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0821koma2.JPG全国出場経験を有する都立の雄同士が都大会進出を懸けて激突する一戦。都立駒場と都立三鷹の1次予選ファイナルは駒沢補助競技場です。
昨シーズンは関東大会予選でベスト8まで勝ち上がり、インターハイ予選でも半年前の高校選手権で全国準優勝を達成した國學院久我山を倒して、やはりベスト8へ進出したものの、選手権予選では都大会初戦で学習院に0-1で敗れ、悔しい終戦となった都立駒場。迎えた今シーズンは新人戦で地区予選を制し、関東大会予選では優勝した関東第一に敗れたものの、1-2と好ゲームを披露。インターハイ予選でも一次トーナメントで成立学園と熱戦を展開した上で屈するなど、一定以上のチーム力は証明済み。チームを率いる山下正人監督にとっても、三鷹は前任校だけあって「運命あるよね。還暦でそろそろ終わるタイミングに、それも都大会を懸けてやるなんて」と感慨を口に。そういう意味でも楽しみなゲームです。
選手権で都内の強豪を相次いでなぎ倒し、全国大会に出場したのは3年前。そのチームのメンバーと入れ替わりで"後期課程"に入ってきた学年が、今年で最高学年になった都立三鷹中等。全国後はなかなかチームとして結果が出ず、苦しい時期を過ごしてきましたが、「僕らは自分たちがヘタだってわかっているので、挑戦者だという意識でやってきました」と話すのは相田直人(3年・三鷹中等教育学校)。新チームになって新人戦、インターハイ予選と共に2試合目で敗れてきた中で、今大会は都立松原を6-1、都立青梅総合を9-0で倒してブロック決勝へ。"4試合目"、すなわち都大会を目指して難敵相手の一戦へ挑みます。会場の駒沢補助には両チーム共に少なくない応援団が集結。注目の好カードは駒場のキックオフでスタートしました。


4分のファーストシュートは三鷹。左サイドでボールを持った近藤直輝(3年・三鷹中等教育学校)は、カットインからそのままミドル。DFに当たったボールは駒場のGK藤本和輝(3年・FC.PROUD)がキャッチしましたが、まずは三鷹がフィニッシュを。7分は駒場。増田慶斗(3年・AZ'86東京青梅)が収めたボールを右へ流し、鳥山凌佑(2年)が狙ったシュートは枠の左へ。お互いに1つずつチャンスを創り合って、ゲームはスタートします。
ただ、駒場が攻撃の時間は長く持つ中でも、ボランチの宇田川翔平(3年・三鷹中等教育学校)と奥村耕成(3年・三鷹中等教育学校)を中心に、セカンドを拾う回数の多かった三鷹は、ボールアプローチで徐々に上回り始めると、18分に迎えた歓喜。右CKをレフティの増田が蹴り込み、加地修大(3年・三鷹中等教育学校)のシュートから奥村が粘って残したボールを、浦和史哉(3年・三鷹中等教育学校)が左足一閃。右スミへ向かった軌道はそのままゴールネットへ吸い込まれます。「正直、先制点が取れると思っていなかったので『ヨッシャー』と思いました」とは守護神の堀切健吾(3年・三鷹中等教育学校)。三鷹が先にスコアを動かしました。
さて、ビハインドを追い掛ける展開となった駒場は「浮き球がものすごく多くて、それだとウチも思った所にパスを出せないし、良い所でボールを持てない」と山下監督。23分には増田が枠の左へ外れるミドルを放ちましたが、27分には三鷹も浦和の浮き球パスから宇田川が左足ミドルをゴール右へ。少し焦りもあってか縦へのボールが多くなり、なかなか決定的なシーンを創れません。
31分は駒場。右から増田が蹴ったCKは奥村がクリア。36分も駒場。左寄り、ゴールまで約30mの位置から岡村直輝(3年・FC駒沢U-15)が直接狙ったFKはわずかにクロスバーの上へ。38分も駒場。岡村がピンポイントで入れた右FKから、飛び込んだ大海航輝(3年・Forza'02)のヘディングはゴールネットを揺らすも、副審のフラッグが上がり、オフサイドでノーゴール。40+1分も駒場。土屋諒輔(3年・三鷹F.A.)、村田明飛(3年・東京ベイFC U-15)とボールを繋ぎ、大海のクロスに増田が突っ込むもへディングはヒットせず。「最初から押されることはわかっていた」(堀切)三鷹が、ワンチャンスをモノにする格好で1点のリードを手にしたまま、最初の40分間は終了しました。


後半はスタートから駒場に2枚替え。増田と鳥山に替えて、奥谷友哉(3年・FC町田ゼルビアJY)と菊池陽(2年・ジェファFC)を送り込み、「ドリブラー2人」(山下監督)で攻撃のギアを上げに掛かると、いきなりの同点機は42分。木下航介(3年・三菱養和調布JY)、大海とボールが回り、岡村のクロスに村田がヒールで合わせたシュートは堀切がファインセーブで凌ぐも、ルーズボールの接触で三鷹ディフェンスにファウルがあったというジャッジを主審が下し、駒場にPKが与えられます。キッカーは入ったばかりの奥村。短い助走から思い切り中央に蹴り込んだボールが、激しく揺らしたゴールネット。後半開始早々にスコアは振り出しへ引き戻されました。
駒場に入ったスイッチ。44分には収めた奥谷のスルーパスに村田が走るも、飛び出した堀切が何とかクリア。47分には三鷹も1人目の交替として浦和と吉田翔馬(1年・FC町田ゼルビアJY)をスイッチしましたが、48分には岡村のパスを受けた奥谷が、1人外して堀切にキャッチを強いるシュートまで。53分には奥村の右CKから、高い打点で叩き付けた村田のヘディングは堀切がファインセーブで回避。54分にも奥谷がゴールまで25m弱の距離から、枠を越えるFKにトライ。押し込む駒場の続く攻勢。
「僕らにはセットプレーしかない」(堀切)、その"唯一"で突き付ける鋭い脅威。56分は三鷹の右スローイン。丸山雄大(3年・BOMBA立川FC)が投げ入れたロングスローを村田がニアですらすと、木原博光(2年・三鷹中等教育学校)が至近距離から放ったシュートは、藤本がファインセーブで仁王立ち。直後の右CKを木原が蹴り込み、近藤が打ったシュートはDFが体でブロック。少ない手数に忍ばせる三鷹の"可能性"。
63分は駒場。今川雄太(2年・鹿嶋鹿島中)が右へ流し、大海のクロスに菊池が当てたヘディングはヒットせず、堀切が落ち着いてキャッチ。直後の63分は三鷹。近藤が左へスルーパスを送り、抜け出した木原のシュートは藤本がキャッチ。64分は駒場。増田が右サイドをドリブルで運び、木下のシュートは枠の左へ。65分も駒場。キャプテンの高木晴(3年・府中浅間中)が左のハイサイドへ落とし、菊池がえぐって中へ折り返すも、大海のシュートはヒットせず。66分は駒場の決定機。村田がワンテンポためて右へ送り、走った奥谷のシュートは堀切が躊躇なく飛び出してファインセーブ。ペースは駒場にある中で、「やっぱり三鷹の伝統だよな。ゴール前は厳しい。あそこでよくみんな頑張ってるよ」と敵将の山下監督も認める三鷹のディフェンスが、確実に潰すピンチの芽。
71分は駒場。右から菊池が蹴ったFKは、三鷹のセンターバックに入った岡本大輝(3年・三鷹中等教育学校)がきっちりクリア。直後も駒場。岡村のパスから菊池のカットインミドルはゴール右へ。73分も駒場。今川を起点に菊池がドリブルで仕掛け、大海が打ち切ったシュートはクロスバーの上へ。74分も駒場。左から岡村がクロスを上げ切り、ファーで合わせた大海のボレーは枠の右へ。75分は三鷹に2人目の交替。木原と水口優太(1年・三鷹中等教育学校)をスイッチして、攻守に渡るサイドの強度向上に着手。80+1分は三鷹。吉田の右CKへニアに宮嵜拓郎(3年・FCトッカーノ)が突っ込むも、藤本ががっちりキャッチ。80+2分は駒場。今川、奥谷と回ったボールを、大海が枠へ収めるも相田が決死のブロック。「凄く頼りがいがあります」と堀切も評した三鷹守備陣の堅陣は揺るがず。80分間では決着付かず。勝敗の行方は前後半10分ずつの延長戦へともつれ込むことになりました。


延長の前半は三鷹に強度が復活。83分はその三鷹のチャンス。右から吉田が蹴り込んだFKに、ファーで合わせた奥村のヘディングは藤本がキャッチ。86分には駒場も菊池のドリブルから左CKを得るも、奥村のキックは堀切がパンチングで回避。エンドの変わった後半は91分の三鷹。丸山の右CKがこぼれると、宇田川のボレーはDFをかすめて枠を捉えるも、藤本が丁寧にキャッチ。93分は駒場。村田のパスを受けた奥谷のシュートがゴールネットを揺らすも、オフサイドの判定。両者譲らず。勝負はラスト5分間へ。
94分に訪れた千載一遇の逆転機。駒場は村田、奥谷と回ったボールが左サイドに繋がり、鋭い突破を見せた菊池がDFともつれて転倒すると、主審はペナルティスポットを指し示します。この日2本目となるPKのキッカーはまたしても奥谷。静まり返るピッチ。今度のキックは左。GKは右。「よくPKを取りましたよ。交替で入れた2人だからね」とは山下監督。土壇場で駒場がとうとうスコアを引っ繰り返しました。
最終盤で1点のリードを許した三鷹。96分に村田と小松優介(3年・江戸川西葛西中)を入れ替えた駒場3人目の交替を挟み、97分には丸山の右ロングスローからニアで近藤が競り勝つも、シュートには至らず。いよいよ苦しい状況に追い込まれていく中で、「このチームだったら絶対に行けると思っていたので、仲間を信じていたというか、根拠のない自信ですけど、行けると思っていた」(奥村)「最後は決めてくれると思った」(堀切)という2人の想いが結実したのは100分のこと。右サイドで獲得したFK。キッカーの岡本が蹴り込んだボールは、「抜けてきたら触れるんじゃないかなと思って入っていった」相田へ。肩に当たったボールはGKもよく反応したものの、左のポストを叩いてゴールラインの内側へ転がり込みます。何と相田はこれが3年間で公式戦初ゴール。ゴールの瞬間に足が攣り、細貝航大(3年・三鷹中等教育学校)との交替を余儀なくされるも、殊勲の同点ゴールにベンチも応援団も瞬時に沸騰。ファイナルスコアは2-2。都大会へと進むための切符はPK戦で奪い合うことになりました。


先攻は駒場。1人目の高木は左スミへグサリ。後攻は三鷹。1人目が左へ蹴ったキックは、藤本が素晴らしい反応でストップ。駒場2人目の柴田遼空(3年・VIVAIO船橋)は左スミへ成功。三鷹2人目の宇田川は右上にきっちり成功。駒場3人目の木下は左を狙い、堀切も触ったもののボールはゴールネットへ。三鷹3人目の近藤は右スミギリギリにコントロールショットで成功。3人目を終わって3-2。駒場が一歩前へ。
駒場の4人目。右下を狙ったキックは1本前のタッチで「『これだったらこの後も行けるな』という気持ちになった」堀切が見事なストップを見せましたが、三鷹4人目のキックはクロスバーに嫌われてしまいます。決めれば勝ちの駒場5人目。左スミへ蹴り込んだキックは、「実は5本目ということを僕がわかっていなくて、それが良かったかもしれないです」という堀切がスーパーセーブで繋いだ勝利への糸。三鷹5人目の宮嵜は右上にきっちり成功。5人が終わって3-3。サドンデス。PK戦でも両雄はまったく譲りません。
駒場6人目の奥谷は、この日3本目となるキックを左のゴールネットへ。三鷹6人目の岡本はGKの逆を突いて成功。駒場7人目の土屋は左スミに収めてガッツポーズ。そして三鷹の7人目。短い助走から右を狙ったキックは、藤本が横っ飛びで掻き出して熱戦に終止符。PK戦のスコアは5-4。「本当に壮絶だったね。東京都の決勝じゃなくて地区大会の決勝というのがいいよね。ドラマがあって」と山下監督も安堵の笑顔。真夏の激闘を制した駒場が都大会へと駒を進める結果となりました。


「本当にヘタクソなヤツばっかりなんですよ。正直な所よくぞここまで来たなという感じですよね」とは佐々木監督。三鷹の健闘が光ったゲームでした。「悔しかったんですけど、先輩たちも終わるまでは絶対泣かないようにしていましたし、僕らもそこで取り乱したら三鷹らしくないので、最後までやってからということは考えていました」とキャプテンの奥村が話した通り、試合後の挨拶まで気丈な態度を続けていた選手たち。「すがすがしくてやりきったという感じで、そういう面ではやってきたことが最後にしっかりできたかなというのがあります」という言葉に続けて、「ちょっとまだ気持ちの整理ができていないんですけど、これで終わっちゃったなと思うと寂しいですね」と語った堀切の2つの言葉が、三鷹の最上級生たちの共通の想いだったのかなと。三鷹は中等教育学校という性質もあって、6年間に渡って一緒にボールを追い掛けてきた仲間との日々もここで一区切り。「最後は6年間の集大成なので、今日はサッカーを楽しもうと。最後はサッカーを6年間楽しめて終わったかなと。駒場とは結構差があったと思うんですけど、粘っこく"らしさ"を出してくれたかなというふうに思います」と佐々木監督。それぞれの持ち場を全うした「何でも言い合えるし、みんな親友みたいな感じ」(堀切)の6年生15人に大きな拍手を送りたいと思います。      土屋

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約1ヶ月ぶりに我々の元へ帰ってきたのはT1リーグ。クラ選で日本一に輝いたFC東京U-18と、インターハイで全国8強を経験した関東第一の対峙は小平グラウンドです。
真夏の群馬と西が丘を無敗で駆け抜け、2年連続で夏のクラブユース王者に輝いたのは約2週間前。今シーズンも全国屈指の実力を有していることを証明してみせたFC東京U-18。この日も年代別代表とJ3の公式戦に臨むU-23に主力選手が吸い上げられる中で、Bチームは明確にプリンス昇格を目標に置いているT1リーグの公式戦が。「平川選手や久保選手はどんどんトップチームに上がっているんですけど、2年生でプレミアに絡む選手が少ないので、どんどんプレミアに関わっていけるようにしたいですね」とは鈴木智也(2年・FC東京U-15むさし)。当然勝利を目指す中で、個人としてもさらなるステップアップを期すための90分間へ向かいます。
3年連続で東京を制し、宮城の地へ乗り込んだインターハイでは山形中央、神村学園、広島観音を相次いで退け、ベスト8進出。こちらも3年連続での対戦となった市立船橋戦は「2失点がいらなくて、決める所も決めていれば絶対に勝てたと思います」とセンターバックの関口聖人(2年・フレンドリー)が話したように、押し気味にゲームを進めながらも1-2で敗れ、またも同じチームに敗退を突き付けられた関東第一。小野貴裕監督も「今は頑張らないとという時期」と表現した今は、インターハイから強度を落とさずに来ているため、コンディション的には厳しい時期ですが、こちらも勝ち点3を狙って難敵相手の一戦へ挑みます。小平には久々に夏らしい青空も。楽しみなゲームは関東第一のキックオフでスタートしました。


静かな立ち上がりを経て、先にチャンスを創ったのは関東第一。10分に小関陽星(2年・町田JFC)が重田快(3年・バンデリージャ横浜)とのワンツーでエリア内へ切れ込み、そのままフィニッシュ。ここはFC東京のセンターバック高橋亮(2年・FC東京U-15深川)にブロックされましたが、積極的なトライを。20分に佐藤誠也(1年・VIVAIO船橋)が左から蹴ったFKは中谷太地(2年・FC東京U-15むさし)に跳ね返されたものの、まずは関東第一が攻勢に打って出ます。
22分も関東第一。左サイドバックの嶋林昂生(3年・町田JFC)を起点に村井柊斗(3年・FC多摩)が中へ流し、上がってきた右サイドバックの山脇樺織(2年・東急SレイエスFC)が打ち切ったミドルは、DFに当たって枠の右へ。直後の右CKを小関が蹴り込むと、ファーに突っ込んだ関口のスライディングシュートはゴール右へ。続く関東第一のラッシュ。
すると、先制点は勢いそのままに関東第一。26分に小関のパスを受けた重田は丁寧なスルーパス。抜け出した村井がGKと接触してエリア内で転倒すると、主審はペナルティスポットを指し示します。PKのキッカーはキャプテンの小野凌弥(3年・Wings U-15)。左スミを丁寧に狙ったキックは、GKもわずかに及ばずゴールネットへグサリ。「今は間違いなくデイフェンスリーダーというのが随所に見れるようになってきましたね」と指揮官も認めるセンターバックが貴重な先制弾。関東第一が1点をリードしました。
さて、「前半は失点するまでの所はどうしても前で受けたがる選手が多くて、みんなボールに寄ってきちゃって、同サイドで何とかしようとして、食われてそのまま行かれていたと思います」と右田聡コーチが話した通り、全体のバランスも悪く、攻撃の手数を繰り出せない東京。30分にも村井にミドルを打たれるなど、苦しい時間が続く中でワンチャンスを生かしたのは32分。左サイドで獲得したこの日1本目のCK。キッカーの金誠敏(1年・西東京朝鮮第一中)が丁寧にボールを蹴り込むと、今村涼一(2年・FC東京U-15むさし)が頭で合わせたボールは、右スミのゴールネットへ吸い込まれます。「今村がああやって決めることはなかなかないですし、ソンミンのボールもいつも定まらないんですけど、あの1本だけはたまたまでしたね(笑)」と右田コーチも笑った同点弾。スコアは振り出しに引き戻されました。
「2点目を取れればもっと試合を優位に運べたかなと思います」と関口も話した通り、そこまでの流れを考えてもややもったいない失点を喫した関東第一は、34分に佐藤の左FKから、こぼれを拾った村井の放ったミドルは東京のGK高橋優仁(1年・FC東京U-15深川)がしっかりキャッチ。40分は東京。「サイドからのドリブルとか、もっと出していけたらと思います」と話す鈴木が左サイドを運び、折り返しを今村が狙うも小野が体でブロック。41分も東京。金の左CKがこぼれ、収めたバングーナガンデ佳史扶(1年・FC東京U-15深川)のミドルはクロスバーの上へ。「失点した後で4,5分はしんどい時間が続いたんですけど、そういう時間を自分たちでちゃんとコントロールして、自分たちの時間をちゃんと創ることができたのは前節から比べると成長できた所かな」と右田コーチ。1-1で最初の45分間は終了しました。


ハーフタイムに関東第一は交替を決断。佐藤に替えて、長野真大(2年・VIVAIO船橋)をそのまま左サイドハーフへ送り込み、サイドの推進力向上に着手したものの、後半のファーストチャンスは東京。48分に寺山翼(2年・FC東京U-15むさし)がクロスバーの上へミドルを外すと、55分にも金、寺山と回ったボールを鈴木は枠の左へ外れるミドルまで。「後半はみんなどんどんゴールを狙っていこうとハーフタイムに話していた」とは鈴木。立ち上がりのペースは青赤。
歓喜の逆転弾は58分。右サイドバックの天野悠貴(2年・FC東京Ù-15むさし)のフィードは相手に渡るも、「相手が低い位置で前を向いたので」寄せてボールを取り切った鈴木は左足一閃。「ニア上が空いていたので、そこに強くシュートを打とうと思って、きれいに打てた」という一撃は豪快にゴールネットへ突き刺さります。「自分は今までサイドバックをやっていて、今日はTリーグで初めて左サイドハーフをやったんですけど、今日は誕生日なので絶対点を取ろうって思ってました」と笑った鈴木のゴラッソ。東京が逆転に成功しました。
東京はゴール直後に1人目の交替を。中谷を下げて、芳賀日陽(2年・FC東京U-15深川)を右サイドハーフへ投入し、金がボランチヘスライド。一方、「相手が後半良くなっちゃうのは仕方なかったので、いつカードを切ろうかと思っていた」小野監督は63分に2人目の交替を。長谷部竣(3年・JSC CHIBA)と貝瀬敦(1年・田口FA)を入れ替え、小関は右サイドハーフからボランチヘスライドし、貝瀬が右サイドハーフの位置へ。お互いに人と配置を入れ替えつつ、勝敗に直結するであろう、次のゴールを狙いに掛かります。
67分は東京に決定機。鈴木からボールを引き出した今村が、1人かわして左足で放ったシュートは右のゴールポストにハードヒット。直後の68分には東京に2人目の交替。「背後に飛び出していくようになって、そこからちょっと押し込んで、そうすると中盤も空いてくるので、やっとボールを動かせるようになってきたと思う」と右田コーチもその働きを評価した小林里駆(1年・FC東京U-15むさし)と久保征一郎(1年・太陽SC U-15)をスイッチして、前線にさらなるパワーを。73分にはFKのチャンス。ゴールまで約30mの位置から金が左スミギリギリへ収めたキックは、北村海チデイ(2年・GRANDE FC)が丁寧にキャッチ。「後半はずっとウチのペースでやれていた」と話す右田コーチも「ここに来てようやく自分を出せるようになってきた、上に強くて、対人も強くてという子」と評したセンターバックの湯本創也(1年・FC多摩)を中心に、守備陣の安定感も後ろ盾にしながら押し込む東京。耐える関東第一。
「エアポケット」(右田コーチ)を見逃さなかった東京王者。76分に小関からボールを受けた長野は、前を向くとすかさずスルーパス。走った重田はマーカーの前に体を入れてボールを収め、GKとの1対1も冷静に左スミのゴールネットへボールを送り届けます。全国での3ゴールを経て、プレーに自信がみなぎってるように見える重田の同点ゴールに「よく1点取ったなと思います」とは小野監督。再びスコアは振り出しに引き戻されました。
ここからは双方にチャンスが。78分は東京。左から金が蹴り入れたCKに、寺山が頭で合わせたシュートは枠の上へ。79分は関東第一。スタメン起用されたルーキーの田中大生(1年・横浜FC JY)が縦に付け、左サイドで1人かわしながらカットインから狙った村井のミドルは高橋がキャッチ。81分の東京は3人目の交替として、金と武井翔暉(1年・FC東京U-15深川)をスイッチ。「お互いに勝ち点を欲しかったゲーム」(小野監督)はいよいよ最終盤へ。
84分は関東第一。小関のドリブルで獲得したFK。中央やや右寄り、ゴールまで25m強の位置から村井が直接狙ったキックは、カベに当たってクロスバーの上へ。そのCKを左から小関が蹴るも、DFがきっちりクリア。86分は東京。寺山が左へ振り分け、バングーナのクロスに芳賀が飛び込むもわずかに届かず。87分も東京。右から今村が蹴り込んだCKに、寺山が当て切ったヘディングはゴール左へ。直後に東京は今村と谷地田陸人(1年・FC東京U-15深川)を入れ替える4人目の交替を敢行するも、以降の両チームにシュートは生まれず。「ちょっと悔しいゲームで終わってしまいました」(鈴木)「今日は勝てたゲームだと思いました」(関口)と2人が言及したように、久々に夏らしいコンディションの中で行われた90分間は痛み分け。両者に勝ち点1ずつが振り分けられる結果となりました。


「この前の実践の時は早い段階で1点取られてしまった後に、そこからバタついて2点、3点と連続で失点してゲームが決まっちゃうような内容だったので、もう1点取り切れなかったのは残念な所なんですけど、ゲーム全体をコントロールしていくという意味では前節から成長したのかなと思います」と右田コーチが話した東京。前述したようにJ3やプレミアというステージがその先にある中で、右田コーチは「ここにいるヤツらが、Tリーグで活躍することはもちろんなんですけど、もう来週のプレミアの清水戦にも何人か絡んでいくと思いますし、そこで当たり前のようにプレーして、Tリーグの方は1年生とか中学生を引き上げてでもやれるようになっていかないと、J3が始まってどんどん吸い上げられている成長に、Tのグループが一番追い付いていかないといけない所で、本当にそういう所まで発展していかないといけないのかなと思います」ときっぱり。バースデーゴールを決めた鈴木も「次は僕たち2年生がクラ選3連覇を目指してやるためにも、ここからどんどん追い上げていきたいと思います」と高い意識を口に。残りは6試合。自らの未来を切り開く意味でも、残された540分間は今まで以上に大切な時間になってきそうです。
インターハイ、金沢とトップギアで走り続け、迎えたこの一戦は「勝てれば自信も付くし、レベルも上がるしという感じ」(小野監督)という位置付けの中で、勝ち点1という成果を手に入れた関東第一。「グッとやる所の強さの本質を知っている子たちというか、そこの本質をリーグの中で一番持っているチーム」と指揮官が評した相手に、押し込む時間も創った90分間は決して悪い出来ではなかったのかなと。また、センターバックの関口は「東京予選ではできていたことがインターハイではできなかったですし、特に市船の福元(友哉)選手は衝撃で、スピードも東京にはない速さで、競り合いも本当に強くて、自分とコンタクトした時のボディバランスが凄く良くて、全然崩れないし、むしろこっちが崩れるくらいで、すべてレベルが違ったので凄く刺激をもらいましたし、またイチからしっかり見つめ直すことができる良い経験でした」と話すなど、インターハイで感じた全国レベルは確実にチームの目線を上げている様子。再び競争のサイクルに入っている関東第一の今後も注視していく必要があるのは間違いありません。      土屋


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0731izumi.JPG全国ベスト8を懸けた重要な70分間。広島王者の広島観音と東京王者の関東第一が激突するラウンド16は仙台市泉総合運動場 泉サッカー場 西フィールドです。
2006年のインターハイでは代健司(富山)を擁して全国制覇を達成。10年ぶりの出場ながら、今大会でも当然日本一を目指している広島観音。県予選では準決勝の山陽戦、決勝の瀬戸内戦を筆頭に、5試合の内の4試合を1点差で勝ち切る勝負強さで全国出場権を獲得。初戦となった昨日の真岡戦も66分に横下友則(3年・能美SCジュニア)が決勝ゴールを叩き込み、1-0で競り勝ってこのラウンド16まで。その先を見据える上でも大事な70分間へ向かいます。
インターハイは今回で3年連続の全国出場。2年前はベスト4で、昨年は初戦となった2回戦でいずれも市立船橋に敗れたものの、チームとしての経験値を積み上げてきた関東第一。東京王者として臨んだ今大会も、初戦の山形中央戦を苦しみながら重田快(3年・バンデリージャ横浜)の決勝弾でモノにすると、昨日の神村学園戦も先制を許しながら、そこから4ゴールを奪い切り、4-2の快勝で2年ぶりのラウンド16へ。間違いなく上り調子で、この一戦へ挑みます。会場の泉サッカー場は大会3日目にしてようやく快晴の空模様。注目のゲームは関東第一のキックオフでスタートしました。


ファーストシュートは1分経たずに関東第一。左サイドでボールを受けた村井柊斗(3年・FC多摩)が思い切ったボレーを敢行。ボールはゴール左へ外れたものの、開始早々に積極的なフィニッシュを。3分には観音もボランチの安野蓮(3年・広島ピジョンFC)が左へ振り分け、山口直也(3年・KELT東広島FC JY)のシュートはヒットせずにゴール左へ逸れましたが、お互いに1つずつチャンスを創り合って、ゲームが立ち上がります。
7分は観音。ミドルレンジで前を向いた安野の25mシュートは枠を捉えるも、関東第一のGK北村海チディ(2年・GRANDE FC)がファインセーブ。直後の左CKを山口が蹴り込むと、飛び出した北村がキャッチ。9分は関東第一。村井が右へ流し、ドリブルでエリア内へ潜った重田はマイナスに折り返すも、DFがわずかにコースを変え、待っていた篠原は触れませんでしたが、重田のスピード感は今日も好調をキープ
ただ、「最初は展開が慌ただしくなった」と関東第一のキャプテン小野凌弥(3年・Wings U-15)も話したような流れの中で、少しずつペースを引き寄せたのは観音。14分には山口、佐々木寛斗(3年・廿日市FC JY)と繋いだボールを、反転しながら横下がシュートまで持ち込むも、北村がキャッチ。19分にも左サイドバックを務める中脇大就(2年・広島ピジョンFC)の短いパスから、再び安野が叩いたミドルはわずかにクロスバーの上へ消えましたが、惜しい連続ミドルに意気上がる観音応援席。
「サイドハーフの10と7の子がいいのはわかっていたから、警戒はしていたんですけど、予想以上に6のアンカーが良くて、あれを閉めて、外が空くとそこの3つでリズムを作られていた」と小野監督も話したように、観音は右の槙本稔己(3年・KELT東広島FC JY)と左の山口、両サイドハーフで基点を創りながら、窺うテンポアップの瞬間。
26分も観音。中脇が短く付け、佐々木が枠へ収めたミドルは北村がファインセーブで回避。その左CKを山口が蹴ったボールは飛び出した北村がキャッチしましたが、29分も観音。横下の右クロスをファーで拾った佐々木が残し、安野の右へ巻いたミドルは枠の右へ。30分も観音のカウンター。前へ運んだ佐々木が安野のリターンをもらい、1人外して放ったシュートはわずかに枠の左へ。「自分たちのボールの時間が全然できなかった」とは篠原友哉(3年・府ロクJY)。続く観音の時間。
小野監督は33分に決断。「交替枠も4枚あるし、いろいろ想定をしておいたので、うまくいかないことが他に波及していっちゃうと、良い所が全部出なくなっちゃいますからね」と、左サイドハーフの篠崎源太(2年・大宮アルディージャJY)に替えて、池田健太(2年・VIVAIO船橋)を最前線へ送り込み、村井が左サイドハーフへスライド。35+1分には中央からFKを佐藤誠也(1年・VIVAIO船橋)が蹴り込み、ルーズボールに飛び付いた小野のボレーはゴール左へ。35+2分にも重田がドリブルでエリア内へ切れ込み、最後に池田が叩いたシュートは、DFが体を投げ出してブロック。最終盤は関東第一にも少しリズムが出てきましたが、「前半は無失点で終われたのが大きかったと思います」という篠原の言葉通り、最初の35分間は観音がペースを掴んだ中でハーフタイムへ入りました。


そのハーフタイムには関東第一が2人目の交替を。スタメン起用となったボランチの宮林庸太(2年・FCトリプレッタJY)と、小関陽星(2年・町田JFC)をそのままのポジションで入れ替え、打ち出したい前への推進力。37分は観音。安野が右CKをマイナス気味にグラウンダーで流し込み、合わせた槙本のシュートはDFに当たって枠を越えたように見えましたが、ゴールキックの判定。41分は関東第一。重田を起点に村井がマーカーを外すもシュートに至らず、篠原のシュートもDFがブロックして、観音のGK井西海斗(3年・広島ピジョンFC)がキャッチ。後半も頭からやり合う両者。
42分は観音の決定機。左サイドで中村豊(3年・プリロ東広島FC JY)が素早く離し、山口のクロスからファーで枠へ飛ばした佐々木のシュートは、「チディが止めてくれると思っていたので、ピンチでも大丈夫だと思っていました」(篠原)「ウチには北村という逞しいキーパーがいるので怖くないです」(小野)と2人の先輩が信頼を口にする北村が横っ飛びでビッグセーブ。44分は関東第一に決定機。右サイドで佐藤が縦に流し、走った篠原の強烈なシュートはクロスバーにヒットし、こぼれに詰めた池田も押し込めず。一進一退。譲らない双方。
46分も関東第一の決定的なチャンス。左サイドで村井が後方に戻し、嶋林昂生(3年・町田JFC)のクロスは井西がパンチングで弾き出し、トラップした篠原は左足でゴールを狙うも、ボールはクロスバーの上へ消えてしまい、思わず応援席からもため息が。47分は観音。槙本の右クロスがこぼれ、いち早く反応した中村のミドルは北村がキャッチ。50分に観音はよく走った槙本と舩田真治(2年・広島ピジョンFC)をスイッチすると、52分にも佐々木、中村と繋ぎ、山口の左クロスから最後は中村がシュートを打ち切るも、北村が正面で冷静にキャッチ。まさにフィフティ。関東第一は小野と関口聖人(2年・フレンドリー)。観音は今野と手嶋一哉(3年・広島大河FC)。センターバックコンビを中心に、両ディフェンス陣の途切れない集中力。傾かないゲームリズムの秤。
55分のセットプレーは関東第一。小関が蹴り入れた左FKに、ファーへ突っ込んだ小野のへディングはゴール右へ。57分の観音は2枚替え。中村とセンターバックで奮闘した今野優利(2年・シーガル広島JY)を下げて、岡本大河(3年・シーガル広島JY)と原田涼平(3年・シーガル広島JY)をピッチヘ解き放つ勝負の采配を。58分は関東第一のチャンス。尻上がりにパフォーマンスの上がった山脇樺織(2年・東急SレイエスFC)が右から中へ付け、小関のヒールパスを佐藤が打ったミドルは枠を越えましたが、序盤こそミスの目立った1年生を「心と頭で持ち直したんだと思います」と評価したのは小野監督。いよいよゲームは残り10分とアディショナルタイムへ。
60分の関東第一は村井のドリブルで手にした左CK。佐藤のキックは少し大きく、そのままゴールキックに。61分も関東第一のセットプレー。左から小野が蹴った長いFKがこぼれ、小関が果敢にトライしたミドルは枠の右へ。64分はまたも関東第一にビッグチャンス。嶋林が左へ回し、村井のクロスはファーでフリーの重田にドンピシャも、頭に当てたシュートは枠の右へ。「決めてくれれば一番良かったですけど、とりあえず失点はゼロで攻撃陣を信じていた」と小野。終盤に来て上回り始めた関東第一のパワー。
押し込まれる時間の増えた観音も、66分に4人目の交替。佐々木とルーキーの塩﨑仁(1年・広島ピジョンFC)を入れ替えて、攻撃のパワー向上に着手すると、67分にはその塩﨑が縦に運び、山口を経由して岡本が左から中へ折り返すと、走り込んだ安野のシュートはDFをかすめてわずかに枠を越えましたが、1年生がいきなり決定機を演出。67分と70分にいずれも右から山口が蹴ったCKはシュートまで持ち込めず。アディショナルタイムの掲示は3分。180秒のラストバトル。
試合を決めたのは「ずっと自分が試合中に外していて、決めなきゃヤバいなと思っていた」ナンバー10。70+1分、左サイドで村井が粘って残し、嶋林は躊躇なくクロス。これをニアサイドで収めた篠原は「ボールをもらう前に中を見たら、ディフェンスが俺を狙いに来ているのがわかったので」、ワンタッチで縦に持ち出してマーカーを無効化。「1つ外したら相手が付いてこれなかったので、ゴールを見たら空いていた」右スミへ左足で打ち込んだシュートは、豪快にゴールネットを揺らします。土壇場での先制弾に応援席も沸騰しますが、「『よっしゃ!』と思って、篠原の方に行こうと思ったら足攣ってて、『アレッ?』てなりました」と小野も笑ったように、ゴール直後の篠原は両足が攣って起き上がることができず、小久保佳吾(2年・FC町田ゼルビアJY)と交替。「嬉しいですけど、ゴールを決めても攣って交替はカッコ悪いですよね」と本人は苦笑していたものの、殊勲の先制ゴールはそのまま決勝ゴールに。「みんなが今日はタフに最後までやったから、勝利に繋がったと思っています」と小野も話した関東第一が、2年ぶりとなる全国ベスト8へ勝ち上がる結果となりました。


初戦に続いて劇的な勝利を収めた関東第一が、次のラウンドで対峙するのは市立船橋。前述したように一昨年も昨年も夏の全国で敗退を突き付けられた相手であり、3年連続で顔を合わせることになりました。大会前から「イチフナとやる機会があるので、そこは絶対倒したいと思います」と話した嶋林を筆頭に、準々決勝で対戦する可能性のある市立船橋は間違いなくチーム全体が意識してきた相手。今年のメンバーの中で去年のゲームに唯一出場していた篠原も「本当に何もまったくできなくて、力の差を見せ付けられた」1年前を思い出しながら、「今回は1つでも通用するところを見せて、全員で一丸となって勝ちたいと思います」と意気込めば、キャプテンの小野は「リベンジって気持ちがみんな強いと思うんですけど、個人的には中学で一緒だった吉田歩未って選手がいるんですけど、アイツとは全国の舞台でやれたらいいねという話をして、それが実現するのでバチバチやりたいです」とこちらも既に臨戦態勢。言うまでもなく過去2回の敗戦を知る小野監督は、「たぶん持っているものがあって、使えるものの大きさがあるとしたら、イチフナとやることで、使えるものを大きくする経験にはなると思うんです。去年のインターハイは持っているものを使えなかったけど、自分たちの骨格と価値観は明らかに大きくなったから、そこは全国に行かないと経験できない所かなと思うんですよね」という言葉に続けて、「一番良いのは持っているものを使って、それが自分のキャパの大きさをグンと突き破ることなんですけど、もしかしたら自分の箱が大きくなる経験かなと思うので、この相手とやりたいというのがあったんです」とのこと。「『2度あることは3度ある』じゃなくて『3度目の正直』にしたいですね」とまったく同じフレーズを口にした小野と篠原。楽しみなクォーターファイナルは2日。ひとめぼれ宮城スタジアムです。     土屋

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0730megumino.JPG昨年度は全国ベスト4まで躍進した埼玉王者と、2年ぶりに夏の全国へ帰ってきた桜の戦士の対峙。昌平と日大藤沢が激突する2回戦はみやぎ生協めぐみのサッカー場Bグラウンドです。
針谷岳晃(磐田)と松本泰志(広島)の2枚看板を擁し、東福岡や静岡学園を相次いで倒して、4強まで辿り着いた昨年度に続き、再びインターハイの全国出場権を獲得した昌平。今シーズンは新人戦、関東大会予選と続けて埼玉を制すると、関東大会の本選でも堂々王座に。勢いそのままにインターハイ予選も優勝を勝ち獲っており、何と新チームになってトーナメントコンペティションは驚異の無敗継続中。「関東大会でも勝てる自信は付けたので、全国でも優勝を目指して頑張りたいと思います」と話したのは昨年の全国を1年生で経験した関根浩平(2年・栃木SC JY)。確かな自信を携えて、日本一を目指す大会の初戦へ向かいます。
怒涛の快進撃で選手権全国ベスト4まで駆け上がったのは3年前。昨シーズンはインターハイ予選、選手権予選と共に県予選のベスト16で敗退を突き付けられ、県リーグこそ頂点に立ったものの、プリンス関東参入戦ではまさに昌平に敗れて昇格を逃すなど、悔しい1年になった日大藤沢。迎えた今シーズンの関東大会予選は準々決勝で東海大相模にPK戦で敗れましたが、今大会の予選は平塚学園、法政二、座間と続いた難敵揃いの連戦をいずれも無失点で切り抜け、2年ぶりの全国へ。昨日の1回戦も一条を1-0とやはり完封で退けてこのステージまで。前述した通り、昇格を阻まれた相手に対し、「絶対リベンジしたい」(佐藤輝勝監督)一戦に挑みます。関東勢同士の対戦にもスタンドには1000人近い観衆が。注目の70分間は昌平のキックオフでスタートしました。


いきなりの決定機は昌平。3分に右サイドを持ち上がった高見勇太(3年・成立ゼブラFC)がクロスを上げると、ニアに飛び込んだ古川勇輝(2年・大宮アルディージャJY)のボレーはわずかにクロスバーを越えましたが、ビッグチャンスを創出。10分にも右から原田虹輝(2年・クラブ与野)がCKを蹴り込み、こぼれを拾った堀江貴大(2年・大宮アルディージャJY)のアーリークロスに、突っ込んだ関根はシュートまで持ち込めなかったものの、まずは昌平が攻勢に打って出ます。
ただ、「昌平の良さも上手さもわかっているけど、絶対に引かないと。ボールにどんどんアプローチに行って、どんどんプレッシャーを掛けて、足が止まっても行こうと」指揮官に送り出された日藤は、中盤でボールを奪ってからの縦へ速いアタックに切れ味が。20分には柏木純(3年・AZ FCエスペランサ)のパスから、比留間輝(2年・FC町田ゼルビアJY)が放ったシュートは、昌平のキャプテンマークを託された石井優輝(3年・C.A ALEGRE)が体でブロックしましたが、徐々に出てきた前への圧力。
21分にも小屋原尚希(3年・エスペランサJY)、中村翔輝(3年・BANFF横浜ベイ)と繋いだボールを、柏木が叩いたシュートは再び石井が体に当て、こぼれに飛び付いた柏木のボレーはオフェンスファウルを取られましたが、波状攻撃を披露。29分にも植村洋斗(1年・横浜F・マリノスJY)が絡んだ流れから、比留間のパスを梶山かえで(2年・横浜F・マリノスJY)が左へ流し、柏木のシュートは関根がブロックしたものの、エリア内まで侵入。直後に櫻井風我(2年・横浜F・マリノスJY追浜)が蹴り込んだ左CKは、ニアでDFのクリアに遭うも、「もうとにかく前半から飛ばそうと。後のことは考えちゃいけないと言っていた」という佐藤監督の言葉を体現する日藤が続けた手数。
ところが、先にスコアを動かしたのは「攻撃のバランスが良くなかったので、逆に言えば守備のバランスもうまくいかなかった」と藤島崇之監督も振り返った昌平。32分に原田、高見と回ったボールを渋屋航平(2年・FC LAVIDA)が繋ぐと、強引に反転した佐相壱成(3年・緑山SC)は右足一閃。左スミへ向かったボールは、絶妙のコースを辿ってゴールネットへ吸い込まれます。やや「ボールを動かすだけはという所になっちゃう」(藤島監督)中で、9番のストライカーが大仕事。昌平が1点のリードを手にして、最初の35分間は終了しました。


後半も先にチャンスを創ったのは昌平。40分に渋屋のパスを受けた原田は左へ流し、堀江を経由して古川が狙ったシュートはDFがブロックし、直後に山下勇希(3年・浦和レッズJY)が入れた左CKもDFにクリアされましたが、先に昌平が惜しいシーンを掴むと、佐藤監督は1人目の交替を決断。43分に前半から重心の低いドリブルでチャンスに絡んでいた桐蒼太(3年・FC町田ゼルビアJY)に替えて、ギブソン・マーロン(3年・ライオンズSC)をピッチヘ送り込み、攻撃力向上に着手します。
45分は日藤。櫻井のドリブルで獲得した右CKを中村が蹴ると、安松元気(3年・SCH FC)のヘディングは枠の左へ。48分も日藤。梶山が左FKを蹴り込むも、昌平のGK緑川光希(3年・FC古河)ががっちりキャッチ。49分も日藤。後方から安松が送った好フィードを、完璧なトラップで収めた柏木はフィニッシュまで持ち込むも、軌道はゴール左へ。「前半はさすがの1点を取られましたけど、自分たちの前でやられているので大丈夫だと。もう1回強気で後半取りに行くサッカーをしようと話した」と佐藤監督。貫く強気の姿勢。
53分は昌平。古川を起点に高見が右へ振ると、上がってきた右サイドバックの塩野碧斗(3年・1FC川越水上公園)のシュートは右のポストにハードヒット。54分は昌平に決定的なシーン。山下とのワンツーで中央を抜け出した古川がシュートを放つも、ここは日藤のGK竹内暢希(3年・SCH FC)がファインセーブで応酬しましたが、連続して引き寄せたビッグチャンス。日藤も安松が枠の上へ外したFKを挟む格好で、56分に2枚目のカードとして三田野慧(3年・エスペランサJY)、57分に3枚目のカードとして岩崎颯太(2年・FC.GIUSTI世田谷)を相次いで投入。一気に勝負へ出ます。
輝いたのは「自分が試合を変えるという自信があったので、『早く出してくれ』と思っていました」という替わったばかりの17番。58分に櫻井のパスを引き出したマーロンは、右サイドで粘って粘って懸命に左足でクロス。これを収めた三田野が鋭い反転から右足を振り抜くと、左スミへ向かったボールはポストの内側を叩いて、ゴールネットへ飛び込みます。「うずうずしていた三田野を途中から入れたんですけど(笑)、ちょっとやんちゃ過ぎる子で」と苦笑したのは佐藤監督ですが、続けて「センターフォワードってそういう子ですよね」とも。日藤がスコアを振り出しに引き戻しました。
瞬時の形勢逆転。同点から1分後の59分。前半から高い走力を見せていた中村が果敢なオーバーラップからクロスを上げると、下がりながらの対応となった昌平DFは体の向きをきちんと取れず、クリアは何と自らのゴールネットを揺らしてしまいます。「やっぱり後半になってあそこまでできるのは、普段からあの子が手を抜かないからだと思いますよ」と指揮官も信頼を寄せる中村の強いメンタルが呼び込んだオウンゴール。わずか2分の逆転劇。今度は日藤が1点のリードを奪いました。
「もう1回立て直そうという声は掛けたんですけど、1点取ってからの日藤の勢いは凄かったです」と緑川も話した昌平は、あっという間に追い掛ける展開に。60分には原田、古川とボールが回り、渋屋が狙ったミドルはDFをかすめて枠の右へ。直後に藤島監督も1人目の交替を。古川を下げて、森田翔(2年・栃木SC JY)をピッチヘ解き放ち、攻撃姿勢を一層鮮明に。67分には緑川のキックから佐相がFKを獲得するも、左から原田が入れたFKはDFがクリア。残された時間は5分弱とアディショナルタイムのみ。センターバックの竹繁颯音(3年・湘南ベルマーレU-15南足柄)と安松を中心に高い日藤守備陣の集中力。昌平にのしかかるビハインドの重圧。
70分は日藤に4人目の交替。よく走った比留間と菊地大智(3年・リトルジャンボSC)をスイッチして、取り掛かるゲームクローズ。70分は昌平。塩野のパスから山下が優しいアーリークロスを送り込むも、粘った佐相はシュートまで持ち込めず。逆に70+3分は日藤。中村は縦パスを出しながら、オフサイドポジションにいた味方が関与しない流れを見て、自ら走り続けてシュートを打ち切ると、飛び出した緑川も必死のセーブで3点目は許しませんでしたが、この時間帯での驚異的な中村のスプリントにどよめくスタンド。いよいよゲームはクライマックス。
ラストプレーは70+4分。塩野の突破で得た左CKも、日藤ディフェンスが跳ね返すと、めぐみ野の空に鳴り響いたファイナルホイッスル。ピッチ上に勝者と敗者のコントラストがくっきりと描かれます。ところが、主審が両キャプテンを呼び直して協議を始めると、何とドロップボールでゲーム再開という判断を。スタンドもざわつく中で主審が落としたボールを石井が拾い、山下が前を向くもシュートは打ち切れず、日藤ディフェンスが凌いだタイミングで、今度こそ本当にタイムアップのホイッスル。「ちょっと気を抜かれるシチュエーションではあったと思いますけど、正直前半から守備のリズムは凄く良かったですから」と佐藤監督も言及した日藤が、終盤のアクシデント的な一連も乗り切る力強さを見せ、3回戦へと勝ち上がる結果となりました。


「ペナルティに入るプレーはたぶん今まで見た中で高校ナンバーワンだと思っています」と佐藤監督も評した昌平に、2分間で2ゴールを奪って逆転勝利を引き寄せた日藤。指揮官も「相手の上手さを自分たちの一体感で、どうコレクティブに止めるかというのはできたんじゃないかなと思いますね」と守備面には確かな手応えを。加えて前半から「良い奪い方と良いチャンスメイクはできていた」(佐藤監督)上で、その勢いを後半まで持続していた中、勝負どころのタイミングで切った三田野というカードが当たったベンチの采配も見事だったのは言うまでもありません。「彼らは新チームのスタート時に、『県で優勝しよう』という一歩じゃなくて、『日本一になろう』と。これは凄く厳しい意志だったと思うんです。その意志の元の一歩ですし、彼らは彼らなりにこの試合が大一番ということを信じて、一歩を踏みしめてやったゲームなので、だからこその勝利だと思っていますから、それをまた次の3回戦にぶつけたいと思いますね」と佐藤監督。夏の宮城に、勢いに乗った感のある桜色の旋風が吹き荒れる可能性は決して小さくないかもしれません。       土屋


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0729megumino.JPG今年は宮城開催となった真夏の祭典はあいにくの雨模様でスタート。2年連続11回目の全国となる山形中央と、3年連続で東京を制した関東第一の激突は、みやぎ生協めぐみ野サッカー場Bグラウンドです。
昨シーズンはインターハイ、選手権と共に全国切符を勝ち獲った上に、県リーグも制して圧巻の県内3冠を達成した山形中央。貝山龍平(3年・山形FC JY)や中川和彦(3年・モンテディオ山形JY村山)、工藤万尋(3年・山形FC JY)を筆頭に全国経験者も残った今シーズンは、東北新人戦で敗れたものの青森山田と好ゲームを演じると、初挑戦のプリンス東北で強豪相手に経験値を積み上げ、今大会の予選でも準決勝で羽黒を2-0、決勝で日大山形を2-1で撃破し、2年続けて夏の全国へ。昨年は夏も冬も揃って初戦敗退を突き付けられただけに、まずは1勝を引き寄せるべくファーストマッチへ挑みます。
2年連続で出場した夏の全国では、初戦で市立船橋にスコア以上の完敗を喫したものの、その強烈な経験を糧にあと一歩が届かなかった選手権の東京代表の座をとうとう獲得。開幕戦では野洲を倒して冬の全国1勝を手にするなど、新たな歴史を築いた昨シーズンの関東第一。迎えた今シーズンはまず関東大会予選を制すると、準々決勝から登場したインターハイ予選でも東海大高輪台、國學院久我山と続いた難敵相手の2試合に、いずれも池田健太(2年・VIVAIO船橋)の決勝ゴールで1-0と競り勝ち、3年連続でインターハイの全国切符を。「自分たちは全国で戦えるチームを目指している」という村井柊斗(3年・FC多摩)の言葉を証明するためにも、非常に大事な初戦の80分間へ向かいます。降り続く雨の勢いは、試合直前になってより一層強いものに。楽しみな1回戦は山形中央のキックオフでスタートしました。


ファーストシュートは2分の関東第一。左サイドから村井が放ったボレーは枠の左へ外れましたが、9番のアタッカーがダイナミックなフィニッシュを。山形中央も9分にはFKのチャンス。右から水戸颯汰(3年・天童第一中)が蹴ったキックは、中央で関東第一のボランチ長谷部竣(3年・JSC CHIBA)が大きくクリア。お互いに1つずつアタックを繰り出し合います。
11分は関東第一。篠崎源太(2年・大宮アルディージャJY)が蹴り込んだ左CKは、山形中央のGK舟山奏(1年・ながいユナイテッドFC)がパンチングで弾き出し、小野凌弥(3年・Wings U-15)が残したボールを再び篠崎がクロスに変えるも、DFがクリア。15分は山形中央。右から吉田誉(3年・モンテディオ山形JY)が入れた右CKはこぼれ、拾った村上湧野(2年・モンテディオ山形JY村山)のクロスにやや関東第一ディフェンスがもたつくも、最後はGKの北村海チディ(2年・GRANDE FC)が何とかキャッチ。双方がセットプレーで窺う両ゴール前。
「ちょっと攻め急いじゃった部分はあったかなと思う」と小野貴裕監督も振り返った関東第一の決定機は16分。ボランチの小関陽生(2年・町田JFC)が左へ振り分け、篠崎は絶妙のグラウンダークロス。ここに走り込んだ池田のスライディングシュートは、しかしクロスバーを越えてしまい先制とはいかず。思わずベンチのスタッフも揃って頭を抱えます。
すると、以降は山形中央にゲームリズムが。18分の右FK、20分の左CKと共に水戸が蹴り入れたボールは、共に北村がきっちり処理したものの、22分にも左サイドバックの安藤成希(2年・モンテディオ山形JY村山)がシンブルに裏へ蹴り込み、走った吉田が抜け出し掛けると、ここは「自分から思い切り行けば相手もビビると思うから、思い切りやりました」という北村が果敢に飛び出し、タックルで危機回避。26分にも大場璃葵(3年・モンテディオ山形JY村山)が狙った25m弱の直接FKはカベにヒット。さらに27分にも、水戸の左FKに大場が合わせたシュートは北村が何とか掻き出し、キャプテンの茂木春輝(3年・東村山郡山辺中)が詰めるも北村が再びセーブ。「後ろの選手でしっかりコミュニケーションが取れていなかったから、ラインコントロールがうまくできなかった」とは北村。押し込む山形王者。
小野監督の決断は30分。早くも1人目の交替として、10番を背負う篠原友哉(3年・府ロクJY)を投入し、前線の村井を右サイドハーフへ、右サイドハーフの重田快(3年・バンデリージャ横浜)を左サイドハーフへスライドさせて、全体のバランス向上へ着手すると、31分には重田のドリブルで奪った左CKを小関が蹴り込み、こぼれを叩いた嶋林昂生(3年・町田JFC)のミドルはDFをかすめてわずかに枠の上へ。35分にも小関、重田と繋ぎ、長谷部のミドルはゴール右へ外れましたが、「篠原を入れて、1回前半立て直せましたね」とは小野監督。ペースの行き来した前半はスコアレスで35分間が終了しました。


やや膠着した立ち上がりとなった後半の手数は、山形中央のフィニッシュから。42分に右サイドを上がった村上がクロスを上げ、ルーズボールに反応した中川のミドルはクロスバーの上へ外れましたが、先にシュートを打ち切ると、直後には関東第一に2人目の交替。池田に替えて、小久保佳吾(2年・FC町田ゼルビアJY)を最前線に送り込み、篠原をボランチに置きつつ、小関は右サイドハーフへ、村井が再び中央へスライドして、押し出したい全体の推進力。
46分は関東第一の好アタック。重田と篠原が2回ワンツーを交わし、篠原のラストパスに走った小久保はシュートまで持ち込めませんでしたが、スムーズなパスワークでフィニッシュの一歩手前まで。47分はセットプレー。左から小関が蹴ったCKに、センターバックの関口聖人(2年・フレンドリー)が飛び込むも、当てたヘディングはゴール右へ。関東第一も反発力を打ち出します。
やり合う両者。48分は山形中央。安藤のパスを受けた中川はドリブルで運んで折り返すと、ニアで合わせた茂木のシュートは北村がファインセーブで応酬。51分も山形中央。大場の右クロスから、吉田が当てたシュートは北村が必死に弾き、ファーで詰めていた中川のシュートはわずかに枠の左へ。52分は関東第一。長谷部からパスを引き出した村井のミドルはクロスバーの上へ。直後も関東第一。小関が右からカットインしながらスルーパスを通し、ゴールライン際から村井が折り返すも、小関は残し切れず。お互いに変えられないスコアボードの数字。
57分は関東第一に3人目の交替。村井とルーキーの佐藤誠也(1年・VIVAIO船橋)をスイッチさせ、再び篠原が高い位置へ。60分は山形中央に最初の交替。茂木を下げて、小嶋克哉(2年・新庄FC)をピッチへ送り込む勝負の一手を。この時間帯は「思ったよりセカンドボールの拾い方で背負うのがうまかったので、巻き込まれちゃうという感じだった」と小野監督も口にしたように、中盤でことごとくセカンドを回収していた山形中央ペース。66分にはビッグチャンス。左から中川が丁寧に入れたクロスに、ニアへ突っ込んだ大場のシュートは、ここも「常に『最悪なことを想定しろ』って言われていて、失点してもそんなに慌ててやることはないかなと思ったので、押し込まれていてもそんなにヤバいとは思っていなかったです」という北村が、この日4つ目のファインセーブで仁王立ち。残された時間はアディショナルタイムを合わせても5分あまり。最終盤。勝負の時間帯。
68分の主役は「時計を見て、30分を超えていたので、ここで取るしかないなと思っていた」という3年生。右サイドで時間を創った小関が後ろに戻し、山脇樺織(2年・東急SレイエスFC)のアーリークロスが中に入ると、「たまたま自分の前に来た」と口にする重田は、「1回トラップして打とうと思ったんですけど、ボールが高くて振れないなと思ったので」、1つ溜めてから左足でフィニッシュ。ボールはゴールネットへ吸い込まれます。「嬉しさが爆発しちゃって、応援席のメンバーもこの雨の中でずっと声を出してくれていたので、決めたら行ってあげようと思っていた」という重田は応援団の元へ一直線。PK戦目前の土壇場で関東第一が先制点をもぎ取りました。
得点が入るや否や、ボランチを長谷部から宮林庸太(2年・FCトリプレッタJY)にスイッチして、関東第一が取り掛かるゲームクローズ。山形中央も最後の力を振り絞って総攻撃。70+2分に吉田が投げ込んだ左ロングスローを貝山が収めるも、シュートには至らず。70+3分にも吉田の右ロングスローから、山口龍之介(2年・天童第二中)が粘って残すも、関東第一ディフェンスも粘って打たせず。70+4分にも右から吉田がCKを蹴り込み、DFのクリアを中川がダイレクトで叩いたシュートが枠の左へ外れると、これがこのゲームのファイナルシュート。最後は「みんなで守り切ったという感じ」(重田)の関東第一がウノゼロ達成。2回戦へと駒を進める結果となりました。


MVP級の活躍を見せた北村のプレーは圧巻でした。ファインセーブの連発はわかりやすい好パフォーマンスですが、特筆すべきはキックの正確さと飛距離。「地面のことを考えて、スリッピーだからどういうパスを出した方がいいかとか、そういう所を意識しながらやりました」と本人も話したように、繋ぐ時と蹴り出す時の使い分けも正確。攻撃の起点としても確実に機能していた印象です。また、ロングボールやロングスローで押し込まれた終盤では昨年度の選手権で得た教訓も。「正智深谷のゲームは、自分が失点した後にあまり声を出せなくて、そこからどんどん押されちゃったので、そこで押されていても自分から声を出せるように意識してやりました」と北村。終盤の2失点でまさかの逆転負けを喫したゲームの再現を防いだ裏には、北村の"声"という影響もあったのは間違いありません。「次もゼロで押さえて、前が取ってくれるのを待つだけなので、一戦一戦全力で戦えるように頑張りたいです」という守護神の躍動が、2回戦の神村学園戦でも非常に楽しみです。       土屋

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