Visitor Monitoring
  1. ヘッダーへジャンプ
  2. サイト内メニューへジャンプ
  3. コンテンツへジャンプ
  4. フッターへジャンプ
  • ジャンル
  • フリーワード
  • サイト内検索


J SPORTSサイトメニュー
  1. 野球
  2. メジャーリーグベースボール
  3. サッカー
  4. ラグビー
  5. サイクルロードレース
  6. モータースポーツ
  7. 柔道・格闘技
  8. バスケットボール
  9. スキー
  10. フィギュアスケート
  11. 卓球
  12. バドミントン
  13. その他

ツール・ド・フランス2015 レースレポート

THE STAGES
  1. 第1ステージ
  2. 第2ステージ
  3. 第3ステージ
  4. 第4ステージ
  5. 第5ステージ
  6. 第6ステージ
  7. 第7ステージ
  8. 第8ステージ
  9. 第9ステージ
  10. 第10ステージ
  11. 第11ステージ
  12. 第12ステージ
  13. 第13ステージ
  14. 第14ステージ
  15. 第15ステージ
  16. 第16ステージ
  17. 第17ステージ
  18. 第18ステージ
  19. 第19ステージ
  20. 第20ステージ
  21. 第21ステージ
THE STAGES

第18ステージ 7/23 Thu.

ゴール直前の上りを行くヘーシンクらゴール直前の上りを行くヘーシンクら

「残念ながらツールというのは、……1回負けないと、勝てないんだと思う」(バルデ、公式記者会見より)

第14ステージのゴール前1kmで、ティボー・ピノと警戒ごっこをしているうちに勝利を逃したロメン・バルデは、第18ステージの優勝記者会見でニヤリと笑った。あの敗北から、大切な教訓と、勝利への「食欲」を得た。2015年ツール・ド・フランスにおける2人目のフランス人区間覇者となった。アルベルト・コンタドールは遠くからアタックを打ち、ナイロ・キンタナは何度も攻め立てたが、マイヨ・ジョーヌにも総合表彰台にもまるで変動はなかった。

40年前にエディ・メルクスを倒し、マイヨ・ジョーヌに輝いたベルナール・テヴネは、常々断言していた。「アルプスで一番上りが難しい峠は、グランドン峠だよ」と。

その言葉に、間違いはなかった。スタートから5kmほどで出来上がった29人のエスケープ集団は、登坂口に入った途端に、粉々に打ち砕かれた。前日の落車で、区間勝利のチャンスを逃したティボー・ピノは、痛めた左ひじの影響か、ずるずると後退して行った。「借り物」の山岳ジャージを本物に取り替えようと、意気揚々と逃げ出していたホアキン・ロドリゲスさえも、21.7kmの長い山道の終わりで脚が動かなくなった。

難しいからこそ、最高の攻撃チャンスでもあった。前日のステージ――6月のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで制した区間とまったく同じコースだった――で低血糖に苦しみ、真っ白な顔で山頂にたどり着いたロメン・バルデは、ばら色の頬で前方へと姿を現した。同じくエスケープに潜り込んだフランス人ピエール・ローランやヤコブ・フグルサングと共謀し、グランドン山頂の2km手前でアタックを仕掛けた。

ニーバリ、バルベルデらのゴール直前の戦いニーバリ、バルベルデらのゴール直前の戦い

ところが、レース内のオートバイに接触し、フグルサングは不運にも落車してしまう。さらに「彼が吹っ飛ばされるのを見て、脚が止まってしまった」(ゴール後インタビューより)と語るローランは、そのまま行くべきか行かぬべきなのか、葛藤したという。その一瞬をついて、バルデは加速を切った。そのまま単独で、20kmもの長い下りへと飛び込んだ。

ドーフィネでもバルデは、アルプスで一番恐ろしいアロス峠の「下り」を利用してタイムを稼ぎ、区間勝利を手にした。ダウンヒルテクニックには自信があった。しかも今回のグランドンは、AG2Rのチーム本拠地シャンベリーや、この夏まで履修していた大学校のあるグルノーブルから、ほんの30km程度の場所にある。よく知っている山だった。

「今年だけでも何度もグランドンを上ったし、当然、下りのことも知り尽くしていた。本当は山の入り口でアタックしたかったんだけど……僕の脚の調子がすごく良いことを、あまり早い段階で周りに悟られたくなかったんだ。それに、今日の僕なら山頂付近で差をつけられる、って分かっていた。できる限り山頂までに人数を絞って、下りを上手く攻略すれば、そのまま勝利をさらい取れると確信していた」(バルデ、公式記者会見より)

下りで40秒近いタイム差を稼いだバルデは、垂直の崖に彫られたモンヴェルニエのヘアピンカーブも極めて冷静沈着にこなした。復活してきたフグルサングやローランたちが、後方で激しく追走を仕掛けていたけれど、リードはほとんど小さくならなかった。そして、経済学と法学の両方を修めているインテリ・バルデは、計算通りに、十分に余裕を持って、初めてのツール・ド・フランス区間勝利を手に入れた。

「僕は幸せな男だよ。うん。まだ現実味がわかないや。このツール・ド・フランスは、僕にとって、色々と難しかった。開幕時からずっと、僕の周りに、期待のようなものが渦巻いていた。もしかしたら、僕の本当のレベル以上のものを、期待されていたように思う。だから精神的に強くなきゃならなかった。幸いにもチームは常に僕を支えてくれた。でも昨日は、あわやすべてを投げ出すところだった。だから自分に言い聞かせたんだ。『がんばれ、諦めるな。この先何が起こるかわからないじゃないか』って。そしたら今日は、とてつもなく調子が良くて」(バルデ、公式記者会見より)

大胆さは報われた。バルデは総合でも10位にジャンプアップした。さらには山岳賞争いさえも、どうにか念願の首位に立った「プリト」と、同ポイント(68pt)の2位に昇格してしまった!アルプスの残り2日も厳しい戦いになりそうだなぁ……と、困ったようにバルデは笑った。

グランドンの難しい上りでは、マイヨ・ジョーヌ集団の周りも少しだけ騒がしくなった。真っ先に仕掛けたのは、バルデより1つ年下の23歳、ワレン・バルギル。昨ステージ終了時点で総合10位のアタックに、昨夜の大逃げで総合8位に上昇したばかりのマティアス・フランクと、6位ロベルト・ヘーシンクも合流した。

そこから、さらに、2kmほど上った地点だった。総合5位のコンタドールが、飛び出した。前日の下りで落車し、2分以上失った32歳の大チャンピオンが、捨て身のアタックを試みた。歯を食いしばり、山道を突き進み、コンタドールはすぐにバルギル集団へと追いついた。

「何かトライしたかったし、何が起こるのかを見たかった」(コンタドール、チーム公式リリースより)

厳しい山岳ステージを制したバルデ厳しい山岳ステージを制したバルデ

マイヨ・ジョーヌは動かなかった。クリス・フルームが唯一監視していた総合2位ナイロ・キンタナと総合3位アレハンドロ・バルベルデも、一瞬顔を見合わせたが、アクションには移さなかった。さらに数キロ上った先で、総合7位ヴィンチェンツォ・ニーバリが加速を試みても、上記3人は動く気配を見せなかった。

ただし、その後にモヴィスターコンビがアタックに転じると、状況は一転する。バルベルデが特攻をかけると、すぐにフルーム自らがペダルを高速回転させた。続けてキンタナが畳み掛けると、総合4位(というよりはマイヨ・ジョーヌ護衛の)ゲラント・トーマスが穴を埋めに走った。ところが、皮肉なことに、2度目のキンタナの加速で、チームメートのバルベルデが脱落してしまう。

「急に力が抜けてしまったから、少しスピードを下げて、呼吸を整えなおす必要があった。それに下りで集団に追いつけるだろうと分かっていたから」(バルベルデ、チーム公式HPより)

35歳にして、生まれて初めてのツール総合表彰台に手が届きそうなバルベルデは、上りで先に行ってしまったフルームやキンタナ、トーマスやニーバリに、予言どおりに下りで追いついた。長い下りは、また、コンタドールやバルギルの企ても飲み込んだ。終わってみれば、アルプス最難関のグランドン峠は、マイヨ・ジョーヌ集団に大きな影響は及ぼさなかった。

また「フォトジェニック」だけれど、「実際はそれほど難しくない」と開催委員会が語っていたモンヴェルニエの九十九折では、ラファル・マイカの助けを得て、コンタドールが再度一発を試みるが……。バルベルデを表彰台から引き摺り下ろすほどの威力はなかった。ただグランドンで飛び出したバルギルと、グランドンで遅れた総合9位バウク・モレマという対照的な2人だけが集団からずり落ちるも、フレンチは下りで総合の仲間たちに追いつき、ダッチも総合順位はしっかり守った。

「1日の終わりに、結局、何も特別なことは成し遂げられなかった。ひどく厳しいステージだったし、僕のアタックは『脚』というよりは、『暑さ』に左右された感じだった。ただ、いくつか、気がついたことはあったよ。とにかく大切なのは、明日に向けて、僕がどれだけ回復していけるかだ」(コンタドール、チーム公式リリースより)

アルプスも残り2日。2つの山頂フィニッシュ、しかも極めて短いステージ(138kmと110.5km)が2015年ツール・ド・フランス総合争いのトリを飾る。

「モヴィスター勢はきっと、どうにかして区間を取りに行くだろう。でも僕だって、もう1つ勝ちたい。ただ、無理にエスケープを追い立てて、チームメートたちを消耗させる気もない。ただ、バルベルデやキンタナが遠くからアタックした場合だけは、別だけど」(フルーム、公式記者会見より)

リザルトはこちらから

ハイライト動画

text:宮本あさか
写真すべて:©Yuzuru SUNADA



J SPORTS オンデマンド
J SPORTSを2週間お試し体験!
LINE サイクルロードレース中継スタンプ

Twitter

ジャイアントキリング

本サイトで使用している文章・画像等の無断での複製・転載を禁止します。
Copyright© 2003 - 2016 J SPORTS Corporation All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission.