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陣内貴美子の気まぐれシャトル便


全英オープン記事一覧

先週のブログで「明日は九州新幹線が開通!」と書いてからわずか数時間後、未曾有の大震災が東日本を襲いました。あれから1週間。復興には時間と、気が遠くなるような労力がかかりそうで、被災者の方々の苦労を思うと、胸が張り裂けそうになります。
 
今はみなさん「生きているだけで幸せだ」と思い、気が張っている状態で、頑張っていられるかもしれない……だけど、日が経つにつれて、これからどうなっていくのか、この生活がいつまで続くのか考えると、その疲労は、想像もつきません。
 
停電や避難生活のなか、災害伝言板やツイッター、メールなど、ネットでの通信が情報収集の一助になったようです。私自身はメール程度しか使わないアナログ人間ですが、やはり心強いツールですね。ただ、切実に情報を求める心につけ込み、人の不安をいたずらにあおるデマを流すなど、正しく使うべき文明を悪用するなんて、言語道断です。
 
震災後のことですが、全英OPでは廣瀬栄理子選手、藤井瑞希/垣岩令佳組が見事に決勝に進出しました。女子単では日本選手32年ぶり、複では私と森久子さん以来20年ぶりの決勝進出でした。残念ながらどちらも、決勝で中国選手に敗れてしまいましたが、廣瀬選手は1ゲーム目は先にゲームポイントを握る大接戦。3人とも被災地の青森山田高校の出身で、

「心配ですけど、自分はここで頑張ることで日本の人に力を与えたい」(廣瀬選手)
 
震災に遭っても高い秩序を保ち、その冷静さと忍耐強さを海外のメディアに賞賛された日本のことです。時間はかかっても、必ず立ち直れると信じます。一人ひとりの力は小さくても、自分たちになにができるかをしっかりと見つめていきたいと思います。

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いやぁ、すごいなあ!ケン坊。第100回の全英OP男子シングルスで、田児賢一選手が、この種目では日本人として44年ぶり、SS制度導入後は初めての決勝進出!残念ながら優勝には届きませんでしたが、リー・チョンウェイとの試合は2ゲームとも21-19と紙一重でした。母・よし子さんはこの大会の女子ダブルスで2回決勝に進出しており、親子での快挙です。思い出しますねぇ。私が現役時代、よし子さんが体育館に連れてきたケン坊のオムツを替えたことを……。

さて……先週アカデミー賞が発表されましたが、私が見てみたいのは作品賞など6冠を受賞した『ハート・ロッカー』です。イラクで爆弾処理にあたる兵士たちの過酷な体験をリアルに描いたもので、爆破までのタイムリミットというスリリングさのなかで、戦争が人間性をどうゆがめるかというテーマを描いたもの。キャスリン・ビグロー監督は、82回のアカデミー賞の歴史で、女性としては初めての監督賞だそうですね。

などとエラそうに書いていますが、実際は、なかなか映画館まで行くチャンスがないんです。夕方のニュース番組を持っていると、昼間はほとんど時間がとれず、夜の試写会にも間に合いません。土日になってもなんだかんだで用事があり、というわけで、映画館で見た直近は『ルーキーズ』……08年なんですよ。平日の夜、TBSラジオのスタッフと六本木ヒルズのシネコンに行ったんですが、あそこはいいですねぇ!たまたますいていたせいもあるんでしょうが、とっても見やすい。事前にネットで予約できるし(IT音痴の私が知らないだけ?)、会員になれば6本見るごとに1本無料らしいです。陣内のオススメですよ。

ただし、館内で販売しているポップコーンのLサイズは、夕食前にはやめておきましょう。なにしろすごい量ですから。もし映画を見てお腹が空いたら……ぜひ『かねいし』でお好み焼きをどうぞ!ヒルズからなら徒歩15分ほどです。

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バースデーケーキ

バースデーケーキをいただきました!

昨年、「現役時代のバースデーはいつもヨーロッパ」という話を書きましたが、46歳の誕生日の今日も、全英オープンの真っ最中!そして今年の全英は、100回記念大会です。これも昨年書いたように、オリンピックや世界選手権が始まるまでは、この全英がもっとも権威ある大会で、選手にとって一番ほしいタイトルでした。

なにしろバドミントンのルールが固まった数年後の1899年にスタートし(戦争による中断あり)、「バドミントンは全英から始まった」とまでいわれているのです。
 
現在はバーミンガムに移っていますが、私の現役時代はロンドン郊外のウェンブレー・アリーナが会場(93年まで)。ダブルスの決勝に進出した91年、スポットライトの当たるセンターコートで、選手紹介されたときも気持ちよさはいまだに忘れません。とにかくセレモニーやパーティーも含め、気品のある大会の雰囲気は別格で、テニスでいえばさしずめウィンブルドンでしょうか。
 
そして、全英という由緒あるトーナメントに初めて出場した選手は、バラをかたどったピンバッジをもらえるんです。それも、1回こっきり。私は高校2年生のときにいただいたわけですが、まだ実家に飾ってありますよ。このしゃれた習慣は、いまも続いているのかなぁ。100回記念だから、行ってみたかった……。現行のシステムではSS12戦のうちのひとつですが、いまの選手にとっても、全英というのは歴史の重みを感じる特別な大会のようですね。今日から準々決勝。日本選手では田児賢一選手、末綱/前田組がベスト8に進出しており、さらに上を期待しましょう!

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全英オープンの話を続けますね。初めて出場したとき、徳田敦子/米倉よし子さんのペアが決勝に進んだんですが、決勝になるとコートが1面になるんです。そして会場のライトが落ちた真っ暗ななかに、センターコートだけスポットライトが当たり、選手たちが入場してくる。ウォーミングアップのときには、各選手の戦歴が英語で延々とアナウンスされるんです。とにかく背すじが震えるような、すばらしく荘厳な演出なんですよ。特別な場所、特別な時間。私は、徳田さんたちの水や荷物を運ぶお手伝いで、そのセンターコートに近づいたんですが、それだけですごく幸せな気分でした。

そして池田信孝監督のとなりに座らされ、セレモニーから試合までを見ているわけですが、池田さんが「これが全英だよ。すごいだろう。オマエもいつかはこのコートに立つんだぞ」と。私は、徳田さんたちはすごいなぁ……と思いながら、「はい、はい」とうなずくだけでした。でも内心「ホントにいつかは、ここに立てるのかなぁ」と、想像もつかなかったものです。

それが実現したのは、10年後の91年でした。森久子さんと組んで、決勝まで進出したんですよ。試合前、私の戦歴がアナウンスされるのを聞きながら感じたあの心地よさ!

これかぁ、これが全英かぁ……できることなら、ずっとそのままでいたかったくらいでした。そのときは、翌年のバルセロナ五輪で金メダルを取る鄭素英/黄恵英というペアに敗れてしまいましたが、いつか日本の選手が、ふたたびセンターコートに立つ日を期待したいですね。

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昨日誕生日を迎えた陣内は、45歳になりましたぁ!現役時代、誕生日というとたいがいヨーロッパで迎えたものです。この時期、全英オープンを中心とした2~3週間の海外遠征がありましたから。

世界選手権やオリンピックのなかった当時、全英オープンは格式、グレードとも世界最高峰の大会でした。私が初めて出たのが、高校2年のとき。思い出すなぁ、事前にイギリスに乗り込んだんですが、全英の前にオランダでジュニアの大会が開かれていたんですね。で、当時の池田信孝監督が「行ってこい」。行きましたよ~、高校の先輩である高峯和子さんとたった2人で。もう、心細いったらありません。頼りは、身振り手振りと片言の英語です。

それでも私は、そのジュニアの大会で、単複どちらも優勝したんですよ。おまけに、イギリスの選手と組んでミックスまで。もう、インターハイなみの試合数でした。さすがにミックスは、決勝で足がつって棄権しましたが、オランダからまたイギリスに戻り、優勝を報告したら、ずいぶんほめても らった記憶があります。でもうら若き乙女が、右も左もわからない海外に2人で放り出されても、なんとかなるものですね。あれ以来、ずいぶん図太くなりました。

ともあれ、100年以上の歴史を持つ由緒正しい全英オープン。日本勢は、オグシオもスエマエも出場しませんでしたが、佐々木翔選手が男子シングルスでベスト8と活躍してくれました。いまは当時と体育館が変わっていますが、選手たちが特別な思いを抱くのは変わらないようです。

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このブログについて

プロフィール写真【陣内貴美子】
1981年から12年間日本を代表するバドミントン選手として世界を舞台に活躍。とりわけ、91年の全英選手権女子ダブルスでは、バルセロナ五輪優勝の鄭素英(チェン・ソーヤン)/黄恵英(ハン・ヒー・ヤン)組に惜敗したものの接戦を演じるなど、文字通り世界のトッププレーヤーとして、高く評価された。92年、バルセロナ五輪引退後も、全国でのバドミントン講習会・講演会など競技の普及に務めている。

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