J2第11節 湘南×愛媛@平塚

  • 2011年05月09日 08:07
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201105090752000[1]hira.jpg2勝1分け1敗の3位。ある程度スタートダッシュに成功した感のある湘南ですが、ここ2試合は共に無得点。反町康治監督もシステムを4-2-3-1から、開幕戦以来となる巻佑樹と佐々木竜太の2トップを敷いた4-4-2へシフトして、ゴールを強く意識した布陣でゲームに臨みます。一方の愛媛は、2連勝の後で現在は2連敗中。ただ、前節の千葉戦もやや不可解な判定で退場者を出してから、終盤に勝ち越しを許す展開。チームとしての戦い方がハッキリしている好チームなのは間違いありません。平塚の気温は26.1度。まるで初夏を思わせるような快晴の中、キックオフを迎えました。
ゲームはかなりスローペースな立ち上がり。11分。ルーズボールを拾った石神直哉が無回転ミドルを枠へ飛ばし、愛媛GK川北裕介が弾き出したのが両チーム通じて最初のシュート。全体的には少し湘南の方が比率として攻撃の時間が長かったものの、主導権を取り切るところまでは至りません。わずかに湘南が攻勢に出ていたのは、やはりアジエルの存在。彼がボールを持った時には周囲もスイッチが入り、前へと飛び出す人数も多くなっていくのは間違いないでしょう。逆に愛媛はそのスイッチを入れる選手がなかなか見つからず、「体力的にも前から行けず、中途半端な形になった分、押し込まれた」(渡邊一仁)部分があり、その差が湘南攻勢の要因だったと思います。
25分、そのアジエルがFKを短く出し、永木亮太のリターンを受けると、DFラインの裏へ絶妙のロブ。佐々木竜太はわずかに届かず、シュートは打てませんでしたが、10番が愛媛に脅威を突き付けます。とはいえ、強みが弱みに変わるのもサッカーの面白い所。33分、愛媛のカウンター。高杉からボールを受けた渡邊は「アジエルが守備をあまりしないのはわかっていたので、ボールを奪ったらそのスペースを突ける」とやや中央左寄りをフリーで運ぶと、浮き球の勝負パス。このボールが「どうしても押し込まれるので我慢しようと思っていた。形は狙い通り」という内田健太に届きます。GK西部洋平の位置取りがうまく、「思い切り打つか、浮かすか、ちょっと迷った」内田は前者を選択し、豪快に枠を外してしまいましたが、劣勢の中で浴びせた一太刀。そして、これは両チーム通じて前半唯一の決定機。「前半は相手にスペースを与えたものの、そんなにクリティカルなチャンスは与えなかったと思う」とはバルバリッチ監督。シュート数も湘南の2に対して、愛媛は3。かなり膠着した展開で、最初の45分は推移しました。
後半はスタートから湘南に動き。佐々木を下げて、ルーキーの高山薫を前線に送り込みます。すると49分、アジエル、ハン・グギョンと繋いだボールを左サイドの深い位置で受けた高山は、華麗なシザーズで縦に抜け出しクロス。GK川北が何とか抑えたものの、「左右のスペースに走って、ペナの横から基点になれ」という指揮官の指示を早速実行してみせます。そんな高山が主役の座に躍り出たのは59分。自陣左サイドでボールを奪った湘南は、坂本がシンプルにはたくと、前を向いたアジエルはフリー。全力で裏へ走り出した高山のスピードを、最大限に生かしたシルクパスがフワリ。高山対川北。勝ったのは高山。「予想以上に嬉しかった」というルーキーのプロ初ゴールを、なんと8人がゴール裏まで走って祝福。反町監督も「あそこで決めないのが高山で、決めちゃったら高山じゃない」と笑顔。湘南が先手を取りました。この失点に対して、バルバリッチ監督は「ボランチが2人とも前に出てしまい、そこを突かれて失点してしまった」と会見で2度も言及。これには当のボランチを務める渡邊も「確かにそれは監督から言われてる。体力的なモノから来る集中の欠如だったかもしれない」と認めています。バルバリッチ監督からすれば、かなり悔しい失点だったようです。
追い掛ける格好となった愛媛は、失点の直前に内田を下げてジョジマールを投入していましたが、「期待していた程の効果は得られなかった」(バルバリッチ監督)ために、なかなかチャンスを創り切れません。77分には赤井秀一、杉浦恭平と続けて決定的なシュートを放つも、共に西部がファインセーブ。スコアは動かず、時間が経過していきます。愛媛2枚目のカードは78分。杉浦に替えて福田健二。そして、この交替がさらなるドラマを巻き起こすことになりました。
前述したようにジョジマールがうまくゲームの流れに乗れず、攻め手を欠いていた愛媛。ところが、この交替で「フクさんが入って、前に簡単に入れるってハッキリした」と渡邊。長いボールが増える中、「3連戦の最後のゲームで、気温が上がってきてというのはあった」(反町監督)からか、湘南は全体的にラインが下がり、受けるような時間が続いてしまいます。そして迎えた87分、「フクさんには練習から前に蹴れって口酸っぱく言われてた」渡邊が正確なフィード。受けた福田は「僕もその部分は自信を持ってる」と、胸で正確なポストプレー。1人、2人、3人。左から右へキックフェイントでスライドしながら3人を振り切った齋藤学は、冷静に左スミへ転がすフィニッシュ。「1人の力で試合の流れを変えることができる」とバルバリッチ監督も称賛する、新エースがもたらした歓喜。両者が勝ち点1を分け合って、ゲームは終了しました。
愛媛は「ケガ人が多くて、非常に編成が難しかった」(バルバリッチ監督)中でも、コレクティブな戦い方が印象的でした。選手に話を聞いていても、相手の特徴とそれへの対策がよく整理されていることがわかります。これで3試合勝利からは見放されていますが、キッカケ次第では上位に食い込んできても不思議はないでしょう。
湘南もこれで3試合勝ちなし。「思い切りの悪さがチームに閉塞感を与えている所がある」と反町監督が話したように、90分間で放ったシュートはわずかに5本。本数が多ければいいという訳ではないにしても、「ピッチの最後の3分の1に入った時の潔さ」(反町監督)は課題として残りました。失点はリーグ最少をキープしているだけに、あとは攻撃陣の爆発が待たれる所です。   AD土屋

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