J1第2節 大宮×広島@NACK5

  • 2011年07月04日 02:44
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201107040233000[1]NACK.jpg今シーズンのJリーグ七不思議に入って来そうなトピックスは“ホーム未勝利の大宮”。4勝6分け3敗の10位と、数字だけ見れば決して引っ掛かることのない成績にもかかわらず、ホームに限ってみれば3分け3敗という現状。サポーターのためにも、そろそろ勝ち点3という歓喜をNACK5にもたらしたい所です。
対する広島は、前節のG大阪戦で打ち合った末に5-3で敗北。今日の一戦を「美しさではなく、どうしても3ポイントを取りに行くゲーム」(広島・ペトロヴィッチ監督)と位置付け、リアリスティックに勝ち点を拾う意識を、ある程度選手に徹底させた様子。そしてゲームは、そんな広島の意図が色濃く反映された展開になっていきます。
4分、石原が置いたボールをイ・チョンスがミドル。7分、東、石原と繋いでイ・チョンスがミドル。9分、石原が粘って残し、上田がミドル。12分、ラファエルが右へ展開すると、受けた東の左足アーリークロスに、ラファエルが頭から飛び込むも西川キャッチ。13分、村上の左クロスを森崎和幸がクリアし損ねたボールは、あわやオウンゴール。15分、上田の右CKはエリア外で待つ村上に渡り、ワントラップからのシュートはDFがブロック。17分、右サイドから上田が上げたクロスに、ラファエルが合わせたヘディングは枠外。ラファエルのパートナーには石原を起用し、イ・チョンスを左SHに回す「攻撃的なチームには攻撃で上回らなくてはいけない」という指揮官の言葉通りに、大宮が圧倒的に攻め立てます。特にここまで名前がよく出てきていることからもわかるように、今シーズン2試合目のスタメンとなった石原が積極的にボールを引き出し、チームにいいリズムを生み出していました。
一方の広島は20分、森崎和幸の鋭いタックルから李が左へ回し、ムジリが無理矢理打ったミドルがファーストシュート。「前の3枚が攻撃の所で早くボールを失うシーンが多かった」というペトロヴィッチ監督の言葉も確かにその通りですが、そもそもチームとして勝負させていたポイントは基本的にミキッチの右サイドくらい。3バックの中央を務める森崎和幸も「サイドでボールを持たれても、最後の所は体を張ろうと思っていた」と話しています。
こうなるとボールを保持している時間は長いものの、相対的な意味で“持たされている”ような大宮は「前半はミドルシュートが多いので、決定的な所まで行けていない」と鈴木淳監督も話したように、広島のブロックを切り崩すような仕掛けに乏しく、かなりゲームは膠着状態に。35分にはイ・チョンスが巧みなステップで左サイドをえぐり、折り返したボールをラファエルがフィニッシュへ持ち込むも、枠を捉えられなかったシーン以外は、ほとんどチャンスらしいチャンスも創れないまま、前半終了のホイッスルを聞くことに。「前半で点を取られたら負けると思っていた」(森崎和幸)広島からすれば、納得のスコアレスで45分間を終わらせることになりました。
ハーフタイムを挟み、迎えた後半のファーストチャンスを結果へ結び付けたのは広島。49分、3対3のカウンターに対して、やや淡泊な大宮ディフェンスの対応から得たCK。森崎浩司の蹴ったボールに、マーカーを完全に外して頭を振ったのは盛田。元ストライカーのJ1通算3ゴール目は、チームのプランを考えてもかなり大きく、かなり重要な一撃。チーム3本目のシュートで、広島がスコアを動かしました。
さて、最初の被決定機で先制を許してしまった大宮。失点直後は少し押し込まれたものの、56分にカウンターから東、シュートを打ち切れなかったイ・チョンス、村上と繋がり、最後は石原がバーの上へ外したとはいえ、惜しいシーンを創出すると、再び攻勢に。57分にも石原とラファエルで回すと、DFが触ったボールを東が枠へ飛ばし、西川のセーブに阻まれますが、スタジアムを沸かせます。
すると61分、キム・ヨングォンに当たったような形のボールは、前線にいたラファエルの元へ。スルーパスに石原が抜け出すと、飛び出した西川と接触して転倒。西村雄一主審はPKを指示します。絶好の同点機に、キッカーはラファエル。ゆっくりとした助走から左へ蹴られたボールは、しかし完璧に読み切った西川が完璧なセーブ。「みんなに迷惑かけたくない気持ちが強かった」という守護神のビッグプレーが飛び出し、ゴールを許しません。
以降も構図は変わらず、「DF3人とGKも含めて、後ろだけでも我慢しようと話していた」(森崎和幸)広島は、最後の局面一歩手前でしっかりチャンスの芽を潰す意志統一を見せ、危ないシーンもそれほどありません。71分には広島の最終ラインで信じられないパスミスが発生しましたが、石原はシュートを打つまでにもたついてしまい、枠へ飛ばせず。
79分には青木に替わって藤本、84分にはイ・チョンスに替わって渡邉と、選手も入れ替えながら、なんとか1点を返そうと大宮が前掛かりになる中、「守備でしっかり全員が集中して戦った」(ペトロヴィッチ監督)広島の堅陣は揺るがず。90分に追加された4分も潰し切ったアウェイチームが、「我々は決して相手よりベターではなかった」と指揮官も認める中、粘り強く勝ち点3を持ち帰る結果となりました。
敗れた大宮からすれば、「選手がよく頑張ってくれて、非常に良いゲームができた」という鈴木監督の言葉にも頷けるような内容だったと思います。ただ、シュート数も17対5と圧倒し、ボールも長く保持しながら、手元に残った勝ち点はゼロ。振り返ればラファエルのPK失敗よりも、前半にあった決定機逸が最後まで響きました。
勝った広島は、「決して良い勝ちであるとは思っていない」とペトロヴィッチ監督は話しましたが、おそらく今日のプランから考えれば、パーフェクトに近い勝ち点3奪取。完封の立役者と言っていい森崎和幸は「この時期は運動量も上がらないが、こういう勝ち方もしていければ、涼しくなった時にパスサッカーもできると思う」と長いスパンで考えた際に、この勝利が持つ意味の捉え方を披露。夏の戦い方という面では、単にいい悪いということではなく、非常に興味深い内容と結果のゲームだったと思います。  元・AD土屋

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