高校選手権準決勝 関西大第一×青森山田@聖地国立

  • 2010年01月10日 00:16
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3回戦では市原臨海でホーム八千代を撃破。準々決勝も王国静岡の復権を目指した藤枝明誠に大勝。豊富な運動量で走り勝ってきた関西大第一。超高校級のドイスボランチ、椎名伸志(3年・U-18日本代表・札幌ジュニアFC)と柴崎岳(2年・U-18日本代表・青森山田中)を擁し、個々の高い技術をベースに勝利を重ねた青森山田。第2試合は大会を大いに沸かせてきた2校の対戦となりました。2分に梅鉢貴秀(2年・高槻如是FC)のCKをキャプテン小谷祐喜(3年・C大阪U-15)が左ポストに当てるヘディング、6分には関大DF陣の連携ミスから柴崎の枠内ミドル、と開始早々にチャンスを創りあって始まったゲームは、お互いに攻め合う展開に。さらに13分には遠藤竜史(3年・青森山田中)の右クロスを柴崎が冷静な胸トラップから落として、野間涼太(3年・ヴィヴァイオ船橋SC)のシュートは、関大GK樫根啓人(2年・SS.SAKURA)が辛うじてセーブ。16分、梅鉢の縦パスで抜け出した濱野友旗(2年・京都醍醐FC)のシュートは青森山田GK櫛引政敏(2年・ナショナルトレセン・青森山田中)が弾き出し、直後のCKから久保綾祐(3年・G大阪門真JY)の決定機も櫛引がファインセーブ。やりあいます。ほぼ互角の流れの中、ゲームが動いたのは30分。右サイドで仕掛けた成田鷹晃(2年・むつ田名部中)のドリブルに、小谷のタックルはPKのジャッジ。野間がキッチリ沈めて、青森山田が先制します。さらに39分、中盤でパスカットした椎名がドリブルからスルーパス、DFに当たった跳ね返りを、瞬時の判断で超絶ループ。負傷から復帰したばかりのキャプテンが決めたスーペルゴラッソ。先制の前後から「ボールをどんどん越えていくサッカー」(青森山田・黒田剛監督)が、より機能し始めた青森山田が2点をリードしてハーフタイムに入りました。後半も流れは変わらず。51分には左SBの中島龍基(3年・U-17日本代表・室蘭向陽中)が成田とのワンツーから、エリア内でDFを一人かわしてシュートは枠外へ。58分、柴崎の最高級クロスを野間はミートできず。相変わらずチャンスを生み出し続けます。ただ、「3点目を取るチャンスはあった」(黒田監督)中で、なかなか決めきれない青森山田。徐々に「いい攻撃で終われず、ボールの失い方が悪い」(黒田監督)状況に陥ります。すると65分は関大、梅鉢の正確な左クロスに、走り込んだ浅井哲平(2年・川上FC)のダイビングヘッドはわずかに枠の右へ。しかし、この後半ファーストシュートは、“月まで走れ”ておなじみ関大反撃の狼煙。67分、梅鉢のCKは小島悠司(3年・京都FC長岡京)の惜しいヘディングを誘発。「自分たちの足が止まってしまった(椎名)青森山田に、「後半の後半に相手は絶対スタミナが落ちてくる」(久保)「ラスト20分が勝負。この時間帯で行くしかない」(井村一貴・2年・関西大第一中)と関大が襲い掛かります。流れは関大、高い経験値で凌ぐ青森山田。それでも83分に、青森山田も野間が決定機を外してしまうと、その時はやってきます。もはや追加タイム目前の89分、左サイドを横川玄(3年・高田FC)が久保とのワンツーで崩して中へ、こぼれにいち早く反応した久保は「諦めてなかったんで無心でいつもの“感覚”で」、反転から強烈な左足のシュートを右スミへ突き刺します。1点差。91分、GK樫根のFK、こぼれを浅井がシュート、DFブロック、こぼれを井村がシュート、ボールは糸を引くようにゴール左スミへ。「せめて1点でも返してくれればと思っていた」佐野友章監督の想像をも上回る執念の同点劇。「僕らは気持ちで戦っている」(小谷)関大生還。試合終了。決勝進出の切符はPK戦へと委ねられることになりました。関大へ傾きかけた勝利の天秤。ここで凄まじい集中力を発揮したのは、青森山田GK櫛引。「インターハイの神村学園とのPK戦で、すべて逆を突かれて1本も取れずに負けた。それからはPK練習も十分してきた」(黒田監督)という櫛引は、関大の1人目と2人目を連続セーブ。対する関大GK樫根も2人目をセーブ。決めれば勝利の先攻、青森山田5人目がポストに弾かれるも、関大5人目を「自分が止めればいい話」と櫛引渾身のビッグセーブ。「改めてサッカーの怖さを知った」と黒田監督。まさかの同点劇にも、紙一重で気持ちを切らさなかった青森山田が同校、そして青森県勢として初の決勝戦へ駒を進めました。驚異的な粘りで90分間では負けることのなかった関大。「スタッフもウチのチームがなぜここにいるのかわからんと。選手たちもなかなか信じられなかったし、何がいいのかよくわからない」と佐野友章監督は話しましたが、毎日5km走ってきたことで培われたフィジカルの強さは、大会参加校の中でも屈指。とりわけこのゲームでも見せてくれた終盤まで持続する運動量は、「あんなチームとはほとんど対戦したことがない。すべてが素晴らしく、個々の力が違いすぎた」と佐野監督が評した青森山田をあれほどまで追い詰めた最大の要因でしょう。仮にサッカーが100分間で争われる競技だったら、関大が勝っていた可能性は十分あったと思います。最後に猛攻を見せた時間帯について聞かれた佐野監督は「何だったんでしょうねえ」と首を傾げ、国立の感触を聞かれた久保は「プレーしている間は夢のようで、ゴールを決めてから現実に戻った感じ。数分間だったから現実が短過ぎましたね」と報道陣を笑わせる話術も。「ここまで来れたのは力以上の神がかり的なモノがあった」(佐野監督)かもしれませんが、鮮烈な印象を残して、関大は大会を去っていきました。   AD土屋


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