開幕まであと1週間、2008-09シーズンのNBAも、例年同様に見どころがたくさんある。メジャーリーグのレイズみたいに、だれも予想できないシンデレラ・ストーリーを作るチームが生まれるのか?それとも、セルティックスが再び強さを発揮するのか?応援したいチームやプレイヤー以外の部分で、注目したい要素を見つけられると、NBAをより楽しめるだろう。
1:セルティックスの2連覇達成なるか?
ケビン・ガーネットとレイ・アレンの加入だけでなく、強力ディフェンスを武器にしたことで、タイトル獲得に成功した。ポール・ピアースに勝負強さが戻ったことで、相手にとって頭痛の種はさらに増えている。セルティックスが2連覇するためのカギは、ビッグ3の故障による長期欠場、頂点に立ったことによるモチベーションの低下を回避できるかにかかっている。
ビッグ3の中でも、ガーネットの長期欠場は避けたいところ。KGが不在となれば、ディフェンス力の低下は避けられないからだ。モチベーション低下の回避は、ドック・リバースコーチの采配、いつも気合十分のガーネットによるリーダーシップ次第だろう。
2:レブロン、ウェイド、CP3、ハワードらの若手がMVPを手にできるか?
昨シーズンは、コービ・ブライアントが12年目で初のMVP選出。しかし、ここ10年の受賞者は、5年目だったアレン・アイバーソンを除くと、ベテランと呼ばれてもいいプレイヤーばかり。21世紀にドラフトされたプレイヤーの受賞は現時点で0人。NBAの牽引するスーパースターとなったレブロン・ジェームスら、今シーズンは若い世代がMVPを受賞してもいいころかもしれない。
その候補としてはジェームス、昨シーズンの得票ポイントで2位だったクリス・ポール、完全復活が期待できそうなドウェイン・ウェイド、リーグ最高のセンターとなりつつあるドワイト・ハワードの名前をあげておきたい。
3:質の高いポイントガードが成功のカギとなるチームの多いウエスト
ウエストの強豪には、すばらしいポイントガードが多い。クリス・ポール、デロン・ウィリアムス、スティーブ・ナッシュ、ジェイソン・キッド、トニー・パーカー、バロン・デイビスがその代表。彼らが期待どおりの活躍ができなければ、チームの成功はないと言ってもいい。特にポールとウィリアムスは、ライバルとしてNBAの将来を担う存在になりうる。オールスターとなれば、最低3人は落選を強いられることも、ウエストがポイントガードの人材豊富と言える理由でもある。
4:全体のレベルアップが期待できそうなイースト
優勝候補と言えるチームは、ウエストのほうが多い。しかし、ここ6年に限れば、タイトルはイーストもウエストも3回ずつと互角。このオフ、プレイオフ1回戦の壁を破りたいラプターズがジャメーン・オニール、シクサーズがエルトン・ブラントを獲得。オールスター経験のあるビッグマンの加入で、この2チームの成績向上は期待できる。ドワイト・ハワードの成長が著しいマジックや、ファイナル復活を目指すキャブスやピストンズなど、王者セルティックスのライバルとなりうる。今シーズンのイーストは、勝率5割以下でのプレイオフ進出チームがないと予想する。
5:今シーズン限りかもしれないAIとメロのワンツーパンチ
ラグジャリー・タックスの支払い回避が理由といえ、ナゲッツのマーカス・キャンビー放出に首をかしげる人間は多い。ディフェンス力に問題があるだけに、キャンビーの不在で苦戦を強いられてもおかしくない。それが現実となり、首脳陣が再建に向けて動き出せば、契約最終年となっているアレン・アイバーソンのトレードはありうる。そのカギは、オールスターまでにナゲッツがプレイオフ出場圏内の順位にいるかどうかにかかっている。
●少しは気にしておきたい要素
・グレッグ・オーデンがビッグセンターとしてペイント内で存在感を示せるか?
・ベテランの多いスパーズとピストンズにとって、今シーズンがタイトル獲得のラストチャンス?
・ギルバート・アリーナスの完全復活
・ニックスは低迷から脱却できるのか?
・レイカーズ王座奪回のカギを握るアンドリュー・バイナムとパウ・ガソルのツインタワー
Takashi Aoki
NBA専門誌「HOOP」の編集者から98年秋にフリーのバスケットボールライターとなり、ミシガン州デトロイトを拠点に取材を続ける。 最近のお気に入りプレイヤーは、昨年のヨーロッパ選手権優勝と、世界選手権でアメリカを倒す原動力となったギリシャ代表のガード、 セオドロス・パパルーカス。NBAでは人間性のよさを理由に、ドウェイン・ウェイド、エルトン・ブランド、マイケル・レッド、チャウンシー・ビラップス、 パウ・ガソルがお気に入りのトップ5。