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J SPORTS J.LEAGUE

東京カップ1次戦準々決勝 LB-BRB TOKYO×アローレはちきたFC@あきる野

February 1, 2016 9:15 AM

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0131akiruno.jpg来年の元旦へと続く遥かな道のりもこのステージから。天皇杯予選も兼ねている東京カップ1次戦のクォーターファイナルはあきる野市中央公園市民運動広場です。
6度の天皇杯優勝を誇る慶應BRBと、3度の天皇杯優勝を経験している東大LBという日本サッカー界の名門クラブ同士がタッグを組み、文京区を中心とした東京23区からJリーグ参入を明確に掲げて、2015年にチームを旗揚げしたLB-BRB TOKYO。すると激戦の東京1部リーグで2位に食い込み、勢いそのままに関東昇格決定トーナメントでも怒涛の3連勝で駆け抜け、設立初年度で見事に昇格を。今シーズンからは関東という新たなステージで、新たなトライが始まります。まずはその手始めとして、昨年も社会人系の部決定戦まで勝ち上がったこの大会で力試しと行きたい所ですが、実は新加入選手の登録が間に合わないため、「今年のいるいないに関わらず、去年在籍していた選手をこの大会に向けてそのまま登録した」と事情を明かしてくれたのは林健太郎ヘッドコーチ。昨シーズンでの引退を表明した選手を複数名呼び戻す格好で、この準々決勝へ挑みます。
東京都八王子市を拠点に活動する総合型地域スポーツクラブ『NPO法人はちきたSC』が運営するチームで、2012年にはJリーグ参入という目標を正式表明。英語で『原石』という意味のクラブ名を頂くアローレはちきたFC。昨シーズンは東京都社会人2部リーグでスペリオ城北と激しい首位争いを演じましたが、最終戦は相手チームの人数不足による5-0という不戦勝の形で、わずかに得失点差でスペリオに1点及ばずという何とも割り切れない最後を迎え、今シーズンも1部昇格を目指して戦うシーズンに。それでも、「もちろん色々な目標とか夢とかあると思うけど、45歳にしてチームを創るというのはそうそうできないと思うんだよね」と語る野口幸司監督の下、クラブの想像した未来に近付くための新たな1年をこの大会からスタートさせます。アローレは下部組織の選手たちも会場に駆け付ける大所帯の応援団を揃える中、LB-BRBも1人で声を出しながら太鼓を叩くファンキーガッツマンとそれを見守る数人のサポーター(かご家族の方々)が。ここ数日の悪天候もあってかボコボコのクレーコートを舞台に、注目の一戦はアローレのキックオフで幕が上がりました。


立ち上がりから勢いを持って入ったのはアローレ。前線の杉山大周(19・実践学園高)と橋場貴之(27・横河武蔵野FC)にボールが収まり、そこからサイドへと振り分ける展開で攻勢に。10分には益田遼佑(20・日大明誠高)が仕掛けて獲得したFKを、左から杉山が蹴り込んだボールはLB-BRBのGK大野雄亮(27・静岡産業大)が何とかキャッチ。11分にも左に開いた高木涼介(19・横河武蔵野FCユース)が裏へ落とし、走った益田にはわずかに合わなかったものの好トライ。13分にも益田の左アーリーに、3列目から飛び出した佐々木勝洋(28・横浜猛蹴)は届きませんでしたが、大野のパンチングを拾った右SBの多田祐希(20・都立調布南高)はミドルにチャレンジ。ボールは大きく枠を越えるも、ファーストシュートも記録したアローレが押し込み続けます。
16分もアローレ。左SBの渡邉東史也(19・実践学園高)がアーリークロスを上げると、ここも3列目から突っ込んだ佐々木のヘディングは大野がキャッチ。17分もアローレ。高木との連携で宮川湧弥(19・横河武蔵野FCユース)がエリア内まで侵入するも、必死に戻ったLB-BRBの左SB岩田修平(24・慶應義塾大)が何とかクリア。18分もアローレ。杉山がミドルレンジから狙ったシュートはわずかにクロスバーの上へ。圧倒的な攻勢に意気上がるアローレ応援団。
20分もアローレ。右から杉山が放り込んだCKはシュートまで持ち込めず。21分もアローレ。多田が投げ入れた右ロングスローから、こぼれを拾った杉山のシュートはDFに当たって枠の左へ。そのCKを杉山が入れると、ニアですらせた佐々木のヘディングはわずかにゴール右へ外れましたが、「あのCKはチャンスらしいチャンスだったかな」と野口監督。「もうちょっと相手も繋いでくるかなと思ったんですけど意外と蹴ってきて、そこで結構跳ね返せてセカンドも拾えていたので主導権を握れたのかなと思います」とは渡邉。続くアローレのゲームリズム。
「ボランチの2人ががっちり守備をするという感じの2人でもなかったので、そこでうまくボールを取り切れなかったこともあって、前半ちょっと相手の勢いに押されちゃったかなというのがあった」と林ヘッドコーチも話したLB-BRBが、劣勢の中でいきなりアローレの喉元へ突き付けた鋭い刃。24分、SBの今野順(24・VONDS市原)が絡んだ流れから、右サイドを力強いドリブルでぶち抜いた加藤慧太郎(24・慶應義塾大)がそのままクロスを上げ切ると、ファーで待っていた本来は引退済みの太田大輔(33・Singapore Cricket Club)が正確に落とし、佐藤聖(23・東京学芸大)は枠内ボレー。ここはアローレのGK永見彰悟(18・実践学園高)が何とかファインセーブで掻き出したものの、「彼も引退した選手でコンディションが整っていないけど、1試合にああいう形を2,3回創れるので期待していた」と林ヘッドコーチも言及した加藤が決定的なシーンを演出します。
これでようやく落ち着きを取り戻した感のあるLB-BRBは、2トップの太田と砂川優太郎(23・中央大)が流れながら、SHの川越勇治(24・中央大)と絡む左サイドにチャンスの芽が。33分にはアローレも杉山の展開から、最後はリバウンドを橋場がボレーで叩くも枠の左へ。35分のチャンスはやはりLB-BRBの左サイド。駆け上がったSBの岩田は太田のパスを受け、エリア内で粘って粘ってわずかにゴール左へ逸れるシュートまで。「ウチらは攻撃の回数は多かったけど、実質怖い攻撃をした回数は果たしてどのくらいあったかなという感じ」と野口監督が話し、「ちょっと相手のペースになっちゃったけどうまく凌げたかなという感じ」と林ヘッドコーチが振り返った前半は、スコアレスのままで35分間が終了しました。


後半開始早々の38分に最初のカードを切ったのはLB-BRB。24分の決定機で煌めいた加藤はここでお役御免となり、岡本真尚(23・明海大)をそのまま右SHとして投入すると、39分にチャンス到来。砂川が左へ流したボールを川越が折り返し、詰めた太田のシュートはアローレのCB田後瑛士(26・帝京大)が何とかブロックで凌ぎ、左から砂川が蹴ったCKも田後がクリアしましたが、後半はLB-BRBがまずは手数を繰り出します。
42分はアローレの決定機。高木、宮川と繋がったボールを、右へ流れた橋場はGKを外してグラウンダーのクロスを送るも、やはり引退宣言を超期間限定で撤回したLB-BRBのCB佐潟隆平(25・慶應義塾大)が素晴らしいカバーリングでクリア。44分はアローレも1人目の交替に着手。右SBの多田を下げて、そのままの位置へ田中悠矢(19・明治大学付属明治高)を送り込むと、45分に川越が縦に仕掛けるも、田中がその川越を体で吹っ飛ばしてカット。48分にはLB-BRBも砂川がラインの裏へパスを送り、走った岩田と接触しながらも、一瞬早く頭でクリアしたのは果敢に飛び出したGKの永見。「ちょっと相手も繋ぎが出てきて、慣れてきたのかなというのもありましたし、2列目から飛び出して来たりしていましたね」と渡邉も振り返ったように、ややLB-BRBが押し戻してきた中で、きっちり体を張って凌いでいくアローレ守備陣。
48分はアローレに2人目の交替。左SHの益田に替えて、10番を背負った山根大輝(22・都立日野台高)をそのままの位置に。50分はアローレ。右から杉山が蹴ったCKを橋場は拾って残し、杉山が再び蹴り込んだクロスは中央でオフェンスファウル。56分もアローレ。宮川のパスを受けた渡邉は左から右足でアーリークロスを繰り出し、ファーで粘った橋場のシュートは大野ががっちりキャッチ。「向こうがシンプルにクリアしてウチのディフェンスの背後という、オーソドックスなこのグラウンドに合わせた戦い方をしてきた」と野口監督も言及した中で、キャプテンの黄大俊(27・ザスパクサツ群馬)と佐潟のCBを中心にしたLB-BRB守備陣も安定感も披露し、流れはほとんどフィフティに近い所まで引き戻されます。
それでも「流れの中で嫌な時間帯がずっと続いていた」と感じていた野口監督は、64分に3人目の交替を決断。前半の途中から杉山とポジションを変えて最前線に入っていた高木と和氣貴也(18・実践学園高)をスイッチして、最後の勝負に打って出ましたが、65分にはLB-BRBも太田のミドルボレーがバウンドしながら枠を襲い、永見が何とかキャッチ。ゲームはいよいよ残り5分とアディショナルタイムへ。
「後半はおそらく相手も消耗してくるので、何回か形は作れるだろうし、その中で1つ決められれば良いと思っていた」(林ヘッドコーチ)というLB-BRBベンチの狙いが結実したのは終了間際の66分。後方からのボールを上手く収めて抜け出した岡本を、追走したマーカーがエリア内で倒してしまい、主審はペナルティスポットを指差します。キッカーは10番を託された砂川。左を狙ったキックに永見も同じ方向へきっちり反応しましたが、ボールは素晴らしいコースにグサリ。破れた均衡。LB-BRBがようやくスコアを動かしました。
何とか追い付きたいアローレ。67分には宮川のパスから杉山が粘るも、橋場のミドルはゴール左へ。69分にはLB-BRBも岡本がエリア内へ潜り込み、こぼれを拾った砂川はGKまでかわしたものの、肝心のフィニッシュは懸命に戻った田後が決死のブロックで回避。アディショナルタイムは2分。注目の好カードも120秒のクライマックスへ。
ここで動いた70分のLB-BRBベンチ。ボランチの岩渕貴哉(24・法政大)を下げて、チームの面白ゲームレポート担当でもあり、やはり引退を表明している市川慎士(28・慶應義塾大)をピッチヘ解き放ち、さらに大野と会社での転勤が決まった小野真朋(24・筑波大)をスイッチするGK同士の交替という2枚替えを敢行してゲームクローズに取り掛かると、120秒間でピンチを迎えることなく聞いたタイムアップのホイッスル。「人が揃わないということでお願いしてきてもらった選手もいる中で、先週と今週2試合しっかり勝てたので、まず来てくれた選手には凄く感謝しているし、その中でしっかり結果も出せましたからね。こういう結構厳しい試合をモノにできる強さというのは、去年昇格できたという自信がこういう所に出てきているのかなという感じはします」と林ヘッドコーチも笑顔を見せたLB-BRBが苦しいゲームをモノにして、準決勝へと駒を進める結果となりました。


決して内容では劣っていなかったもののゴールを奪い切るまでには至らず、終わってみれば最少得点差での敗退となったアローレ。「『今はちょっと凌ぐ所だ』みたいな感覚がないというか、押されて流れが悪い時に何も言葉を発せないというか、そういう風に思えない統一感という意味では、まだまだ甘ちゃんが多いし、1人1人は良いかもしれないけど、相手の心理を突くとか流れを読むという所のレベルが少ないよね」と渋い顔の野口監督は、続けて「あんな良い試合をして、これで負けて終わるのと勝ちで繋げるのとは全然違うでしょ。そこのメンタルや気持ちの部分が見えてこないというか、スポンサーも付いて下さっているし、ああやって下部組織が応援に来てくれるという存在がいるにも関わらず、そこの気持ちを出せない寂しさはあるね」とのこと。「戦う、走れる、全力でできる選手が俺のスタイルでは大前提だから、誰にでもチャンスはあるけど、逆に上手くても戦えない選手は『何で?』ってなるかもしれない」というハッキリとしたカラーはあるだけに、この悔しい敗戦を経験した野口アローレの今後にも是非期待したいと思います。
引退選手4人を担ぎ出すなど、まさにスクランブル態勢の中でも勝ち切る力強さを見せたLB-BRB。その引退する選手も20代前半の選手が多いあたりに、仕事とサッカーを両立させる社会人の難しさが垣間見える気がします。それでも、林ヘッドコーチは「仕事とサッカーのバランスは相当大変だと思うよ。でも、福田(雅)監督は『それを言い訳にするな』と。『サッカーもやって、仕事もやれ』と。よく監督が言うのは『会社で仕事をしている時は普通の一社会人で、やっぱりサッカーをやっている時にしか自分のアイデンティティは証明できない。いつ終わるかわからないのが社会人サッカー人生だから、1日1日を大事にしろ』と。確かにそうだなと思うよ。でも、僕らが知らなかった世界でこうやってやってみると、『そうやってサッカーに取り組んでいるヤツらもいるんだな』と感心させられたり、勉強になることが結構多いです。むしろ『プロ選手よりもサッカーに情熱を懸けているヤツもいるんじゃないかな』ぐらいの。それはウチのチームに限らずにどのカテゴリーでもですけどね。だから楽しいです」とチームや社会人サッカー全体から大きな刺激を受けているご様子。「当然2部から1部に上がるというのも目指しながら、全社に出て、地決に出て、あわよくば飛び級というのも狙っていきたいというスタンス」(林ヘッドコーチ)で挑む今シーズンのLB-BRBも是非注目していきたいですね。      土屋


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