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0618koma2-1.JPGここ数年は大事なタイミングで激突してきた両雄が今大会でも再会。帝京と國學院久我山のクォーターファイナルは引き続き駒沢第2球技場です。
2年連続で選手権予選は決勝まで進出するなど、明らかに復権の時が近付いている印象もある帝京。今シーズンの関東大会予選は東海大菅生を4-1、修徳を3-0と撃破したものの、最後は準々決勝で東京朝鮮に逆転負け。迎えた今大会の一次トーナメントは初戦で京華を4-1で下すと、ブロック決勝も都立東久留米総合相手に押し込まれながらもPK戦まで持ち込み、新守護神の白井貴之(3年・柏レイソルA.A.長生)が相手のキックを2本ストップする活躍を見せて、堂々と二次トーナメントへ。「次の試合もディフェンスをしっかりやらなくてはいけないと思うので、絶対に勝ちたいですね」と意気込むのはその白井。上り調子で難敵との大事な80分間へ向かいます。
昨シーズンはなかなかトーナメントコンペティションで結果が出せず、悔しい1年間を過ごすことになった國學院久我山。「今年は試合に出ている3年生の人数が多いので、インハイ、選手権、T1と三冠を獲って、全国でも久我山サッカーで勝ち上がりたいという想いはあります」と司令塔の三富嵩大(3年・横河武蔵野FC JY)も話す今シーズンのチームは、新人戦を5連勝で勝ち上がって迎えた関東大会予選でも、暁星と駒澤大学高に競り勝ちながら、準決勝で実践学園に2-4で敗れて本大会出場はならず。ただ、今大会は一次トーナメントの2試合で16得点を記録するなど、2年ぶりとなる夏の全国は確実にその視野へ。昨年の選手権予選のリベンジも含めたカナリア軍団とのリターンマッチに意欲十分です。駒沢の曇天模様は午後になっても変わらず。楽しみな80分間は久我山のキックオフで幕が上がりました。


ファーストチャンスは4分の帝京。左サイドで獲得したCKを佐々木大貴(2年・FC東京U-15むさし)が蹴り込むと、菅原光義(3年・S.T.FC)が合わせたヘディングは枠を越えたものの、まずは惜しいシーンを。6分は久我山にもCKのチャンス。右から三富が入れたボールは、帝京のハイタワー赤井裕貴(2年・FC東京U-15むさし)が力強くクリア。8分にも久我山は左寄り、ゴールまで約25mの位置でFKを得ると、三富の蹴ったキックはわずかにクロスバーを越えましたが、まずはお互いにセットプレーで相手ゴールを窺います。
18分は久我山。ピッチ中央やや左、ゴールまで30m弱の距離から内田祐紀弘(3年・Forza'02)が直接狙ったFKは枠の左へ。21分は帝京。右から1年生センターバックの柳大弥(1年・三菱養和調布JY)がロングスローを投げ込むも、ここは久我山ディフェンスがきっちりクリア。24分は久我山。高橋黎(2年・ジェファFC)が左へ流すと、サイドバックの竹浪良威(2年・FC東京U-15むさし)はクロスを放り込み、鵜生川治臣(3年・前橋JY)が頭で残したボールは柳がクリア。27分も久我山。左サイドから北澤快(3年・東京ヴェルディJY)が右足でクロスを送り、DFのクリアボールをそのまま叩いた井上翔太(2年・ジェファFC)のボレーはゴール右へ。徐々に攻勢は久我山。
28分にも久我山は鵜生川のクロスで左CKを奪うと、内田のキックは帝京のセンターバック岡本良太(3年・FC明浜)が大きくクリア。30分にも井上の外側を回った内田がクロスを上げ切り、ファーで待っていた北澤のヘディングは白井がキャッチ。33分にも三富が蹴ったFKのこぼれを竹浪が縦に付け、鵜生川が左足で放ったシュートは枠の右へ消えましたが、「やっていることが悪くはない感覚はありました」と清水恭孝監督も認めたように、続く久我山のリズム。
ただ、帝京も少ないチャンスに研ぎ澄ます集中力。35分には岡本が右から蹴り込んだFKに、長身の赤井が飛び込むも北澤が確実にクリア。38分にも佐々木がドリブルで縦へ運び、竹浪がタックルで止めたボールを赤井は拾って右へ。菅原のクロスは中央と合わず、フィニッシュには至りませんでしたが、ようやくカナリア軍団にも得点の香りが。
すると、文字通りのゴラッソは39分。ボールを引き出し始めた佐々木が右へ展開したボールを、サイドバックの中村祐隆(3年・西東京保谷中)は完璧なアーリークロスでファーヘ。ここに走り込んだ中田廉太郎(3年・横浜F・マリノスJY)がダイレクトで折り返すと、突っ込んできた菅原のボレーは絶妙のコースを辿り、左スミのゴールネットへ収まります。まさにワンチャンスを生かし切った驚異的な決定力。「一番嫌な時間に取られてしまった」とは久我山のキャプテンを務めるGK平田周(3年・FC東京U-15むさし)。帝京が1点のリードを強奪して、最初の40分間は終了しました。


後半に入って先にチャンスを創ったのも帝京。46分に左サイドバックの久保莞太(2年・横浜F・マリノスJY)を起点に、佐々木が右へ流したパスを菅原は丁寧にクロス。赤井のヘディングは枠の左へ外れたものの、サイドアタックからシュートまで。50分にも柳の右ロングスローがこぼれ、中村のミドルはクロスバーの上へ消えましたが、好リズムを継続させた帝京が積極的に追加点を狙います。
「凄く綺麗に点を取られちゃったので『もうしょうがねえな』という感じで、前半も終わりが近かったので、ハーフタイムで何とかみんなで気持ちをという所だったんですけど、みんなそこまで思っていたより折れていなかった」と平田も振り返った久我山は50分に1人目の交替。北澤に替えて宮本稜大(2年・東急SレイエスFC)をセンターフォワードの位置へ送り込み、鵜生川が左ウイングにスライド。55分には三富の右CKをファーで鵜生川が合わせるも、バウンドしたボールは左ポストを直撃。56分にも宮本との連携から木下陽(3年・S.T.FC)がシュートまで持ち込むも、帝京のアンカーとしてチームを引き締めていた渡辺楓(3年・横河武蔵野FC JY)が的確にクリア。同点弾とはいきません。
59分も久我山。竹浪、三富、木下とスムーズにボールが回り、竹浪が枠へ飛ばしたミドルは白井が横っ飛びでファインセーブ。直後の右CKを三富が蹴り込むと、ルーズボールに反応した宮本が至近距離から打ったシュートは、ライン上で帝京ディフェンスが決死のクリア。なかなか割れない帝京ゴールでしたが、そこをこじ開けたのは「セットプレーは良いボールを蹴っていたので、チャンスになるかなと思っていた」と清水監督も予感していたそのセットプレー。60分。三富が蹴った右CKを、ニアで合わせたのは竹浪。ドンピシャヘッドは右スミのゴールネットへ力強く突き刺さります。1-1。スコアは振り出しに引き戻されました。
追い付かれた帝京もセットプレーで反撃。62分に柳が投げ込んだ左ロングスローはシュートに繋がらず、63分に右から中田が蹴ったCKをファーで久保が残し、佐々木のクロスはDFのブロックに遭ったものの、勝ち越しゴールへの意欲を前面に押し出しましたが、次の得点を記録したのも「自分たちはこの代の1つの強さとしてセットプレーを磨こうと言ってきた」と平田も話した久我山のセットプレー。
68分に鵜生川と宮本が絡んで手にした右CK。キッカーの三富は「今日はストレートで蹴っていて、キーパーが届きにくいファーというのは、昨日の練習でやっていて良い感じで蹴れていたので、自信を持って蹴れました」というキックを正確にファーサイドまで届けると、ここに飛び込んだ鵜生川のヘディングはゴールネットへグサリ。「もう少し点に貪欲になってやっていかないといけないと思っている」と話していた18番が貴重な逆転弾。8分間で久我山がスコアを引っ繰り返しました。
カナリア軍団は死なず。頭部へボールを受けた宮本のプレー続行が難しくなり、70分に永藤楓(3年・Forza'02)と入れ替えた久我山2人目の交替を経て、帝京が71分に迎えたのは執念の同点劇。左サイドでFKのスポットにボールを置いた三浦颯太(2年・FC東京U-15むさし)が得意の左足を振るうと、粘って残したボールはゴール方向へ向かい、平田も懸命にパンチングで弾きましたが、こぼれにいち早く反応した菅原のシュートはゴールネットへ到達。久我山のリードはわずかに3分。2-2。帝京があっという間に均衡を引き戻します。
撃ち合う両者。73分に3人目の交替として竹浪と山口隼介(3年・東急SレイエスFC)をスイッチした久我山は、76分に木下が粘ってFKを獲得。中央やや右寄り。ゴールまではほぼ30mの位置。キッカーはここまで2アシストの三富。「前半にも1本あって、その時は左に巻いたんですけど、右に巻いた方が自分的に蹴りやすくて、角度的にも右に蹴った方が蹴りやすかったので」、カベの右側を巻くような軌道で打ち込んだキックは、右スミのゴールネットギリギリに吸い込まれます。「あんまり覚えていないですけど、一緒に喜びたくてベンチに行きました」という三富を中心に、久我山ベンチ前に広がる歓喜の輪。「ここ最近あまり良くなかったんですよ。散々怒られていてちょっと落ち込んでいて。「落ち込むんだったらもう出るな。14番を返せ」と言っていたので、本人にも意地があると思いますし、今までの苦しい部分が結果として出たんじゃないかなと思います」とは清水監督。三富のゴラッソで久我山が再び1点のリードを奪いました。
井上と豊田歩(2年・横河武蔵野FC JY)の交替でゲームクローズに取り掛かる久我山に対し、帝京もようやく1人目の交替として中田と中村怜央(2年・FC東京U-15深川)を入れ替え、最後の勝負へ。ところが、80+3分には帝京のエリア内でハンドがあったというジャッジを主審が下し、久我山にPKが与えられます。キッカーは三富。決めれば試合が決するこのキックを、しかし白井は驚異的な反応で弾き出すと、直後のショートコーナーから最後は永藤が枠へ飛ばしたシュートも、白井がファインセーブ。4失点目を阻止する気合の連続セーブを守護神が見せましたが、程なくして吹き鳴らされたファイナルホイッスル。「今日は久しぶりに見ていて気持ちの部分が最後は入ったゲームを見せたんじゃないかなと思います」と清水監督も語った久我山がシーソーゲームをモノにして、全国の舞台へ王手を懸ける結果となりました。


「T1でこっちが4-0で勝っていたので、対策もしてきたと思いますし、帝京の勢いとかプレッシャーの速さに自分たちのペースでできなくて、難しい試合になりました」(三富)「星のいっぱい付いた帝京という伝統のユニフォームを着ている訳ですから、やっぱり意地とプライドがあって、自分たちが東京の絶対的な所に立っている誇りがあると思うんですよね。特に一発勝負での怖さはあります」(清水監督)と2人が声を揃えたように、帝京の粘り強い戦いが際立ったゲームだったと思います。特に近年は選手権予選を筆頭に、この両チームが激闘を繰り広げる機会が非常に多く、「光栄なことなんですけど、帝京からは僕らに対する強い意識を感じるので、僕たちにもそういう意識がありますし、なんか久我山と帝京が"伝統の一戦"みたいな感じで毎年当たっちゃうので、何かあるのかなという感じですね」と苦笑したのは平田。今回の80分間も見応え十分の素晴らしい攻防でした。
これで2年ぶりの全国大会へあと1勝まで迫った久我山ですが、選手たちが口にしていたのはチームの一体感。「今日はチーム全体で、ベンチもスタンドの応援も含めて、負けている時に追い付こうという部分で凄い力になってくれたし、そういう一体感があれば負けないと思うので、そういうのを次も意識して、とにかく雰囲気を大事にして、チームとして"絶対勝てるモード"みたいな所に入りたいですね」と三富が話せば、「僕たちが入場してから歌う応援歌があるんですけど、その声が大きかったというか、入った瞬間にビリビリ来るものがあって、『今日は凄いな』と思ったので、応援のみんなも『オレたちが応援するぞ』という気持ちが強かったと思うし、2,3年生は1年生を応援でも引っ張ってくれているのかなと思います」とキャプテンの平田も感謝の言葉を。「内容とかよりもとにかく絶対に勝ちたいです。絶対に全国行きたいので。去年はタイトルを獲れなくて、2,3年生は本当に悔しい想いをしているし、3年生はラストなので絶対に勝ってみんなで喜びたいですね」と三富も話したセミファイナルの相手は、夏の東京3連覇を狙う関東第一です。         土屋

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0618koma2.JPGセミファイナル進出を巡る一戦は関東大会予選のリターンマッチ。関東第一と東海大高輪台という昨年度の全国出場校同士が激突する準々決勝は駒沢第2球技場です。
昨年度はインターハイ予選、選手権予選と続けて制し、全国に繋がるトーナメントコンペティションで東京二冠を達成。新チームで臨んだ関東大会予選も粘り強く勝ち上がって優勝を勝ち取るなど、現在は3大会連続で都内の頂点に立っており、「今年の1年は我慢強いチームにしていきたい」10番を背負った篠原友哉(3年・府ロクJY)が話した通り、接戦でも粘り強く勝ち切るメンタルも兼ね備えたチームになってきている印象の関東第一。当然各校のマークも厳しくなってきている中で、3連覇を狙うインターハイ予選の初戦を迎えます。
激戦の東京を抜け出し、全国の舞台を経験したのは1年前。広島の地では日章学園に初戦敗退を突き付けられましたが、チーム全体の目線が確実に上がってきている東海大高輪台。まさかのT2リーグ開幕5連敗スタートとなった今シーズンも、関東大会予選では惜敗したものの、優勝した関東第一と延長戦までもつれ込む激闘を演じるなど、着々とチーム力は向上中。「全国大会に出るだけじゃなくて、全国に出て去年とその前に果たせなかった全国で1勝して、全国の頂点にチャレンジするというのが自分たちの代の目標」と言い切るのはディフェンスリーダーの小林陸玖(3年・VERDY S.S.AJUNT)。関東大会予選のリベンジを達成し、2年続けての全国へ王手を懸けたい一戦へ向かいます。曇天の駒沢は少し肌寒いぐらいのコンディション。注目の好カードは関東第一のキックオフでスタートしました。


3分のファーストチャンスは高輪台。キャプテンマークを巻く本多翔太郎(3年・GRANDE FC)の巧みなドリブルから得たFKを、右から鈴木啓太(3年・GRANDE FC)が蹴り込むと、こぼれに反応した小林のシュートはDFが体でブロック。その左CKを松永浩誉(3年・横浜FC鶴見JY)が蹴り入れ、ファーで小林が競り勝ったボールを塚原智也(1年・FC.PROUD)が頭で狙ったシュートは関東第一のGK北村海チディ(2年・GRANDE FC)がキャッチしましたが、まずはセットプレーから高輪台がフィニッシュを取り切ります。
一方の関東第一もきっちり反撃。10分にはセンターバックの山脇樺織(2年・東急SレイエスFC)が好フィードを送り、走った古宇田旭(2年・横浜F・マリノスJY追浜)には収まらずに高輪台のGK横田萌樹(3年・横浜FC鶴見JY)がキャッチしましたが、11分にも右サイドバックを務める加藤陽介(2年・VIVAIO船橋)との連携で、篠崎源太(2年・大宮アルディージャJY)がクロスを上げると、篠原のワントラップボレーは枠の右へ。15分には決定機。足を滑らせた相手DFから高い位置でボールを奪い切った村井柊斗(3年・FC多摩)は、独走してGKと1対1に。ところが左にかわそうとしたドリブルにボールが付いてこず、何とか横田がキャッチ。先制とはいきません。
それでも以降のペースも「ボールを取る位置も高かったので、30分ぐらいまでは守備が良かったですね」と川島純一監督も言及した高輪台。20分に前田侑哉(3年・FC.PROUD)がドリブルで運び、こぼれを叩いた本多のシュートは関東第一のボランチに入った長谷部竣(3年・JSC CHIBA)が体でブロック。直後にも阿部泰世(2年・GRANDE FC)の左クロスから、塚原が放ったボレーは枠の上へ。21分にも塚原、阿部とボールが回り、鈴木が打ち切ったミドルはここも長谷部が果敢にブロック。さらに24分にも箱田詩音(3年・FC渋谷)と志村貢令(2年・ジェファFC)の右サイドコンビで前に持ち出し、松永のシュートは枠の左へ逸れるも、「ショートカウンターとかうまく行っていたんですけどね」と指揮官。攻勢を強めるタイガー軍団。
一見すると押し込まれていた関東第一でしたが、「前進できなかった訳じゃなくて、相手コートにもちゃんと入れていた」とは小野貴裕監督。27分には右CKを古宇田がマイナスに放り込み、フリーの小野凌弥(3年・Wings U-15)が頭で合わせるも、最後はオフサイドの判定。34分は決定的なシーン。小関陽星(2年・町田JFC)を起点に長谷部が左へ流し、上がってきたサイドバックの嶋林昂生(3年・町田JFC)がクロスを届け、スムーズなトラップから右に持ち出して打った篠原のシュートはわずかに枠の左へ。38分は高輪台。右から松永が入れたFKに、舞った小林のヘディングは枠の左へ。やや高輪台が押し気味に進めた前半は、スコアレスで40分間が終了しました。


後半の立ち上がりはお互いにセットプレーで窺う相手ゴール。47分は関東第一。左からレフティの篠崎が蹴ったCKは、中央でオフェンスファウルの判定。48分は高輪台。右FKを松永は中央をフリにしながら縦に付けるも、走った塚原はクロスを上げ切れず。51分は関東第一。村井が右へ振り分け、古宇田のカットイン左足シュートはヒットせずに枠の右へ。「後半の最初はちょっと押し込まれましたね」とは川島監督。押し戻し始めたディフェンディングチャンピオン。
52分に変わったゲームの潮目。本多が短く渡したボールを志村は左へラストパス。塚原がニア上を狙ったシュートは、北村が驚異的な反応でビッグセーブを見せましたが、流れは再び高輪台へ。54分に松永が蹴り込んだCKは、フリーになっていた今井創一朗(3年・C.A.ALEGRE)の前にこぼれるも、篠崎が間一髪でブロック。直後にも前田が収め掛けたボールを本多が拾い、左から持ち込んでのフィニッシュは枠の左へ逸れたものの、「ハーフタイムで確認したことはだいぶやれたんじゃないですかね」と川島監督。続く高輪台の手数。
先にベンチが動いたのは58分の高輪台。1年生ストライカーの塚原に替えて、中込雅樹(2年・インテリオールFC)を同じ位置に投入すると、61分にはその中込が縦に付け、前田のリターンをそのまま狙ったシュートは枠の左へ外れるも、ゴールへの意欲を存分に。関東第一も61分に1人目の交替。前線の村井を下げて、「パワフルですし、ちょっと雰囲気が独特なので、相手からするとやりづらいと思うんですよね」と小野監督も言及する池田健太(2年・VIVAIO船橋)をピッチへ。「ゴール前の技術やターンが得意」という2年生に託された明確な結果。
64分は関東第一。篠崎が粘って繋ぎ、篠原がエリア内へ侵入するも、ここは今井が決死のタックルでクリーンに危機回避。65分は高輪台。相手CKから一気にカウンターを発動させ、本多のパスから前田が抜け出し掛けるも、こちらは全力で戻った篠崎がタックルで阻止。激しさを増すシビアな局面。68分には関東第一に2人目の交替が。古宇田と長野真大(2年・VIVAIO船橋)を入れ替え、サイドに加えたいドリブルの推進力。72分は高輪台にも2人目の交替。前田と村井悠人(3年・川崎チャンプ)をスイッチして、前線の顔ぶれに変化を。いよいよゲームは最終盤。残りは5分間とアディショナルタイムのみ。
77分の主役は16歳の2年生ストライカー。右サイドでボールを持った篠原がやや強引に突破を図ると、そのまま守備網を突破。折り返しをダイレクトで叩いた篠崎のシュートはDFに当たりましたが、このこぼれに誰よりも早く反応した池田は「『ボールが来るかな』ぐらいの所に場所を取っていて、最初は来なかったんですけど、こぼれてきたので思いっきり蹴り込みました」とボールをプッシュ。ゴールネットを確実に揺らします。「嬉しくて何も考えられなかった」という殊勲のスコアラーは、「スタンドかベンチのどっちかに行こうと思っていたんですけど、近かったので」ベンチへ一直線。池田を中心にできた歓喜の輪。土壇場で関東第一が1点のリードを奪いました。
残り3分でビハインドを負った高輪台はすぐさま決断。79分に志村を下げて佐藤陽斗(3年・FC.PROUD)をセンターバックに送り込み、最終ラインには右から松永、佐藤陽斗、阿部、箱田を並べ、最前線に小林と今井のセンターバックコンビをツインタワーとして配置し、最後の勝負に。小野監督も80分に奮闘した篠崎と佐藤誠也(1年・VIVAIO船橋)を入れ替え、消し切りたい残りの数分間。正真正銘のファイナルバトル。
80+1分は高輪台。粘って収めた今井が右からクロスを上げ切ると、強引に反転した小林の左足ボレーはゴール左へ。80+2分も高輪台。ここも右から松永がアーリーを放り込むも、全力で突っ込んだ小林はわずかに届かず、北村が丁寧にキャッチすると、小関の枠内ミドルを挟んで、吹き鳴らされたタイムアップのホイッスル。「今日は絶対に苦しくなるのがわかっていましたから」と小野監督も認めた好ゲームは前回王者に軍配。関東第一が全国切符にまた一歩近付く結果となりました。


拮抗した80分間だったと思います。「前回の関東予選なんかは、自分たちでもやれるかやれないか半信半疑でやったけど、今回は本当に優勝するつもりで関一と試合をやれたから残念ですね」と川島監督も言及したように、おそらくシュートの数でもチャンスの数でも上回ったのは高輪台。ただ、「あの1,2本の決定機を確実に決める力がないと、この1-0を勝っていけないでしょうね」とこちらも川島監督の言葉が象徴する通り、少ない決定機を確実にモノにして、勝ち切る力が関東第一にはあったと言えそうです。トップチームでのプレー経験がほとんどなかったにもかかわらず、「組み合わせを模索している最中」(小野監督)の前線に投入され、きっちりゴールという結果で応えた池田は「また来週も点を決めて勝利に貢献できればいいなと思います」ときっぱり。帝京以来14年ぶりとなる東京3連覇まではあとわずかに1勝です。        土屋


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0614kodaira.JPG5勝2分け2敗で3位に付けるFC東京U-18(B)にとって約1か月ぶりのホームゲーム。FCトリプレッタユースを迎える一戦はおなじみ小平グラウンドです。
昇格初年度となった昨シーズンのT1リーグは5位でのフィニッシュとなりましたが、「各チームのウチに対する本気度が本当にありがたくて、練習試合とは全然雰囲気も違いますし、それをこのベースで体験できるというのは非常にありがたいです」と右田聡コーチも話したように、経験値を積む上では個人としてもチームとしても大きな1年を過ごしたFC東京U-18(B)。今シーズンのT1でも、既に関東第一や駒澤大学高といった全国経験者の残る強豪も撃破するなど、その擁するタレントを考えても優勝を狙えるチームであることは間違いない所。次のゲームまでは1ヶ月近く時間が空くだけに、勝って夏のトレーニングへと向かいたい90分間です。
昨シーズンのT2リーグは國學院久我山(B)、東京朝鮮に続く3位に入り、3年ぶりにT1リーグへの昇格を決めたFCトリプレッタユース。迎えた今シーズンは年始の東京都クラブユースU-17選手権でも、ライバルの東京武蔵野シティFC U-18を下して西が丘まで辿り着くと、敗れはしたものの三菱養和SCユース相手に0-1と肉薄。先月末のクラブユース選手権関東予選でも、東京ヴェルディユース相手にPK戦まで持ち込むなど、その実力は証明済み。不思議とT1ではなかなか白星に恵まれていませんが、難敵相手のアウェイゲームでリーグ戦初勝利を目指します。平日19時キックオフにもかかわらず、ゴール裏のスタンドには保護者の皆さんも含めたサッカー大好き人間たちが集結。楽しみな一戦はトリプレッタのキックオフでスタートしました。


まずはセットプレーで窺う相手ゴール前。5分はトリプレッタ。左からキャプテンの進藤佑(3年・FCトリプレッタJY)が蹴り込んだボールは、FC東京のGK大本竜司(2年・FC東京U-15深川)がキャッチ。6分はFC東京。右サイドで得たCKを「左足には少し自信があります」と謙虚に話すレフティの金誠敏(1年・西東京朝鮮第一中)が蹴ると、ここはニアでDFがクリアしましたが、お互いに1本ずつセットプレーでチャンスを創り合います。
7分はFC東京。寺山翼(2年・FC東京U-15むさし)を起点に、少し強引に運んだ芳賀日陽(2年・FC東京U-15深川)のシュートは、DFに当たってトリプレッタのGK島田航樹(2年・PELADA FC)がキャッチ。9分はトリプレッタ。ミドルレンジで前を向いた坂東亜門(3年・FCトリプレッタJY)のシュートは枠の上へ。12分はFC東京。寺山が左へ流すと、上がってきたサイドバックの鈴木智也(2年・FC東京U-15むさし)はミドルを枠の上へ。ややフィフティの立ち上がりから、ペースは徐々に「入りはチームで意識していた」(金)FC東京へ。
すると、19分の主役は青赤の"日向小次郎"。左サイドからバングーナガンデ佳史扶(1年・FC東京U-15深川)が中へ付けると、「ちょっとこねていて、『左で切り返して左で蹴ろう』と思っていたんですけど、1回打とうとしたら相手の股が開いたので、もう1回触ってから」今村涼一(2年・FC東京U-15むさし)は右足を強振。左スミギリギリに飛んだボールはゴールネットへ転がり込みます。「あそこの位置は得意ですね」と言い切るストライカーがきっちり一仕事。FC東京が先にスコアを動かしました。
追い掛ける展開となったトリプレッタも、20分に今村がミドルを枠の右へ外したシーンを経て、ビッグチャンスを創出。22分に細かいパスワークからエリア内へ侵入すると、GKをうまくかわした谷本竜一(3年・FC.GIUSTI世田谷)は角度のない位置から巧みなループシュートを選択。ゴール方向へ向かったボールは左のポストを叩き、同点弾とはいきませんでしたが、「相手の動きを見てのターンとかは自分の持ち味だと思っている」という10番があわやというシーンを演出します。
23分はFC東京。今村が左へ展開したボールから、バングーナはファーサイドへピンポイントクロスを届けるも、走り込んだ芳賀のボレーはゴール左へ。24分もFC東京。密集に飛び込んだ小林里駆(1年・FC東京U-15むさし)が3人をかわして放ったシュートは、何とかDFがブロックして島田航樹がキャッチ。27分はトリプレッタ。オーバーラップしたサイドバックの森本瑶治(3年・FC Consorte)が絡んで奪った左CKを進藤が蹴ると、島田佑樹(2年・PELADA FC)が飛び込むも、ここはFC東京のセンターバックに入った木村誠二(1年・FC東京U-15深川)が大きくクリア。「前半は結構難しくて拮抗していたと思います」とは今村。次のゴールは果たしてどちらに。
28分の歓喜はセットプレーから。左サイドでFKを奪ったのはFC東京。ボールをセットした芳賀が丁寧なボールを蹴り入れると、ファーサイドに飛び込んだ高橋亮(2年・FC東京U-15深川)がダイレクトボレーにトライ。綺麗にミートしたボールはゴールネットを確実に揺らします。右サイドバックを務める高橋の美しいボレーが見事結果に。FC東京のリードは2点に広がりました。
小さくないビハインドを負ったトリプレッタは31分に反撃の一手。坂東が粘って奪ったFKは中央、ゴールまで30m弱の位置。スポットに立った進藤が直接狙ったキックは枠を捉えるも、ここは大本がファインセーブで応酬。その左CKも進藤が放り込み、ファーで岩﨑海里(3年・FCトリプレッタJY)が残したボールを榎戸龍平(3年・FC VIGORE)がクロスに変えるも、大本が丁寧にキャッチ。34分はFC東京。左サイドでルーズボールを収めたバングーナのミドルは枠の右へ。40分もFC東京。金の左FKに寺山が合わせたヘディングはクロスバーの上へ。最初の45分間はFC東京が2点のリードを携えてハーフタイムに入りました。


後半はスタートからトリプレッタに1人目の交替。右ウイングの川野優太(3年・FCトッカーノ)に替えて、森友紀(2年・学習院中)をそのままの位置に投入し、インサイドハーフの坂東と左ウイングの船越毅郎(3年・FCトリプレッタJY)のポジションも入れ替えると、いきなりの決定機は48分。左サイドで粘った船越が中央へ折り返したパスを、谷本は確実にインサイドでフィニッシュ。ボールはわずかに枠の右へ外れ、谷本もベンチも頭を抱えたものの、このワンプレーで引き寄せたペース。
49分もトリプレッタ。船越を起点に谷本が左へ振り分け、坂東のクロスに森が合わせたヘディングはDFのブロックに遭うも、サイドアタックからきっちりシュートまで。直後に進藤が続けて蹴ったCKの2本目はニアの谷本にドンピシャも、ヘディングされたボールは枠の左へ。3たび蹴り込んだ進藤の右CKから、今度は船越が打ち切ったシュートはここもDFが体でブロック。52分もトリプレッタ。センターバックの孫立河(2年・FCトリプレッタJY)が絶妙のフィードを送り込み、フリーで抜け出した谷本のシュートは枠の右へ外れ、ゴールには至りませんでしたが、「やられている感じはありました」と金も話したように、勢いは明らかにトリプレッタ。
「ああいう所がまだ子供っぽいというか、慌てちゃって前に急いで蹴っ飛ばしたりとか、焦って後ろを向いている選手に食い付いちゃって引っ繰り返されたりとか、そういう部分がまだ甘いですよね」と右田コーチも後半開始からの15分余りを振り返ったFC東京でしたが、60分に芳賀の右FKから金が枠へ収めたシュートが島田航樹にファインセーブで阻まれたシーン以降は、ようやく攻撃にスムーズさが。小林と谷地田陸人(1年・FC東京U-15深川)の交替を挟み、62分には高橋が右のハイサイドで残したボールを谷地田が左へ流し、バングーナのシュートは枠を越えたものの好トライ。変わりつつあるゲームリズム。
66分はトリプレッタ。右サイドをドリブルで谷本がえぐり、中へ返したボールを森はダイレクトで狙うもゴール左へ。67分はFC東京。谷地田がヒールでワンツーを敢行し、左から今村が放ったシュートは島田航樹がファインセーブ。直後もFC東京。鈴木智也のパスから谷地田が打ち切ったシュートは島田航樹がキャッチ。そして、少しずつ手数の増えたFC東京へ再び歓喜をもたらしたのは22番の点取り屋。73分に芳賀からエリア内でパスを受けた今村は、「ディフェンスにはちょっと当たっていたんですけど、パスが良い軌道でそのまま流れてきて、キーパーの横のコースが見えたので流し込むだけでした」と冷静にゴールネットへボールをグサリ。これで今村はドッピエッタ。両者の点差は3点に開きます。
苦しくなったトリプレッタは、74分に2人目の交替として坂東と濱田真(3年・FCトリプレッタJY)を入れ替え、75分にはここも進藤がゴールまで約25mの位置から枠の右へ逸れる直接FKを放ちましたが、容赦ないストライカーが牙を剥いたのはその直後の77分。金が右へ振り分けたパスを芳賀がスルーで流すと、待っていた今村は「ニア上をぶち抜こうかなと思って」右足一閃。想定通りにニア上をぶち抜いたタイガーショットは、ゴールネットへ豪快に突き刺さります。「中学校の時はありましたけど、高校になってからはたぶん初めてのハットトリックで、本当に久しぶりだったので気持ち良かったです」と笑う今村の持ち味全開。4-0。試合の大勢は決しました。
止まらないホームチーム。77分に「パス1つ1つの質だったりを改善できていればもっと点が入っていたし、もっと楽なゲーム展開だったと思うので、全然納得は行っていないです」と反省を口にした金と森田慎吾(1年・FC東京U-15むさし)を2人目の交替として入れ替え、直後に今村がミドルを相手にぶつけてCKを得ると、左から芳賀が蹴り込んだボールはエリア内にこぼれ、いち早く反応した草住晃之介(2年・FC東京U-15深川)がゴールへ押し込みます。キャプテンマークを託されたセンターバックの一撃でスコアは5-0。一層盛り上がる青赤の応援席。
残り10分を切ると次々に切られた交替カード。FC東京は80分に高橋と湯本創也(1年・FC多摩)を、82分に芳賀と武井翔輝(1年・FC東京U-15深川)を、83分に草住と岡哲平(1年・FC東京U-15深川)を相次いでスイッチ。最終ラインには右から岡、湯本、木村、鈴木が並び、ボランチは森田と寺山、サイドハーフは右に武井、左にバングーナ、前線に今村と谷地田を配して狙う次のゴール。トリプレッタも82分にアンカーで奮闘した岩﨑を下げて、三浦龍一(3年・FC.PROUD)を送り込み、最後の勝負に打って出ます。
最終盤の主役は「点差が付いた分だけ余裕を持って入れて『ここで自分を出そう』『ここでアピールしてやろう』という気持ちは凄く伝わってきたし、躍動してくれた」と右田コーチも評価を与えた途中出場の1年生。90分に今村の落としを受け、前を向いた森田はミドルレンジからシュートにチャレンジ。糸を引くような軌道は左スミギリギリのゴールネットに突き刺さり、森田はピッチ上で「やった!やった!」と大喜び。90+4分にも森田が右サイドへパスを通すと、少し縦に運んでから、最初から決めていたかのようなコース取りで鋭くカットインした谷地田は左足を振り抜き、左スミのゴールネットへボールを送り届けます。右田コーチも「これでまた2年生と良い争いができるので、凄く良い刺激になったなと思います」と認める1年生が2つのゴールを決め切り、ファイナルスコアは7-0。FC東京が力強く勝ち点3を積み重ねる結果となりました。


「点差は離れたんですけど紙一重というか、後半の10分くらいまではバタバタしていましたし、あそこで1点2点やられていたら全然内容は変わっていたのかなと思います」と右田コーチも話したFC東京は、それでもその時間帯を凌いだことで結果的には快勝を引き寄せた格好になりましたが、「1個2個落ち着いちゃえば良くなるんですけど、その時間がどうしても長くなっちゃうというか、どこに対しても真っ向から受けちゃうというか、そこでいなす余裕とかが出てくれば少し変わってくると思います」と右田コーチが言及した"相手の時間帯"のやり過ごし方は、ここからの課題として挙げられるかもしれません。試合後、T1リーグへの取り組み方を右田コーチへ尋ねると、「事前の準備はほぼしないので、通常のトレーニングの中で選手を見て、メンバーも前日やそれこそ当日に選考していく中で、個が何をこのステージで見せられるか、それがどうチームの勝利に結び付いて、自分たちの目標を達成するという所にどう繋がっていくかという所をやっていく中で、自分の価値を高めていこうと選手たちとも話をしてやっています」とのこと。そういう意味でも、個と組織の融合をこのレベルのステージで体現していく作業は、1,2年生を中心に構成されている彼らにとって非常に重要であることは疑いようがありません。「今年は彼ら自身が年間の目標を立てる時に、初めて自分たちで『プリンス昇格』というのを挙げてきたんです。その目標は本人たちが掲げている所なので、そこを見据えながら、そこには責任を持ってという所で、食らい付いていきたいですね」と最後に明かしてくれた右田コーチ。個人の成長。組織の成熟。その両者の融合。いろいろな面で今年もFC東京U-18(B)には注目していく必要がありそうです。          土屋


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0611shikishima2.JPGクォーターファイナルの2試合目は県総体のリターンマッチ。初の全国を目指す共愛学園と連覇を狙う前橋商業の対戦は引き続き敷島公園サッカー・ラグビー場です。
昨シーズンは新人戦で優勝した前橋育英に0-1、インターハイ予選でもやはり頂点に立った前橋商業に1-2で惜敗するなど、強豪相手に健闘する所までは行ったものの、選手権予選はベスト16で伊勢崎商業に0-2で屈し、悔しいシーズン終了を突き付けられた共愛学園。「今年は半分ぐらいが去年から出ている選手なので、『ここは勝負だな』という年」と奈良章弘監督も位置付けて臨んでいる今シーズンは、新人戦が0-2、県総体が0-1と共に前橋商業に行く手を阻まれており、目指すは3度目の正直となる今大会でのリベンジ達成。前日の市立前橋戦でも5-0と大勝を収めて、この重要なクォーターファイナルへ挑みます。
一時は前橋育英と桐生第一の2強体制を許していたものの、母校に帰還した笠原恵太監督の就任以降は一気に3強体制を取り戻した感のある前橋商業。現在は昨年の県総体から5大会続けて県のファイナルへ勝ち進んでおり、昨年度のインターハイでは4年ぶりに群馬を制すと、全国舞台でも堂々のベスト16進出。その時のメンバーが複数残っている今シーズンも、新人戦は準優勝、県総体は優勝ときっちり結果を叩き出しているだけに、周囲の期待は当然夏の群馬連覇。今大会は前日の高崎商業戦もPK戦で何とかモノにして、クォーターファイナルまで勝ち上がっています。元気な両応援団はゲーム前から早くもヒートアップ。楽しみな好カードは共愛のキックオフでスタートしました。


いきなりの決定機は前商。5分に右サイドで獲得したFKを齋藤建(2年・図南SC前橋)が蹴り込むと、フリーで飛び込んだ大𣘺洸紀(3年・図南SC前橋)がドンピシャヘッド。右スミを襲ったボールはカバーに入っていたDFがライン上で掻き出しますが、あわやというシーンを創出。9分にも右サイドでワンテンポ溜めた齋藤のパスから、飯塚汰斗(2年・FCクリロ)のクロスに中島怜意(2年・図南SC前橋)が合わせたヘディングはヒットしませんでしたが、まずはゼブラ軍団が2つのチャンスを掴みます。
ただ、徐々にペースを引き寄せたのは「ウチはボールを持って押し切りたいチーム」と奈良監督も話す共愛。北村一輝(3年・前橋FC)と角田和優(2年)のドイスボランチを中心に、ボールを動かしながら探るアタック。12分に佐藤喬太(2年・上州FC高崎)の左クロスから、萩原一葉(3年・藤岡キッカーズ)が放ったシュートは前商の左ウイングバックを務める二色洋人(3年・高崎佐野中)が体でブロック。15分にも中央で粘ってキープした萩原一葉のミドルは、前商のGK帖佐和也(3年・図南SC前橋)が何とかキャッチ。16分にも萩原稜(3年・渋川子持中)の右CKに、大島拓也(3年・前橋エコー)が当て切ったヘディングは帖佐がキャッチしましたが、共愛が続けて手数を繰り出します。
19分も共愛。大島が右へ振り分け、カットインから萩原一葉が狙った左足シュートは枠の右へ。20分も共愛。星野佳祐(3年・前橋エコー)、奈良颯人(3年・前橋エコー)とボールが回り、大島が打ち切ったミドルはゴール右へ。23分も共愛。北村を起点に大島が繋ぎ、星野のリターンを大島が放ったミドルは枠の上に消えましたが、共愛が一段階踏み込んだフィニッシュへのアクセル。
一方、なかなか攻撃の形を創り切れない前商ですが、「とりあえず守備になったらしっかり5枚で引いて、5-4-1の形をすぐ作って、ファーストデイフェンダーとして行く人を確定させて、そこからチャレンジアンドカバーを連続していくようなイメージでやっていました」と二色が話したように、まずは守備に軸足を置く戦い方はチームの共通認識。それでも30分にはキャプテンマークを巻いた高橋直希(3年・図南SC前橋)のパスを、大𣘺と齋藤が残して飯塚がクロス。こぼれを拾った下山翔生(3年・ザスパクサツ群馬U-15)のミドルは枠を越えたものの好トライ。31分にもボランチの堀井景太(3年・1FC川越公園)を起点に二色が左クロスを上げると、ニアへ突っ込んだ中島のダイビングヘッドは枠の左へ。攻める時間は共愛が長い中で、前商もしっかり受けていなした前半は、スコアレスでハーフタイムに入りました。


後半のファーストシュートは前商。43分に左サイドで粘った二色がクロスを上げ切ると、ニアで藤生春樹(3年・FCおおた)が合わせたヘディングは、共愛のGK田島達也(3年・前橋エコー)にキャッチされたものの、悪くないサイドアタックを。47分は共愛。北村が思い切って狙ったミドルはクロスバーの上へ。49分も共愛。左サイドで佐藤が懸命に残し、大島が左足で打ったシュートは枠の上へ。53分は前商。藤生が右へ展開し、鋭い切り返しで縦に持ち出した飯塚のクロスは中央と合いませんでしたが、後半は見応えのある立ち上がりに。
先にカードを切ったのは前商。53分に下山に替えて蘇原陸斗(2年)を投入し、整える中盤のバランス。直後の54分は前商。飯塚の右クロスを二色がヘディングで折り返し、齋藤はシュートまで持ち込めませんでしたが、両ウイングバックが絡む積極的なアタックを。55分は共愛。萩原稜がヘディングでクリアしたボールを、大島は反転しながら前を向いてミドルに繋げるも、軌道はクロスバーの上へ。57分は共愛。萩原稜の左CKに北村が競り勝ち、星野も頭で残すも帖佐が飛び出してキャッチ。60分は前商。左センターバックの石井那智(2年・図南SC前橋)が裏へうまく落とすも、走った齋藤には届かず田島がキャッチ。前商はフィニッシュを取り切れません。
62分は共愛。北村の左ロングスローから、大島が叩いたシュートは蘇原が体で果敢にブロック。67分は前商。「結構今日は縦に行けていたので、いつもよりクロスを上げられた」という二色が、ここも左から良いボールを上げ切ると、飯塚が合わせたヘディングはゴール右へ。74分は共愛に決定機。右から萩原稜が丁寧に上げたCKは、ファーでフリーになっていた奥野真太郎(2年)まで届くも、振り切ったボレーは枠を越えてしまい、頭を抱えたピッチとベンチ。アディショナルタイムは2分。勝敗の行方は果たして。
80+1分は共愛。ここも北村が左ロングスローを投げ入れ、ルーズボールに反応した北村のミドルがクロスバーの上へ外れると、程なくして堀越雅弘主審が吹き鳴らしたのは80分間の終了を告げるホイッスル。「最後の所はゴールを簡単に破らせてくれないなというのは、やっぱり前商にありますよね」と話したのは奈良監督。ゲームは前後半10分ずつの延長戦へともつれ込むことになりました。


笠原監督の決断は延長スタートから。「彼が良いと攻撃になるんですけど、替える時間帯を悩んでいた」という中島を下げて、小此木駿(3年・図南SC前橋)を送り込み、攻守の運動量向上に着手するもラッシュを仕掛けたのは共愛。81分に萩原一葉が右クロスを放り込み、こぼれに飛び付いた星野のヘディングは帖佐がキャッチ。82分にも北村がチャレンジしたミドルは枠の右へ。84分はビッグチャンス。右サイドバックの杠優太(3年・ザスパクサツ群馬U-15)がアーリークロスを流し込み、星野が狙ったヘディングはわずかに枠の左へ。86分にも萩原一葉とのワンツーから北村がラストパスを送ると、星野のシュートに体を投げ出したのは大𣘺。これには帖佐も「スライディングで大𣘺が悪い流れを切ってくれて、後ろは気持ちが入っていた」と感謝を口に。許さない失点。前商ディフェンスの続く高い集中力。
共愛も89分に1人目の交替。佐藤と千葉章太(3年・ザスパクサツ群馬U-15)をスイッチして、さらなる推進力アップを。90+1分は前商。齋藤の左CKはDFにクリアされましたが、こぼれに飛び付いた石井のボレーは枠の右へ。コートチェンジを挟み、延長後半最初のチャンスは93分の共愛。左サイドを運んだ星野のクロスは、「ディフェンスラインがゼロで抑えれば負けることはない」と言い切る帖佐が果敢に飛び出してキャッチ。いよいよ熱戦も最終盤。スコアは0-0。均衡は崩れず。
94分に到来した前商の決定的なチャンス。齋藤がうまく時間を創って右にはたき、エリア内を突き進んだ藤生は丁寧にクロス。逆サイドから走り込んだ二色はフリーでボレーを放ちましたが、無情にもボールは枠の右に外れてしまい、先制弾とはいきません。共愛も相羽麗矢(3年・桐生新里中)と塚本海莉(3年・桐生新里中)を相次いで投入し、最後の勝負に打って出たものの、結局100分間では決着が付かず。セミファイナルへの切符はPK戦で奪い合うことになりました。


気合の入った双方の円陣が解け、最初のキッカーは先攻の共愛。1人目の萩原稜はGKの逆を突いて右スミへ成功。後攻の前商1人目はキャプテンの高橋。長い時間を取ってから左スミへ蹴ったボールはゴールネットへ。共愛2人目の星野は右スミを狙うと、読んでいた帖佐もわずかに及ばず成功。前商2人目の藤生は確実に右スミへグサリ。すると、共愛3人目のキックは左のゴールポストへハードヒット。前商3人目の齋藤はこれまた冷静に右スミへ成功。2-3。3人目を終えて前商が一歩前へ。
共愛4人目の杠は中央を狙う強心臓ぶりで確実に成功。前商4人目も中央を狙うと、ここは右へ飛びながらも足を残していた田島がビッグセーブ。3-3。再びスコアはタイに。緊張の共愛5人目。短い助走から左を狙ったキックは、「真ん中に来たとしても足で止められるようにというのは意識しながら」同じ方向に飛んだ帖佐が執念のセーブを披露します。
そして前商5人目のキッカーは、直前にこのPK戦の主役へ名乗り出たばかりの帖佐。「自分が5番目に蹴るということはわかっていたので、できればそれまでにリードして、自分が決めて終わりたいなというふうに思っていた」GKが、「自信を持って『入れ』という気持ちで思い切り蹴った」キックは中央のゴールネットへ豪快に突き刺さり、激戦に終止符。「メンタル的には結構逞しいかなと思いますね」と笠原監督も笑顔を見せた前商が、2試合連続でPK戦を制してセミファイナルへと駒を進める結果となりました。


「ウチのゲームはできたと思うんですけど、そこで勝たせてくれないのが前商なんですよね」と悔しさを露わにした奈良監督は前商のOB。「やっぱり前商に勝つということが1つの目標でもあるので、前商には絶対勝ちたいというのがあるけど。ここが勝負という時にはいつもやられちゃうんですよね」と話しながら、最後に「勝負強さとか一言で片付けられない何かがあるんだろうね」と呟いた姿が印象的でした。その前商は苦しみながらもきっちりセミファイナルへ進出。「言い方は悪いけど押されていても何とかなるというか、去年もそうですけど、押されていてもウチのペースという感じになっているんですよね」という笠原監督の言葉に対し、「流れが悪いというのも自分たちのペースだと考えて、しっかり耐えて耐えてというのを続けて、そこからしっかり1点行こうと思っていた」と二色も同じニュアンスを口にするあたりに、前商の強さの一端が窺えます。次の相手に決まった前橋の指揮官は、笠原恵太監督にとって3歳年下の実弟ということもあって、セミファイナルは因縁含みの一戦に。「前商に来てからは1度も負けたことはないですけど、気持ち的には向こうの方が楽かもしれないですよね」と笠原監督。今から兄弟対決となる前橋決戦が非常に楽しみです。        土屋

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0611shikishima.JPG夏の全国を巡る群馬の戦いもいよいよクォーターファイナル。昨年のリベンジを誓う前橋育英と20年ぶりの県内制覇を狙う高崎の激突は敷島公園サッカー・ラグビー場です。
ここ3年の選手権で残した結果は全国準優勝、全国ベスト8、全国準優勝。初戴冠を懸けて臨んだ昨年度のファイナルでは青森山田に悔しい大敗を喫したものの、近年は今まで以上にその評価を高め続けている前橋育英。「今年は本当に負けたくないので」と言い切る角田涼太朗(3年・浦和レッズJY)、田部井涼(3年・前橋FC)、渡邊泰基(3年・アルビレックス新潟JY)など埼玉スタジアムを体感した選手を多数擁している今シーズンは、既に新人戦を圧倒的な力を見せ付けつつ制しており、今大会も昨年度はまさかの敗退を突き付けられたベスト16で伊勢崎商業を1-0で振り切ってベスト8まで。3年ぶりとなる夏の全国切符を獲得すべく、この一戦に挑みます。
最後に全国大会へ出場したのはちょうど20年前。その時のメンバーでもある吉田卓弥監督の下、県内では一定の結果こそ残しているものの、なかなか3強の壁は打ち破れない時期が続いている高崎。昨シーズンは新人戦の準決勝で惜敗したとはいえ、前橋育英を土壇場まで追い詰めましたが、以降の県総体、インターハイ予選、選手権予選はいずれもベスト8で敗退。迎えた今シーズンも新人戦、県総体とやはりベスト8で敗れているだけに、久々にその壁を打ち破るべく県内最強の相手と対峙します。聖地敷島は梅雨時にもかかわらず、青空が広がる快晴模様。楽しみな一戦は高崎のキックオフでスタートしました。


立ち上がりから押し込んだのは育英。6分に渡邊が入れた左ロングスローはDFのクリアに遭いましたが、そのスローインを再び渡邊がロングで投げ入れ、ニアで榎本樹(2年・東松山ペレーニア)が競り勝ったボールは高崎の左センターバックを務める瀬宮基(2年・高崎エヴォリスタ)がクリアしたものの、7分にも左から田部井悠(3年・前橋FC)がCKを蹴り込み、中央でオフェンスファウルを取られるも、セットプレーを中心に育英が攻勢を強めます。
すると、勢いそのままに先にスコアを動かしたのはタイガー軍団。10分に中盤で前を向いたキャプテンの田部井涼が裏へ絶妙のフィードを落とすと、斜めに走り込んだ飯島陸(3年・クマガヤSC)はそのままダイレクトボレーにトライ。角度のない位置から放たれた軌道は、GKの頭上を破って鮮やかにゴールネットへ吸い込まれます。「立ち上がりに点が取れたのは非常に大きかった」と話すキャプテンのアシストから、この日は左サイドハーフでスタートした10番が得意のラインブレイクから貴重な先制弾。早くも育英が1点のリードを奪いました。
さて、「いつもは4-2-3-1でやっているんですけど、このゲーム対策」(吉田監督)ということで、紋谷真輝(2年・上州FC高崎)を中央に、右へ日川優太(3年・高崎大類中)、左へ瀬宮を並べる中央の3枚と、さらに右ウイングバックへ佐藤哲(3年・前橋FC)、左ウイングバックに茂木兼太郎(3年・藤岡キッカーズ)を置いた5バック気味の布陣でスタートしたものの、追いかける展開を強いられた高崎は、時折10番の小林将也(3年・上州FC高崎)と1トップの小菅竣也(2年・渋川子持中)にボールが入った時にチャンスの芽は見え掛けますが、手数には至らず。なかなか攻撃の形を創り切れません。
19分は育英。前線の高橋尚紀(2年・クマガヤSC)を起点に、田部井悠がドリブルから放ったミドルはクロスバーの上へ。26分も育英。ここも渡邊の左ロングスローから、こぼれを叩いた塩澤隼人(3年・FC東京U-15むさし)のボレーはクロスバーにハードヒット。28分は高崎。瀬宮がラインの裏へフィードを蹴り込むと、3列目から左サイドへ飛び出した儘田樹(2年)が折り返し、小菅はわずかに届かなかったものの、1つ悪くないアタックを。32分は育英。田部井涼が右へ振り分け、後藤田亘輝(3年・横浜F・マリノスJY追浜)のクロスにファーで合わせた榎本のへディングはゴール左へ。「今日は前半から非常に自分たちのペースで、セカンドも拾えましたし、球際も勝てましたね」とは田部井涼。続く育英ペース。
そんな中で育英に訪れた2度目の歓喜はセットプレーから。35分にこの日4本目となる左ロングスローを渡邊が投げ入れると、ファーまで流れたボールを田部井悠はダイレクトボレー。ボールは確実にゴールネットへ到達します。「『0-1はOK』という感じでいたので、あのロングスローの失点はちょっと誤算でした」と吉田監督。再三好機に繋がっていた渡邊のロングスローがきっちり結果に。両者の点差は2点に広がります。
畳み掛けるタイガー軍団。38分も育英。田部井涼の右CKから、こぼれに反応した飯島の鋭いシュートはDFが体でブロック。直後の右CKも田部井涼が蹴り込み、今度は田部井悠が打ち切ったシュートは味方に当たって枠の左へ。39分も育英。飯島が丁寧にスルーパスを通し、田部井悠が枠へ収めたシュートは高崎のGK清水翔太(2年・藤岡キッカーズ)がファインセーブで回避。その左CKを田部井悠が放り込み、ファーで上原希(3年・三菱養和巣鴨JY)が合わせたヘディングは枠の上へ消えましたが、セットプレーはことごとくシュートまで。「昨日があまり良くなかったので、昨日と比べると今日の方が全然良いですね」とは山田耕介監督。育英が2点のリードを携える格好で最初の40分間は終了しました。


ハーフタイムにコーチングスタッフと選手で話し合いを持った高崎。「スタッフで『相手は前に2人いても1人は下がるので、後ろに3人いる必要がないよね』という話になったら、選手たちからも『紋谷を上げても全然いいと思うんですけど』という話が出てきたので、『ああ、確かにそうだよね』ということで、『もう0-2で点を取りに行くしかないんだから、いつものシステムに戻そう』という感じでやった」と吉田監督が明かしたように、普段の4-2-3-1の布陣に戻して、残された40分間へ向かいます。
迎えた後半の立ち上がりも攻勢は育英。43分に右から田部井悠が蹴ったCKは、ニアで佐藤が何とかクリア。47分にも右サイドを丁寧に崩し、ルーズボールを収めた田部井涼のボレーはクロスバーの上へ。50分にも渡邊と塩澤の連携で奪った左CKを田部井悠が蹴り入れると、角田のヘディングはわずかに枠を越えましたが、U-18日本代表の遠征で欠場している松田陸(3年・前橋FC)について、「彼が選ばれて嬉しい気持ちもありますけど、個人としては結構悔しいし、自分も目標にしている部分なので、一緒に入れたらいいなと思います」と言及したセンターバックが惜しい一撃を。漂う3点目の気配。
高崎ベンチの決断は53分。1人目の交替として儘田とスイッチしたのは、キャプテンの川岸和樹(3年・前橋FC)。「ケガもあってずっとやっていなかったんですけど、これが最後になる可能性もありますし、『やれるか?』と聞いたら『やりたい』ということだったので入れました」と吉田監督。その川岸が最前線に入ると、56分には清水のキックに天田雄也(3年・高崎中尾中)が競り勝ち、小菅が走ったアタックはDFのカットに阻まれましたが、57分にも紋谷が左へ振り分け、茂木のクロスはあと一歩でシュートに繋がる鋭さを。わずかに変わり始めたゲームリズム。
57分に高橋と五十嵐理人(3年・ともぞうSC)を入れ替えた育英1人目の交替を経て、59分に到来した高崎の決定機。左サイドに開いた小林のクロスを天田が粘って落とすと、篠原陸(3年・高崎FC)は右足一閃。枠へ向かったシュートにスタジアム中の視線が集まりますが、ボールの行く先は惜しくもクロスバー。「あそこを取れていたら1-2で面白かったですけどね」と吉田監督も悔しがるシーンは追撃弾にならなかったものの、その指揮官は「川岸を入れたことによってスイッチが変わったのかなっていう気はしました」とも。整いつつある高崎の反撃態勢。
60分も高崎。篠原のクサビを小菅が落とし、小林の縦パスに篠原が飛び出すも、ここは育英のGK湯沢拓也(3年・足利ユナイテッドFC)が丁寧にキャッチ。64分は育英。塩澤のパスを右サイドで受けた榎本が、カットインしながら左足で打ち切ったシュートは枠の右へ。65分は高崎。左から茂木が蹴り込んだFKは榎本がクリア。66分も高崎。佐藤のドリブルで獲得したFKを右から紋谷が蹴ると、ニアへ突っ込んだ茂木はシュートまで持ち込めず。67分も高崎。左サイドで相手の門を小林が巧みに通し、茂木が上げ切ったクロスに川岸が合わせたボレーは枠の左へ消えたものの、「運動量が落ちてきた時にサイドとか個人個人の勝負になっちゃって、チームとして守れなくなってしまう」(角田)「後半は出力が落ちてしまって、なかなか3点目が取れなかった」(田部井涼)と2人が声を揃えたように、この時間帯はやや高崎に勢いが。
68分は育英。田部井悠が左へ流し、五十嵐の思い切ったミドルは枠の上へ。69分は高崎に2人目の交替。篠原と福本雄己(1年)をスイッチして最後の勝負に。70分は育英。田部井悠がヒールで残すと、飯島のシュートは天田が体でブロック。直後に田部井涼が蹴った右CKから、ファーで合わせた五十嵐のヘディングは枠の左へ。72分は高崎。小菅が粘り強く左クロスを放り込み、ファーで拾った佐藤の再クロスは中央と合わず。74分は育英も塩澤と山﨑舜介(3年・浦和レッズJY)を入れ替える2人目の交替を敢行し、いよいよゲームはラスト5分間とアディショナルタイムへ。
輝いたのは「アイツも割にやりますよね」と指揮官も独特の表現で認めた、"関東大会組"のストライカー。75分に渡邊の鋭い左クロスをうまく頭に当てた榎本のシュートはわずかに枠の右へ逸れましたが、76分に五十嵐の突破から得た左CKを田部井悠が蹴り込むと、ここも頭で合わせた榎本の一撃は今度こそゴールネットへ収まります。関東大会での活躍が評価された27番のストライカーが、スタメン起用に応える一仕事。育英に大きな3点目が記録されました。
何とか1点を返したい高崎は77分、小菅のパスから小林が積極的にミドルを狙うも、ボールはゴール右へ。山田監督も77分には共にゴールを奪った2トップの飯島と榎本を下げて、宮崎鴻(3年・三菱養和巣鴨JY)と高田光輝(3年・FC東京U-15むさし)を投入する2枚替えで、狙う4点目と取り掛かるゲームクローズ。80+2分は高崎のラストチャンス。茂木を起点に紋谷がしっかり繋ぎ、小林のパスを引き出した川岸は何とか粘るもシュートには至らず、しばらくして吹き鳴らされたファイナルホイッスル。「自分たちの課題はずっと得点が取れないということで、それで苦しい試合を結構してきたので、この2日間はそれが改善できたのは良かったと思います」と角田も話した育英が、セミファイナルへと駒を進める結果となりました。


「チームで『こうやろうよ』と言ってきたことができる場面もあったし、いつもだったらセンタリングでアウトみたいなことが多い中でも、中へ入ることもできていたので、『自分たちがやってきたことは間違ってなかったんじゃないの?』という話は今日できました」と吉田監督も語った高崎は、少し守備的に入った前半の2失点が試合を通じて重く圧し掛かった部分は否めません。それでも途中出場となったキャプテンの川岸投入以降は、攻撃に迫力が出てきた部分も見逃せないポイント。「育英が強いことは間違いないですけど、『やれなくはない』ということを彼らも言っていた」と指揮官も言及したように、敗戦の中にも一定の手応えを掴んだことは間違いないようです。ただ、学校の特性上、この日は12人の3年生がメンバー入りしていたものの、「3年が全員残るというのは厳しいと思う」と吉田監督も話した通り、ここからの半年はおそらくまた新たなチーム創りを進めていく中で戦うことに。「この夏でとにかく1,2年生を強化して、3年生の経験を融合して戦いたいなと思っている」(吉田監督)選手権予選に向けて、この負けを経験した高崎がどういう進化を遂げていくかにも是非注目したいと思います。
少し前述したように育英はブロック優勝を達成した関東大会のメンバーから、今日は「関東大会で使って良かった2人」と山田監督も評価を口にした2トップの榎本と高橋の2トップに加えて、センターバックの上原がスタメン出場を果たして勝利に貢献。「どんどん競争し合っていますし、誰が出てもいい感じになっていますね」と指揮官が語れば、キャプテンの田部井涼も「1つのキーポイントは関東大会で、あそこの舞台でトップで出れなかったメンバーが本当に結果を残してくれたことで、そこで満足しないで、そのままインターハイでもしっかり活躍してくれているので、そこは本当に嬉しいですね。今は本当に競争が激しくて、全員誰が出られるかわからないので、そういう状況にあるのは練習をやっていて本当に刺激的ですし、本当に気の抜けない練習がずっと続いているので、それは良い環境だと思います」ときっぱり。ただでさえタレントの居並ぶタイガー軍団は関東大会を経て、さらに競争意識が高まった好循環の中に身を置いているようです。準決勝の相手は近年の県内覇権を二分してきた桐生第一。「ここ2年は出ていないので、夏の宮城には是非行きたいですけどね」と山田監督も意気込む3年ぶりの全国出場まではあと2勝に迫っています。      土屋

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