May 13, 2012 11:58 PM | » permalink
昨シーズンはリーグ2位で9年ぶりにインカレ出場を果たすなど、躍進の1年となった同志社大。しかし今シーズンは一転、開幕から4試合勝ちに見放されるなど、ここまで1勝と最下位に沈む苦しい序盤戦を強いられています。
一方、一昨シーズンはインカレで全国制覇を達成し、一躍脚光を浴びたタレント集団の関西大でしたが、昨シーズンはまさかの4位でインカレ出場権を喪失。今シーズンは1年生からレギュラーとして活躍してきた田中裕人(4年・G大阪ユース)と岡崎建哉(4年・G大阪ユース)のボランチコンビも最終学年を迎える中、現在は2位と好位置に付けており、当然頂点を目指す1年となります。舞台はキンチョウスタジアム。少し肌寒さを感じる気候の中、関大のキックオフでゲームはスタートしました。
先にリズムを掴んだのは関大。5分には奥田勇太(3年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-18)、岡崎と繋いで、和田篤紀(2年・ヴィッセル神戸ユース)が完璧なスルーパスを繰り出すも、抜け出した木村一貴(3年・ヴィッセル神戸ユース)のシュートは枠の右へ。13分、岡崎の右CKを海田佳祐(3年・ジュビロ磐田ユース)が合わせたヘディングは枠の上へ。14分にも浮き球をダイレクトではたいた和田の絶妙なラストパスから、海田がボレーでネットを揺らすも、判定はオフサイド。チャンスを続けて生み出します。
4-3-3を敷く関大で効いていたのは、逆三角形に並んだ中盤の前目を担う岡崎と和田。田中が出場停止で欠場する中でも、岡崎は受けて捌いてリズムを創り、和田は中距離のパスを正確に散らすなど両者のバランスも良好。ここにアンカーを務める稲森睦(4年・四日市中央工業)も加わり、数的優位を中盤の至る所で創れたために、攻勢を強めた印象です。
さて、なかなか攻撃の形が出てこない同志社のファーストシュートは17分。左サイドを細かく崩して、矢野亮(3年・滝川第二)がスルーパス。上がってきた左SB八木下和志(3年・桐蔭学園)のシュートは枠の右へ外れましたが、いきなり決定的なシーンを創出します。
この前後から、中盤では分の悪かった同志社も1.5列目気味の山崎裕平(3年・星稜)が、比較的高い位置でボールを引き出し、基点として機能。そもそも開始直後から、GKの大杉崇仁(3年・ジュビロ磐田ユース)もペナルティエリアを飛び出してボール回しへ参加していたように"繋ぐ"意識は高く、それが少しずつ手数に結び付いていきます。
28分には岡崎のスルーパスから木村が抜け出しかけた関大のチャンスも、大杉が鋭い飛び出しで切り抜けると、2分後には同志社に決定機。オーバーラップした右SBの井上雄貴(3年・草津東)が玉井聡(3年・松山北)とのワンツーからラストパス。山崎の1対1は関大GK金谷和幸(3年・G大阪ユース)がストップしますが、31分にも果敢に左サイドを上がった八木下がフワリとクロス。飛び込んだ山田直(3年・同志社香里)はわずかに合わなかったものの、続く同志社の好機。
そして34分、関大は最終ラインでの繋ぎが乱れ、高い位置でボールを拾った山崎は柔らかいラストパス。フリーの玉井が右スミへ流し込み、弾けた紫の歓喜。自分たちの時間帯を結果にしっかり反映させた同志社が、1点をリードしてハーフタイムに入りました。
ビハインドの関大。島岡健太監督は後半開始から交替を決断。秋山貴嗣(2年・ヴィッセル神戸ユース)を下げて、内田恭平(2年・ジュビロ磐田ユース)を同じ右SBへ送り込みます。すると、この采配が的中した格好で、秋山と木村の連携から右サイドを徐々に攻略。51分にはその木村が鋭い突破から中へ。海田は合わせ切れなかったものの、再びリズムを引き寄せると、54分に動いたスコア。稲森のフィードを奥田がきっちり落とすと、走り込んだ岡崎の丁寧なインサイドシュートがゴール右スミへ突き刺さり、関大がゲームを振り出しに戻しました。
畳み掛ける赤。54分には奥田が、56分には木村がゴールへ迫ると、59分には絶好の逆転機。右CKを岡崎がマイナスに送り、稲森のシュートは当たり損ねてゴール前へ。反応した海田のシュートは左ポストを直撃し、再び海田が狙うも山田がブロック。ここは水際で踏みとどまる同志社。
60分にも岡崎の左CKから、最後は都並優太(3年・東京Vユース)がオーバーヘッドを敢行すると、今度は右ポストに弾かれます。それでも諦めなかった関大は、その流れから岡崎が左クロス。ファーでまたも都並が合わせ、これは見事にゴールネットへ到達。怒濤の波状攻撃で関大がとうとう逆転に成功しました。
さらに65分には勢いそのままに追加点。小椋剛(3年・川崎フロンターレU-18)のクサビを、1分前に投入された安藤大介(4年・静岡学園)がダイレクトではたき、木村のリターンで抜け出すと、鮮やかにゴールを陥れます。途中出場が多い中でもチームトップのゴールを挙げている10番が、ファーストプレーで大仕事。点差が広がりました。
ところが、落ち着かないゲーム展開。後半は1本もシュートを打てていなかった同志社が、ワンチャンスで成果。68分、左から山崎が蹴ったCKを、キャプテンマークを巻く野地諒平(3年・国見)がニアでズドン。その迫力にどよめくスタンド。わずか3分で、たちまちスコアは1点差に戻ります。
さらに73分には同点のチャンス。今日は再三ミスパスが見られた関大の最終ラインからここもパスがずれ、拾った所から同志社がゴール前へ付けると、山崎も途中出場の石津令門(4年・丸岡)もエリアに入りましたが、どちらもシュートは打てず。追い付けません。
以降はお互いになかなかシュートまで行けない展開が続く中、 84分に生まれたのは同点弾ではなくダメ押し弾。ミスにも臆することなく、前へとチャレンジし続けた寺岡真弘(3年・ヴィッセル神戸U-18)のダイレクトパスから、安藤を経由して内田がマイナスに折り返すと、奥田はしっかりゴールネットを捕獲して、2-4がファイナルスコア。「まだまだチームになっていない」とは島岡監督ですが、関大がしっかり勝ち点3を奪い切る結果となりました。
同志社は後半の入り方が悪く、リードを早々に吐き出してしまったことが悔やまれます。とはいえ、少し無理にでもボールを回そうという意図ははっきりしており、この戦い方を継続していければ、チームとしてのスタイルは確立されていくのかなという印象も受けました。
関大はやはり個々のスキルが高く、特にアタッカーの面々はボールを受ける時のアングルが抜群で、これが流麗なパスワークを呼んでいるんだなと感じました。しっかり結果を出せる切り札も抱えるなど、選手層も含めて強いチームなのは間違いありません。あとは、時折出てしまうチャレンジパスのミスを1つでも少なくできれば、6年ぶりとなる関西での戴冠も十分に可能性がありそうです。また見てみたいと思わせてくれるようなチームでした。 土屋
May 1, 2012 11:59 PM | » permalink
太陽王が漕ぎ出した、未知なるアジアへの挑戦もいよいよ佳境。グループリーグもホーム、アウェイ共に1試合を残すのみとなりました。今日は最初のステージにおけるホーム最終戦。開幕戦となったアウェイでは3-2と、打ち合いの末に敗れたタイ王者のブリーラム・ユナイテッドを日立台に迎えます。
現在公式戦は4試合続けて白星から見放されている柏ですが、ゴールデンウィークに組み込まれたこの一戦は、さらなる高みを目指す意味でも「絶対に勝たなきゃいけない試合」(北嶋秀朗)なのは間違いありません。"ホーム"を醸成しようと駆け付けた観衆は8099人。レイソルのチャントと、必要以上に軽快なブリーラムのチャントが交じり合う中、運命の90分間がスタートしました。
立ち上がりから目立ったのはブリーラムの積極性。一応、布陣的には4-2-3-1が一番近い数字だったと思いますが、"3"と"1"はかなり流動的な「0トップに近い状態」(ネルシーニョ監督)。中でもフランク・アチェアンポンとフランク・オハンザのアフリカコンビは「想像以上に速かったですね」と渡部博文も舌を巻く抜群のスピードを武器に縦へ、縦へ。
5分にはスラット・スカのスルーパスに抜け出したティーラトン・ブンマタンは、少しもたつきましたがミドルをしっかり枠内へ。7分には柏もレアンドロ・ドミンゲスが左へ振ると、ジョルジ・ワグネルのクロスに北嶋が頭から飛び込むもGKセーブ。8分は再びブリーラム。フランク・アチェアンポンの強引なミドルは枠の左へ。11分もブリーラム。ジラワット・マッカロムのパスを受けたフランク・オハンザが一気に加速するも、何とか柏ディフェンスがクリア。まずはブリーラムが攻勢に出ます。
このアウェイチームが厄介なのは、「カウンターが特徴なのはわかっていた」と稲田康志や渡部が口を揃えた武器が目立つものの、「カウンターを狙いつつ、結構パスを繋いでくる」とアン・ヨンハが言及したパスワークも高次元で繰り出してくること。左利きのティーラトン・ブンマタンを軸に、しっかりボールを回しながら、縦へのテンポアップに抜群の走力を生かすスタイルでチャンスを創出。逆に柏は攻撃がフィニッシュまで繋がらないこともあって、我慢のディフェンスを強いられます。
とはいえ、15分を過ぎると落ち着きを取り戻したホームチームがしっかりボールを回し始め、ゲームリズムを奪還。19分には相手のミスを拾った北嶋が左へはたき、リカルド・ロボの左足シュートはGKキャッチ。23分には増嶋竜也のロングスローを酒井宏樹が逸らし、ロボのオーバーヘッドが枠を捉えるもGKキャッチ。入れ替わったペース。すると、この流れで仕事をしたのはやはり10番。
23分、右サイドからドリブルを開始したレアンドロを、ブリーラムディフェンスは止められません。用意されたかのような花道をグングン「DFに向かって」突き進むと、ゴール正面から左足で右スミへ流し込む完璧なシュート。ゴール後にユニフォームを捲り上げ、「奥さんの写真の入ったTシャツ」をアピールし、イエローカードをもらったのはご愛嬌。勝利のみが求められる舞台で、エースがきっちり結果を出した柏がまずは先手を取りました。
ところが、この後の柏がピリッとしません。前線に入ったボールは北嶋がほとんどノーミスで収めるものの、「レアンドロとジョルジを、もう少し前を向いた状態で使いたかった」と渡部が話したように、その北嶋に対して、ロボも含めたブラジリアントリオがうまく絡めず、攻撃が停滞。28分に角度のない所からロボが強引に打ったのが、前半最後のシュート。守備面でも「オーガナイズが少し崩れ始めていた」(ネルシーニョ監督)柏を尻目に、再び勢いはブリーラムへ。
30分にはティーラトン・ブンマタンの右アーリークロスをフランク・オハンザが収めるも、何とか柏DFがクリア。34分にはフランク・アチェアンポンのパスを受け、ジラワット・マッカロムの狙いすましたシュートは稲田がファインセーブで回避。41分にはブリーラムのCBヘルマン・イブ・エクワラが2枚目のイエローカードで退場処分となりましたが、終盤はブリーラムが盛り返す格好で、前半は終了しました。
迎えた後半は数的優位もあって柏がボールこそ握ったものの、チャンスに結び付くシーンはなかなか訪れず。53分にはブリーラムベンチが選手を1人入れ替えると、フランク・オハンザが明確な1トップへ。すると、その2分後にアウェイチームが掴んだ決定機。選手交替のタイミングで右SBからボランチに移っていたジャッカパン・カオプロンが絶妙なスルーパス。フランク・オハンザが完全に抜け出して稲田と1対1になりかけると、懸命に戻った増嶋が決死のタックルを繰り出して何とか事なきを得ましたが、10人とは思えないアグレッシブさに日立台も冷や汗をかかされます。
61分にはレアンドロと酒井の連携から最後は北嶋が、64分にはレアンドロのラストパスからロボが、それぞれシュートを放つもゴールには届かず。一方のブリーラムも繋ぐ意識は失わずにいる中で、55分のピンチを受けてからは「割り切って1トップにCBの1枚が付いていくことがハッキリした」(渡部)柏を前にして縦への推進力は削がれ出し、2つの"槍"も沈黙を余儀なくされていきます。
72分にはネルシーニョ監督お得意の2枚替え。ロボと北嶋の2トップを、そのまま工藤壮人と澤昌克にスイッチ。ブリーラムも76分にはサリフ・サイヌイを、82分には奮闘したフランク・オハンザを下げてスリヤ・ドムタイソンを投入したものの、「うまく後ろの4人とコミュニケーションを取りながら、マークの受け渡しはできた」とアン・ヨンハも話したように、相手にチャンスを創らせない柏が終盤に連続攻撃。
85分には工藤とレアンドロの連携から、澤が迎えた決定的なボレーはスリップしてヒットせず。88分に橋本和のフィードを澤が落とし、工藤が狙ったシュートはGKセーブ。93分、ワグネルの左クロスに茨田陽生が合わせたボレーはGKキャッチ。結局、後半はゴールこそ生まれなかったものの、終わってみれば「みんなでカバーしあって、何とか失点を防いだ」とアン・ヨンハも話したように、ブリーラムを完封した柏が、「勝つしかない」(ネルシーニョ監督)ゲームをしっかり勝ち切り、グループリーグ突破へ望みを繋ぐ結果となりました。
ブリーラムはかなりの好チームですね。個々の能力の高さもそうですが、ポゼッションからカウンターへギアを上げるスピードは脅威。ネルシーニョ監督もそれについては「ウチの守備というより相手のスピードが上回ったと私は見ている」と話すなど、切れ味も抜群でした。また、どうしてもフランク・アチェアンポンとフランク・オハンザに目が行きますが、中盤を引き締めていたレフティのティーラトン・ブンマタンも好印象。彼はJリーグでも十分通用するのではないでしょうか。
久々の勝利を挙げた柏は、欲を言えば追加点を奪いたいゲームではありましたが、「勝ちがすべて」(渡部)というシチュエーションでのゲームだけに、勝ち点3の獲得というミッションコンプリートは最高の結果と言っていいでしょう。他会場の結果を受け、最終節は勝てば突破というわかりやすいゲームに。太陽王の航海が続くか否かは、韓国の地ですべてが決まることになります。 土屋
April 23, 2012 4:49 AM | » permalink
駒沢3番勝負の2本目は、補助競技場の向かいにある第2球技場へ。同じく関東大会予選の準々決勝です。
インターハイ、選手権と全国の舞台を踏んだのは一昨年。連続出場を懸けて臨んだ昨年は夏が一次トーナメントで、冬がベスト8でそれぞれ敗退と、目標には届かなかった都立駒場。再挑戦のシーズンが幕を開けます。対するは、近年なかなか目立った結果を残せていない実践学園。偶然にも昨年は駒場と同じく、夏は一次トーナメントで、冬はベスト8で敗れています。過去の実績で考えても、お互いに狙うは東京の頂点のみ。楽しみなカードになりました。
ゲームが始まると、先にサイドを崩す意識を体現したのは実践。4分に左サイドから福岡将太(2年)がスローインをDFの背後に投げると、完全に裏を取った伊藤健人(3年)の折り返しは中と合わず。6分には右サイドに流れた1トップの中里岳史(3年)が戻し、安齋柊(3年・)が上げたクロスを小澤哲太(3年・AZ'86tokyo-ome)がボレーで叩くも、ボールは枠の左へ。おそらく練習通りの形で、左右両サイドからチャンスを創出します。
しかし、先制は駒場。9分、右サイドから伊藤康平(3年・FC東京U-15むさし)を起点に、今井淳貴(2年・横河武蔵野JY)、野田陸斗(3年・緑山SC)が絡み、最後は穂永隆介(3年・FRIENDLY)のシュートが左ポスト内側を叩いてゴールに吸い込まれます。綺麗な形からファーストシュートに結び付け、成果も獲得。駒場がワンチャンスでリードを奪いました。
すると、ここからは勢いの出てきた駒場の時間帯。14分には今井の左CKがこぼれたボールを、伊藤がボレーで当てるも実践DFがブロック。15分、右サイドをスルスルとドリブルで持ち上がった伊藤のミドルは、実践GK天野将貴(3年)が何とか指先に当ててクロスバーへヒット。そのCKを今井が蹴ると、こぼれを佐藤耕輔(3年・三菱養和巣鴨JY)がシュートに持ち込むも、ボールはクロスバーの上へ。立て続けにドイスボランチの佐藤と伊藤が積極性を打ち出します。
なかなかリズムの出てこない実践は、20分過ぎから4-2-3-1の中盤3枚の構成を変更。中央の小澤と左の伊藤を入れ替えました。すると、22分にはその伊藤が左へ付けると、福岡が折り返し、中里のシュートは左ポストを直撃。34分には森栄司(3年)のパスを受けた伊藤が果敢にミドル。わずかに枠の左へ外れたものの、ポジションチェンジを境に伊藤が躍動し始めます。
また、チームとしても右の臼倉崇弘(3年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15習志野)、左の小澤とSHにボールを入れて、2人のドリブルをスイッチに縦へとスピードアップする狙いがハマり始め、ゴールこそ生まれなかったものの、終盤は実践がペースを掌握して前半の40分間は終了しました。
後半はスタートから実践に動き。小澤に替えて、左SHへ廣江翔(3年・府ロクJY)を投入し、サイドへさらなる厚みを持たせにかかります。ただ、ゲームはここから完全な膠着状態に。お互いイージーなミスも少なくなく、攻撃のもう一手が出てきません。
1本のシュートもないまま、時計の針だけが着々と進みつつあった65分。再び動いたのは実践の深町公一監督。伊藤の替わりに粕川竜貴(3年)を中盤へ投入します。この交替が奏功したのは、そのわずかに3分後。
68分に粕川が獲得したFK。右寄り、ゴールまでは25m強の距離から臼倉が右足を振り抜くと、ボールはまっすぐな軌道を描き、そのままゴール右スミを撃ち抜くファインゴール。両チーム通じて後半最初のシュートは、まさにゴラッソ。実践が追い付いてみせました。
一発でリードが霧散した駒場の山下正人監督も決断。71分に船倉康平(2年・保谷高校)を最前線に、松村拓哉(2年・三菱養和巣鴨JY)をCBに投入し、林洋輔(3年・八王子上柚木中)を左SBへスライドさせます。以降は駒場が怒濤のラッシュ。78分、ゴール右寄り、約25mの距離から今井が直接狙ったFKはカベに直撃。82分、林の左クロスを野田が落とし、佐藤が枠に飛ばしたミドルは天野がキャッチ。85分、今井の左CKにファーで合わせた松村のヘディングは、わずかにゴール右へ。両者譲らず。ゲームは前後半10分ずつの延長戦に突入しました。
延長に入ると、10分ずつで攻勢が入れ替わる展開に。前半は実践。88分には相手GKのキックをカットした福岡がミドルを放つも、力なくGKへ。89分にも途中出場の小林優(3年)がシュートを打ちましたが、枠の右へ。ここで実践は打ち止めとなります。
後半は駒場。92分、今井のスルーパスを受けた船倉のシュートは、クロス気味になってしまい枠外へ。96分、今度は船倉の左クロスに今井がボレーを飛ばすも枠の左へ。99分、右サイドから長いボールが入り、船倉が捌くと、千葉丈太郎(2年・JACPA東京)が狙ったボレーはわずかにクロスバーの上へ。100分間では決着付かず。準決勝への切符は、PK戦へ委ねられることになりました。
11mの果たし合いで、まず魅せたのは両GK。実践1人目を駒場GK根岸郁弥(3年・FC駒沢U-15)がストップすれば、駒場1人目は天野がストップ。さらに実践2人目を根岸がまたも完璧に止めると、駒場2人目は左ポスト直撃。最初の4人は誰1人としてネットを揺らすことができません。
3人目、4人目は共に沈め、迎えた実践の5人目はユニフォームの色が違う選手。すなわちGKの根岸。右スミに思い切り蹴り込んだキックは、わずかに天野も届かず。駒場5人目にプレッシャーが掛かります。そしてキックはクロスバーの上へ。激闘に終止符。実践が東京制覇まであと2つに迫る結果となりました。
実践はドリブルとショートパスの精度に特徴を持つ選手が多く、なかなか見ていて楽しいチームです。今日はゲーム展開もあって、交替で出てきた選手はいずれもアタッカーでしたが、そのいずれもが仕掛ける意識が強かったので、基本的には攻撃の時間が長いチームだなという印象も持ちました。今後、どのくらいこの攻撃力がブラッシュアップされていくのか、要注目ですね。 土屋
April 22, 2012 9:17 PM | » permalink
今日は駒沢に行けば、6試合の中から2試合ないし3試合をチョイスできる"駒沢フェスタ"。最初に足を向けたのは駒沢補助。関東高校大会の東京予選準々決勝が行われます。
昨年の選手権では準決勝で早稲田実業に0-1で競り負けたものの、西が丘進出を果たした東海大菅生。当時のレギュラーには新3年生も少なくなく、一層の飛躍を期す1年になります。対するは、2回戦で昨年は夏冬共に東京王者となった東久留米総合を下して勝ち上がってきた帝京。昨年はT1でも関東第一に優勝をさらわれ、選手権でも西が丘の舞台を前にして伏兵の都立東大和に完敗。名門復活を懸け、今年から荒谷守氏が監督に就任しています。
さて、キックオフ直後からまず勢いを持ってゲームに入ったのは菅生。5分、右サイドでルーズボールを収めた鈴木悠生(3年・FC VIDA)がファーストシュートを枠内へ。7分、高い位置でボールを奪った山崎晧大(3年・小平第三中)が独走。GKとの1対1はループが浮き切らず、帝京のゴールマウスを守る細田龍太(3年・浦和レッズJY)にキャッチされましたが、2つの好機を創ります。
11分には帝京に初めてのシュートシーン。右から山中洸貴(3年・横河武蔵野JY)が上げたクロスに、大野耀平(3年・浦和レッズJY)がダイビングヘッドを敢行するも枠の上へ外れると、13分には再び菅生。橋本遼平(3年・FC BRANCO八王子JY)のミドルはわずかに枠の右へ。帝京を攻め立てます。
この菅生ペースの要因は、「個人の差は歴然なので、どうにかハードワークして、走って、穴を作らないようにしようと」 (東海大菅生・手塚弘利監督)いう共通理解に基づいたボールと人への速いアプローチ。とりわけ、私市一樹(3年・東海大菅生中)と諸星匠(3年・FC GRORIA)で組んだドイスボランチは抜群の反応でことごとくセカンドを回収。加えて「もう少し潰しに来るかと思ったが、前半は随分フリーでボールをもらえていた」と手塚監督も話したように、比較的自由にスペースを泳いだ私市が"受けて捌いて"を繰り返しながら、時折鋭い勝負パスを見せるなど、中盤で躍動。これには帝京もたまらず、15分過ぎに右SBの藤田将(3年・グランデFC)とボランチの林洸太朗(3年・FC渋谷)を入れ替える処置を施しています。
そんな中、帝京が20分に大野のダイビングヘッド、21分にも伊藤遼(3年・岐阜VAMOS)の1対1と、個の力で2度創出した決定機を逃すと、26分の歓喜は菅生。右から私市が蹴り入れたCKを、綺麗なボレーで叩き込んだのは「シュート精度が高いんです」と指揮官も認める諸星。ドイスボランチコンビで完結させたセットプレーでの先制弾。菅生が1点のアドバンテージを得ました。
追い掛ける展開となった帝京は、早くも33分に1人目の交替カードとして深井翔太(3年・FRIENDLY)を切りましたが、リズムを引き寄せるまでには至りません。39分には大野、吉良光稀(3年・帝京FC)と繋ぎ、伊藤が狙ったシュートは菅生GK小林直矢(3年・東京久留米FC U-15)がしっかりキャッチ。同じく39分には深井がラインの裏へ抜け出し掛けるも、戻った諸星がボールカット。40分、伊藤が巻いて右隅を狙ったシュートも枠外へ。1-0は変わらず、菅生のリードで前半は終了しました。
迎えた後半はスタートから帝京が2枚替え。右SHに柳下大樹(2年・浦和レッズJY)を、ボランチに桶谷亮太(2年・帝京FC)を送り込み、中盤の再編成に着手します。すると、開始13秒で伊藤が放ったミドルを号砲に帝京が猛ラッシュ。42分、林の右クロスへ大野が頭から飛び込むも、ボールは枠の右へ。45分、菅生ゴールキックのクリアボールが一転してカウンターに。大野と小林の1対1は、小林がビッグセーブ。46分、桶谷のスルーパスに抜け出した柳下のシュートは、わずかにゴール左へ。息を付けない菅生。
そして、決壊の時は48分。知念将太(3年・住の江キッズ)のロングスローから、伊藤がエリア内で倒されると、主審はPKを指示。知念のキックはゴール右上ギリギリに突き刺さり、スコアは振り出しに戻されました。
前半はある程度繋ぐ場面もあった菅生は、どうしても受け続ける圧力の影響でクリアに近いロングボールが増加。「蹴り合いになってしまった」(手塚監督)ことで、私市のボールタッチも激減し、守る時間が長くなっていきます。55分には伊藤のCKを、混戦から帝京が押し込むも、CBの宮地建樹(3年・FC渋谷)がライン上でスーパークリア。61分にはまたも知念のロングスローから、最後は深井が惜しいシュート。押し込まれる菅生。
ところが、次のゴールが記録されたのは劣勢のタイガー軍団。67分、右サイドを縦に鋭く仕掛けた橋本が突破。中への折り返しを諸星は確実にゴール左スミへ流し込みます。「チーム事情でボランチをやっているが、本当は1列前で使いたい選手」と手塚監督も評した諸星の2点目。またもスコアの秤は菅生の側に傾きました。
リードを許した帝京。とはいえ、基本の戦い方は後半開始時から変わらず。相手陣内の深い位置へ早めにボールを送り、ロングスローを含めたセットプレーを獲得したら、160センチのGK小林が待つゴール前へハイボールを送り込むことが第一目標。このやり方を徹底します。
その結実は71分。ここも左サイドから知念が入れたロングスロー。こぼれを大野がボレーで狙うと、小林もよく触りましたが、ボールはポストの内側を叩いて、ゴールへ転がり込みます。2-2。同点。76分、大野の左スミギリギリを狙った強烈なミドルを、超人的な反応で小林が弾き出し、生まれたCK。深井が蹴ったボールを知念が頭で合わせると、またも小林が抜群の反応でストップしましたが、こぼれ球を大野がプッシュ。両チーム合わせて3ゴールと激しく動いた10分間の攻防で、スコアは引っ繰り返りました。
諦めない菅生。終了間際の82分に絶好の同点機。後方からのフィードを山崎が収めると、左サイドからカットインしながらシュートチャレンジ。細田が弾いたボールはゴール方向へ転がりましたが、その行く先は惜しくも左のポスト。終わってみれば、3つのセットプレーをゴールに結び付けた帝京が、シーソーゲームを制して準決勝へ駒を進める結果となりました。
最後は「ウチのサイズを見れば一番的確な」(手塚監督)力技に屈した格好の菅生でしたが、「反応の速さと的確な指示でゲームを創れる」(同)GKの小林は印象に残りました。また、後半はボールの行き交う展開にやや埋没してしまった感はありますが、私市は東京高校界では屈指のプレーメーカーではないでしょうか。あとはチーム全体でゲームの流れをある程度コントロールする力が付いてくれば、今年の東京に旋風を巻き起こしてくれそうな魅力的なチームに私の目には映りました。 土屋
April 15, 2012 9:22 PM | » permalink
先週から開幕したプリンスリーグ関東。今シーズンもディビジョンでは1つ上に当たるプレミアイーストに勝るとも劣らない、ハイレベルな戦いが期待されています。今日は優勝候補同士の直接対決が行われる日立台へやってきました。
ユース年代の七不思議に数えられていた感さえあった、"柏U-18はプリンスになかなか参入できない"というジンクス。しかし昨年、念願のプリンス関東2部昇格を果たした柏U-18は、12勝2分けと圧倒的な成績でブロック優勝。早くも関東のトップディビジョンに挑戦する権利を獲得しました。
一方、プリンス関東3連覇という偉業を引っ提げ、勇躍乗り込んだプレミアイーストでは、ケガ人続出などでなかなかベストメンバーが組めず、最終節で無念の降格となってしまったFC東京U-18。とはいえ、新キャプテンの野沢英之(3年・FC東京U-15深川)や川上翔平(2年・FC東京U-15深川)など、年代別代表に選出されている選手も多く、1年でのプレミア復帰に意欲を燃やしています。
ちなみに開幕節は川崎U-18との"コラシコ"を4-1で制した東京に対して、第1節が4月22日に組み込まれている柏はこのゲームが実質の開幕戦。昨日の荒天から一転、春の気配に包まれた日立台。ビッグマッチはFC東京のキックオフでスタートしました。
立ち上がりから目立ったのは東京のハイプレス。斎藤涼汰(3年・FC東京U-15深川)と岩田拓也(3年・FC東京U-15むさし)で組んだ2トップの果敢なチェイスをスイッチに、ボールを回す柏へ圧力を掛け、奪ったら素早く縦へという形を敢行。3分には左サイドからのFK、11分には右サイドからのCKを共に川上が蹴り入れ、チャンスを創ると、16分にはファーストシュート。左サイドで二瓶翼(3年・FC東京U-15深川)とのパス交換から川上が右足で枠へ飛ばし、柏GK中村航輔(3年・柏レイソルU-15)にセーブを強いると、21分にもチャンス。川上が"レーザービーム"を左へ送り、SBの吉田一彦(3年・FC東京U-15むさし)は中へ。1人かわした二瓶のミドルは枠の右へ。惜しいシーンを創出します。
対する柏は「今年に入ってからはずっとアンカーをやっている」(柏・下平隆宏監督)という秋野央樹(3年・柏レイソルU-15)を中心にボールこそ回りますが、「マンツーマンでガッチリ来た中で、3トップのサイドに相手のSBがプレッシャーを掛けに来ていて、それをまともに食らっちゃってた」(下平監督)こともあってか、前にボールが入りません。
24分のチャンスも東京。鋭いクサビを岩田がダイレクトで左へ落とすと、受けた斎藤は力強くドリブルで運び、シュートチャレンジ。ボールは枠の左へ外れましたが、ボールのキープ率とは裏腹に、序盤は間違いなく東京がペースを掴んでいたと思います。
ただ、なかなかシュートまで持ち込めなかった柏も、28分に秋野の右FKに飛び込んだ伊藤光輝(3年・柏レイソルU-15)が頭で合わせ、ようやく1本目のシュートを記録すると、この前後から「誰が相手を引っ張って、誰が空いたスペースに抜けていくかが、少し整理されてきた」(下平監督)ことで、広範囲に動く3トップ中央の川島章示(3年・柏レイソルU-15)がうまくボールを受け始め、全体のボールリズムがスムーズに。29分には秋野のクサビから、31分には伊藤のドリブルから、いずれも川島が枠内シュートを放つなど、東京ゴールへ迫ります。
すると、33分に飛び出したファインゴール。柏は最終ラインでのボール回しから、御牧建吾(3年・柏レイソルU-15)が鋭く縦へ。秋野は巧みなターンから右へ振ると、吉川修平(3年・柏レイソルU-15)もすぐさま中へ送り、受けた川島が右へ流れながら右足でズドン。「動かしながら縦に入れてスピードアップ」(下平監督)という狙いを見事に体現したホームチームが、まずは先制ゴールを奪ってみせました。
やや押し込まれたタイミングで失点を許した東京。今シーズンから取り組んでいる、ボールを繋ぐ意識も見て取れるからこそ、一層際立つのは川上の高精度レーザービーム。43分にも川上の素晴らしいサイドチェンジから、右サイドの深い位置へ侵入したSBの青木啓輔(2年・FC東京U-15むさし)がマイナスに折り返し、野沢のフィニッシュは枠の右へ外れたものの、好機を創出。お互いに持ち味を発揮した前半は、柏の1点リードでハーフタイムへ入りました。
後半は開始わずか25秒で柏に決定機。川島は小林祐介(3年・柏レイソルU-15)とのワンツーから、思い切り良くシュート。ボールはわずかに枠の右へ逸れましたが、いきなり観衆を湧かせます。ところが、ここからはお互いになかなかフィニッシュを迎えられない展開に。仕掛けどころを見定める柏に対して、少し弱まりかけた東京のプレスも持ち直したものの、攻撃の手数を繰り出すまでには至らず、膠着した時間が続きます。
先に動いたのは下平監督。65分、練習で目をケガしたためにスタメンを外れた中川寛斗(3年・柏レイソルU-15)を「使わないようにしてたんですけど、停滞していたんで」、伊藤に替えて投入します。2分後には東京の本吉剛監督も決断。伊藤と斎藤を下げて、右SHに小泉将来(3年・FC東京U-15深川)を、前線に矢島輝一(2年・FC東京U-15むさし)を送り込み、ゲームを動かしにかかりました。
そして、この交替策が奏功したのは柏。「流れが明らかに変わりましたね」と下平監督も言及したように、中川が持ち前の"受けて捌いて"を繰り返し、トライアングルが多発。71分には吉川のスルーパスから、その中川が強烈なミドルを枠内へ。ペースを再び引き寄せます。
そんな中、次に生まれたゴールはやはり柏。72分、秋野が蹴った右CKをファーで拾った新藤菜央(3年・柏レイソルU-15)は柔らかいクロス。これを頭で合わせたのは中谷進之介(2年・柏レイソルU-15)。「課題だった"高さ"も『ヘディングボールは中谷に合わせろ』というくらいになった」と下平監督も評価している、スタメン唯一の2年生が貴重な追加点。リードが2点に広がると、畳み掛ける柏。
1分後の73分、相手最終ラインの乱れを見逃さなかった吉川が高い位置でボールを奪うと、そのまま独走からGKもかわして無人のゴールへプッシュ。3-0。勝敗の行方は決しました。
何とか一矢を報いたい東京は、アディショナルタイムに入って反撃。91分、右サイドの小泉を起点に矢島がファーサイドへ。8分前に投入されていた岸寛太(2年・FC東京U-15深川)はうまいトラップからシュートを放ちましたが、ここは絶妙なタイミングで飛び出した中村が体でセーブ。93分、相手のクサビを前に出て野沢がインターセプトすると、拾った岸のやや強引なミドルは枠を外れ、万事休す。「ウチにとっては開幕戦だし、勝ち点3を取るのが目標だったので良かった」と下平監督も話した柏が、新しいカテゴリーへの挑戦を白星スタートで飾る結果となりました。
東京は相手のパス回しにも焦れずに、90分間通じて一定以上の強度でプレスを掛け続けた点は印象に残りました。また、結果的には3失点したとはいえ、五勝出竣仁(2年・FC東京U-15むさし)と柳澤優芽(2年・FC東京U-15むさし)で組んだCBを中心に、守備組織も安定してきているように感じます。ベースとなる守備面がここまで来ていれば、チームのスタイルチェンジには少し時間が掛かるかもしれませんが、噛み合ってからのチームにはかなり期待できそうですね。
柏は昨年から今の3年生が主力を担ってきただけに、「完成度はだいぶ高くなってきている」という下平監督の言葉にも頷けます。今日は「マンツーマンで来る相手に、どうしてもまだてこずる所がある」(下平監督)という一面も顔を覗かせましたが、前半途中からは川島の生かし方を少し変えて結果的にゴールを奪うなど、チームとしての柔軟性も兼ね備えています。「どんどん勝ち続けて注目されていきたいですね」と下平監督。今年もユース年代を掻き回す存在になるのは間違いなさそうです。 土屋

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