J1第10節 湘南×神戸@平塚

  • 2010年05月05日 22:42
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順位で見ると17位と18位の対決ですが、残留圏内とのポイント差を考えると、共に勝利すれば中位までのジャンプアップが見込める状況。時期的にまだまだアタフタするようなタイミングではないとは言え、それでも中断期間までには降格圏を脱しておきたいところでしょう。前節、強豪川崎相手に1-2とリードしながら、退場者を出して逆転負けを喫した湘南。ジャーンとアジエルを負傷で欠き、ハン・グギョンもベンチスタートとなったために、純国産の11人がスタメンに名前を連ねます。対する神戸は小林と河本の出場停止を受けて、宮本が今シーズン初出場。最終ラインには右から石櫃、北本、宮本、茂木と新鮮な顔触れが並びました。さて、反町康治、三浦俊也と、いわゆる“策士”系の指揮官対決とあって、共にいつもとは異なる布陣を選択。まず神戸は大久保が左の中盤に入り、都倉の1トップでその下にボッティが入る形の4-2-3-1でスタート。するといきなり3分で先制ゴール。大久保から左サイドでパスを受けたボッティは早めに中へ。都倉は胸トラップで収め、すかさず左足を振り抜くと豪快に揺れるネット。これには湘南の村松も「もう1つ持ち出すと思った」と脱帽の体。以降も「(大久保)嘉人さんとボッティでタメができて、前を向いてプレーできるシーンが多かった」と都倉が話したように、普段はロングボールばかりに終始してしまう形が多い中、ある程度ビルドアップに時間を割いてから都倉へ、という形も見られ、落ち着いてゲームを進めていきます。一方の湘南は「最初は後ろを3枚でやった」と反町監督も言及したように、右から島村毅、山口貴弘、村松を最終ラインに配した3-4-3がスタートの配置ですが、守備時には「ペナでは逆サイドのSHはかなり絞る」(村松)ことも考慮すると、左WBの小澤雄希がほぼ最終ラインに入り、寺川も中央をカバーするような4-3-3に近い形に。ただ、都倉とボッティをどうケアするのかのコンセンサスが取り切れず、「3人で1人を見るのはちょっとよくない」(村松)「1トップに3バックというのは気になった」(山口)とDFラインは感じていたものの、ハッキリしない対応が続きます。さらに、重心が後ろ残りになったことで、3トップと中盤の距離も遠く、厚みのある攻撃が繰り出せず、6分に寺川のFKから阿部が左ポストに直撃するシュートを放って以降はチャンスも創れなくなっていきます。20分以降はかなり膠着した時間の長い展開。となれば、やはりゲームを動かすのはセットプレー。36分、寺川のCKに走り込んだ山口はほとんどフリーでヘディング。前述した阿部のシュート以降、初めての枠内シュートをしっかり成果に結び付けた湘南が同点に追い付きます。しかし、そのわずか5分後には湘南の守備に綻び。何でもないロングボールに島村と山口の応対が鈍く、中途半端になったGKへのバックパスを、走り込んだ都倉がGKの位置をよく見て絶妙のループ。「(島村と山口の)2人がちょっと近くてアンバランスな所があったので、後半から変えようと思っていた。あそこでもうちょっと整理していれば」と反町監督はディテールを悔やみましたが、少し掴み始めていたリズムをみすみす逃すような、ハッキリ言って凡ミスで、またも神戸がリードして前半は終了しました。後半は開始から動いた反町監督。永田を下げてハン・グギョンを投入し、明確にいつもの4-3-3へシフトチェンジします。そんな中、この効果が現れるかどうかの判断も付ききらない49分、神戸に試合を決めるチャンスが。ボッティのシュートは村松が体を張ってブロックしたものの、こぼれに走り込んだ松岡は「いつもはドカーンと蹴っちゃうのに」(三浦監督)、冷静にフリーの都倉へパス。左足一閃、直後に響いたのは金属音。強烈なシュートはクロスバーを直撃、点差は変わりません。すると、やはり普段の布陣に戻したこと、そしてハン・グギョンが48分、51分とシュートを打ち切ったように、「腰の引けたサッカーをするな」という指揮官の喝が効いたのか、湘南は前へのパワーが少しずつ湧き出していきます。展開自体もだいぶオープンになり、小澤、茂木と両チームの左SBが見せるオーバーラップも目立つようになるなど、ある程度攻め合う中、三浦監督は64分にボッティを下げ、吉田を入れて前から掛けるプレスの圧力を強化。反町監督は70分に三平和司、75分に中村を送り込み、勝負に出ます。この交替策が奏功したのは湘南。79分、相手のボールをうまく奪った村松はそのままスルスルとドリブルで持ち上がり、左へ。「(中村)祐也が手前に、三平が奥に見えたので間に通せば面白いかなと」阿部が上げたクロスは、奥の三平へ到達。「パスが強く、自分も勢いよく入り過ぎてしまった」と三平。「ダイレクトで打つと思ったのにトラップしたから「あっ!」と思った(笑)」と阿部。三平はトラップから、迫られたDFよりわずかに早く左足を振り抜くと、バウンドしたボールはゆっくりとゴール右スミへ。昨年、一昨年も特別指定でリーグ戦出場を果たし、ゴールも記録している“ルーキー”の挙げた同点弾が、「出場停止とケガで非常に厳しい」(反町監督)状況のチームに勝ち点1をもたらす格好となりました。「ウチにも3点目を取るチャンスはあった」(茂木)「いい流れの中でもう1点取れなかった」(都倉)と両者が話したように、突き放すチャンスをモノにできなかったことで「後悔の残る勝ち点2を失ったゲーム」(三浦監督)になってしまった神戸。都倉がかなりJ1のスピードにアジャストして結果を出し始めているのは好材料ですが、その都倉と大久保の運動量が落ちると、途端に攻撃の迫力が低下するのは否めません。また、守備面も「せっかく2点取っても守り切れないのではレベルアップが必要」と三浦監督が語ったように、失点は増加傾向。浮上のキッカケを掴むにはもう少し時間が掛かりそうです。「後半はエネルギッシュなプレーができたと思う」と反町監督が振り返った湘南は、後半から投入されたハン・グギョン、三平、中村がいずれも流れを変える働きを見せ、総力戦とも言えるゲームで勝ち点を奪い取ったのは大きな収穫ではないでしょうか。あとは、前述したような3バックと1トップのミスマッチを、選手間でどう対応していけるか。日頃から反町監督が求めている“自主性”の表出が、チーム力をもうワンランク押し上げるファクターになるはずです。    AD土屋




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