November 17, 2008 2:41 PM / アジアシリーズ
4回目となるアジアシリーズは、埼玉西武ライオンズの優勝で幕を閉じました。大会の岐路に立ったともいえる今回のアジアシリーズで、改めて思ったことがあります。それは「アジアシリーズの妙味である、韓国と台湾の対戦をもっと盛り上げなければ!」ということです。
これまで何度も記したように思いますが、土曜の夜に日本以外のプロ野球チームが、決勝進出をかけて戦う真剣勝負。グラウンドには日本にはないような色彩のユニフォームをまとった選手たち。スタンドの両サイドからは個性豊かな応援合戦が繰り広げられ、チアリーダーが華を添えます。しかも、たった1,000円(自由席)で楽しめる。こんな娯楽は他にないでしょう。
そんなことから過去3回の大会は、当方なりに韓国-台湾戦の魅力をアピールし続けました。その効果があったかどうか分かりませんが、観客数は05年6,340人、06年6,445人、07年7,290人とわずかではありますが増えていました。日本の出場チームに左右されないこの対戦、やりようによってはウマミもありそうです。
しかし今回は諸事情によりスタートが遅れ、これといったプロモーションはしませんでした。また、当方自身、前回記したような慢心もあり、韓国-台湾戦の重要さを忘れていたようです。さまざまな要因が重なり、今年の観客数は5,228人。試合当日に雨が降った06、07年よりも、球場へ足を運ぶ人は大幅に減ってしまいました。
アジアシリーズという大会は、遠巻きに見ている人にとっては「大変だし別にいらないんじゃん」という存在のようですが、少しでもその大会理念に触れると「絶やしてはならない」と思える意義あるものです。
ただ、方法については一考の余地があるでしょう。今後、前向きにアジアシリーズが進んでいくことを願ってやみません。そのためなら当方はひと肌もふた肌も脱ぎます。
今年も、つたない内容にお付き合いいただき、ありがとうございました。J SPORTSのみなさんお世話になりました。木村公一さん、次回またWBCのグラウンドでいろいろ教えてくださいね。
それでは、またどこかで。アンニョン(さようなら)!

決勝戦を戦った両チーム。それぞれを讃える姿は、とてもさわやかでした。
(文・写真/室井昌也)
1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。
November 17, 2008 10:20 AM / アジアシリーズ
決勝、終わりました。統一、負けました。結果はご存じの通り0対1。野球好きP氏は熱戦だったと書かれていました。ただ、どうなんでしょうねぇ……。
小生、実況のお手伝いで、喋りの素人ながら慣れぬ放送席などにいたもので、試合の本質に至るにはちょっと時間が必要な感じがしています。それでも試合後、ドーム球場近くの居酒屋で、統一の一色優トレ・コーチと西武の中国語通訳・邱ちゃんの3人で食事をしました。そこで奇しくも「統一から見て、今日の試合はどうだったのか」という話題となったのです。格上である西武相手の0対1なら善戦健闘、あるいは惜敗だったのか。いや、イニングの細部を見直せば、勝てたかも知れない余地もあった(実際、決勝点は統一守備陣の中継ミスなのですから)。とすれば、悔いの残る試合と捉えるべきなのか。
将棋で、勝敗がついた後に「感想戦」なるものを両棋士が行うのをご存じでしょうか。最初から駒を並べ直し、一手ずつ進めて、互いの手について意見を交換する反省会です。プロ同士でなぜそんなことをするかと言えば、将棋には正解がないからです。自分では善手と思った手が、相手にはそう思われていなかったり、その逆もあったりする。まあそんなことのため、お互いに確かめる意味でするのですが、野球も同じです。とくに国の違うチームの短期決戦。一投一打の背景には、かなり差違があるからです。極端に言えば、それぞれの国・地域の野球に対する価値観の差違です。まあ、そんな理屈はあまり意味がないことかも知れません。
理屈をこねれば、いくらでも見方は生まれます。たかが1点差、されど1点差。この差が統一(台湾)と西武(日本)の差なのだ、とも言えるでしょうし、あくまでもこの1試合だけの結果とも言えます。外人投手が抜群のピッチングをすれば、完勝もする。でもそれがイコールそのチームの強さとは言えない。まあ、キリはありません。要するに今年のアジアシリーズは、統一がSKに勝ち、その統一を西武が下したシリーズだった。それ以上でも、それ以下でもない。決して日本が“まだ優れている”わけでもなく、台湾が韓国より強くなったわけでもない。これは北京五輪にもあてはまるし、おそらく来年のWBCにもあてはまることなのです。
そう考えれば、野球好きP氏の感想のように「熱戦だった」と受け止めるだけで、きっといいのでしょう。
とまれ、統一は“結果的”に西武を8回まで0点に封じ、9回に中継のミスでサヨナラ負けを喫した。その事実を、統一のメンバーには噛みしめて帰って貰いたいと思います。昨年はSKにコールド負けを食らった悔しさを胸に秘め、今季を戦った。ならば来季は、あの中継ミスをショート一人ではなく、メンバー全員が噛みしめ、戦って欲しいと思います。それで少しでも、統一の野球が進歩、成長してくれるなら……。
戦いは終わりました。日が暮れる頃……といってもドームだから日没はわかりません。でも、東京ドームはメンテナンスに入っていました。次の戦いの準備のために。
その戦いとは、そう、来年3月のWBCアジアラウンドです。

勝っても負けても、その光景は余韻を感じさせます。
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
November 16, 2008 2:07 PM / アジアシリーズ
まず、謝らなければならないと思っています。当方、そして韓国プロ野球に関わる人達は、完全に慢心していました。2年連続で日本出場チームに勝利し、昨年は統一にコールド勝ち。今年も「勝って当然」という雰囲気が蔓延していました。選手たちに手抜きがあったとは思いませんが、統一の選手達は本当にあっぱれでした。試合後の会見で、統一のリュ・ウエンション監督は「韓国シリーズ全戦にコーチを派遣してSKを偵察した」とのこと。監督以下、選手の姿勢は謙虚で、韓国側が忘れていた部分でした。
4回目となるアジアシリーズ。毎年土曜の夜に行われる韓国-台湾の両出場チームの対戦は、大会の中で、最も緊張感のあるものでした。しかし、昨年SKが躍進したことで、そのことをどこかに忘れてしまっていました。
思い起こせば韓国は、代表戦ではありますが、2003年のアテネ五輪出場をかけた札幌ドームでの予選で、準備不足により台湾に敗戦。そこで反省したはずでした。その結果、06年、WBCアジアラウンドでは入念な台湾対策を練り、勝利したのですが、今回、03年の時のように、油断がなかったとはいいえないでしょう。
「3点以上離して勝たなければならない」と、一発長打にかけたリュ・ウエンション監督と、負けた場合の失点率のことは頭になかったSK。韓国側の誰にもスキがありました。
SKは来年に向けて、今年と同じ目標を掲げることになります。来年もこの大会があることを、世界で一番願う集団となるでしょう。
決勝戦に進んだ、統一ライオンズ。今回は日本勢以外が王者に輝くチャンスかもしれません。心からエールを送ります。

試合後の記者席
試合後の記者席です。前列が台湾メディア。後列が韓国メディア。韓国は毎週日曜日が新聞休刊日なので、新聞記者たちは土曜日はお休み。記事は書きません。ということで閑散としてます。一方の台湾のみなさん、キーを打つ手に力が入ります。本当におめでとう!
(文・写真/室井昌也)
1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。
November 16, 2008 1:46 PM / アジアシリーズ
また裏切られました。期待すれば裏切り、見放せば信じられない勝ち方をする。その統一が、SKに勝利で決勝進出です。下馬評ではSK有利の試合でした。統一とファンにはお詫びするしかないですが、でも西武に勝ったSKだけに、ムリもないとご容赦下さい。
ではなぜ、勝つのは難しいと予想された試合に勝利したのか。MVPは2本塁打、6打点のリュ・フウハオであることに異論はありません。でも同時に先発で7回3失点に留めたリン・ウェイピンも同等の殊勲者でした。今季、抑えも務めた彼にとって7回までは、シーズンで二回しかありません。それも急な先発だったのですから。昨日のブログで触れましたが、舞台裏では大きなハプニングがあり、先発予定のハックマンが飛び、彼が投げることになったのです(その顛末は、許しが出れば残りのこのブログでお伝えします)。そんな中での7回3失点。上々の出来、どころではありません。彼の精神力には、改めて賛辞を送りたいと思います。とくに2回に先制本塁打を打たれても動揺することなく、その後も毎回、走者を背負いましたが文字通り踏ん張りました。男、です。彼は心臓の大手術を経ての復活投手。人生最大の好投と賛辞してもいいでしょう。

MVPのリュ・フウハオです。
でも、ほんと。統一の連中というのはわかりません。勿論、これだけの好試合を演出したのは、彼らに十二分な能力があったからです。野球において、まぐれや運は付き物ですが、でも9イニングを戦う中では、それだけでは絶対に勝てません。
ちょっと冷静に、引いて観たとき……。この試合で他国のチームと戦う国際大会というものの、“別の顔”を見た気がしました。SKは統一のデータを洗い出していても、実際にシーズンで戦ってはいません。だから長所、欠点は発見していても、潜在能力まではわからないのです。統一も、SKのことは同様に詳しくわかっていないはず。そこにある“怖さ”を感じたのです。リュ・フウハオが、SKの抑え・チョン・デヒョンと日々戦っていたら、その実績を先入観に持っていたはずです。とすれば、8回にあのようなヘッドを返したスイングが出来たかどうか。言い換えればリュ・フウハオにとって目の前に出てきた投手は、ただSKというチームの抑えに過ぎない。そして投げるボールにキレはない。極論すれば、その程度の投手だったのです。“顔で投げる”という表現がありますが、その顔は、国際大会では通用しないというわけです。とどのつまりは、グランドで見えるもの、感じるものだけでの勝負。それが国際大会の神髄なのではないか。そんなことを感じました。
では最終日の決勝、対西武戦です。西武の先発は湧井。五輪にも出ているから、まったく知らないはずはありません。でも日々戦っている投手ではないから、湧井のボールに対する先入観も少ないはず。もし日本シリーズまでの疲労を抱えてマウンドに登れば、統一打線にとっては「ただフォークの良い投手」だけに映るわけです。そこが勝機でしょうか。あとは投手次第ですが、実際、SK戦で全力を使い切りました。成り行き任せです。序盤に大量失点すれば終わりです。でも、それぞれの投手が“ネンイチ”の投球をするかも知れません。
だから予想は不可能です。もう意味はありません。刮目して一回一回を観る。あとは野球の神様だけが知っていることです。

高津に似ていますが、“男”、リン・ウェイピンです。
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
いよいよ明日、アジアシリーズ決勝戦を迎えます。
2勝1敗で、埼玉西武、SK、統一が並びましたが、失点率で
決勝は「埼玉西武ライオンズ×統一ライオンズ」のライオンズ決戦となりました。
明日の決勝を前に、SKワイバーンズと統一ライオンズの応援席をご紹介。
アジアシリーズでは学生野球のように、内野に応援席を設けてチームに声援をおくってます!国によって応援方法も様々なので、その場にいるだけでも楽しめます!
まずはSK。
SKには、次長課長の河本さん似の応援団長がいて、
室井さんが作成した日本語のボードを持って、片言の日本語で場を盛り上げていました。
チアリーダーのダンスも、どこの国よりもセクスィーで必見です。
続いて統一ライオンズ!
今日のSK戦の応援席には、埼玉西武のユニフォームを着た方や、
阪神タイガーズの林選手のユニフォームを着た方や、統一のものを着た方などが集い
様々な人間模様が垣間見れました。
中でも人気をだったのが統一ライオンズのチアリーダー!
檀上に上がり、踊り始めるとカメラを持った人がわんさか集まりだして・・・。
確かに、あの美貌でヘソ出しルックとくれば、人は集まる、もとい群がりますよね!
明日が彼女達を見られる今年最後のチャンスかもしれませんよ!
頭に虹をつけている、統一のマスコット“OPEN小将”も大人気でした。
いわゆる今流行りのゆるキャラで、遷都くんなんて比じゃありません。
ドアラも油断してられないかも。かも。
早速、ニホンの女の子の心もつかんで、通路で大撮影大会が行われてました!
確かにこのユルさ、たまらないかも(笑)
本家のライオンを模したマスコットも負けじと頑張ってましたよ!
統一のチアとゆるマスコットは、明日も見られます!
是非、この国際的な雰囲気を肌で感じてみてください。
プロモ担
November 15, 2008 2:21 PM / アジアシリーズ
14日の中国・天津戦を15-0のコールドゲームで勝利したSK。ここからは決勝戦を見据えた戦いとなります。
キム・ソングン監督は、天津戦を前に「中国、台湾での試合では、勝ってもピッチャーはあまり使いたくない」とのこと。結果、天津戦では先発、ソン・ウンボム以降、イ・ヨンウク、チョン・ビョンドゥ、キム・ウォンヒョンの各投手が登板し、勝ちパターンの投手を温存することができました。台湾・統一戦でも、先発が予想される、チェ・ビョンヨン投手が序盤をきっちり抑えることが期待されています。チェ・ビョンヨンは昨年の本大会でも統一戦に先発。5回をソロホームランの1点に抑え、勝ち投手になっています。
一方の打線ですが、キム・ソングン監督は「統一は変化球投手が多いので、それに対応していきたい」とのこと。昨年は13-1で勝利しましたが、相手投手の四死球でチャンスを広げたという点もあります。チャンスで一気に攻め込めれば、SKは有利に試合を進められそうです。
また、前回記した、パク・キョンワン捕手ですが、天津戦には出場せず、統一戦には状況により、途中から出場の見込みです。そして、決勝戦に進出した場合は、スタメンマスクが予想されます。
さて、14日の試合前ですが、韓国から大きなニュースが飛び込んできました。それは、北京五輪代表で、ヒーローズのエース左腕、チャン・ウォンサム投手(25歳)がサムソンに金銭プラス1名とトレードになったということ。その金額はなんと30億ウォン!(約2億1000万円。今は円高なので。今までなら3億円)。チャン・ウォンサム投手の今季の年俸は8,000万ウォン(約600万円)。トレードマネーがいかに大きいかがうかがえるでしょう。
このトレードは、ヒーローズが球団維持のために「チャン・ウォンサムを売った」と言えます。かつて同じような形で、球団維持のために大物選手を放出し、結果、チームは衰退、消滅していった過去がある韓国プロ野球。その渦中にいたのが、パク・キョンワン捕手であったり、弱体化した球団・サンバンウルを率いていた、キム・ソングン監督です。「チャン・ウォンサムがサムソンに入ったら、打線の援護などで15勝はできる」とキム・ソングン監督。
「SKの独走許すまじ」というサムソンと、お金が必要なヒーローズの利害が一致したこのトレードですが、今後の球界に不安を与える韓国からのニュースに、東京ドームの韓国関係者は大きな衝撃を受けました。
(文・写真/室井昌也)
1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。
November 15, 2008 2:18 PM / アジアシリーズ
ベタ負けでしたね、西武戦。結果は1対2でしたが、明らかに力負けでした。西武の岸は本来の力からすれば70%くらいの調子。打てても不思議はないキレのボールもありましたが、初対面での対決では、あそこまでが限界でしょうか。
残念なのは前日に本塁打を放ったリュウ・フウハオと3番に入ったチェン・レンフォンが、それぞれ負傷でスタメンから外れたことです。戦力全部がかかって負けたのなら仕方がないですが、台湾シリーズから調子を上げていた二人を欠けば、まあ精一杯だったでしょう。試合後に呂監督は「打順の組み方も間違った」と述べていました。が、それでも多くは望めなかったと思います。とにかく岸の緩急つけた投球に打ちあぐむばかりでしたから。

好投むなし、のパン・ウェイルン
ただ中国の主審は、あれはなかったですね。潘威倫もよく投げました。5安打2失点ですか。上々です。せめて去年のようなミスの連発、雑で無気力さを感じるプレーがなかっただけでも、ヨシとすべきかも知れません。
でも「仕方がない」だけに、後が深刻だと思います。勿論、監督の采配含め、戦術が伴えば戦い方も結果も変わった可能性がありますが、しかし今の統一にそれを求めるのは酷かと思います。第3日は韓国・SK戦です。西武より打線も振れているし、キッチリした野球をするので、より手強い相手です。
どうするのでしょうね。フツーに統一の攻め方でいくのか、一か八かの奇襲でもかけるのか。戦績は一勝一敗。SKに勝てばまだわからないのですからね。見どころはそうした“姿勢”でしょうか。あと先発が間違いないハックマンがどんなピッチングを見せてくれるか……。
と、書いているうちに裏情報が入ってきました。なんと……。ちょっと今の時点では差し障りもあるので書けません。ごめんなさい。
ただ、SK戦にハックマンの登板がなくなったことだけは書いてもいいかな。
統一、ピンチです。

幻と終わったハックマンの登板
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
November 14, 2008 10:38 AM / アジアシリーズ
大会が始まりました。統一の初戦は中国・天津でした。結果は……勝ちました。潘武雄の生涯初というサヨナラスリーランで、です。でも、前日のブログでの“予感”が半分的中しました。負けるかも知れない試合でした。9回まで3対4。二死三塁で、代打は新人の郭俊佑。ところがこの子がレフトへの同点打。さすが統一期待の新人でした。
「クロ(郭俊佑のニックネーム)は初めてのドーム、慣れない人工芝ということで、レフトの守備練習でももたつきがあった。それで控えにした。でも明日の西武戦ではスタメンで使います」とは呂文生監督。SKに敗れ、気を引き締めてくるであろう西武に対して、この新人が再びなにかをしでかすことを期待したいです。対西武の先発はエースの潘威倫です。肩の疲労痛で苦しんだ去年、今年ですが、終盤から回復したとのこと。ビシッと四隅に決められれば、そう連打は喰わない(と期待します)。国際大会の常連でもあるし、きっと良い投球をしてくれる(と期待します)。
聞けば、統一も今年はかなりデータを入手しているとのこと。CPBLから派遣されたスタッフが、韓国シリーズまで偵察陣が出向いたそうです。いきあたりばったり風のゲームをしているような統一としては、意外です(慣れないことはして欲しくないけれど)。
でも、打線は本来の動きにほど遠かったですね。まだ眠っている感じでした。デイゲームということもあったでしょうか(台湾では気候ゆえ、ほぼすべてナイターです)。今日はどうでしょう。起きて欲しいものです。第2試合では西武が韓国・SKに敗れました。某実況アナ氏は「SKと統一の決勝もいいね」とも。そうなったら日本球界も目を覚まし、この大会に取り組む姿勢も変わるでしょうか。ならば、観衆がらがらの決勝となっても、意味があるというものです。眠っているのは、統一だけではないのです。

5回、追撃の本塁打を放ったリュウ・フウハオ。細身ですが、バネの利いたスイングがウリです。
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
November 14, 2008 10:29 AM / アジアシリーズ
毎年、初戦ナイトゲーム日本戦の翌日に、昼12時台の中国戦を迎える韓国。アジアシリーズ2日目の朝は韓国チーム関係者にとって、いつもつらいです。
さて、13日の埼玉西武戦、SKは勝利しました。昨年、中日から勝ち星を挙げていることと、シリーズ終わりで、万全とはいえない西武相手だっただけに、SKナインは「喜びを爆発!」ということはありませんでした。
戦前の注目は「キム・グァンヒョンが投げるのか?」ということでした。試合前、キム・ソングン監督は「韓国シリーズが終わった日に、キム・グァンヒョンにアジアシリーズ初戦の先発を伝えた」ということで、エースの登板は前々から決まっていました。しかし、この数日間で監督を悩ませる事態が起きます。正捕手、パク・キョンワン選手がアキレス腱を痛めたためです。これにより、キム・グァンヒョン投手の起用を、パク・キョンワン回復まで延ばすか?という考えも出てきたようです。
結局、予定通り、キム・グァンヒョンの先発となりましたが、チョン・サンホ捕手とのバッテリーは、いつも通りとはいきませんでした。
パク・キョンワンは自身の状態について、試合前「トレーナーからは台湾戦(15日)からは出られると聞いている。しかし、きょうの試合、できれば途中からでも出ておきたい。西武の打者たちは積極的に打ってくるという印象がある。注意するべき選手は1番打者で二塁手のカタ…タ…(「カタオカ」と教えてあげる)、そうそう片岡。初球から走ってくるし積極的だ。(代わりにマスクをかぶる)チョン・サンホは高校時代を除けば、はじめての国際大会で緊張すると思う。ベンチからサインを出すかどうかは、チョン・サンホがちゃんとやると思うよ」とのことでした。
パク・キョンワンは8回からマスクをかぶり、4番手のイ・スンホ投手の特徴をうまく引き出しました。特にスローボールを効果的に使い、審判の判定も味方にして打者6人から4三振。さすがパク・キョンワンというリードでした。
14日は天津ライオンズ戦。統一相手に接戦をしたそうなので、どんなチームかとても楽しみです。

上記の写真は、SK側応援席でチアリーダーや応援団長が客席に掲げている、選手名や掛け声のボード。日本人向け応援用に、毎年当方にて約40種作成し、球団イベントスタッフに進呈しているものです。
(文・写真/室井昌也)
1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。
November 13, 2008 2:19 PM / アジアシリーズ
SK野手陣ですが、俊足選手と長打力がある選手、両方が揃っています。では、誰がポイントとなるかというと、これがなかなか難しく、チャンスをつかめばどこからでも点が取れる打線です。
足の速い選手では、金メダリスト紹介で記した、セカンドのチョン・グンウ選手。その他には、強肩でもあるキム・ガンミン選手、得点圏打率が3割4分7厘の左打者、パク・チェサン選手、小技の利く、控えでの起用が予想されるチョ・ドンファ選手といった外野手が並びます。
彼らを還すのが中軸の打者たちです。先日紹介した、イ・ジンヨン選手に加え、昨年のアジアシリーズで山井大介投手(中日)からソロアーチを放った、キム・ジェヒョン選手。そして、細身ながらパンチ力のある、チェ・ジョン選手も注目の存在です。チェ・ジョンは打率3割2分8厘でリーグ3位。チームトップの成績です。どのようなカウントでも満遍なく結果を残し、欠点の少ない選手。代表選手に選ばれても遜色ないのですが、いままでは同じくサードの、キム・ドンジュ選手(トゥサン)という大きな存在がいたため、機会が巡ってきませんでした。しかし、キム・ドンジュが北京五輪を最後に代表選手から退く意向を見せ、チェ・ジョンは次のWBCがチャンスとなりそうです。キム・ソングン監督も「頭を下げてでも、チェ・ジョンを代表選手に選んでもらう」というほどで、今回のアジアシリーズでは要チェックです。

ベビーフェースだが、やるときはやる、チェ・ジョン
そして4番を務めるのが、パク・チェホン選手。打点、ホームラン、二塁打の各部門でチームトップの成績を残しました。バッターボックス内側いっぱいに構え、じっくりボールを見極めるタイプなので、投手にとっては投げにくさを感じるかもしれません。かつては3割30本30盗塁を決めたプレーヤー。国際大会でも好成績を残しているのが強みです。

以前は国際試合に強いことから「リトルキューバ」と呼ばれた、パク・チェホン
昨年同様、今年も東京ドームの前日練習でも、各選手気持ち良さそうにサク越えを連発していました。「バッターにとって最高の球場!」なんてイ・ジンヨン選手は笑顔いっぱい。チョン・グンウ選手もロングティーなのに、打球が何度もフェンスを越えていきました。これには福原峰夫コーチも「はぁー、すごいねぇ」と感心しきり。彼らにとって東京ドームは水が合うようです。
心配なのが、正捕手のパク・キョンワン選手が左足アキレス腱を負傷しているということ。これはピッチャーのローテーションにも変化が生じ、「パク・キョンワン選手が初戦には間に合わない、イコール、キム・グァンヒョン投手が決勝戦の先発登板に回る」とも予想されています。
韓国の初戦となる13日の埼玉西武戦は、どんな戦いになるでしょうか。
(文・写真/室井昌也)
1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。
November 13, 2008 10:22 AM / アジアシリーズ
前日の公式練習を見に行きました。午前10時から、わが統一獅隊。見慣れた顔ぶれです。ですが、どこか去年とは違う気がしました。自信というか、落ち着きというか。兄弟との台湾シリーズを勝ってきたためでしょうか。それとも去年に続く2度目の東京ドームだからか。練習態度にも、浮かれた感じがしませんでした。でも統一は期待と予想を裏切るチームです。まだ信用は出来ません。
明日は統一と天津の試合から今シリーズがスタートです。統一の先発は林正豊(リン・ゼンフォン)。今季、5勝3敗だった投手です。ストレートはMAXで146キロくらい。チェンジアップが持ち味の投手です。シーズン5勝の投手ですが、彼がフツーの投球をしたらまず負けることはないでしょう。統一打線がリズムを掴めば、7回コールドもアリです。申し訳ないですが、天津はそのくらいのレベルに映りました。勿論、ともに初対戦ですから、断言は出来ません。統一は、期待と予想を裏切るチームです。

リン・ゼンフォン。温泉帰りではありません。
打線では、郭岱琦(クォ・タイチ)がいい当たりをしていました。シーズン8本塁打の彼ですが、打球は小笠原のようにスタンドイン連発でした。フリー打撃だけなら、30本塁打の打者でした。「ドーム球場は、やっぱり飛びます」。郭だけでなく、多くの打者が口を揃えていました。「ボールも台湾での使用球より飛びます」。劉芙豪(リュ・フウハオ)は、そうも言っていました。心配なのは、みんなが錯覚して本塁打ばかり狙いに行くことですが、統一の面々でも、さすがにそこまでアホではないと信じています。しかし、天津相手だからと「いつでも点が取れる」と甘く見てはいけません。これは、少し心配です。

クォ・タイチ。雰囲気は3割打者です。
それに、本当の敵は西武であり、SKです。ただ勝つのではなく、翌日に繋がるような内容ある勝利を願います。
ただ、天津チーム。彼らも練習から一生懸命さが伝わってきました。初めてのドーム。初めての人工芝。こんな球場で試合をしたことのない彼らには、ただそれだけでも十分にハンデになるはずです。そんな環境で、どんなプレーを見せてくれるか。
この大会は、アジア一を決めると同時に、各国・地域の野球への活性化という目的、意味合いもあります。中国は代表ではなく初めて単独チームでやって来ました。彼らも、中国のリーグ戦で優勝してきたという自負があるはずです。そして、本国では認知もされないマイナーな野球でも、彼らにとっては人生なのです。そんな意地が観たいものです。
当たり前か、不思議なものか。視点を移すだけで、主人公が変わり、垣間見えてくる野球人生もまた、変わります。だからみんな、主役です。だから勝敗より、いい試合を見せて欲しいと思うのです。
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
November 12, 2008 2:34 PM / アジアシリーズ
11日、ベンチ入りメンバーが発表されました。10日の本項目「頂点を目指すSK首脳陣(1)」で「投手交代の際、マウンドには加藤初コーチとともに、パク・チョルヨンコーチが上がる」と記しましたが、今回の通訳登録は戦力分析チーム(スコアラー)のキム・ジョンジュンチーム長なので、キム・ジョンジュンさんが加藤コーチの横にいるかと思います。ちなみにキム・ジョンジュンさんは元選手で、キム・ソングン監督の息子さんです。
さて、SK投手陣ですが、先発投手はキム・グァンヒョン、チェ・ビョンヨン、ケニー・レイボーンの3人。キム・グァンヒョン投手については先日ご紹介したので、他2投手をご紹介します。チェ・ビョンヨン投手は今季10勝2敗。140キロ台前半の直球とスライダー、カーブ、チェンジアップ、時折りナックルを投げる投手です。詰まらせて外野フライが増えると、チェ・ビョンヨンの状態がいい時でしょう。

ナックルを投げるチェ・ビョンヨン
ケニー・レイボーン投手は広島、台湾でもプレーしました。今季は5勝3敗。ストレートの次にチェンジアップをよく投げます。フォアボールが多いですが、走者を置いても動じないのが持ち味です。

昨季は17勝を挙げたレイボーン
そしてSKの得意分野が細かな継投です。左打者に対してはシーズン最多登板タイの85試合に投げ、ホールド王となった左腕、チョン・ウラム投手、セットアッパーは通算806試合登板で歴代1位のサイドスロー、チョ・ウンチョン投手が務めます。そして、抑えには先日ご紹介した、チョン・デヒョン投手が控えます。
その他に、SK球団創設期のエースで、04年には15勝を挙げた左腕、イ・スンホ投手が肩の負傷から復帰。ブルペン陣に厚みが増しました。また、強気の投球とスライダーが武器のユン・ギルヒョン投手、WBC代表で今季シーズン途中にキアから移籍した左腕、速球と荒れ球が特徴のチョン・ビョンドゥ投手など、短期決戦での投手のやりくりは困らなそうです。
キム・ソングン監督は、昨年のアジアシリーズ決勝戦での敗因に「継投ミス」を挙げました。今回は昨年以上に慎重かつ、根拠のある継投をしてくることでしょう。
(文・写真/室井昌也)
1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。
November 12, 2008 10:52 AM / アジアシリーズ
11日、東京ドームホテルでは監督会議の後、記者会見が行われました(ネタが野球好きPとかぶりました・失敬)。

台湾ブログなので、主役は統一・呂文生監督です。
記者たちの焦点は、韓国SKが西武を破るか、と言う点でした。それほど今年の大会は、戦力拮抗。これまでの「日本チームが勝って当然」というようなぬるいムードはないのです。そのためか、各国の記者たちも西武の主力選手の欠場に関心が集まったようです。とくに抑えのグラマン、主軸の中島が不在で、大丈夫なのかと。渡辺監督は「決して手を抜く意味で外したわけではない。戦える状態ではないから、外さざるを得なかった」と強調していました。まあ、勝負は結果がすべてです。勝てば官軍。
ちょっと残念だったのは、台湾・統一の影が薄かったこと。SKの強さは誰もが認めるところですが、じゃ、統一はどうなんだい。SKへのライバル意識、リベンジ意識は前述の通りです。でもこの際、西武まで下して、台風の目となってやれ!
さて。記者会見の後、ちょっとした再会がありました。西武の渡辺監督と、統一の一色優トレーニングコーチです。ふたりは5年くらい前、台湾の中南部の嘉義という街で、リーグは違えど交流があったふたりです。
渡辺監督は投手兼コーチとして年代勇士というチームに在籍。一色コーチは和信鯨隊のトレーナーでした。わずかな時間でしたが、当時のこと、最近のことを語り合ったふたり。それにしても渡辺監督は、台湾時代のことをなつかしく話します。
「だって俺、台湾好きだもん」
一色コーチも、もう台湾暮らしが10年を越えました。渡辺監督は台湾時代の言葉の出来ない中での、決して環境の良いとは言えない中での経験が、今の指導者としての礎となっています。一色コーチはプロの経験こそなく、台湾球界で脚光を浴びない立場ながらも、堅実に選手たちに信頼されるコーチとして生きています。人生いろいろです。野球界は狭いです。それでも、こうした“野球人生”の交錯が垣間見られるのも、アジアシリーズがあったからこそ、です。
今大会では、ゆっくり昔話をする時間も余裕もないですが、選手のガチンコ対決とは別に、こんな再会があったことも、お伝えしたいと思いました。

5年ぶりの再会。ちょっとふたりも、年をとりました。
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
November 11, 2008 12:30 PM / アジアシリーズ
打撃部門を担当するのは伊勢孝夫コーチです。ヤクルト時代、野村監督の下で「ひと目で球種や配球が分かるチャート表を作って欲しい」と言われ、データ分析の鬼となり、その後、幾度もチームの優勝に貢献。その手腕はSKでも発揮されています。
伊勢コーチは「まだ韓国の選手にはID野球の“いろはのい”も伝わってない。せっかく叩き込んだデータを打席に入って忘れてしまっては意味が無い。そしてベンチにいるときも、常に相手投手を観察する眼が必要」と話します。伊勢コーチにとってまだ満足のゆく状況ではないももの、SKの攻めは、相手投手の傾向を素早く見抜き、少ないチャンスをものにする技術に秀でています。アジアシリーズでも西武投手陣を、どう攻略するか見ものです。

試合中もベンチ横で指示をだす、伊勢コーチ
守備担当は福原峰夫コーチ。試合前のグラウンドには、ノックバットを振るう福原コーチの声が響きます。SKは長い時間をかけ、密度の濃い練習をするのが特徴。鍛え上げられた選手たちは、自国リーグで優れた守備力を見せました。しかし福原コーチは「まだ1球に対しての重み、怖さを日本の選手に比べると、わかってないのかもしれない」と語ります。SKナインにとって、2年連続のアジアシリーズという舞台は、それを身をもって感じる最高の教材となりそうです。

いつ見ても男前の福原コーチ
キム・ソングン監督、そして3人の日本人コーチがいることで、日本では「SKは日本式」と伝えられることがありますが、必ずしもそうとは言えません。その辺は日本人コーチの方々も否定します。「日本のよい部分を注入した韓国式」とでもいいましょうか。う〜ん難しいですね。
日本シリーズを制覇した埼玉西武と韓国のSK。この両チームの攻めには似たような点があります。そのひとつが、失敗を恐れない積極的な走塁です。ただこれが、日本らしい攻め方とは言えないでしょう。そもそも、何が日本らしいのか分からなくなってきました。いずれにしても、西武とSKの激突は、面白い戦いになりそうです。
アジアシリーズ開幕までにSKの戦力について記していきたいと思います。
(文・写真/室井昌也)
1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。
November 11, 2008 12:18 PM / アジアシリーズ

いざ日本出撃!
日本シリーズの決着に気を取られている間に、アジアシリーズへの参加国は来日となりました。今日11日には韓国、台湾、中国の3チームは東京に集結なのです。
前日10日には、台湾・統一ライオンズの壮行会が開かれました。場所は台北の華國飯店。統一が台北遠征で使用する、いわば定宿です。小生も泊まったことがあります。ちょっと古いですが、格式あり食事もまずまずのホテルです。ちなみに西武は、こうしたイベントはするのでしょうかね。たぶんないですね。残念です。
でも、渡辺監督はかつて、台湾で投手兼任コーチをしていました。この手の大会には、あるいは原監督より誠実に臨むことでしょう。監督会議で、流ちょうな北京語を操る渡辺監督の姿が想像されます。
さて、統一です。台湾は大会始まって以来、第二回のLanewが2位になったのが最高です。去年はSKに7回コールド負けを食らいました。どうもこの屈辱が、今でも根深くあるようです。「日本には勝てなくても、韓国がSKなら、なんとしても」という気概が強いと聞きます。楽しみです。ただし、戦術面、選手の能力を鑑みて、SKに分があることは否めません。西武相手にもSKなら勝つことも不思議ではないです。
そんなSKに統一が勝てる要素があるとしたら……。ハッキリ言って先発投手次第です。統一のSK戦の先発は、耳にしていますが、ここでは書けません。機密漏洩になります。でも、誰であれ統一対SKは三日目です。順当なら中国・天津に勝利し、翌日の日本戦に誰が投げるか。もし私が監督なら、日本戦は手を抜きます。手を抜くという言葉が不謹慎なら、あえて好投手を先発させません。でもって三日目のSK戦に総動員すべきでしょう。総動員なら一人の投手の投球数も少ないわけで、それで勝って翌日の決勝となっても、負担はそう大きくはないわけです。というか、SKに負けてはそこで終わりです。先発候補を使い切らずに三位決定では、去年と同様に悔いも残ります。呂文生監督は、そこまで考えているでしょうか。わかりません。わからないので、明日、聞いてみることにします。
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
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