・FC東京U-15深川)が1対1をビッグセーブで回避したものの、やり返す緑。ダービーは立ち上がりからバチバチ感満載。
11分も東京V。右サイドを羽生識(2年・東京ヴェルディJY)が抜け出し、フィニッシュまで持ち込むも良く戻った小林幹が間一髪でタックル。12分も東京V。河田稜太(2年・東京ヴェルディJY)が右へ振り分け、羽生のシュートはわずかに枠の右へ外れたものの、右サイドバックが発するゴールへの高い意欲。14分はFC東京。左から久保が入れたFKに原が合わせたヘディングは田中がキャッチ。綱島悠斗(1年・東京ヴェルディJY)と谷口栄斗(2年・東京ヴェルディJY)のセンターバックコンビがボールを動かしつつ、「良い時間というのは自分たちがボールを持っている時間」と永井監督が話した東京Vに生まれる好リズム。
それでも少しずつ押し込み始めたのはリードを携えた青赤。17分に右から岡庭愁人(2年・FC東京U-15深川)が上げたクロスに、逆サイドから突っ込んだ坂口のヘディングは枠の右へ外れましたが、両サイドバックで創り切ったチャンス。直後にも左サイドを運んだ小林幹の折り返しに、ニアへ入った原のシュートは枠の左へ。32分にも右サイドを単騎で抜け出した久保が、そのまま持ち込んだシュートはゴール右へ。さらに34分にも久保が左へ流し、「自分的には今日も結構ボールが来ているなというのがありました」と口にした坂口のクロスに原がヘディングで呼応するも田中がキャッチ。チャンスは生み出すものの、スコアに変化はありません。
38分もFC東京。坂口、久保とボールが回り、抜け出した原のシュートは谷口が果敢にブロック。39分もFC東京。坂口の左クロスを荒川滉貴(2年・FC東京U-15深川)が巧みに落とし、小林幹が放ったシュートはDFが何とかブロック。43分もFC東京。久保が左へ展開したボールを、「久保選手とは12月にやったインターナショナルカップから結構良い関係を築けている」という小林幹がクロス。荒川はシュートまで持ち込めなかったものの好トライを。45分もFC東京。左サイドで平川怜(1年・FC東京U-15むさし)が体を投げ出して縦に送り、マーカーと絶妙の間合いで入れ替わった久保はそのままGKと1対1に。GKの股を狙ったシュートは田中がファインセーブで立ちはだかりましたが、「2点目が欲しくてちょっと前掛かりになったと言いますか、『どんどん高い位置でも奪いに行け』というコンセプトでこの時期はやっていますので」と佐藤監督。ダービー最初の45分間は押し気味に進めたFC東京が1点をリードして、ハーフタイムに入りました。


後半開始から動いたのは東京Vベンチ。ボランチの東山直樹(2年・東京ヴェルディJY)に替えて荒木大輔(1年・東京ヴェルディJY)を送り込み、整えたい中のバランス。51分にはFC東京も岡庭のパスから原が抜け出し、マーカーのプレスも受けながら放ったストライカーのシュートはゴール右へ外れたものの、佐藤監督も「好感度の高いプレーをしてくれたかなと思うので、ミスも微笑ましいと言いますか、むしろ気持ちがポジティブな方になるミスが多かったと思いますけどね」と評した原は持ち前の動き出しでチャンスに絡むシーンを頻発させます。
ところが、56分に煌めいたのは「良いサッカーをしたい、良いサッカーを見たい、良いサッカーを創りたいというのは終わりがないですからね」と笑う指揮官に率いられた緑の若武者。右サイドでまさに"ヴェルディらしい"細かいパスワークでボールを前進させると、荒木が丁寧なラストパス。飛び出した大森の『3度目の正直』が、ゴールネットを鮮やかに揺らします。「やられたなという感じですね。後で映像を見てみないと何とも言えないですけど、あの失点に対して『何してんだ』という感じではなかったです。上手かったなという感じだと思います」と敵将の佐藤監督も認めるゴラッソ。両者の点差は一瞬で霧散しました。
「あそこでまたもう1点取られていたらさらに厳しくなってしまうかなと思った」という佐藤監督は、失点を受けて59分に1人目の交替を決断。原に替えて吹野竜司(2年・FC東京U-15深川)を右サイドハーフへ送り込み、荒川が左サイドハーフへ、小林が2トップの一角へスライド。「幹がサイドにいた時には左サイドがちょっと破られてやられた所もあって、荒川はそこをしっかりパックできるので、そのへんの相手とのマッチアップも含めて、ウチのストロングも出せるし、相手のストロングも消せるという所」(佐藤監督)の狙いを配置転換に滲ませます。
61分は東京V。左から飯島蓮(1年・東京ヴェルディJY)がカットインしながら放ったミドルは枠の右へ。64分はFC東京。岡庭のパスから吹野がクロスを上げ切ると、3列目から走り込んだ小林真鷹(2年・FC東京U-15むさし)のヘディングはヒットしなかったものの、ボランチが積極的な飛び出しを。やり合う両雄。次の1点を巡る攻防は時間の経過とともにヒートアップ。西が丘に充満する"ガチ"の空気。
均衡を打ち破ったのはやはり15歳のレフティ。72分に左サイドを単騎で持ち上がった小林幹は、「久保選手のことを見ていた感じではなかったんですけど、声もしたので感覚で出せば『彼なら決めてくれるな』と思ったので、そういう信頼の部分とかがあって出しました」とマイナスへ。受けた久保が躊躇なく左足で振り抜いたボールはニアの天井をぶち抜いて、ゴールネットへ突き刺さります。勝負所で飛び出した久保のゴラッソ。再びFC東京が1点のリードを強奪しました。
突き放された東京Vも75分には樫村怜史(2年・東京ヴェルディJY)が絡んで左サイドで獲得したFKを武眞大(1年・東京ヴェルディJY)が蹴り込むも、相方の長谷川光基(2年・FC東京U-15深川)とゴールに鍵を掛け続けていたセンターバックの篠原新汰(2年・FC東京U-15深川)が大きくクリアすると、77分に輝いたのも15歳。中央で前を向いた久保はそのまま仕掛けながらマーカーを外し、GKも見極めてシュート。右スミへ転がったボールはゆっくりとゴールネットへ到達します。「前半に2つビッグチャンスがあって、彼らしくなく外していて、普段だったらしっかりとネットを揺らすようなシチュエーションでしたけど、試合を通してしっかりと数字を出すというのは彼の能力の1つだと思う」と佐藤監督も評価した久保はこれでドッピエッタ。FC東京のリードは2点に広がりました。
79分にFC東京は2人目の交替。2ゴールに絡んだ小林幹を下げて、「まだゲームの時間も15分くらいあったので、まずはやることをしっかりやってゲームをクローズできたらいいなと思っていました」という品田愛斗(2年・FC東京U-15深川)をピッチヘ送り込むと、その品田が2本続けて蹴った高精度FKを経て、82分にも殊勲の久保と杉山怜央(2年・FC東京U-15むさし)を入れ替える3人目の交替を敢行し、中盤も品田の前に平川と小林真鷹を並べるトライアングルにシフト。一方の東京Vも局面での技術が光っていた村井清太(1年・東京ヴェルディJY)と栗畑玲偉(1年・ヴェルディSS花巻)をスイッチする2人目の交替を。いよいよゲームも最終盤。残りは5分間とアディショナルタイム。
88分に荒川がカットインからミドルを枠の上に外したFC東京は、直後に一挙3枚替え。荒川、篠原、平川を下げて、中谷太地(1年・FC東京U-15むさし)、吉田和拓(2年・FC東京U-15深川)、今村涼一(1年・FC東京U-15むさし)がピッチヘ解き放たれ、全体の強度アップでゲームクローズに取り掛かると、大トリを飾ったのは「数字で結果を出せたらいいなと思っていました」と話す帰ってきたナンバー20。
90+1分に「アイツは日向小次郎みたいなヤツですよ」と以前指揮官も評していた今村が、エリア外から強烈なシュートを枠内へ打ち込むと、田中も素晴らしい反応で弾き出しましたが、こぼれに反応した杉山のシュートへストライカーさながらの嗅覚で詰めていた品田がボールをゴールネットへ流し込みます。「あそこでゴール前まで入っていくというのはケガする前にはあまりなかったことだと思うので、気持ちが入っていたんだろうなというモノは感じました」という佐藤監督の言葉を受け、「自分でもちょっと珍しかったなと思います」と笑った品田は、「去年はゲームの中でゴールといった部分で絡むことはできなかったと思うので、今年はそういう結果を出していって、J3やJ1という場所でプレーしたいなと思っています」と決意を新たに。最後は横山塁(2年・FC東京U-15深川)も投入しながら、きっちりダービーに勝ち切ったFC東京が首都制覇を達成する結果となりました。


「今は総合力を増やしたいなと思っている所なので、新人戦は9人ずつ毎回替えて、その枠というのがたくさんあるのは本当にありがたい大会だと思いますし、公式戦で最後に西が丘という素晴らしいピッチでやらせていただけるので、改めてありがたいなと思いますね」と今大会を振り返った佐藤監督。その中でも先週の武蔵野戦に続いて、西が丘のゴールマウスに立った大本の奮闘は見逃せません。「しっかりパスを繋いでいくという所は自分の中で排除していたかもしれないですけど(笑)」と佐藤監督は楽しそうに笑いましたが、そのことを伝え聞いた本人は苦笑しながら「先週の試合で大きなミスをしてしまったので、そのミスを今回の試合でできるだけしないように意識していました。失点に繋がるプレーより安全なプレーの方が良いと思ったので、そっちの選択をしました」ときっぱり。また、8分のファインセーブについても「『よっしゃ、キタ!』と思いましたし、『チャンスだな。見せ場だな』と思いました。あれで1つ自信が付いたので、その後のプレーにも弾みが付きました」と会心の笑顔。指揮官も「あそこで取られていたらまたゲームはわからなかったので、大本は久々にこういう張りのあるゲームだったと思うんですけど、しっかりやってくれたと思います」と評価を口にしていました。西が丘という舞台でのプレーについても「今の高校3年がクラブユースでここに立っているのを見て、自分はスタンドからだったんですけど憧れはあったので、今回この機会を戴いて自分は凄く嬉しく思っていました」と語りつつ、この90分間を経て「前から『高瀬選手を抜いて自分が試合に出ないと』とは思っていたんですけど、今回のゲームを経験してもっとその気持ちが強くなったと思います」と力強く。謙虚で朗らかな印象を受けた大本が、自らの自信を深めた上で高瀬和楠(2年・FC東京U-15深川)という大きな壁へ高らかに突き付けた挑戦状が、このチームの競争力をさらに高めていくことは間違いなさそうです。      土屋


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0211nishigaoka1.JPG新人戦で実現した東京街クラブ王座決定戦。三菱養和SCユースとFCトリプレッタユースが対峙する一戦はおなじみ味の素フィールド西が丘です。
難敵の居並ぶプリンス関東は8勝2分け8敗と五分の成績を残して5位でフィニッシュ。クラブユース選手権でも清水エスパルスユースやサガン鳥栖U-18と同居したグループを首位で通過し、ラウンド16ではガンバ大阪ユースを撃破して堂々のベスト8進出さらに。Jユースカップでもベスト16まで食い込むなど、改めて存在感を全国に示した昨シーズンの三菱養和SCユース。迎えた今シーズンは「去年は結構タレントも揃っていましたけど、今年のチームはみんなでやらないと勝てないチームだと思います」と加藤慎太郎(2年・三菱養和巣鴨JY)が話したように、チームワークをベースに置きながら、狙うはもちろん色々な意味での"昨年超え"。ここはきっちり3位の座を確保して今大会を終えたい所です。
昨シーズンの東京高校サッカーシーンを、その溢れる個性で大いに楽しませてくれた主力の大半が卒業を迎え、まさに"新チーム"という形で今シーズンに臨んでいるFCトリプレッタユース。大貫雅之監督も「今年はスター選手がいない分、みんなでという意識も高いし、誰が出ても同じようなことができるような感じで、結構層が厚いんですよ」と自信の一端を。先週の杉並FCユース戦も先制される苦しい展開の中で、途中出場の根本悠希(2年・ヴェルディSSレスチ)が同点ゴールを叩き込めば、ほとんどラストプレーで昨シーズンから実戦経験を積んできた谷本竜一(2年・FCトリプレッタJY)が劇的な決勝ゴールを叩き込み、2年続けて西が丘へ。プリンス関東所属の強豪に真っ向からぶつかる覚悟は整っています。この日の西が丘は午前中からしっかり陽射しが差し込む観戦日和。「東京の街クラブ一,二を争うクラブ」(加藤)同士の90分間は養和のキックオフでスタートしました。


ファーストシュートはトリプレッタ。6分にキャプテンの進藤佑(2年・FCトリプレッタJY)が左からFKを蹴り込み、加藤のクリアに反応した岩崎海里(2年・FCトリプレッタJY)は果敢にハーフボレーでミドル。ボールは枠の右へ逸れたものの、勝利への意欲をフィニッシュに滲ませましたが、以降は「最初は後ろに5枚置いて、攻撃は谷本が起点を創って前の3人で何とかできればというぐらいでやりました」とトリプレッタの大貫監督が話し、養和の心臓部分を担う長岡龍之介(2年・三菱養和巣鴨JY)も「思ったよりトリプが前から来なくて引いている状態だったので、僕たちが回している状態が続いた」と言及したように、両者がお互いの出方を窺う時間が続きます。
それでも9分には左から松川隼也(1年・三菱養和巣鴨JY)が、15分には右から長岡が悪くないFKをゴール前に蹴り込むと、16分の先制弾もやはりセットプレーから。ここも右から長岡が蹴り込んだCKは混戦を生み出し、こぼれを拾った遠藤光(1年・三菱養和調布JY)のシュートはDFがブロックしたものの、このリバウンドを松川が力強くゴールネットへ打ち込みます。「最初に相手を上回るというのが養和のスタイルなのに、そこで相手を上回ることができなくて、全体的に中途半端になってしまった」と長岡が振り返った状況の中でも、セットプレーできっちり成果を。養和が1点のリードを手にしました。
「『1点はしょうがないかな』という部分もあるんですけど、取られ方もそこまで許せるような所でもないですし、難しかったですね」という大貫監督は追い掛ける展開の中、24分に早くもアクシデントでセンターバックを竹野晴人(2年・FCトリプレッタJY)から茅島虹太(2年・1FC ELDER)にスイッチ。養和も29分には長岡が右CKを蹴り込むも、ルーズボールはウルヴェ・ヒューゴ(2年・青山SC)が大きくクリア。30分に長岡が蹴った左CKもニアでDFがクリア。32分にも長谷川佳輝(2年・三菱養和調布JY)のパスから渋谷黎聖(2年・三菱養和調布JY)がエリア内へ侵入するも、カバーに入った進藤が確実にクリア。「1点取ってちょっと落ち着いたとは思うんですけど、前の連携はちょっと悪かったですね」と長岡。養和も完全にはゲームリズムを引き寄せきれません。
34分はトリプレッタに2人目の交替。1トップ下を濱田真(2年・FCトリプレッタJY)から杉並FC戦のスコアラーでもある根本に入れ替えると、トリプレッタ応援団が大黒摩季の名曲に乗せて歌う「♪ら・ら~ ら・ら・ら~ ら・ら・ら~ やっぱり~ ネモトユウキの前髪長いよ~」というチャントに思わず吹き出すスタンド。養和のゴール裏に陣取った3人の選手たちと、数で勝るトリプレッタ応援団のチャントにおける主導権争いからも目と耳が離せなくなっていきます(笑)
39分は養和。鈴木旭飛(2年・三菱養和巣鴨JY)のパスから長谷川が狙ったミドルはゴール右へ。42分はトリプレッタ。進藤のパスを引き出したウルヴェ・ヒューゴが右に付け、岩崎の上げたクロスは養和のGK大塚紀人(2年・FC東京U-15深川)が丁寧にキャッチ。45+1分もトリプレッタ。1トップを任された森友紀(1年・学習院中)のドリブルで右CKを獲得すると、進藤のキックにフリーで飛び込んだ松本大樹(1年・VERDY S.S. AJUNT)のヘディングはヒットせず、岩崎が残したボールを船越毅郎(2年・FCトリプレッタJY)が叩いたミドルは枠外へ。「たぶんボールを奪いに行ったけど彼らの個人技でかわされて、ちょっと行けなくなっちゃったみたいな所はあったと思います」と養和の増子亘彦監督も語った通り、トリプレッタも十分に拮抗した戦いに持ち込んだ前半は、養和が1点のアドバンテージを握ってハーフタイムに入りました。


後半はスタートからトリプレッタに3人目の交替。ウルヴェ・ヒューゴに替えて、宇田川尚輝(2年・1FC ELDER)をそのまま右サイドハーフに送り込むと、55分にはショートカウンターからチャンス到来。谷本がドリブルで運んで左へ流し、少し中に潜った根本のシュートは大塚にキャッチされたものの、60分にも船越の突破から左CKを獲得し、進藤のキックは大塚のパンチングに阻まれましたが、「狙いとして前半は凌ぐ、後半は出ていくという部分で崩れはしなかった」と大貫監督。トリプレッタに出てきた縦への推進力。
61分は双方に交替が。トリプレッタは岩崎を下げて、切り札のレフティ川野優太(2年・FCトッカーノ)をいよいよピッチヘ。養和は長谷川と遠藤に替えて、宮本康生(1年・三菱養和調布JY)と廣川虎太郎(1年・三菱養和巣鴨JY)を同時投入。65分には養和も松川と宮嶋俊弥(1年・三菱養和調布JY)の連携で右CKを奪うも、長岡のキックは谷本がクリア。67分はトリプレッタに5人目の交替。森と坂東亜門(2年・FCトリプレッタJY)をスイッチして、前線には川野と船越が並び、右に宇田川、左に坂東、ドイスボランチに谷本と根本という布陣で同点ゴールを狙えば、加藤と佐々木陸生(2年・三菱養和調布JY)のセンターバックコンビを軸にゴールへ鍵を掛ける養和ディフェンスもまったく破綻なし。スコアは1-0のままで残された時間は20分間とアディショナルタイム。
71分はトリプレッタ。船越の仕掛けで右CKを得るも、川野のキックは「ヘディングは苦手なんですけど、色々なスタッフがこの1週間特訓してくれたので、今日も自信を持ってやれた所はあった」と明かした加藤がきっちり頭でクリア。直後は養和に2枚替え。ボランチで気の利くプレーを見せていた冨久田和真(1年・三菱養和調布JY)と先制弾の松川が下がり、林壮真(1年・三菱養和調布JY)と西田湧大(1年・三菱養和巣鴨JY)がピッチヘ。72分はトリプレッタ。ルーレットを敢行しながら運んだ谷本は右へ振り分け、川野のミドルは枠の右へ。ほぼ流れはフィフティ。拮抗するお互いのバランス。
75分には養和に決定的なチャンス。長岡が蹴った右CKの流れから、再び入ったクロスに廣川が打ち切ったシュートはトリプレッタが築く人壁に跳ね返り、さらに加藤が放ったシュートは枠を捉えるも、カバーに入った榎戸龍平(2年・FCトリプレッタJY)がライン上でスーパークリア。78分も養和にビッグチャンス。林のドリブルで得た右CKを長岡が蹴り込むと、ファーで加藤が合わせたヘディングはクロスバーの上へ消え、追加点とは行かず。進む時計の針。差し掛かる最終盤の攻防。
81分はトリプレッタに2枚替え。根本と松本に替えて、三浦龍一(2年・FC PROUD)と大友蓮(2年・FUNフットサルクラブ)が緊張感のある舞台へ。82分は養和。右から林が蹴り込んだクロスはファーで進藤が懸命にクリア。直後の左CKが跳ね返ると、キッカーの長岡は少し持ってシュートを放つもトリプレッタのGK島田航樹(1年・PELADA FC)が丁寧にキャッチ。84分も養和。宮嶋の右クロスはファーヘ流れるも、拾った宮本の左クロスに飛び込んだ林のヘディングはヒットせず。86分に大貫監督が切った8枚目のカード。宇田川と高橋海志(2年・府ロクJY)のスイッチで最後の勝負に。
トリプレッタに訪れたこのゲーム最大の決定機。88分に左サイドからエリア内へ侵入した船越が、中央を確認しながらマイナスへ折り返したボールは、フリーで走り込んだ坂東にぴったり合いましたが、シュートは当たり切らずに上がってしまい、大塚が大事に大事にキャッチ。90+1分に養和も鈴木と穴吹瞬平(2年・三菱養和調布JY)を最後の交替として入れ替えると、90+2分はトリプレッタのラストチャンス。谷本が執念で前に仕掛け、こぼれを拾った坂東の左足ミドルが大塚にキャッチされると、ほどなくして西が丘に鳴り響いたファイナルホイッスル。「できればもっと得点をして気持ち良く終わりたかったですし、自分の中ではうまく行っていないという感じでしたけど、厳しい中でも勝ち切ることが一番ですから」と長岡も語った養和が粘り強く接戦を制し、3位決定戦での勝利を手繰り寄せる結果となりました。


「結構戦い方を"2WAY"で変えていて、前半と後半は必要な所が違ってくるので、後半は前を向いてプレーできる選手を取っておいていたというのもあります」と大貫監督が明かしたトリプレッタは、確かにその指揮官も「後ろは失点がなかったですし、マイボールの時間も前半よりは増やせたので、後半の狙いは実行してくれた」と認めたものの、最後まで1点が遠く敗戦という結果に。「せっかくこの格上と試合ができたのに、チャレンジする姿勢がもうちょっとだったなという所だったんですけど、やっぱり質が出ますね。あと1本ちゃんと繋がればという所で、チャンスが半減したりとか、逆にここのワンタッチの処理を精度高くすればちゃんと凌げるという所も相手に渡ったりとか、ちょっとした所ですけど差はそこですよね」(大貫監督)と、プリンスで揉まれている相手との差を実感する90分間になったようです。それでもこの日は珍しくネクタイにジャケット着用でゲームに臨んでいた大貫監督が「目標としてはここは"お祭り"みたいなものなので、『面白いことをしよう』という割には今日は堅いゲームになっちゃいましたけど」と笑いながらも、「チームのスタートとしては彼らにとって相当大きいんじゃないですか。クラブとしてはこの西が丘は狙いたい所でしたし、年間を通して一番お客さんが入るゲームだと思うので、そういう意味ではクラブのアピールにはなりましたかね」と続けたように、トリプレッタの持つ魅力の一端は応援も含めてアピールできたはず。T1に返り咲く2017年のトリプレッタが狙う旋風に期待したいと思います。
チームの持ち味を尋ねられ、「全員攻撃全員守備で一生懸命やることが養和のモットーでもあるので大事だと思います」と話したのは加藤ですが、このゲームでその"モットー"をある意味で最も体現していたのはゴール裏の3人。前の試合で退場処分を受けたために出場停止となっていた川島康暉(2年・三菱養和巣鴨JY)と、ケガでの欠場を余儀なくされていた松崎唯人(2年・三菱養和巣鴨JY)と山田陸(2年・三菱養和巣鴨JY)の「ギャグセンに関しては相当持っている」(加藤)2年生トリオは、そのセンスに定評のあるトリプレッタ応援団に3人だけで対抗。「♪養和よりトリプ」「♪トリプより養和」と「♪巣鴨より渋谷」「♪渋谷より巣鴨」のアンサーソングから一転して、「♪"スクランブル"より"地蔵"」で先手を取ってかぶせに行ったチャントスキルには、「ちょっとプレー中も笑っちゃいました」(加藤)「ちょっと試合中だけど面白かったです」(長岡)とピッチ上の選手も脱帽の体。増子監督も「ああやってチームのためにやってくれるからみんなも頑張れますし、自然とじゃないですけどジュニアからずっと繋げていることなので、そういうのは僕らがあまり言わなくても身に付いていることなのかなと思いますね。本当だったらウチもジュニアの子とかを連れてきて応援させたかったんですけど、今日は指導者もイベントをやったりしていて、なかなかそこまで余裕がなくて逆に申し訳ないと思いました」と3人に一定の評価を。「彼らも早く復帰できればやってくれると思いますけど、今日は凄くチームとして助かった応援でもありました」と加藤も認める川島&松崎&山田の奮闘に、養和の養和たるゆえんと養和の養和たる魅力が凝縮されていたように感じました。        土屋


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0205kodaira2.JPG横河武蔵野FCの改称に伴い、この大会恒例の一戦は名実ともに"東京ダービー"へ。FC東京U-18と東京武蔵野シティFC U-18の激突は小平グラウンドです。
昨シーズンはクラブユース選手権、Jユースカップと全国二冠を堂々と達成。高円宮杯プレミアEASTこそ優勝は逃したものの、1年を通じて誇るべき結果を叩き出したFC東京U-18。迎えた今シーズンも昨年からの主力が複数残り、周囲からの期待値も当然高い中で、各々の選手が目指すのは言うまでもなく「隣の芝生を踏む資格」(佐藤一樹監督)。今大会の決勝リーグも杉並FCユースを7-0、FCトリプレッタユースを6-0と大差で下しており、もちろん3連勝での西が丘行きのみがこの90分間に課されたタスクです。
クラブ名が変わって臨んだ昨シーズンはJクラブユース選手権、Jユースカップと共に全国切符にはあと一歩で手が届かず、リーグ戦もギリギリの所でT1残留を決めるなど、成績という意味ではなかなか思うような結果が付いてこなかった東京武蔵野シティFC U-18。今シーズンは長年チームを率いてきた増本浩平前監督が松本山雅FC U-15へ"移籍"したため、3年ぶりにU-18へ復帰した杉浦史浩新監督の下、また新たなチャレンジとなる1年に。今大会の決勝リーグは初戦こそFCトリプレッタユースに1-4で敗れましたが、杉並FCユースには4-0で快勝を収めてこの最終戦へ。難敵相手に勝利をもぎ取り、西が丘を手繰り寄せたい所です。グラウンドの周りにはぐずついた天候にもかかわらず、少なくない観衆が大集結。注目の90分間はFC東京のキックオフでスタートしました。


開始15秒の衝撃。FC東京のキックオフをすぐさま奪った武蔵野は、左サイドを倉田一輝(2年・FC府中)が単騎で突破すると、エリア内に潜った所でマーカーともつれて転倒。笛を吹いた主審は躊躇なくペナルティスポットを指差します。いきなり訪れた先制のビッグチャンスに、スポットへ向かったのは中川海(2年・横河武蔵野FC JY)。10番を背負う司令塔は自身にとってもこの試合のファーストタッチとなるPKを左スミへ冷静にグサリ。あっという間に"アウェイチーム"が1点のリードを強奪しました。
いきなり追い掛ける展開となったFC東京。4分には坂口祥尉(2年・FC東京U-15むさし)のパスから今村涼一(1年・FC東京U-15むさし)が巧みに抜け出すも、1対1は武蔵野のGK横川凌大(2年・横河武蔵野FC JY)がファインセーブで回避。逆に8分には武蔵野に追加点のチャンス。キャプテンの佐々木克矢(2年・横河武蔵野FC JY)が右へ送ったボールを高橋理人(1年・横河武蔵野FC JY)が中央へ折り返し、中川のミドルはクロスバーを直撃したものの、「武蔵野さんの今日に懸ける想いが伝わってきた」と佐藤監督も認めた通り、あわや2点目というシーンに滲む武蔵野の積極性。
11分はFC東京。小林幹(2年・FC東京U-15むさし)とのワンツーで左サイドを突破した吉田和拓(2年・FC東京U-15深川)のクロスから、寺山翼(1年・FC東京U-15むさし)が枠へ収めたシュートは横川がキャッチ。13分もFC東京。岡庭愁人(2年・FC東京U-15深川)の右CKに小林幹が合わせたヘディングはクロスバーの上へ。14分は武蔵野。佐々木のパスから、右へ開いた高橋がシュート気味に蹴ったクロスはゴール左へ外れるも好トライ。18分はFC東京。坂口の左クロスを小林幹がシュートに変え、吉田がゴール前でフリックしたボールは横川がキャッチ。するとこの前後、「信頼して選んだ11人なのに最初のああいうプレーから始まって、その後もなかなか自分たちのサッカーができず、チャンスをもらっている選手たちも躍動感というか、ちょっと腰が引けちゃっている部分があった」と見た佐藤監督は、いつにない厳しい言葉をピッチの選手へ投げ掛けます。
22分はFC東京。小林幹が左へ振り分け、1人外した今村が右スミを狙ったシュートは、良くカバーに戻っていた武蔵野の左サイドバックを務める和田朋也(2年・Forza'02)がライン上でクリア。23分は武蔵野。粘って残した佐々木のミドルは枠の右へ。25分も武蔵野。左から中川が蹴り込んだFKはDFがきっちりクリア。26分はFC東京。小林幹、坂口と繋ぎ、吉田がスムーズなターンで前を向きながら放ったシュートは枠の左へ。28分は武蔵野。左から古宮由視(2年・横河武蔵野FC JY)、右から和田が入れた連続CKはシュートにこそ至らなかったものの、「一樹さんの檄でスイッチが入れば良かったんですけど、うまく入らなかったかなと思います」とは坂口。武蔵野のリードは変わりません。
サイドアタックに活路を見い出したいFC東京の中で、この前半のホットゾーンは「いつも右サイドからのクロスが多いんですけど、今日は結構自分の方からクロスを上げられたというのは1つの収穫かなと思います」とサイドバックの坂口が話した左サイド。35分に坂口の左クロスへ飛び込んだ吹野竜司(2年・FC東京U-15深川)のヘディングは枠の右へ逸れましたが、36分にも吉田のパスを引き出した坂口のクロスから、吹野が打ち切ったシュートは横川がワンハンドでファインセーブ。45分にも坂口の左クロスがこぼれ、岡庭が叩いたボレーは武蔵野のセンターバックに入った島田陸大(1年・横河武蔵野FC JY)が果敢に頭でクリア。直後に岡庭が蹴った右CKに、飛び込んだ坂口のヘディングは枠の上へ。終盤は坂口の躍動感が際立った前半も、島田と瀬沼ラシード勲太(2年・あきる野FC)のセンターバックコンビを中心に守備の集中力を高く保った武蔵野に破綻なし。0-1で45分間が終了しました。


ハーフタイムにはリードしている武蔵野に交替が。右サイドバックの牧野晋作(1年・三鷹F.A.)に替えて、猿渡菖汰(2年・横河武蔵野FC JY)を投入し、「前からのプレッシャーは相手も嫌がっていたと思います」と口にした杉浦監督はディフェンスラインへテコ入れを図ると、46分に寺山が放ったFC東京の後半ファーストシュートも枠の左へ外れ、48分に岡庭が蹴り込んだ左CKも高橋が確実にクリア。後半も武蔵野は十分な落ち着きを携えて立ち上がります。
すると、次の得点を手にしたのもアウェイチーム。佐々木のパスを受けた猪股直希(2年・私立武蔵中)のシュートは、FC東京のGK大本竜司(1年・FC東京U-15深川)がフィスティングで回避しましたが、その右CKを和田が蹴り入れると、猿渡が合わせたヘディングはゴール前の混戦を生み出し、嗅覚で他を制した高橋がボールをゴールネットへ素早く押し込みます。前線で体を張り続けていたストライカーが強敵相手に大仕事。武蔵野のリードは2点に広がりました。
「僕らはやっぱり負ける訳にはいかないので、そういう意味ではちょっと変化というか、パワーを掛けて行かないといけないと思った」佐藤監督は、2点のビハインドを背負った58分に一挙4枚替え。寺山と中谷太地(1年・FC東京U-15むさし)のドイスボランチに吉田と今村の2トップを下げて、ボランチには小林真鷹(2年・FC東京U-15むさし)と平川怜(1年・FC東京U-15むさし)を、前線には原大智(2年・FC東京U-15むさし)と久保建英(中学3年・FC東京U-15むさし)を投入。さらに小林真鷹のパスから吹野が横川にキャッチを強いた59分のシュートを挟むと、61分には吹野と荒川滉貴(2年・FC東京U-15深川)も入れ替えて、一気に勝負へ打って出ます。
63分はFC東京に決定機。右CKをショートで蹴り出した岡庭は、平川との連携からピンポイントクロスを送り、原のヘディングはクロスバーを直撃したものの、いきなり踏み込んだアクセル。63分に右サイドを運んだ久保のシュートが枠の右へ外れると、66分にも右から久保が蹴り込んだCKを、ファーへ走り込んだ坂口は頭に当て切り、ボールは枠の左へ外れましたが、「あの4人に関しては想定よりちょっと早かったですけど、替えた選手はゲームを変えてくれたと思う」という佐藤監督の言葉を待つまでもなく、明らかに変化したゲームリズム。杉浦監督も66分に先制PKを奪取した倉田と崎間快(2年・府ロクJY)を入れ替え、攻守に盛り返したいサイドの推進力。
青赤の反撃弾は「ずっと小さい時からやっていたので一番好きなポジション」に解き放たれた長身ストライカーが。久保の左CKに坂口が合わせたヘディングがDFのブロックに遭い、スポットが右に変わった68分のCK。岡庭が丁寧に蹴り込むと、「1本前のCKの時に岡庭選手から『ストーンの前に入ってくれ』と言われて、その時はうまく行かなかったんですけど、その後の時は岡庭選手に『入るね』と言っていた」原がニアで頭に当て切ったボールは、左スミのゴールネットへ飛び込みます。「大きいクセにコーナーは普段あまり決めないので嬉しかったです」と笑顔を見せた187センチの原が貴重な一撃。たちまち点差は1点に縮まります。
一気呵成。次の歓喜はわずか1分後の69分。久保が右サイドへ丁寧に振り分けると、岡庭は迷いなく好クロスを中央へ。「岡庭選手はクロスを積極的に上げる選手なので準備していて、マークしていた選手に絶対負けないよう、良い状態でヘディングするように意識して」ニアに潜った原のヘディングは、GKの頭上を鮮やかに破ってゴールネットを揺らします。「ここの所は本当にメキメキと頭角を現してきてくれていましたから、頼もしくなってくれかけている所ですね(笑)」と指揮官も笑いながら評価する原は、「岡庭選手とはいつも練習の後にクロス練習とかをやっていて、そういう意味では今日クロスが合ってお互いに嬉しかったです」とこちらも笑顔。2分間で武蔵野のリードは霧散しました。
もはや流れは完全にホームチームへ。72分に久保が積極的に仕掛け、平川が打ったミドルは横川が何とかキャッチ。73分に佐藤監督はセンターバックの高橋亮(1年・FC東京U-15深川)と長谷川光基(2年・FC東京U-15深川)をスイッチし、篠原新汰(1年・FC東京U-15深川)と坂口をセンターバックに並べると、74分には左サイドで2人のマーカーをぶち抜いた久保のミドルはクロスバーに跳ね返り、長谷川光基のシュートも枠の上へ。武蔵野も75分に奮闘した高橋と角口広空(2年・FC府中)を入れ替えるも、直後に和田が蹴った左FKは荒川が確実にクリア。76分に久保が粘って粘って枠内へ打ち込んだシュートは横川がファインセーブで応酬。78分にも久保のループパスに抜け出した小林幹のシュートはDFにブロックされますが、「途中から出てきたメンバーが気持ちのこもったプレーで流れを変えてくれた」と言及したのは坂口。粘りたい武蔵野。押し切りたいFC東京。
81分は武蔵野に久々のビッグチャンス。中央で前を向いた佐々木は鋭い縦パスをグサリ。受けた中川のシュートは大本がファインセーブで掻き出し、こぼれに飛び込んだ角口は至近距離からシュートを放ちましたが、ボールはクロスバーを越えてしまい、頭を抱えるピッチとベンチ。直後はFC東京に6人目の交替。小林幹に替えて品田愛斗(2年・FC東京U-15深川)が待望のピッチヘ。82分はFC東京。ここも岡庭のクロスに原がヘディングを敢行するも、ボールは枠を越えてホットライン貫通のハットトリックとは行かず。83分もFC東京。今度は左から品田がクロスを上げると、原のヘディングはゴール右へ。84分もFC東京。岡庭を起点に平川が右から中へ、久保が中から左へ回し、品田が枠へ飛ばしたシュートは横川が決死のファインセーブ。武蔵野も85分に4人目の交替。猪股を下げて、古巣対決となるケント龍生(1年・FC東京U-15深川)の投入でこちらも勝負へ。残り5分とアディショナルタイムで果たして決着は。
85分もFC東京。品田の右CKから平川が右クロスを送り、飛び付いた長谷川光基のヘディングは横川がキャッチ。86分もFC東京。左に流れた久保がハーフボレーでゴールを狙うも、ボールはゴール右へ。88分もFC東京。品田が右CKを蹴り込み、長谷川光基のヘディングはクロスバーの上へ。88分は佐藤監督も2枚替え。岡庭と坂口に替えて、草住晃之介(1年・FC東京U-15深川)と芳賀日陽(1年・FC東京U-15深川)を最終盤のピッチヘ送り込む決断を。90分は武蔵野。右サイドで粘った佐々木のクロスは中央と合わず。所定の90分間が経過。熱戦もいよいよアディショナルタイムの攻防へ。
沸騰した小平。久保のダイレクトパスから、荒川のシュートがDFをかすめて枠の左に外れ、品田が入れた左CKのチャンスも中央のオフェンスファウルで潰えてしまい、ドロー決着が濃厚となってきた90+3分。右サイドで突如としてドリブルを開始した芳賀は、そのままグングン持ち運ぶと左足でシュートにトライ。左スミへ向かったボールは懸命に飛んだGKも一歩及ばず、ゴールネットへ吸い込まれます。殊勲の39番を中心にできた歓喜の輪。「まだまだ揺らぎもあるし、脆さもあるし、逆にこれで気付いてくれた選手がいると思うので、またそこは価値のあるゲームだったのかなと思います」と佐藤監督も話したFC東京が、芳賀の劇的な"サヨナラ決勝ゴール"で西が丘のファイナルへと駒を進める結果となりました。


「ここまでなかなかちぐはぐなゲームというのはここ最近では覚えがないので、面白かったですけどね」と苦笑した佐藤監督。その指揮官は前述したように前半の不甲斐ない戦いぶりを見て、かなり辛らつな言葉を大声でピッチヘ投げ掛けました。その勢いには坂口も「ごもっともという感じでしたけど、あそこまでは珍しいかなと思います」と少し驚いた様子。「信頼して選んだ11人なのに最初のああいうプレーから始まって、その後もなかなか自分たちのサッカーができない部分があったので、勝ち負けよりも大事なこと、サッカーに向き合うこと、自分を表現して今出ている選手を引きずり降ろしてやるというようなエネルギーをもっともっと出して欲しいなと思ったんですよね」と語った佐藤監督は続けて、「久々にちょっとピッチに対してああいう風になりましたけど、それで跳ねっ返りを出すぐらいの、『ベンチうるせーんだよ』ぐらいのエネルギーがある選手を求めているんです。でも、まだまだもうちょっとですね(笑)」とのこと。当然瞬間的な"怒り"の要素はあったにせよ、あのシーンには佐藤監督が選手たちに求めているエネルギーの発露を促す意味でのパフォーマンス的な要素も多分に含まれていたのかなとも感じました。「今やるべきことは自分たちで自分たちを超えていく、自分を超えていく、それしかないので、自分たちのチームを良くしていくという気付きも凄く大事にしている中で、そういう材料はたくさん戴けたゲームだと思いますね」と言い切った指揮官の下、FC東京U-18の新シーズンも一歩ずつ確実に前へ向かって走り出しています。        土屋


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0205kodaira1.JPG首都に居を構える街クラブ同士のプライドを懸けた90分間。FCトリプレッタユースと杉並FCユースが対峙する一戦は小平グラウンドです。
「去年は結構キャラクターがいっぱいあって、形というよりは個でという所もあったんですけどね」と大貫雅之監督も話したように、個性的なキャラクターを各ポジションに散りばめ、T2リーグを3位で駆け抜けて3年ぶりにT1復帰を決めた昨シーズンのFCトリプレッタユース。指揮官が「今年は本当に一から創っていく中でも、団結している部分があるんです」と評した今シーズンのチームも、今大会の初戦でいきなり東京武蔵野シティFC U-18を4-1で退けると、FC東京U-18には0-6で敗れたものの、このゲームに勝てば西が丘行きは濃厚。恒例の元気な円陣で気勢を上げ、大事な90分間へ向かいます。
三菱養和SCユース、東京武蔵野シティU-18、FCトリプレッタユースといった、いわゆる都内の街クラブで言う所の"第1勢力"に追随すべく着実に力を蓄えてきている"第2勢力"の旗手。厳しい1次リーグを堂々と抜け出し、2年連続でこの大会の決勝リーグまで駒を進めてきた杉並FCユース。昨年度は決勝リーグこそ3連敗と厳しい現実を突き付けられましたが、1次リーグではトリプレッタを5-2と粉砕。3年連続でT3でのシーズンを戦い抜いてきた実力と経験を後ろ盾に、最終戦で決勝リーグ初勝利を真剣に狙います。会場には午前中にもかかわらずサッカー大好きな皆さんが集結。楽しみなゲームは11時にキックオフを迎えました。


3分のファーストシュートはトリプレッタ。右サイドでボールを持った川野優太(2年・FCトッカーノ)が右からカットインしながら、得意の左足で枠内へ。ここは杉並FCのGK加藤弘也(2年・VERDY S.S. AJUNT)がキャッチすると、以降も榎戸龍平(2年・FC.VIGORE)と竹野晴人(2年・FCトリプレッタJY)のセンターバックを中心にボールはトリプレッタが持ちつつも、「まずは裏で基点を創ってというのは海里と2人で話し合っていた」とボランチの谷本竜一(2年・FC.GIUSTI世田谷)も認めたように、共有した裏を狙うスタンスがあまり手数に直結せず、落ち着かない展開が続きます。
杉並FCも13分には菊地慧人(2年・杉並FC JY)のドリブルからFKを獲得し、大島陸歩(2年・啓明中)の蹴った左FKは中と合いませんでしたが、1つチャンスを創出。14分にはトリプレッタも谷本が右へサイドチェンジを通し、川野のクロスに飛び込んだ船越毅郎(2年・FCトリプレッタJY)のシュートはヒットせず。16分は再び杉並FC。右からレフティの横井郁夢(2年・杉並FC JY)がFKを蹴り込むと、こぼれを拾った原田拓実(2年・桐蔭学園中)のミドルは枠の上へ外れたものの、杉並FCが滲ませる先制への意欲。
なかなかスムーズなアタックの出てこないトリプレッタの中で、徐々にエンジンをふかし始めたのは「アイツはあのスタイルを持っているので」と大貫監督も言及したレフティ。22分にキャプテンマークを託された進藤佑(2年・FCトリプレッタJY)のパスから、うまく前を向いた川野のシュートはわずかに枠の左へ外れるも好トライ。27分にも谷本が裏を1本のパスで窺うと、斜めに走った川野にはわずかに届かず。28分にも岩崎海里(2年・FCトリプレッタJY)を起点に進藤が右から中へ折り返し、船越のシュートが大島にブロックされたこぼれを川野がシュートまで。ここも加藤が丁寧にキャッチしましたが、9番を背負うレフティに続いて到来するチャンス。
30分は杉並FCにビッグチャンス。エリア内へ潜った菊地はマーカーを巧みに外しながら左足でフィニッシュ。「GKは上の学年の人がチームにいないので、そこはまとめていく自覚を持ってやらないとと思います」と話すトリプレッタのGK島田航樹(1年・PELADA FC)がファインセーブで応酬するも、あわや先制というシーンを創出。31分はトリプレッタに決定機。森友紀(1年・学習院中)が基点を創り、濱田真(2年・FCトリプレッタJY)が右へ流したボールを川野が狙ったシュートはわずかに枠の左へ。動き出した展開。漂い出すゴールの予感。
そんな中で先に歓喜を迎えたのは杉並FC。32分に左サイドで原田が縦パスを送ると、うまく抜け出した今村浩太(1年・都立石神井高)はそのまま強烈なシュート。島田も懸命に触りましたが、クロスバーに当たって跳ね返ったボールに全身で飛び込んだ菊地のダイビングヘッドは無人のゴールネットへ突き刺さります。完全に崩した形から最後は10番のエースがさすがの一仕事。杉並FCが1点のリードを奪いました。
「向こうも最終戦で当たって砕けろで取りに来るからという所で、やらせちゃったという感じですね」と大貫監督が話したトリプレッタは追い掛ける展開になりましたが、「失点してからみんなが前に行っちゃおうみたいな感じになっていた」(島田)「焦りが結構あって、また縦にもっと急ぐみたいな所が出ちゃった」(谷本)と2人が声を揃えた通り、やや縦に速い展開の増加で逆にチャンスが生まれず、38分には杉並FCも横井の左FKへ走り込んだ大澤勝也(2年・杉並FC JY)はわずかに届かなかったものの、惜しいシーンを。41分に川野が直接FKをクロスバーの上へ外すと、42分は杉並FC。ボランチの内田真揮(2年・練馬大泉北中)がサイドへ付け、横井が右から折り返し、今村のスルーを経て江口武志(2年・三鷹F.A.)が叩いたミドルは枠の上へ。44分も杉並FC。大島と三谷太陽(1年・杉並FC JY)の連携で手にした右CKを横井が蹴り込み、今村が打ち切ったシュートは島田がキャッチしましたが、終盤は続けて攻撃の手数も繰り出した杉並FCが1点のアドバンテージを握って、最初の45分間は終了しました。


「本当に目の色を変えて、ちゃんと飛び込んででも滑ってでも流し込みに行くというのを最初からやれないと、そんなに勝つのは簡単じゃないのかなと思いますよね」という大貫監督の決断はハーフタイムでの2枚替え。濱田と岩崎に替えて、坂東亜門(2年・FCトリプレッタJY)と根本悠希(2年・ヴェルディSSレスチ)を送り込み、中盤センターの強度とモビリティ向上に着手するも、後半のファーストシュートも杉並FC。49分に横井が放ったミドルは、DFに当たって島田がキャッチしましたが、北川慧(2年・杉並FC JY)と大澤のセンターバックコンビを軸に、守備の集中力を途切れさせない杉並FCが自信を持って目指す次なる1点。
51分はトリプレッタ。進藤の左CKは大島がきっちりクリア。52分もトリプレッタ。右サイド、ゴールまで約25mの距離から進藤が直接狙ったFKは加藤がキャッチ。53分は杉並FC。横井が中央へ放り込んだ左FKは島田がパンチングで回避。54分も杉並FC。横井の左CKは中央でオフェンスファウルの判定。56分も杉並FC。左寄り、ゴールまで30m弱の位置で獲得したFKを横井が直接狙うも、ボールは枠の左へ。お互いにセットプレーで探り合う得点機。
61分に大貫監督が切った3枚目のカード。川野を下げて、ウルヴェ・ヒューゴ(2年・青山SC)を投入すると、直後の62分にはウルヴェ・ヒューゴが高い位置でボールを奪い切り、右サイドから中へ。森はシュートを打ち切れませんでしたが、ハイプレスからフィニッシュに近い所まで。64分に右から進藤が蹴ったCKはDFのクリアに遭うも、66分にも進藤が左サイドの深い位置にフィードを送り、船越の巧みな折り返しから森が持ち込んだボレーは枠の左へ逸れたものの、少しずつトリプレッタに見え始めたゴールへの道筋。
それでも杉並FCも前面に打ち出す追加点への意欲。73分には加藤のキックを横井が頭ですらし、菊地が走ったシンプルな形から左CKを獲得すると、右サイドでこぼれを拾った菊地のクロスに、大澤が頭で飛び付くも枠へは飛ばず。74分にも大島のパスから横井が30m近い距離を単騎で運び、打ち切ったシュートはDFが何とかブロック。74分はトリプレッタに4人目の交替。森と高橋海志(2年・府ロクJY)をスイッチして、前線の顔触れに加えた変化。75分も杉並FC。右から横井が蹴ったCKはDFがクリア。残された時間は15分とアディショナルタイムのみ。
トリプレッタを救ったのは「高校ではたぶん公式戦初ゴールだと思います」と笑った24番。79分に左サイドでボールを持った谷本は「後半は『もうちょっと長いボールを増やそうかな』というのは思っていて、パスを受けたら走っているのが見えたので『通せるかな』という狙いで」右サイドへフィードを送ると、「こっちの崩しも短い距離ばかりだったので、『狙えるかな』と思って走ったら、ちょうど良いボールが谷本から飛んできたから、『打ってみようかな』という感じで」根本は右足一閃。美しいダイレクトボレーで繰り出された軌道は、左スミのゴールネットへ鮮やかに吸い込まれます。「自分の中で入った気がしなくて、みんながワッときて、やっと『ああ、ゴールだ』みたいな感じでした」と根本が話せば、「あそこからあんなシュートが入ってくるとは思ってなかったです。ビックリしました」と谷本も素直な感想を口に。「あまり僕は上手くないので奇跡みたいな感じですね(笑)」と笑顔を見せた根本の同点弾が飛び出し、スコアは振り出しに引き戻されました。
畳み掛けたいトリプレッタは82分に竹野と森本瑶治(2年・FC Consorte U-18)を入れ替えると、83分に松本大樹(1年・VERDY S.S. AJUNT)を起点に船越がスルーパスを狙い、走ったウルヴェ・ヒューゴはわずかに届かず、加藤が足でクリアしましたが悪くないアタックを。突き放したい杉並FCも、86分に大島が左CKを蹴り込むもDFのクリアに阻まれ、90分に横井が入れたFKも谷本が大きくクリア。大貫監督は90分に船越と三浦龍一(2年・FC PROUD)も交替させて最後の勝負へ。アディショナルタイムは5分。激闘の結末やいかに。
90+3分はトリプレッタ。中央右寄り、ゴールまで約25mの位置から進藤が放った直接FKはわずかにクロスバーを越え、頭を抱えるキャプテン。榎戸と茅島虹太(2年・1FC ELDER)の交替を挟み、90+5分には坂東のパスを右からウルヴェ・ヒューゴが折り返し、進藤のシュートがゴール前にこぼれるも、詰めた三浦より一瞬早く大島がスーパークリア。ドロー決着かと思われた刹那、ラストプレーに潜んでいた劇的な狂喜。
右サイドからこの日3本目となるCKを進藤が蹴り込むと、「ボールに向かって突っ込んでいった」谷本が相手よりわずかに長く伸ばした足へ当てたボールは、密集をすり抜けてゴールネットへ飛び込みます。「軌道はもう見えなかったので、気付いたらネットが揺れていたみたいな。当たった感覚はあったんですけど、『スネに当たったかな』みたいな感じでした」と振り返った谷本を中心に、GKの島田まで駆け寄ってできた11人の歓喜の輪。「時間は95分の中で本当にギリギリで最後でしたけど、それがどのタイミングでも、その時間の中で逆転したという所は評価できると思います」と大貫監督も安堵の表情を浮かべたトリプレッタが、劇的な逆転勝利を手繰り寄せる結果となりました。


印象的だったのはトリプレッタが同点に追い付いたシーン。根本のゴールが決まり、トリプレッタから見て左サイドで歓喜の輪ができていた一方で、GKの島田はその輪とは逆の右サイドへダッシュで向かいます。何があったのかと様子を眺めていると、転がっていたボールを全速力で拾いに行き、そのままセンタースポットへボールをセット。その後は再び全速力でゴールマウスへと帰っていったのです。そのことを尋ねると、「あそこは味方があっちに蹴ったのと、『もう1点取らなければいけない』という気持ちの現れです。『もう1点チームとして取りに行かないと』という気持ちだったので、ボールをセンターサークルへ戻しに行きました」とのこと。あの状況で1人だけ冷静に状況を見極め、もう1点を奪いに行く姿勢を見せたことが逆転弾に繋がったと、そんなに綺麗なストーリーを描きたい訳ではありませんが、島田の取った行動に感心させられたことだけは間違いのない事実です。「地区トップで1年間やっていたんですけど、Tリーグは2個上のGKの人がいたので全然出れなくて、まともにこんな芝でやるのは初めてだったので、とりあえず初戦の武蔵野戦はとにかく緊張して、声を出すことでそれに飲み込まれないようにしました」と苦笑しながら話してくれたように、トップチームでプレーするようになったのはこの大会から。大貫監督も「時々大ポカもあるんですけど」と笑いながら、「頭が良いんですよ。1学年下なんですけど結構強気に言いますし」と評価を口に。あの局面だけを切り取って考えても、「まだまだなんで自信なんてないです」と謙虚に話す1年生守護神の今後が非常に楽しみです。       土屋

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0129shikishima.JPG近年は再び覇権を争うステージで実現してきた"群馬クラシコ"がこの新人戦でも。前橋育英と前橋商業が"一冠目"を懸けて激突する一戦は県立敷島公園サッカー・ラグビー場です。
「彼らは一生忘れないと思いますし、私も一生忘れないと思います。もう1回最初から頑張れということなんじゃないかな」と山田耕介監督が振り返った、選手権の全国ファイナルはわずかに3週間前。その悔しさをかつてないパワーに変えるべく、新チームをスタートさせたばかりの前橋育英。全国準優勝を経験した4人がそのまま残ったDFラインに加え、アタッカー陣も飯島陸(2年・クマガヤSC)や田部井ブラザーズなど、昨年からの主力が数多くメンバーに名前を連ねる中で、「選手権に出たメンバーが中心になるということはないと思うので、1年間どんどん競争させていきたい」と語るのは山田監督。まずは新人戦のタイトルを獲得して、新シーズンの門出を飾りたい所です。
昨年度はインターハイで4年ぶりに群馬を制し、勢いそのままに全国ベスト16まで。選手権予選はファイナルで育英に逆転負けを喫し、12年ぶりとなる冬の全国出場とは行かなかったものの、同校のOBでもある笠原恵太監督の指導の下、確実に復権の狼煙は上がりつつある前橋商業。迎えた今大会も初戦で桐生西を18-0という衝撃的なスコアで下すと、共愛学園に2-0、高崎に1-0と競り勝ち、昨日の準決勝も健大高崎を1-0で退けてファイナルまで。GKの田村健太朗(2年・前橋ジュニア)やキャプテンマークを巻くセンターバックの李守文(2年・ザスパクサツ群馬U-15)など、センターラインに昨年からのレギュラーを配しつつ、ここまで無失点の守備力をベースに難敵へ挑みます。気温15.5度という群馬の1月とは思えないポカポカ陽気に、スタンドには700人近い観衆が。楽しみな"クラシコ"は育英のキックオフでスタートしました。


やや静かに立ち上がったゲームを動かしたのは、「それだけだと思われたくないので、自分的にそんなに投げたくはないんですけどね」と苦笑する渡邊泰基(2年・アルビレックス新潟JY)のロングスローから。9分に投じた"1投目"はDFのクリアに遭ったものの、10分の"2投目"で室井彗佑(1年・横河武蔵野FC JY)がGKに競り勝ったボールはゴール方向へ。前商の大𣘺洸紀(2年・図南SC前橋)もライン上でスーパークリアを見せましたが、こぼれに飛び付いた宮崎鴻(2年・三菱養和巣鴨JY)は「GKを抑えて触らせないようにしながら」、高く上がったボールをヘディングでゴールネットへねじ込みます。「ジエゴ・コスタが凄く好きなんです」と笑うストライカーが早くも結果を。育英が1点のリードを手にしました。
以降もゲームリズムは育英。16分には左サイドでルーズボールを収めた渡邊が縦に鋭く持ち出し、送った低いクロスへニアに飛び込んだ室井のヘディングは田村がファインセーブで掻き出すも、サイドアタックから決定機を。前商も18分には小此木駿(2年・図南SC前橋)が粘って残し、10番を背負う藤生春樹(2年・FCおおた)がシュートを狙うも、寄せたDFがきっちりブロック。22分は再び育英。センターバックに入った後藤田亘輝(2年・横浜F・マリノスJY追浜)が好フィードを蹴り込み、トラップで収めた宮崎のシュートは前商のセンターバック贄田新(1年・図南SC前橋)が何とかブロックしましたが、「パワフルな所とポストプレーが特徴ですよね」と指揮官も認める宮崎が生み出すタイガー軍団の推進力。
直後にキャプテンの田部井涼(2年・前橋FC)が蹴った右CKは田村にパンチングで弾き出されたものの、23分も育英。左から渡邊が投げ入れたロングスローに、宮崎が直接合わせたヘディングは田村が何とかセーブ。同じく23分も育英。今度は右サイドバックの松田陸(2年・前橋FC)がロングスローを敢行し、宮崎が競ったこぼれを渡邊が叩いたミドルはクロスバーの上へ。24分も育英。中央での細かいパスワークから、田部井涼が枠へ収めたミドルは田村がキャッチしましたが続く攻勢。25分は前商。サイドバックの櫻井優希(2年・FCクリロ)が絡んで奪った右CKを齋藤建(1年・図南SC前橋)が入れるも、李はシュートまで持ち込めず。同点とは行きません。
すると、27分の追加点もセットプレーから。右サイドで獲得したFKを「監督に試合前に『セットプレーから点がない』と言われていて、自分はキッカーとして本当に悔しかった」と話す田部井涼が蹴り込むと、宮崎が競った中央の混戦に飛び込んだのは松田。頭で突いたボールはゴールネットへ収まります。「田部井涼のキックは結構いいので、武器になっていけばいいのかなと思いますね」と山田監督。両者の点差は2点に広がりました。
止まらない育英。松田の右スローインから室井が枠の上に外した28分のシュートを経て、30分にはさらなる歓喜を。自らが蹴った右CKの跳ね返りへ反応した田部井涼は、「あのへんに行ってファーになだれ込むヤツらが行けば、GKと交錯して1点というボールを蹴ったつもり」という軌道を左足で描くと、左スミギリギリへ飛んだボールはGKの頭上を破り、そのままゴールネットへ吸い込まれます。「そのままゴールに吸い込まれてくれたので良かったです」と素直に明かしたのは本人ですが、「涼のキックは良いですよ。ちょっと格が違いますよね。速さも正確性もあるし」と山田監督も絶賛するキャプテンが3点目をマーク。育英強し。
さて、なかなか攻め手の見つからない前商は31分で早くも1人目の交替を。小此木に替えて、笠原監督も「この子は良いですよ。テクニックがあって」と評価を口にする中島怜意(1年・図南SC前橋)を送り込むと、35分にもボランチの藤原陸斗(1年・前橋ジュニア)と星野剛(1年・渋川子持中)を入れ替えて反撃態勢を整えますが、36分の決定機も育英。田部井涼の左CKをファーで松田が折り返し、塩澤隼人(2年・FC東京U-15むさし)のヘディングはわずかにクロスバーを越えますが、またもセットプレーからビッグチャンスを。38分には前商も星野が中盤でタメを創り、大𣘺がスルーパスを狙うも、走った左サイドバックの堀井景太(2年・1.FC川越水上公園)はわずかに届かず。39分は育英。渡邊のフィードを宮崎がきっちり落とし、室井が狙ったシュートは枠の左へ外れたものの、「ターゲットマンが明確にいる」(山田監督)利点を生かした育英が3点のリードを携えて、最初の40分間は終了しました。


後半はスタートから前商に3人目の交替が。GKの田村に替わって塩浦勇斗(1年・図南SC前橋)がゴールマウスへ。49分に田部井涼が蹴った右CKは贄田がきっちり弾き出し、直後にまたも田部井涼が入れた左CKをニアで松田が逸らしたボールも何とかクリアすると、52分に渡邊が放り込んだロングスローを宮崎が拾い、田部井悠(2年・前橋FC)が枠へ飛ばしたミドルは塩浦ががっちりキャッチ。1年生守護神は冷静にゲームへ入ります。
53分は育英に1人目の交替。選手権で活躍した角田涼太朗(2年・浦和レッズJY)の欠場を受け、センターバックを任されながら「アイツもそんなに悪くないですよね」と山田監督も合格点を与えた加賀谷匠(2年・知多SC)に替えて、山﨑舜介(2年・浦和レッズJY)を右サイドバックへ投入し、松田がセンターバックへ。55分には田部井涼を起点に宮崎とのワンツーから、飯島が打ち切ったボレーは枠の右に。56分には前商も中島がGKへのバックパスに猛然とプレスを掛け、クリアを体に当ててあわやというシーンを創り出すと、2分後に山田監督はGKを松本から湯沢拓也(2年・足利両毛ユナイテッドFC)にスイッチ。「この前もああいうことがあったから」と話す指揮官がシビアな交替で示したのは、試合に出るための明確な"基準"。
59分は前商。ボランチの石井那智(1年・図南SC前橋)を起点に、左サイドを駆け上がった堀井が裏を狙い、抜け出した藤生のシュートは松田が確実なカバーから的確なブロック。60分も前商。齋藤の左CKから贄田が放ったシュートはフォワードの室井が体でブロック。66分は育英に3人目の交替。室井を下げて、そのまま最前線に石井陽向(1年・EPOCH横越)を解き放ち、狙うダメ押し弾。67分は育英。田部井涼の右CKから、ルーズボールをまたも田部井涼がクロスに変えると、突っ込んだ山崎のヘディングは塩浦がファインキャッチで応酬。69分は前商に4人目の交替が。堀井に替えて下境涼太(1年・前橋ジュニア)を最前線に中島と並べ、藤生を再び右サイドハーフに、大𣘺を左サイドバックにスライドさせて最後の勝負へ。残された時間は10分間とアディショナルタイム。
70分の一撃は「馬力はありますよね」と指揮官も評した1年生。左サイドから渡邊が入れた"5投目"を、「ずっと練習していた形で、当てて陽向がうまく抜けてくれて良かった」と笑った宮崎が正確に落とすと、抜け出した石井はGKともつれながら執念でボールをゴールネットへ押し込みます。1年生の積極性もさることながら、「『出てこい、出てこい』という形で地道に鍛えていた感じです。ああいう子がやっぱり必要ですよね。周りが生きるから」と山田監督も認めた宮崎は3ゴールに絡む猛アピール。スコアは4-0に変わりました。
最後まで手綱を緩めないタイガー軍団。71分にエリア内で飯島が掴んだ決定機は塩浦のファインセーブに阻まれましたが、直後にはその飯島と細田海斗(2年・飯能ブルーダー)をスイッチ。75分には前商も、下境の仕掛けから齋藤が抜け出すもオフサイドの判定。76分は育英。田部井涼の右FKから、宮崎が放ったシュートはクロスバーの上へ。80+2分には5人目の交替として殊勲の宮崎を下げ、辻口陸(2年・クマガヤSC)がピッチヘ。80+3分は前商にラストチャンス。エリア内から齋藤が打ち切ったシュートがわずかに枠の左へ外れると、これがこのゲームのラストシュート。「このチームのストロングというのは、何となくですけど今日のゲームを見たら『そうなんだろうな』というのは出てきましたよね」と山田監督も一定の手応えを口にした育英がライバルを下して、新人戦を力強く制する結果となりました。


「これがゴールじゃなくてスタートですし、県内四冠という目標に向かって自分たちは頑張っているので、その一冠が獲れた所はホッとしています」と田部井涼も話した育英は、盤石とも言うべき強さを見せての"一冠目"を堂々と獲得してみせたものの、その田部井涼が「1月9日は本当に忘れられない日で、青森山田が優勝の盾を掲げた瞬間は本当に悔しかったですし、選手権に出ていたメンバーはいっぱいいますけど、本当に悔しさを持って練習に取り組んでいるので、あの残像が今の原動力ですね」と続けたように、やはり『1月9日の衝撃』は今シーズンの育英を語る上でも大事な要素になっていく雰囲気が。「彼らは去年の決勝の後のセレモニーで、結構噛み締めた顔をしていましたからね。それを忘れず1年間やっていくということが一番。私もそうなんですけどね(笑)」と笑ったのは山田監督ですが、もちろん田部井涼のようにピッチで体感した選手も、「選手権の決勝は応援席で何もできない自分が凄く悔しくて、もう1回あそこに戻っていけるように、これからもっとやらなきゃいけないと思います」と語る宮崎のようにスタンドで体感した選手も、明確な目標に向かって日々のトレーニングへ取り組めているようです。その目標に近付く意味でも選手権経験組のレベルアップはもちろん、「去年の決勝を戦っている2年生が残っているのは凄く心強いので、自分も失う物は何もないという感じで、このまま強い気持ちを持って1年間戦えればいいかなと思います」と言い切った宮崎のような、選手権を経験していない新戦力が結果を出したのは今大会の小さくない収穫。1年後に埼玉スタジアム2002で最高の歓喜を迎えるべく、上州のタイガー軍団は力強い一歩を踏み出しています。      土屋

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