J2第35節 千葉×北九州@フクアリ

  • 2010年11月21日 08:25
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前々節に柏が、前節に甲府が、それぞれJ1昇格を決めたため、残された切符はわずかに1枚。3位の福岡を5ポイント差で追い掛ける4位の千葉からすれば、江尻篤彦監督が今シーズン限りで退任することが既にクラブから発表されており、「残り4試合 エジさんを漢にしよう」とサポーターがゴール裏に掲げた横断幕と同じ気持ちを、選手も持っているはずです。一方の北九州も、地域リーグ時代から指揮を執っていた与那城ジョージ監督の、今シーズン限りでの退任が決定。何とか30にまで伸びてしまったリーグ戦連続未勝利という不名誉な記憶を断ち切りたいという気持ちは大きいはず。共に黄色をイメージカラーに持つチーム同士のナイトゲームは、北九州のキックオフでその幕を開けました。開始直後の18秒、右サイドから太田圭輔が入れたクロスを青木孝太がワンタッチで落とし、佐藤勇人がわずかに枠を外れるシュートをいきなり放ったのは、千葉の覚悟の現れ。5分、太田のアーリークロスに青木孝太が頭で合わせたボールは、北九州GK水原大樹がキャッチ。8分、佐藤勇人の左アーリークロスは、谷澤達也にドンピシャもヘディングはバーの上へ。「立ち上がりに物凄い勢いで来られて、マークのズレが凄いあった」と与那城監督が振り返り、「サイドからのクロスにマークが甘くなるのは予想通り」とは7月25日の柏戦以来、久々のスタメンとなった中後雅喜。すると、やはり先制ゴールもサイドアタック。9分、左サイドで工藤浩平とのパス交換からアレックスが上げたクロスに、飛び込んだ谷澤がヘディングで一刺し。「思うようにいい形で攻撃できた」(佐藤勇人)千葉が、狙い通りにリードを奪ってみせます。流れは完全に千葉。それまでを見ても、大量点が入る一方的なゲームになってもおかしくない展開だったと思いますが、14分に宮川大輔が強引にミドルを放ち、北九州にもシュートが記録されたのを境に、風向きが変化していきます。その要因として考えられるのは2つ。1つは、左のSHに入っていた関光博がポジションに捉われず、幅広い動きから積極的にFKを含む7本ものシュートを放っていったこと。もう1つは、「CBが2枚引いててカバーがない状態だったので割とうまく受けられた」と話したFWの中嶋雄大が、バイタルに潜ってボールをよく収めたこと。41分には千葉も谷澤がバックステップから無回転ミドルを枠内へ飛ばし、水原のファインセーブに阻まれるシーンを創りますが、終わってみれば共に9本ずつのシュートを記録するなど、序盤の一方的な展開から、「シュートで終わられることが多く、リズムを取られた」と佐藤勇人も認めたように、最後はほとんど互角と言っていいような展開に変容したゲームは、千葉が1点をリードして45分間が終了しました。後半もサイドを使う形で千葉にチャンス。47分、佐藤勇人の右クロスに谷澤がヘディングを放つも、水原がキャッチ。58分には坂本が右サイドから左足で上げたクロスに、飛び込んだ青木孝太のヘディングも水原がキャッチ。「2点目がなかなか取れない」(佐藤勇人)時間が長くなっていきます。対する北九州は、CBに入った長野聡が「今日は後ろから自信持って回せた」と話したように、少しずつショートパスを繋ぎながらアタックに出るシーンも見られ、いいリズムの中でゲームを進めていくと、73分に結実。左サイドを上がってきたSBの冨士祐樹が、大島のパスをダイレクトではたき、中嶋もダイレクトで巧みに落とすと、冨士が右足を振り抜いたボールはゴール左スミへ吸い込まれます。「無我夢中であんまりよく覚えていない」という冨士は、これが5年ぶりとなるJリーグ2ゴール目。アシストの中嶋も「まさか右足で決めるとは」と驚いたレフティの一発で、北九州が力強く追い付きました。さて、千葉からしてみれば少しずつリズムを手放してしまった上に、失点まで喫する最悪のシナリオに。江尻監督も、77分にはボランチの中後を下げてネットを投入。前に人数を掛けますが、焦りからかなかなか形を創り出せません。最終盤の84分にも青木孝太と林丈統をスイッチして、前へのパワーを増強したものの、シュートが遠い千葉。その間にも時計の針は無情なまでに進み続け、サポーターの声も悲鳴混じりに。88分には佐野裕哉のCKから、大島のヘディングは枠の右側へ。90分、関、佐野と繋いで、大島のシュートはバーの上へ。92分、中嶋、関と繋いで途中出場の長谷川太郎が放ったシュートもバーの上へ。「90分間ハードワークしてくれていい試合ができた」と与那城監督も目を細めた北九州が、2点目を取ったとしても何らおかしくないような流れの中、しかし最後に輝いたのは「引き分けじゃダメなんだと、ずっと言いながらプレーしていた」という闘将でした。93分のほとんどラストプレー。右サイドから工藤が左足で放り込んだボールは、北九州DF必死のクリアも小さくなります。すると、そこに走り込んだ佐藤勇人が左足一閃。難しいボレーで狙ったシュートは、左のポストを叩いて、内側へ跳ねると、転がり込んだのはゴールの中。「最後まで勝ち点3しか考えていない」という7番が土壇場で2試合続けてチームを救う決勝ゴール。千葉生還。奇跡の逆転昇格に向けて、わずかな望みを繋げる劇的な勝利を収めました。忘れてはいけないのは北九州の健闘。「いい内容で試合を終われたことは非常によかったなと思う」と与那城監督も話したように、50人前後で大きな声量を最後までキープし続けたサポーターと共に強く印象に残る、とても30試合も勝ちがないとは思えない、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。「サポーターと選手の意地が最後に出た」(江尻監督)千葉。最悪に近いタイミングで発表された指揮官の退任を受け、奮起した選手たちが最後の最後で諦めない姿勢を結果に繋げてみせました。果たして今日呼び込んだ奇跡が、さらなる奇跡を引き寄せるのか。泣いても笑っても、残された時間はあと270分です。    AD土屋




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コメント

comment # 1

クラブのレジェンドが監督をするという事は諸刃の剣なんだなぁと思って今年千葉を見ていましたが、名古屋の様にはうまくいきませんでしたね。ただ、この試合はサポの横断幕なのかテレビで観戦をしていて決勝点の勇人のシュートには何かの力が宿っている感じがしました。

あのコースはドラマチックすぎますね。あと4試合でこんな魂のこもったゴールが福岡・千葉の多く決まった方が昇格するのかもしれませんね。

投稿者 blomqvist : 2010年11月22日 10:16

comment # 2

>blomqvistさん
フクアリってちょっと雰囲気が独特ですよね。
それこそ2008年の最終戦もそうでしたし、
何かの力が宿っているとしか思えないようなことが、よく起こる印象があります。
私は今年の千葉は佐藤勇人で持っていたように感じました。
周囲のメンバーが変わっていく中で、彼がシーズン通じて披露したパフォーマンスは
そうとう高かったと思います。

投稿者 AD土屋 : 2010年12月21日 19:00

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