ツール・ド・フランス2009注目選手
総合タイプ
アルベルト・コンタドール
Alberto CONTADOR VELASCO
- チーム:アスタナ
- 生年月日:1982年12月6日
- 国籍:スペイン
- 過去のツール成績:
- 2007年総合優勝、2005年総合31位、ステージ優勝1回
- 主な戦績:
- 2008年ジロ総合優勝、2008年ブエルタ総合優勝
昨年はチーム自体がツール不招待でタイトル保守こそ適わなかったが、ジロ&ブエルタ同一年制覇で見事な変則ダブルツール達成。さらに史上5人目となる3大ツール全優勝も成し遂げた。難関山岳を得意とし、近年はタイムトライアルでも驚異的な成長を遂げており、完璧なオールラウンダーへと進化しつつある。ツール7連覇アームストロングの復帰・チーム合流以降、対立や移籍を噂する声が絶えない。周囲の雑音をシャットアウトして、自らの走りに集中できるか。
カルロス・サストレ
Carlos SASTRE CANDIL
- チーム:サーヴェロ テストチーム
- 生年月日:1975年4月22日
- 国籍:スペイン
- 過去のツール成績:
- 2008年総合優勝、2007年総合4位、2006年総合4位、2003年総合9位、2002年総合10位、ステージ優勝2回
- 主な戦績:
- 2009年ジロ総合4位、2005・2007年ブエルタ総合2位、2008年ブエルタ総合3位
昨年はラルプ・デュエズの大アタックを成功させ、念願のマイヨ・ジョーヌを勝ち取った。今ジロでは表彰台こそ逃したものの、難関山頂フィニッシュ2勝。比類なきヒルクライマーとしての脚を改めて見せ付けた。プロ12年目・グランツール出場20回という豊富な経験を誇り、しかもツール勝利で「自分の勝利のために走る」喜びを覚えたサストレは、勝者に必要なエゴイスティックな自信も手にしたと語る。遅咲きのリーダーに、34歳という年齢は関係なさそうだ。
デニス・メンショフ
Denis MENCHOV
- チーム:ラボバンク
- 生年月日:1978年1月25日
- 国籍:ロシア
- 過去のツール成績:
- 2008年総合4位(繰り上げ3位)、2006年総合5位、2003年新人賞、ステージ優勝1回
- 主な戦績:
- 2009年ジロ総合優勝、2005・2007年ブエルタ総合優勝
イタリア全土を敵に回しつつ冷静な戦いを続け、最終日ローマでついに熱いチャンピオンの雄叫びを上げた2009年ジロ王者。TTでタイムを稼ぎ、山ではライバルとのタイム差を完璧にコントロールするという「インドゥライン風」走りを完成しつつある。ツール総合優勝を果たすと、コンタドールに続く史上6人目の3大ツール全制覇となる。
カデル・エヴァンス
Cadel EVANS
- チーム:サイレンス・ロット
- 生年月日:1977年2月14日
- 国籍:オーストラリア
- 過去のツール成績:
- 2008年総合2位、2007年総合2位、2006年総合4位、2005年総合8位
- 主な戦績:
- 2006年ツール・ド・ロマンディ総合優勝、2007・2008・2009年ドーフィネ・リベレ総合2位
母国オーストラリアに史上初のツール総合優勝を持ち帰りたいと願うが、ツール2年連続2位、ドーフィネ3年連続2位で、そろそろ「万年2位」の声が囁かれつつある。TTでは最高レベルのスピードを誇るが、難関山岳に問題あり。特出したクライマー能力を持たないだけでなく、残念ながらアシスト勢がまるで頼りにならず……。今年も孤軍奮闘なのか。
アンディ・シュレク
Andy SCHLECK
- チーム:チーム サクソバンク
- 生年月日:1985年6月10日
- 国籍:ルクセンブルク
- 過去のツール成績:
- 2008年総合12位
- 主な戦績:
- 2009年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ優勝、2007年ジロ総合2位・新人賞
マイヨ・ジョーヌはもちろん、新人賞も最有力候補。弱点はTTと、突如訪れる不調の波。昨ツールは山岳でハンガーノックを起こし、わずか1日で優勝戦線から離脱してしまった。ただしライバルと比べて圧倒的に有利な点は、実力・団結力共に最強クラスのチームからアシストが期待できること。特に兄フランクの献身的な協力は最大の武器。
フランク・シュレク
Frank SCHLECK
- チーム:チーム サクソバンク
- 生年月日:1980年4月15日
- 国籍:ルクセンブルク
- 過去のツール成績:
- 2008年総合6位、2007年総合17位、2006年総合10位、ステージ優勝1回
- 主な戦績:
- 2009年ルクセンブルクツアー総合優勝、2006年アムステル・ゴールドレース優勝
昨ツールでは2日間マイヨ・ジョーヌを着用。弟アンディと同じくTT能力はまだまだ向上させる必要があるが、クライマー能力は証明済み。さらに落車しても壊れにくい体と、諦めないド根性精神力は天下一品だ。兄弟愛にあふれ、将来の夢は兄弟表彰台。弟の総合優勝をアシストしつつ、自らもシャンゼリゼの高台を目指して走る。
スプリンター
マーク・カベンディッシュ
Mark CAVENDISH
- チーム:
チーム コロンビア・ハイロード - 生年月日:1985年5月21日
- 国籍:イギリス
- 過去のツール成績:
- 2008年区間4勝
- 主な戦績:
- 2009年ミラノ〜サンレモ優勝、ジロ区間5勝(+チームタイムトライアル優勝)
短距離スプリントでは間違いなく現役最速。特別コーチ、ツァベルのおかげで中・長距離スプリントと峠の登り方もマスターした。もちろんグランツール完走の仕方とマイヨ・ヴェールの取り方も、ポイント賞ツール6回・ブエルタ3回の大師匠から学んでいるに違いない。今ジロをあえて途中リタイアして、今ツールに全力を注いでくる。
ダニエーレ・ベンナーティ
Daniele BENNATI
- チーム:リクイガス
- 生年月日:1980年9月24日
- 国籍:イタリア
- 過去のツール成績:
- 2007年区間2勝
- 主な戦績:
- ジロ区間3勝、ブエルタ区間4勝、2008年ジロポイント賞、2007年ブエルタポイント賞
カベンディッシュとの「最速」タイトル争いが注目される。昨ジロではミリ単位の争いを繰り広げた挙句、カベンディッシュに3勝2敗で競り勝った。ただし昨ツールは負傷で、今ジロはチームオーダーで欠場。1年2ヶ月ぶりのグランツール直接対決で、どんな火花散る接戦を見せてくれるのか。3大ツール全ポイント賞制覇もかかっている。
トル・フースホフト
Thor HUSHOVD
- チーム:サーヴェロ テストチーム
- 生年月日:1978年1月18日
- 国籍:ノルウェー
- 過去のツール成績:
- 2008年区間1勝、2007年区間1勝、2006年区間2勝、2004年区間1勝、2002年区間1勝、2005年マイヨ・ヴェール
- 主な戦績:
- 2006年ヘント〜ウェヴェルヘム優勝、ブエルタ区間2勝、2006年ブエルタポイント賞
確かに大量にステージ優勝を上げるタイプではない。短距離TTや激坂フィニッシュにも強く、積極的に逃げ集団にも入るため、むしろトータルでポイントを積み上げていく実力を持つ。昨年までは絶対的チームリーダーだったが、今季は総合争いサストレをアシストする立場。実はジロでも2007年のペタッキ降格で、繰り上げ優勝あり。
ハインリッヒ・ハウッスラー
Heinrich HAUSSLER
- チーム:サーヴェロ テストチーム
- 生年月日:1984年2月25日
- 国籍:ドイツ
- 過去のツール成績:
- 2008年・2007年出場
- 主な戦績:
- 2009年ミラノ〜サンレモ2位、2009年ツール・デ・フランドル2位、ブエルタ区間1勝
2009年春、急速に力を上げてきたスプリンター。ステージレースでは区間勝利を重ね、春クラシックではカベンディッシュやボーネンをたっぷり脅かした。今ツールでは実力が正真正銘の「本物」であることを証明しなければならない。経験豊富なフースホフトと協力し合って、どれだけポイントを量産できるか見物だ。
グレッグ・ヴァンアーベルマート
Greg VAN AVERMAET
- チーム:サイレンス・ロット
- 生年月日:1985年5月17日
- 国籍:ベルギー
- 過去のツール成績:
- なし(初参戦)
- 主な戦績:
- ブエルタ区間1勝、2008年ブエルタポイント賞
プロ初レースで区間勝利、プロ1年目で国代表入りという引きの強さを持つ24歳は、昨ブエルタではグランツール初参戦でポイント賞ジャージさえも手に入れた。自転車エリート一家で生まれたサラブレッドは、実は18歳でサッカーのゴールキーパーから自転車競技へ転向したばかり。初々しい気持ちでツールへと乗り込んでくる。
トム・ボーネン
Tom BOONEN
- チーム:クイックステップ
- 生年月日:1980年10月15日
- 国籍:ベルギー
- 過去のツール成績:
- 2007年区間2勝、2005年区間2勝、2004年区間2勝、2007年ポイント賞
- 主な戦績:
- 2005年世界選手権優勝、ブエルタ区間2勝、2005・2008・2009年パリ〜ルーベ優勝、2005・2006年ツール・デ・フランドル優勝
今4月はパリ〜ルーベで見事な独走勝利を決め、名実共に史上屈指の北クラシック王者と讃えられた。しかし昨年5月にレース外コカイン摂取でツール出場を拒否されたというのに、今年も同じ失敗を繰り返してしまった……。ツール開催委員会は今年も出場を拒否したが、スポーツ調停委員会の仲裁により、開幕ギリギリに出場が決まった。逆風の中、2007年に続くマイヨ・ヴェールを手にすることが出来るか。
山岳タイプ
ダヴィ・モンクティエ
David MONCOUTIE
- チーム:コフィディス
- 生年月日:1975年4月30日
- 国籍:フランス
- 過去のツール成績:
- ステージ2勝
- 主な戦績:
- ブエルタ区間1勝、2008年ブエルタ総合8位&山岳賞、2005・2006年パリ〜ニース山岳賞
「これ」と決めた日に勝てる実力を持ち、フランス人栄光の7月14日「革命記念日」勝利も手に入れた。ただし思い切りマイペース型。昨ツールでチーム監督に解雇をほのめかされて、ようやく気合を入れたようだ。ブエルタでは区間勝利・山岳賞ジャージ・総合8位と好成績を手に入れ、ようやくツール赤玉ジャージへの欲も出てきた。
ロベルト・ヘーシンク
Robert GESINK
- チーム:ラボバンク
- 生年月日:1986年5月31日
- 国籍:オランダ
- 過去のツール成績:
- なし(初参戦)
- 主な戦績:
- 2008年ブエルタ総合7位、2009年ツアー・オブ・カリフォルニア新人賞、2009年ドーフィネ・リベレ総合4位
昨春はビッグステージレースの山岳で好成績を連発。北京五輪ではロード&TTで10位に入り、秋のブエルタでは初グランツールで総合7位の立派な成績を出した。将来はグランツールの表彰台も期待される。ただし初めてのツール挑戦で、まず狙うのは山岳区間勝利と新人賞ジャージ。そしてメンショフの総合優勝をアシストしたい。
新人
ロマン・クルイジガー
Roman KREUZIGER
- チーム:リクイガス
- 生年月日:1986年5月6日
- 国籍:チェコ共和国
- 過去のツール成績:
- 2008年総合13位
- 主な戦績:
- 2009年ツール・ド・ロマンディ総合優勝、2008年ツール・ド・スイス総合優勝、2004年ジュニア世界選手権優勝
TTも山岳もハイレベルでこなせる、まさにステージレース向きオールラウンダー。昨ツールではマイヨ・ブランを着用する機会こそなかったものの、ぶっちぎりの成績で新人賞2位。……今年も間違いなくアンディ・シュレクが最大のライバルとなるだろう。ただし本人が定める目標はむしろ一ケタ台の総合成績を残すこと。父親も元プロ選手。
その他の注目選手
ランス・アームストロング
Lance ARMSTRONG
- チーム:アスタナ
- 生年月日:1971年9月18日
- 国籍:アメリカ
- 過去のツール成績:
- 1999年〜2005年総合優勝(7連覇)、ステージ優勝22回
- 主な戦績:
- 2009年ジロ総合12位、1993年世界選手権優勝
ツール7連覇の大チャンピオンが、ついに「自らの」レースに帰ってきた!世界中の自転車ファンが固唾を呑んで見守る中、果たして4年ぶりのマイヨ・ジョーヌを取りに行くのか!?それともコンタドールの忠実なアシストをつとめるのか。負傷明けのジロで総合12位、6月末にはついに復活後初勝利をおさめ、「ボス」の調子は明らかに上向きだ。
新城幸也
Yukiya ARASHIRO
- チーム:B box ブイグテレコム
- 生年月日:1984年9月22日
- 国籍:日本
- 過去のツール成績:
- なし(初参戦)
- 主な戦績:
- 2009年ダンケルク4日間総合9位、2006・2008年ツール・デュ・リムザン総合3位、2007年全日本選手権ロード優勝
UCIプロチーム入り初年度に、いきなりツール出場を決めた。アルデンヌクラシック3連戦出場、ダンケルク4日間9位、ドーフィネ・リベレ完走と納得のいく成績を出して、「ユキヤがこれほど才能高い選手だとは!」と実力でベルノドー監督をうならせたのだ。史上初の日本人区間勝利も貪欲に狙う。
別府史之
Fumiyuki BEPPU
- チーム:スキル・シマノ
- 生年月日:1983年4月10日
- 国籍:日本
- 過去のツール成績:
- なし(初参戦)
- 主な戦績:
- 2009年ルート・デュ・シュッド山岳賞、2008年アジア選手権ロード優勝、2006年全日本選手権ロード&TT優勝
チームは3月に初のツール出場権を手に入れた。そして6月中旬のルート・デュ・シュッドで山岳賞ジャージを獲得した別府選手は、大会直前に念願の出場権をもぎ取った。本場でのプロ生活も4シーズン目。これまで積み重ねてきた経験を、存分に発揮するチャンスだ。合言葉は「Go for it」。シャンゼリゼまで全力で走りきって欲しい。
写真すべて:(c) Yuzuru SUNADA




