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陣内貴美子の気まぐれシャトル便


トマス杯・ユーバー杯記事一覧

先週末は、震災復興支援活動「スポーツで笑顔プロジェクト」で宮城県の女川と石巻へ。どちらも、被害が甚大だったところです。講習会の会場だった女川総合体育館の裏には、仮設住宅が建っていて、そこで生活しながら参加してくれた子たちもいましたし、石巻の会場は石巻工業高校体育館。センバツ高校野球で21世紀枠に選ばれた野球部部員も、朝早くから雪の積もっているグラウンドで元気に練習していました。きっと、3月21日からの甲子園で勇姿を見せてくれるでしょう。
 
震災のときはヘドロにまみれたそうですが、それが除去され、ワックスもかけられた体育館でシャトルを追いながら、少しでも笑顔になってほしい。ただ、ある男子生徒に「家は大丈夫だったの?家族の方は?」とたずねると、「僕の家も、家族も大丈夫でした。でもほかの子には......聞いていないんです」。これには、胸が張り裂けそうな思いでした。「聞いていない」んじゃなくて、相手の傷をえぐるかもしれないから「聞けない」んだ......私も、不用意な言葉づかいは慎まなくては......。
 
見渡せば、手がつけられないがれきが山積で、道路はところどころガタガタだったり、高速道路も波打ち、支援物資を運搬する車両が行き交います。あの日からもうすぐ1年がたちますが、住民の皆さんは、いまだ地震のたびに津波警報に耳を傾けながらの生活。被災地の"災後"は決して終わりはしません。今回の講習会では、実業団・七十七銀行の選手たちが手伝ってくれました。私も、息の長い震災復興支援活動を続けていくつもりです。
 
さて!バドミントンでは、ト杯ユ杯予選で男女とも快挙を成し遂げました。本選出場を決めたのはもちろん、男女とも強敵を破って決勝に進出。そして女子はなんと中国を破り、ト杯ユ杯予選と兼ねて今回創設された、第1回アジアチーム選手権の初代チャンピオンとなったんです。日本協会ではこれを受けて、女子サッカーのなでしこジャパンのような愛称を公募するとか。準決勝でマレーシアを破って準優勝した男子も拍手モノです。
 
そしてこの日曜は、日本リーグの入れ替え戦。女子では、1部最下位の広島ガスと、2部優勝のヨネックスが対戦します。ヨネックスは古巣だし、広ガスの監督はかつてヨネックス男子チームでプレーした宮本幸弘さんだし、どちらにも勝たせたいんですが......。

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石巻の講習会で、記念撮影

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男女のナショナルチームはいま、国別対抗の団体戦・トマス杯、ユーバー杯のアジア予選の真っ最中。男女とも順当にベスト4まで進出し、5月の本選への出場がほぼ確定しました。今日は男子はマレーシアと、女子はタイと準決勝で争います。
 
われわれのころ、両大会は3年に一度の開催でした。しかもまだバドミントンはオリンピック種目ではなかったので、この団体世界一決定戦は、それはそれは重みがあったものです。もちろん、国を背負う責任感も強い。82年(女子のユーバー杯は84年)以降は、2年に一度となり、つまり開催が五輪イヤーと重なっているわけで、これは選手たちにはしんどいでしょうねぇ。五輪レースを争いながら予選を戦い、5月にはト杯ユ杯の本選、さらにオリンピック本番......。どちらにも重きを置かなくてはならず、コンディショニングに神経をすり減らすでしょう。
 
日本の場合、女子は過去に5回のユ杯優勝がありますが、男子にとっては本選出場は分厚い壁でした。84年には、長谷川博幸さんがキャプテンとしてチームを引っ張り、本選出場を決めたんですが、ふだんはマイペースな長谷川さんの目の色を変えた頑張り......この大会の重みを感じさせてくれ、私にもすごくうれしかった記憶があります。
 
ただしそれ以後日本男子は、開催国として出場した90年を除けば、86~02年の8大会は予選突破できていないんです。ただ04年、20年ぶりに念願だった自力予選突破を果たすと、その大会も含め06、08年と3大会続けてベスト8入りするんですから、男子の健闘は目覚ましいですよね。そして10年大会では、79年以来の銅メダルを獲得!いまは、予選は突破して当たり前というほど力をつけています。
 
ト杯ユ杯の本選が開かれるのは、オリンピックレース終了後の5月下旬。五輪とのかけもちで出場する選手は大変でしょうが、ロンドンを占う意味でも、見る側には楽しみな大会になりそうです。

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すごいすごい、日本時間の今朝早く行われたW杯で、日本が!デンマークに勝って、決勝トーナメント進出を決めました!いやあ、今日は寝不足の方が多いでしょうねぇ。W杯は、これからがいよいよクライマックスです。
 
さて今年の上半期、バドミントン界では、いいニュースが続きました。全英オープンでは、若きエース・田児賢一選手が日本男子44年ぶりの決勝進出。そして5月のトマス杯・ユーバー杯(男女国別団体戦)では、男女ともに銅メダルという偉業を達成しました。ちょっと話が古くなりましたが、でも!ことに31年ぶり3位に入賞した男子の活躍は、特筆ものの快挙なんです。
 
ミラクルは、予選グループのマレーシア戦。日本は過去のトマス杯で、マレーシアをはじめ中国・インドネシア・韓国・デンマークの5強に勝ったことは皆無で、試合前、マレーシアの首脳陣は「日本はいいスパーリング相手」となめきっていたほどです。現に、熱狂的な声援を受ける開催国・マレーシアとの対戦は第1シングルス、ダブルスを落として、もうあとがありません。ところがここから、佐々木翔選手、数野健太/早川賢一組が勝利し、勝負は第3シングルスの佐藤翔治選手までもつれました。
 
かつて、世界トップクラスのタウフィック・ヒダヤット、ピーター・ゲードから勝利しているトマス杯男・佐藤選手がやってくれました!03年の全英王者・ハフィズ・ハシム選手と、ファイナルの激闘のすえ、歴史的な勝利をモノにするんです。これでグループを1位通過した日本は、クジ運も味方して準々決勝の相手ドイツを撃破し、メダルを確定させました。私の友人である朴柱奉監督も、「団体戦で勝てたことは、日本全体が強くなったこと」と感無量だったようです。
 
それにしても佐藤選手は、ダブルスとして全日本に選出されており、ふだんはシングルスの練習はしていません。ただ「過去のトマス杯、予選敗退の悔しさを知っているのはショウジだけ。大会の重みを知る彼だから、カギとなるシングルスで起用した」(舛田圭太コーチ)。バドミントンは基本的に個人競技ですが、チーム戦となると、サッカーのように戦略が勝敗を分けるんですね。

なお、13日まで行われていた国内の団体戦・全日本実業団選手権では、男子はトナミ運輸、女子はルネサス SKYが優勝を飾っています。

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拍手拍手!いまマレーシアで開かれているトマス杯&ユーバー杯(世界団体バドミントン選手権)で、日本女子は2004年以来の銅メダル、男子はなんと、1979年以来の銅メダル以上が確定しました。男子は今日、準決勝で強敵・インドネシアと対戦しますが、田児賢一選手ら、若い力が乗っていますから、楽しみです。

さて、ト杯・ユ杯が2年に一度なら、4年に一度のサッカー・ワールドカップ(南アフリカ)まで1カ月を切り、岡田JAPANのメンバーも発表されました! 私、岡田武史監督とは長いおつき合いなんです。82年、ニューデリーで開かれたアジア大会で、サッカー日本代表だった岡田監督。私もその大会に出ており、レスリングの富山英明さんを通じ、マラソンの瀬古利彦さん、柔道の山下泰裕さんらと意気投合しました。皆さん、同年代。それ以来、年に一回の忘年会や新年会に年下の私も呼んでいただくようになり、岡田監督ともそこで初めてお会いしました。日本代表の試合があれば、その会のメンバーで応援に行ったりもするんですよ。

岡田監督、冷静に見えますが実はよくしゃべるし、自分の意志を曲げない情熱家です。2年ほど前に『かねいし』に来たとき、「陣内、夫婦円満のためにはこういう考え方が必要だよ」と、どなたかの詩を見せてくれました。『立派すぎないほうがいい。立派すぎることは長持ちしないことだと気づいているほうがいい。完璧さを求めないほうがいい。完璧さなんて不自然なことだとうそぶいているほうがいい。正しいことをするときは少し控えめにするほうがいい。正しいことをいうときは、相手を傷つけやすいものだと気づいているほうがいい……』というような内容で、なるほどなぁ、と思っていると「コピーして、一枚持っていなよ」。ありがたくコピーさせていただき、以来財布に入れて肌身離さず持っています。

それにしてもサッカーのファンの方って、ちょっと結果が出ないとすぐに「ダメだ、岡田は解任!」などと騒ぐでしょう。最終目標はW杯なんですから、目先のことに一喜一憂しなくてもいいのに……応援するなら、チームを信じて、温かい目で見守るのがふつうじゃないですか?98年のフランスW杯では、予選の途中で急に加茂周さんからバトンを受け、絶体絶命から初出場を勝ち取ったのが岡田監督です。そのときは「岡ちゃん岡ちゃん」と持ち上げた同じ人たちが、今度は「解任」と騒ぐのは、あまりにも節操がない気がするんですけど……。

岡田監督自身も、思うような試合ができなかったり、新聞などで叩かれ、頭に血が上ると、例の詩をとりだして気を静めるのだそうです。そうですよ、周囲の雑音なんか気にせずに、ガンバレ!岡田JAPAN。

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佐藤翔治

5月のユーバー杯では、小椋久美子選手の欠場や、オリンピックレースの疲労もあり、ベスト8入りを逃すという残念な結果に終わりました。その分、というわけではないですが、男子ががんばりましたね。トマス杯で、3大会連続のベスト8進出は、パチパチパチ!です。なかでもアッといわせてくれたのは佐藤翔治選手でした。  

ショウジのおもしろいところは、ふつうは勝てないだろう……という選手に勝ってしまうんです。06年のトマス杯で、アテネ五輪金メダルのタウフィック・ヒダヤットに勝ったのもそうですし、今回は世界ランク10位、デンマークの第一人者であるピーター・ゲードから金星を挙げました。体は大きくないし、パワーもないんですが、とにかく読みがすばらしく、読みがいいから動きが速く、そのうちに相手が「あれっ?」といらだってくる。そうなったらもうショウジのペースで、ホントにおもしろい選手ですね。

「団体戦に強いよね。いつも団体戦のつもりでやったらどう?」

「そうなんすよ、みんなにそういわれるんですが、なんでだろうなあ」

と笑っていましたが、この不思議な強さがオリンピック本番で発揮されたら、期待できますよ。

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女子ダブルスのもう一組は末綱聡子/前田美順。前回のユ杯では、代表に選ばれなからなかなか出番が回ってこず、「出たい、出たい」といっていたものです。「それなら、出られるようにもっと練習しないとね」と励ましたんですが、赤尾亜紀/松田友美を抜き去っての代表はよほど練習を積んだんでしょう。

決してハデではないんですが、勝ちたいという気持が前面に出る泥臭いプレーが持ち味。ネット前が抜群にうまい末綱と、乗ったら爆発力のある前田。どちらも九州出身で、仲のいい姉妹のようなペアですね。前田は熊本中央高校出身。そう、私のかわいい後輩です。

女子シングルスで初出場の廣瀬栄理子は、中国選手も警戒する選手です。小柄ながら足腰が強く、かわすようなタマにもしっかり追いつくんです。しかも、相手のスピードを計算しながら、省エネで動く。決まるはずのコースが決まらないと、もっと厳しいコースを狙うでしょう。すると、ミスをしやすくなる。だから、中国選手が廣瀬をいやがるんです。爆発力はありませんが、ずっと同じペースでプレーできるのが廣瀬の強み。あの体であのスタミナ、相当努力していると思いますね。

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陣内貴美子

北京オリンピックの出場者が決定しましたが、オリンピック前にも、目が離せないビッグイベントがあります。5月11日からインドネシアで行われる、トマス杯/ユーバー杯(男女の国別団体戦・いずれも出場は12カ国)です。2年前の日本開催は、記憶にあるんじゃないですか。日本は男女とも、2月の予選を勝ち抜き、出場を決めました。本大会は、予選リーグで決勝トーナメントのシードを決める方式。注目は、女子ですね。前回、よもやの準々決勝敗退を喫した相手のオランダ、また地元で大きな後押しを得るインドネシアと同じZグループ。ただ順当なら、1位で突破するでしょう。

山場は準々決勝。X組2位との対戦は香港になりそうですが、戦略上韓国が2位通過してくるかも。いずれにしても強敵で、タフな戦いになるはずです。しかしここを抜ければ、次はおそらくマレーシア。予選では勝っていますし、となると81年優勝(ちなみに、陣内はこのときのメンバーです!)以来の決勝進出も見えてくるじゃないですか!

男子はデンマーク、ニュージーランドと同じグループ。デンマークが強いですが、ダブルスを2つ取れば、1位通過もまんざら不可能じゃありません。かりに2位通過でも、決勝トーナメント1回戦はタイとの対戦になりそう。これも、予選で勝っている相手ですから、準々決勝進出の公算は大です。

各国が威信と名誉を賭けて争う団体戦。スーパースターもずらりで、日本チームもオリンピック代表がそろいました。北京の前哨戦としても、目の離せない大会になりそうですね!

(写真キャプション)ト杯・ユ杯の組み合わせを熱心に検討する陣内です

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このブログについて

プロフィール写真【陣内貴美子】
1981年から12年間日本を代表するバドミントン選手として世界を舞台に活躍。とりわけ、91年の全英選手権女子ダブルスでは、バルセロナ五輪優勝の鄭素英(チェン・ソーヤン)/黄恵英(ハン・ヒー・ヤン)組に惜敗したものの接戦を演じるなど、文字通り世界のトッププレーヤーとして、高く評価された。92年、バルセロナ五輪引退後も、全国でのバドミントン講習会・講演会など競技の普及に務めている。

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