ツール・ド・フランス2009 | J Sports | cycle road race


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ツール・ド・フランス2009 志穂レポート

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日本人選手情報

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いよいよ今日が最後のレポートとなりました。ツールが始まる前は「日本人がリタイアしてしまったら、このレポートはどうしよう」と言っていたのですが、それはバカげた心配でした。今日のレポートを送れることに、喜びと誇りを感じます。
空は快晴! 最終ステージにふさわしい日を迎えています。昨日のプロバンスの暑さと風がウソのよう。気温25〜28度、風速5〜10km/hの予報です。今年はフランスを2周したような気が…。
ユキヤはシャンゼリゼの逃げを狙っています。それが出来るかどうかで、彼の中の今ツールが全く違ってくるでしょう。期待して見守りましょう!

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今日はフミの家族がパリまで来ています。これまでフミのことを一番信じていてくれた家族ですから、この晴れ姿を見せられるのは、また特別でしょう。「家族が来てくれるなんて幸せですね。気持ちは晴々しています。この青空のように」
昨日の涙の理由を改めて聞くと、「これまでの喜びや苦しさ、すべての感情が沸き上がってきました。家族や友達、スタッフなど、みんなに感謝しながら走ったのです」。そう話ながらも、またちょっと目が潤むフミ。
そんなフミからテレビの向こうのみなさんにメッセージ。「夢の舞台でこういう姿、パッションを見せたかったんです。最後まで全力を尽くすので応援してください」。写真は今日のスタート前、フミと今西コーチ。笑顔が晴々です!

舞台裏レポート

●夢をありがとう!

まさか本当にこの日を迎えるなんて、夢にも思いませんでした。

今年でツールの取材は10年目になるんですが、いつも周囲から「あれ? 日本人って出てたっけ?」、「なんで日本人が出てないのに、きみはここにいるの?」と言われ続けていました。でも今年はふたりの日本人が出場し、しかもふたりともパリへゴールするという、ふたつの“史上初”をやってくれたのです。この瞬間に同席できたことに感謝。それは、現地にいるとかどうとかではなく、テレビの前で観戦されたみなさんも歴史の証人なんですよね。自転車ロードレースの世界では、「○年の○○選手の活躍はすごかった」とか、「○年のマイヨ・ジョーヌは○○選手」とか、年号をつけて昔話をすることが多いように思うのですが、30年後、50年後、「2009年のツールは日本人が出場して…」と、自慢げに話をするのも今から楽しみです。

そして本人も「やっちゃいましたね!」と思わず言ってしまった、シャンゼリゼでのフミの逃げ。

「序盤から遅すぎるくらい集団のスピードが落ちていて、周囲に『ねぇ、いつからレースが始まるの?』と聞いて回ったんですが、よくわからなかったんです。逃げたかったから、前に位置取りはしてたんですが、とうとうシャンゼリゼに入ってからドゥムランがアタックして、『お! レース始めていいんだ』と思って加速したら、その逃げが決まりました」(フミ)

シャンゼリゼに入って逃げができるのはいつものことなんですが、今回のように、それが最終ラップまで続くのは極稀なこと。みんなこのシャンゼリゼで存在をアピールしたいので、何度か「逃げが捕まっては新しい逃げができる」を繰り返すのが普通です。

「こんな機会、また来年できるかと言えば、なかなかできるものではありません。だから最後まで諦めずに全開で行きました。シャンゼリゼの石畳は震動がスゴクて、特にスタート/フィニッシュラインのあたりが本当に荒れているんです。途中お尻が痛くて、石畳じゃない道路脇を走る気持ちがよくわかりました。しかも凱旋門に向かって、上りが結構キツイんです」

7人の逃げは4人が先に捕まったのですが、残る3人は最後の最後まで粘りました。その3人にはフミが含まれており、その頑張りが認められて、フミは今日の敢闘賞に選ばれました。その敢闘賞はレース途中ですでに候補に選ばれており、「フミユキ・ベップが敢闘賞に選ばれるかもしれません」と、シャンゼリゼに何度「別府」の名前がアナウンスされたことか! でも、残念ながら表彰式はナシ。メインの表彰台が華やかに彩られる中、フミの敢闘賞は脇のテントでひそかに祝福されました。

「表彰式がなかったことは、まったく問題ないですね。表彰式なんて忘れられてしまうかもしれないけど、印象的な走りはみんなの記憶に残ります。そんな記憶に残る走りができたと思うので、充分満足です。ツールのシャンゼリゼですよ! 信じられないです。全世界に別府史之という名前をアピールできたのは嬉しいですね」

レース後、フミにとってはこれまた「いつも雑誌やテレビで見ていた」というパレードを経験するのですが、単に「感動」だけでは終わらなかったようです。

「2009年のツールは終わり、もう次のスタートが始まったと感じました。3週間、どんどん調子が上がっていって、自分が持っている力以上のものが出せたと思います。だから次のレースがまた楽しみです」

まさに“ツール・ド・フランス・マジック”! マイヨ・ジョーヌはその選手に力を与えると言いますが、ツールはフミに想像以上の力を与えてくれました。

ちなみにパレード中、日本国旗を持って取材をしていた私ですが、本当に小さい子どもたちからも、「ベップ! ブラボー!」と声をかけてもらいました。

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シャンゼリゼの中央に設置された表彰台へみんなが注目する中、
奥に見える白いテントで敢闘賞の表彰をされたフミ。
記念の盾を手に華やかな笑顔を見せたのは、自分がやったことへの満足感でしょう。
この3週間、フミの表情はどんどん良くなっていきました。そしてこれが最高の笑顔なのでは?

そしてユキヤのほうですが、そのパレードで華やかな笑顔を見せたことに安心しました。

「シャンゼリゼに入ったときは、べルドノーGMから『鳥肌が立つぞ』と言われていたんですが、意外と冷静でしたね。でもシャンゼリゼの周回を増すごとに、『この風景、どっかで見たことがあるな』とワクワクしてきました」(ユキヤ)

途中、ナーバスになっているようにも見えたユキヤですが、やはり完走できたことは喜びのようです。

「無事に走り終えたことは嬉しいですね。それが目標ではなかったんですけど。でも3週間走り終えるということは、いい経験になりました」

もちろん一方では悔しさもあります。ツール前から「逃げに乗りたい」と言い、それを言い続けたユキヤ。

「何もできなかったですし、やっぱりゴールしたときは悔しかったですね。ツール・ド・フランスでも、ほかのレースでも、『何かしたい』というのは同じなんです。だから何もできなくて、その欲求不満が態度に出ていたかもしれませんね。今できることをやったんですが、逃げることができなかったのはやはり力不足。シャンゼリゼをパレードしたときは、やっと解放された気分がしました」

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シャンゼリゼのパレード中、スタート/フィニッシュラインで名前を呼ばれたユキヤは、元気に右手を挙げ、笑顔を見せてくれました。この笑顔にホッとひと安心。

「有言実行できる男になりたい」とあとで付け加えたユキヤ。自分には課題が残っていることを理解し、その課題に向かってステップアップしていくことに意欲を見せていました。それというのも、

「また次に、3週間のレースがあるんですよね。それに出たいとチームに話してみようと思います」

ツールの3週間は厳しく、その厳しさだけが残らないよう、新人選手はワザと途中リタイアさせるチームもあります。でもユキヤは、ブエルタ・エ・エスパーニャにも出場する気満々。3500kmの旅を終えた直後に、また3週間のレースに意欲を見せるなんて、本当にヨーロッパの選手と変わらない成長を見せています。それだけでも、もう充分。何もできていないことを恥じているように見えていたユキヤですが、彼が成し遂げたことにも拍手を送りたい気持でいっぱいです。

さて、今日までこのレポートを読んでくださって、ありがとうございました。みなさんに日本人選手の情報を送ることは、どれだけやりがいがあったことか! みなさんも私も、いっぱい夢を見てパリまでゴールすることができました。それを叶えてくれたフミとユキヤに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。また来年も、シャンゼリゼで!

プロフィール

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土肥志穂(どひ・しほ)
1971年・広島県生まれ
小学館『小学三年生』編集部を経てフリーライターに。主に女性誌や女性向けウェブサイトで執筆するも、自転車に乗ることでその魅力に開眼し、2000年からツール・ド・フランスの追っかけ取材を開始。本格的に自転車ジャーナリストとなる。プライベートでサイクリングやイベントにも参加。
著書に『人はなぜツール・ド・フランスに魅せられるのか』2006年刊/単行本)2009年刊/文庫本)、『ツール・ド・フランス完全ガイド』、『本気で自転車!』がある。
◆ブログ Shiho.be!

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