表紙は独立軍のほうの装甲服
プラモデル時代を振り返って思い出されるのは、『SF3Dオリジナル』。独自の設定を持つ未来戦争SF世界で、そこに登場する独創的な戦闘マシンの数々が本当に魅力的だった。今では改称して『マシーネンクリーガー』というらしいがな。
詳しいことは端折るが、環境超劣悪化に伴い人類が脱出、その後、凄まじい自浄力によって回復した未来の地球が舞台。植民星から再び地球に入植した人類だったが、無法地帯とならぬよう管理するシュトラール軍(シュトラールも元は地球の植民星なので、彼らもみなヒューマン・ビーイングだ)との間に軋轢が生じ、やがて傭兵軍を雇っての独立戦争へと発展する……。
下の方に小さく写るは、グリーン・
ホーネットの相方ケイトー。ただし、
このヴァージョンでのケイトー役は
ブルース・リーではない
このホルニッセ、ドイツ語で「スズメバチ」の意味である。つまり英語の「ホーネット」だな。ワシは大学時代の第二外国語がドイツ語だったし、昨年、とあるドイツ産オカマSFパロディ映画の日本公開記念トークショーに出たことで、ドイツ語ヴォキャブラリーが再インストールされているのだ。ヴォーヘア・コメン・ズィ~?
F-14トムキャットが現役引退した今、米海軍の主力
戦闘機となったホーネット。アメリカ的発想から言うと、
「主力」を名乗るにはやや小さいが(写真:U.S. Navy)
そして、我らがホーネッツだ。現在ではニューオーリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツとして知られる、あのホーネッツである。
とはいえ。このスズメバチ好きな傾向は、大方の日本人には理解しがたいものだろう。
「空母・スズメバチ」も「戦闘機・スズメバチ号」も日本ではあり得なさそうだし、チーム名としてのホーネッツもなかなか発想しにくいものだ。だいたいホーネットという単語も、日本人のあいだでメジャーであるとは言い難い。
もっとも、ヴォキャブラリーとして馴染みがあるか否かは、さして問題ではないのだろう。肝心なのは、日本では毎年30人ほどがスズメバチに刺されて死んでいるという事実である。
ハードコアな本があるものですが……
こうやってしげしげと見ると、オオスズメ
バチのアゴの巨大さがよくわかりますね。
日本で「スズメバチ」といえば、なんといってもオオスズメバチことVespa mandarinia japonicaだ。
体長2.5~4.5cm、広義のスズメバチ類でも屈指の大きさを誇るオオスズメバチは攻撃性も強く、毒針で刺す、毒液を空中噴霧する、刺しながら噛む、と多彩なワザを持っているから始末が悪い。おまけに、一度刺すと死んでしまうミツバチと違い、針は何度でも使用可能で、実際に何度でも刺してくる。また、ハチ目だからフェロモンによる情報伝達も得意で、件の毒霧は仲間への攻撃呼びかけフェロモンとしても機能するから、グズグズしていると集団攻撃にあう可能性もあるのだ。これが本物のフェロモンだからな、小僧ども!(誰に言ってるの?)
それをチーム名にするとは……海の向こうのこととはいえ、何を考えているのだ、ホーネッツ!
(次回に続く)
丸屋九兵衛(まるや・きゅうべえ)
『bmr(ブラック・ミュージック・リヴュー)』編集部勤務
別名=「痴の巨人」。立場を利用し、自分が携わる雑誌『bmr』にて視点の定まらない連載「雑学王」を9年以上も続けている。早川書房『SFマガジン』でも、スター・トレック連載「Trek Daddy」続行中。文中で触れたとおり、2月には初の著書『音楽誌が書かないゴシップ無法痴態』を出したが絶不評中……。